リリカルなのはサーガ   作:DFGNEXT

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ハイパーフルボッコタイム
まぁ、パル転とそこまで大きく変わったわけでもありません。

せいぜいディスティンとパルキアがいなくなり、
代わりにシグナムがファントムフェニックスを放ったことくらいかなぁ(ヲイ)

それではどうぞ!!


SAGA 34「輝けるものたちへ」

 

 

 

 

闇の書の防衛プログラムだったものは二つの光の塊へと分かれていた。

一つはどす黒い・・・そして苦々しくどこか悲しい闇のヒカリ・・・

もう一つは光はとても明るく優しく人々を包む白き光・・・

 

そんな二つの存在が輝く中、彼女達は再び現世へと現出する。

 

近くに感じる家族達にはやては微笑み、

書の表紙の中央に設えられた剣をモチーフにした十字の紋章を手に取り、

包み込み、胸に抱き、祈りを捧げるように目を瞑り呟いた。

 

「おいで、私の騎士達」

 

何もないはずの光の雲霧の中に、朱、緑、青の光の粒子が出現し、

それぞれの粒子の下側にそれぞれの色の光を放つ魔法陣が土台のように出現した。

 

そしてそこに立つは彼女の守護騎士たち・・・

 

『我ら、夜天の主の下に集いし騎士』

 

『主ある限り、我らの魂尽きる事なし』

 

『この身に命ある限り、我らは御身の下にあり』

 

『我らが主、夜天の王、八神はやての名の下に』

 

そして、守護騎士達が口上を終えるのと同時に、純白の球体が砕け散る。

 

「夜天の書よ、私に杖と甲冑を・・・。祝福の風『リインフォース』セェットアップ!!」

 

はやての手の中に剣十字が舞い降り、続き服が現出し、髪は銀に、

目は紺碧へと変わりし、背中に三対の黒い翼が展開される。

 

守護騎士達は、はやてが無事であることを確認し涙を流す。

そんな自分の騎士達に、はやてはただただ優しく言う。

 

「おかえり、みんな」

 

その言葉を聞いてヴィータがはやてに泣きながら抱き着く。

そんなヴィータをはやては優しく抱きしめてあげる。

その光景を、残りの騎士達も穏やかな眼で見守っていた。

そして・・・・・・

 

 

「おかえりはやてちゃん」

「「おかえり、はやて」」

「「おかえり」」

「おかえりなさい」

 

各人言い方に差異はあるものの、皆がはやての帰りを祝福した。

その時、はやての後ろに何かが転送された。

厳密には物ではなく人だった。

 

「遅れてすまない。ようやく転送できるようになったんだ」

「構わへんよ。今から一緒に戦おう」

 

氷の杖『デュランダル』を構えるクロノ・ハラオウン・・・

役者はここに集った。そして始まる・・・

 

長久のときを経て・・・闇の書の闇との最終決戦

 

深い闇の塊がアクアボリスの海・・・もはや結界すら完全破壊され、

表面が露出している海の上に佇む中で皆はここに集う。

 

「すまなかった。管理局員として何もできなくて・・・」

「構わないよ。ユーノくんをよろしく」

「あぁ、こいつも・・・もうフェレットモドキとからかえないな・・・」

 

クロノは苦笑いしながら、ユーノを転送魔法にかける。

医療班は現地には直接来ることはできない。だからこちらから送りつけたのだ。

ユーノはまず問題ないだろう・・・ユーノが抜けるのは痛いが、仕方がない。

彼は良くやってくれた。だからもう揶揄(からか)い難いのだ。

 

「さて、私情はここまでにしておいて・・・エイミィ時間は?」

『後数分で暴走が始まるよ。皆気をつけて!』

 

クロノが通信を開いて聞くと、エイミィがそう伝えた。

時間もあまり残されていない。そう感じながらクロノは皆に指示を出す。

 

「わかった。では作戦を説明する。

 大部分は理解してもらっていると思うが、今回やることは大まかに三つだ・・・

 一つは暴走する防衛プログラムを守る外壁を破壊すること。

 外壁は物理、魔力個別に耐性があり、順番に攻撃する必要がある。

 本来はなのはにも参加してもらいたかったが、あれだけのことがあったんだ。

 今回、君はサポートを頼む。かわりにフェイトの仕事が増えるが・・・」

 

「うん、構わないよ」

 

「私も平気、まだまだ魔力は有り余っているから」

 

なのはは無茶をする気はないので素直に頷く。

フェイトは左腕をグッと握りながら了承した。

 

「よし、攻撃の順番はフェイト、ヴィータ、シグナム、フェイトだ。

 それぞれ魔力、物理、魔力、物理だ。頼むぞ」

「あぁ、わかった」

「了解した」

 

二人の騎士は頷く。

 

「アルフとザフィーラはなのはと一緒に援護に回ってくれ」

「「「わかった」」」

 

「これが第一の作戦だ。第二は防衛プログラムの外部フレームの破壊」

 

「私とクロノくんで動きを止めて、そこに私達の最大の攻撃を打ち込む」

 

「ただ予想よりも本体のフレームが強力そうだ・・・

 最悪二発目を撃ってもらうことになるかもしれない・・・」

 

「そこは了解したよ。なのは、援護よろしくね」

「うん、わかったよ。まかせて!ユーノくんの分も頑張るよ」

 

フェイトの言葉になのはは拳を握りしめ、そう言い返した。

自分のために力を尽くしてくれたユーノのためにも頑張らなければならない。

 

「そして最後はシャマルがリンカーコアを露出させ、

 アルフの援護の元、上空待機するアースラの目の前まで転送。

 アースラに装備したアルカンシェルでコアを消滅させる・・・」

 

それが理想・・・だが、実現できなければ皆は明日の光は拝めない。

 

「ではこれより作戦を開始する。皆・・・頼んだぞ」

 

「「「「「了解!!」」」」」

 

クロノの言葉とともに全員がそう宣言する。最終決戦・・・その幕開けだった。

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

やがて暴走を始めた闇の書はその闇を食い破りアクアボリスに現出する。

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ッ!!」

 

その姿は禍々しく、シグナムたちが今まで蒐集してきた

生命体の集合体のような見た目をしていた。

 

その言葉に表せない不快な泣き声がアクアボリスの大気を震わせ、

一面に広がる海を揺らしていた。凄まじい魔力だった。

 

擬似生体部品で構築された柔軟な体と、脚部や胸部の外皮を覆う硬質装甲の肉体は

まるで滅亡をたくらむ邪神のように――海上に禍々しく佇んでいた。

その姿を見て、夜天の魔導書の主はやては言う・・・

 

「夜天の魔導書を呪われた闇の書と呼ばせたプログラム・・・闇の書の、闇」

 

その言葉を合図になのはとアルフは魔法を発動する。

 

「チェーンバインド!!」

「ディバインシューター・アクセルブースト!!」

《All right. My master》

 

チェーンバインドは闇の書の闇から出ている触手を縛り、そして粉砕する。

そしてディバインシューター・アクセルブーストはレイジングハートによって

加速された魔力弾。出現した触手を手当たり次第にぶち抜き破壊する。

 

「縛れ、鋼の軛!!」

 

さらにザフィーラの使用する拘束魔法が新たに出現した触手たちを薙ぎ払った。

末端部分とはいえ、一度に破壊されたため闇の書の闇は悲鳴声を上げる。

 

「それじゃあ、フェイトちゃん!ヴィータちゃん!」

 

シャマルの合図と共にフェイトが魔法陣を展開し、魔力を開放する。

 

「フェイト・テスタロッサとバルディッシュ・アサルト!行きますっ!」

 

加速・増幅用の環状魔法陣が複数生成されて、

展開されていた魔法陣が、更に輝きを帯びる。

そしてカートリッジ4発をロードした。

 

「撃ち抜け、轟雷!プラズマ・・・スマッシャーッ!!」

 

フェイトの目の前に自身の身長を越える大きさの巨大な光球が展開。

そして左手でそれを押し出して、雷撃を帯びた砲撃を放つ。

 

それは砲撃を撃たせまいとする防衛プログラムによる攻撃ごと砲撃で蹴散らす。

 

さらに巨大な環状魔法陣が光球の周囲を囲み、更に魔力を加速させる。

そして放たれた砲撃が、バリアに突き刺さる。

 

「トドメのぉお・・・シューーーーーートッッッ!」

 

そしてとどめの砲撃の中心に最大級の魔力をもって放たれた砲撃は、

圧倒的な魔力量をもって防衛プログラムのバリアを対消滅させた。

 

「鉄鎚の騎士ヴィータと、鉄の伯爵グラーフアイゼン!」

《Gigantform.》

 

宣言とともにカートリッジが三発ロードされる。

 

それは鉄槌の騎士。最大威力の物理攻撃。

巨大な・・・巨大な大槌となったグラーフアイゼンがヴィータの頭上へと上げられる。

そしてその大きさ似合わない小さな主がそれを振り下ろす。

 

「轟天、爆砕!ギガント・・・シュラーーーークッッッッ!」

 

致命的なまでの質量と破壊力は圧倒的な物理的強度を持つ

闇の書の第二層バリアを粉々に叩き割った。

 

 

「次、シグナム!」

 

その言葉に高密度の魔力を帯びたシグナムが閉じていた目を開ける。

 

「・・・剣の騎士、シグナムが魂。炎の魔剣、レヴァンティン

 刃と連結刃に続く、もう一つの姿・・・」

《Bogenform!》

 

鞘から抜き放った剣の柄を鞘に連結させ、形を変質させる。

その形は弓・・・刃と連結刃に続くもう一つの姿・・・

 

シグナム魔力で出来た弦を引き、形成された矢を構える。

カートリッジ2発をロードし、鏃に魔力が集束する。

 

末端から炎を噴出し、まるで翼を広げたようなその姿は

隼というよりは、まさに不死鳥と言うべきものだった。

 

「翔けよ、隼ぁっ!」

《Sturmfalken!》

 

音速を越える隼の刃はやがて炎を纏いし不死鳥となる。

燃え滾る不死鳥はアクアボリスの大気を揺るがし、真下の海を蒸発させる。

 

放たれた貫通力に優れた一撃は四層目のバリアに大きな風穴を開け、

爆炎と衝撃波で第四層の魔力障壁を粉々に粉砕した。

 

 

 

「次、もう一度フェイトちゃん!」

「はい、フェイト・テスタロッサとバルディッシュ・ザンバー、行きます!」

 

その声にフェイトが、身の丈の倍ある雷の大剣を構え答える。

バルディッシュ・アサルトのフルドライブ形態、ザンバーフォームだ。

カートリッジを2発ロードして剣を一度大きく振るい、

物理的破壊力を持つ衝撃波が途中の触手や砲台を斬り飛ばす。

 

天空へとその刀身を向けると、その身を雷が纏う。

 

「撃ちぬけぇええ!!雷ッ神ッ!!!!!」

《Jet Zamber.》

 

黄金の光を放つ雷の剣がバリアを真っ二つに切り裂き、その下の本体までを叩き切った。

再生できるとはいえ、体を切り裂かれて闇の書の闇は叫び声を上げた。

 

そして闇の書の闇は大技を使用したその隙を突こうと

海面から触手状の魔力砲台を浮かび上がらせる。

しかし、その攻撃はザフィーラとなのはによって防がれる。

 

「盾の守護獣ザフィーラ、砲撃など、打たせんっ!!」

「ディバインシューター・フルドライブッ!」

 

鋼の軛が全ての砲台を貫き、爆破させ、

なのはの回転するディバインシューターが闇の書の体ごと、

触手を発生させていた部分を抉り取った。なのはのちょっとした復讐である。

 

「はやてちゃんっ!」

「彼方より来たれ、宿り木の枝・・・」

 

闇の書・・・いや夜天の魔導書の項が開かれる。杖を掲げ、詠昌に入るはやて。

6本もの輝き照らす光の槍が闇の書の闇に向けて穂先を合わせる。

 

「銀月の槍となりて、撃ち貫け!石化の槍、ミストルティンッ!」

 

バルドルを死に至らしめたアイテムとして名高い枝『ミストルティン』

その名を模した槍が次々と刺さり、刺さった場所から全体が一気に石化していく。

 

むやみに動かそうとした闇の書の闇の体は崩壊。

ミストルティンで石になった場所が次々と崩れ落ちていく・・・

そして、それを補うかのように中から再生が始まっていく。

 

触手がうねうねと石化した部分を払いのけながら、

まるでメタリックな恐竜のような怪物の頭部のようなものが現れる。

 

「「「うわぁ・・・」」」

「あ、アウト・・・アウトや・・・」

 

その蠢く体は確かに見た目は気持ち悪い。

とっとと早めに処理したいとなのはは考えてしまう。

なのははクロノを急かすことにする。

 

「クロノくん!」

「わかったなのは。行くぞ・・・デュランダル!」

《OK.BOSS》

 

既に術式の準備を進めているクロノ。

その手に構える氷の杖『デュランダル』に変換した魔力を送り込む。

そしてその魔力はデュランダル自身によってさらに強化され放出された。

 

「永久なる凍土、凍てつく棺の内に永遠の眠りを与えよ・・・」

 

闇を中心に海が固まりはじめる。

すでに暴走している闇の書の闇を完全封印はできないものの

アクアボリスの海を凍らせることは簡単だった。

 

そしてデュランダルから4機の浮遊ユニットが闇の書の闇の周囲に展開する。

 

「凍てつけっ!」

《Eternal Coffin.》

 

本体の杖から凍結魔力粒子の放射による反応冷凍弾を発射。

その魔力弾の着弾点を中心に巨大な氷柱が出現する。

 

そして溢れた凍結魔力を反射させることで冷凍効果をさらに倍増させる。

 

完全凍結は無理だったものの。その威力は確実に闇の書の闇の動きを止めた。

やがて氷柱が砕け散り、すぐに中核部分は凍結中に再生されてしまったが、

フェイト達の攻撃が照射されるまでその活動をほぼ押さえ込むという任務は果たす。

 

 

「もう一度行くよ。バルディッシュ!」

《Phalanx Shift》

 

フェイトの横一面に数え切れないほどのフォトンランサーが並んだ。

 

「フォトンランサー、ファランクスシフト・・・打ち砕けッ!ファイアッッ!!」

 

 

「ごめんな・・・・・・お休みな・・・闇を貫け、氷結の槍!ブリュ―ナク!!!」

 

悲しげに目を伏せたはやてが、決意を篭めて目を開く。

悲劇を起こすつもりは本来の防衛プログラムにはなかったはずだ・・・

だから、親友を利用されたとはいえ、はやてはやりきれない思いもあった。

だが、彼女はそれを振り切り・・・彼女達はそれを振り切り魔力を込める。

 

もう誰も傷つけさせない・・・ここで終わらせる!!

 

そして、二人が一斉にデバイスを振りかぶる。

 

大量の魔力弾が動きを止めた闇へと突き刺さる。

魔力弾はその莫大な数と威力で、闇の書の闇の外殻を破壊する・・・

しかし、外殻が破壊されただけ、まだコアを露出させることができなかった。

 

「これでも・・・駄目なのか・・・」

 

【おそらく666項・・・・・・

 完全に蒐集されている中でテスタロッサと高町の魔力を蒐集したために

 エネルギーがオーバーフローし、それが強固なバリアとなっているのだろう。

 このままでは再び再生されてきりがなくなる・・・】

 

クロノの言葉にはやてとユニゾンしているリインフォースが補足説明をする。

いまや、防衛プログラムは並みの攻撃を受け付けない状態だった。

 

その様子を見て、なのはは一人思う。

 

(・・・ジュエルシードの力を使えば・・・もしかしたら・・・だけど・・・それは)

 

―そのときはお前の心が完全に砕け散る。いいのか?

 

自らの問いに答える声、それが示すのはなのはの心の崩壊。

 

シリアル5の意思が封印されているなかでの

ジュエルシード使用は今のなのはには自殺行為だ。

 

魔力をコントロールしきれなかった場合。

リンカーコアに直接大きなダメージを受けるだけではない。

 

大きな魔力のオーバーフローにより、なのはの心に莫大なダメージが加わる。

自らの心が壊れることはほぼ確実と言えるのだ。

 

だが、なのはは決意する。

 

(どちらにしろこのままじゃ皆死ぬ!だったら・・・可能性に賭ける!!)

 

あきらめない。約束を少しでも守りぬける可能性があるほうを・・・

なのはは初めて『無茶』をすることにしたのだ。

そしてなのははとんでもないことを言い出した。

 

 

「皆! もう一発、大きいの撃つよ!! 私も含めて!」

「「えぇええええ!!??」」

 

先ほど撃ったばかりの二人はなのはのその台詞に驚く、

一応、まだ二人とも与力はあり撃てる事には撃てる。

しかし、心が一度崩壊したなのはが戦うというのは驚くほかない。

 

ただでさえこの数か月間寝たきりの生活をしていたのだ。

二人はなのはにそんな無茶なことをさせたくなかったが、彼女は引かなかった。

 

「大丈夫なのか?」

「大丈夫、これがラスト。最後は皆で笑わないとね」

 

なのははそう言いながらレイジングハートを構えなおす。

レイジングハートは主の真意を悟り、残されたカートリッジをすべて使用する。

 

「ブラスタァアアアアアアアアアア スリィイイイイイイイイイイイイイイ!!!」

 

一度決意した。だから彼女は加減しない。

たとえ心が砕け散り、生命の炎が燃え尽きようともだ。

レイジングハートには悪いとも思ってはいたが、なのははもう一度平和な空を飛びたい。

 

心がなくなっても皆との絆は変わらないから・・・終わらないから、

皆を助けるために力のすべてを、なのはは出し切る!!

 

ジュエルシードの力を解放する・・・たとえこの身が砕け散ろうと・・・

 

放つべきは・・・なのはの持つべき究極の技。

魔法操作、魔力散布に次ぐもう一つの切り札の集大成!!

 

 

「・・・そうだね・・・ここで諦める訳にはいかない!」

 

フェイトはそう言ってバルディッシュにカートリッジをロードさせる。

今回持ってきた分、すべてを・・・なのはの決意のために使い切る。

 

ちょっとでも間違えれば暴発しそうな魔力を的確にフェイトはコントロールする。

 

その時、バルディッシュの中に搭載されたJSエンジンがエネルギーを発した。

 

生真面目なフェイトはJSという単語を聞いて、

作り上げたジェイル・スカリエッティのイニシャルだと思っていた。

 

しかし、その真の正体は彼が暇つぶしになのはの体に取り込まれた

ジュエルシードを解析、魔力炉としての機能のみを残した複製品だったのだ。

 

JSとはジュエルシード・・・JSエンジンの力。

それは持ち主の願いを糧にエネルギーを出す超進化動力体!

 

フェイトのカートリッジフルロードと彼女の願いに反応、

そして、なのはの本物のジュエルシードと共鳴することによって起動したのだ。

JSエンジンから膨大な魔力がバルディッシュ、そしてフェイトを覆っていった。

 

「今度こそ、皆で笑うんだ・・・そして私は未来へと進む!!

 雷光・・・一閃! プラズマザンバー・・・!」

 

フェイトは高速で儀式魔法を展開。雷を発生させ、

そのエネルギーをザンバーフォームの刀身に蓄積させる。

 

バルディッシュ・ザンバーの刀身に雷のエネルギーが溜まっていく・・・

煌めく未来へと突き進むためのの一撃を放つための・・・力が・・・

 

 

『主はやて』

「うん、わかっとるよ、リインフォース・・・もうこれは私だけの問題やない・・・

 世界の人々を守るために・・・絶対に負けられない戦いなんや・・・!」

 

今度こそ、この血塗られた運命に決着をつける。

はやては自らの杖に自らが持ちうるすべての魔力を込める!!

 

リインフォースと二人で一緒に彼女は杖を振るった。

 

「響けっ」

『終焉の笛!!』

 

 

『「ラグナロクッ!!!!!」』

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

「・・・ありがとうレイジングハート・・・こんなことに付き合ってもらって」

《いえ、私はマスターとともにあります。マスターの願いは私の願いでもあります》

 

レイジングハートはマスターであるなのはの心・・・

いや、失敗すれば自らもしにかねない賭けに乗ってくれた。

 

なのははその期待を裏切るわけには行かないと気を引き締める。

 

「・・・そう。それじゃあ、やろう!!レイジングハート!!」

《All right my master.》

 

ブラスターモードによって高まったなのは自身の魔力・・・

しかし周りに散らばっている魔力だけではまだ倒すには足りない。

なのはは覚悟を決めて、なのは最強の技をさらに越えた究極技の準備を始める。

 

この『アクアボリス』がある世界全体・・・

そこに存在する残存魔力すら、なのはは貪欲に集束し始める。

 

「いくよ・・・レイジングハートッ!!!」

 

《COSMIC STAR LIGHT BREAKER!!》

 

「・・・集いし星の輝きが、新たな奇跡を照らし出す

 荒ぶる魂を昇華させ、未来に向かって突き進めッ!!!!!」

 

それは詠唱・・・なのはが奏でた詠唱により、

魔力はさらに集束を始める。集まった魔力が様々な色を持っているため

虹色の中に銀色に光る魔力光という光の球体を作り上げていた。

 

脈打つその光は、集束し大きくなってはなのはによってサイズを小さくされ、

また大きくなっては小さくされ・・・と着実に圧縮される。

 

爆発寸前まで圧縮された魔力はやがて

なのはの身長の三倍になろうかというほど大きくなっていた。

 

そして魔力の完全集束を完了したなのはは叫ぶ!

 

「コズミックゥ!!スタァアライトォオオオオオオ!!!」

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

三人の魔導師は自らの最高の力を持って、今それを放った!!!!

 

「「「ブレイカァアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」」」

 

三人のエース級魔導師による超巨大砲撃は、

闇の書の闇の残された内部フレームに直撃。

 

空間を湾曲させようというその魔力は大爆発を起こし、

さきほどのはやてとフェイトの大多数の魔力弾の連打ですら

外部しか破壊できなかった闇の書の闇の外装フレームを

その圧倒的エネルギーで一気に削り落とした。

 

しかし、それでも闇の書のリンカーコアは破壊できない。

だが、それでも構わない。トドメは彼女に任せた。

 

パリン――――――

 

その時、なのはは壊れてしまってはいけない何かが壊れる音を感じた。

 

(く・・・砕けた・・・。わたしの中で何かが砕けた・・・決定的な・・・何かが・・・)

 

そう思いながら・・・なのははその意識を手放した・・・

 

 

 

 

 

「本体コア露出・・・捕まえ、たっ!」

 

闇の書の闇の殻が破壊されたことにより、コアが露出。

再生するより先にシャマルがそのコアを捕獲することに成功する

 

「長距離転送!」

「目標、軌道上っ!」

 

アルフと協力して長距離転送を行う。

緑と燈色の魔法陣がコアを挟むように展開され、

逃走を阻むと同時に強制転送魔法を発動させた。

 

「「転送っっ!」」

 

残骸と化していた闇の書の闇を巻き込み、光の道をコアが高速で駆け上がって行った。

 

 

「コアの転送、来ます!」

「転送されながら、生体部品を修復中!凄い早さです!」

 

「アルカンシェル、バレル展開!」

 

使用認証を即効で終わらせ認証すると、

アースラの前方に直径数十mにもなる環状魔法陣が展開されていく。

 

撃ち出される弾体自体に攻撃力はほとんどないが、

着弾後一定時間の経過によって発生する空間歪曲と反応消滅で対象を殲滅する魔導砲・・・

 

それが『アルカンシェル』

 

「ファイアリングロックシステム、オープン。

 命中確認後、反応前に安全距離まで退避します。準備を!」

「「了解っ!」」

 

リンディは目の前の球体についた鍵穴に真紅の鍵を差し込む。

 

そして、その緑色だった球体は赤く染まり、

アルカンシェル発射のための最終確認装置が解除された。

 

強制転送魔法によって闇の書の闇がアースラの前方に姿を現す。

 

うじゃうじゃと職種を出しながら再生している闇の書の闇。

眼前にそれを見るリンディの心境は複雑だった。

 

しかしリンディは単なる夫の復讐のためではなく、管理局提督としてこれを放つ

グレアムの、リーゼ姉妹の、クロノの、はやての、・・・そしてなのはの思いも込めて

 

「アルカンシェル、発射っ!」

 

最後の鍵が捻られる。

 

一筋の閃光が本体コアを正確に貫く。一拍遅れて巨大な空間歪曲が発生。

その効果範囲は発動地点を中心に百数十キロに及び爆発、四散した。

 

数百年にわたって災厄を撒き散らした闇の書・・・

いま、それは完全に消滅した。

 

 

「効果空間内の物体、完全消滅。再生反応、ありませんっ!」

「・・・準警戒体制を維持。もうしばらく反応空域を観測します」

「了解っ!・・・という訳で、現場の皆お疲れ様でしたっ!

 状況、無事に終了しました!」

 

エイミィのそんな喜びの声が、アースラと現場に響き渡った――

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

「「良かったぁ・・・・・・」」

 

極度の緊張状態から解放されて、力を抜く二人。

そして現実をもう一度認識した後、二人で向き合い。

そしてお互いの手を当ててハイタッチをした。

 

やく数ヶ月かけてずっとやってきたことが、たった今報われたのだ。

周りでは守護騎士も含めて勝利を祝っていた。

 

だが、そのときはやては気づく。なのはだけが全く反応していないことを

 

「なのはちゃん?」

 

はやてが呼びかけるが、返事はなかった。

そして突如ふらりとなのはの体がぐらつく。

 

「!!なのは(ちゃん)!!!」

 

倒れこんで落下しようとしていたなのははフェイトとはやてに支えられる。

 

「艦長!!至急医療班を!!」

「なのは!!」

 

体を揺らされても、なのはに反応はない・・・

だが、それだけならばまだ良かったのだ・・・

 

パリーンッ・・・

 

何かが割れるような・・・甲高い不快な音がその場に響く

それは彼女の最愛の相棒・・・

 

「レイジングハート・・・!?」

 

最高の相棒レイジングハートがその役目を終えたように・・・

その体すべてが粉々に砕け散った音だった・・・

 

そして・・・アクアボリスに響いた一陣の風が・・・

その破片を塵のように空へと飛ばしていった・・・

 

この日・・・二つの心はこの世から消え去った・・・

 

 

 

 

 

 




 
パル転と違いコアまで完全に風化したレイジングハート・・・
果たして無事なのか!?・・・まぁ、主人公機だし・・・

今回はフェイトさんが頑張りすぎちゃったかな?
まぁ、今後出番はなくなるのでこれが最後の輝きかも・・・

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