リリカルなのはサーガ   作:DFGNEXT

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フェイト編最終回です。
予想以上に長くなったのは、まず間違いなくフェイトさんのキャラ改変のせい。

なのはの場合、闇の欠片戦を減らせた分プロローグを含めて一話で終われましたし、
はやて編は大体、原作BoAと同じなので一話で終われそうです。

でもフェイトの場合、シュテルとGODで何故か会っている事になっていた
レヴィさんとの出会いを入れたかったので、
どうしても長く・・・そして高速戦を文章で表現するとどうしても薄くなるなぁw

さて、長話になってもどうかと思うので、フェイト編最終回!どうぞ!!



SAGA 41「疾風の領域」

 

 

眩い閃光で、空間を包みながら彼女は新たな姿を見せた。

 

 

 

 

「これが私の全力全開!アクセルソニックフォームッ!!!」

 

 

アクセルソニックフォーム・・・

 

それは、フェイトがなのはとの再戦のためにソニックフォームを再構成したバリアジャケット

 

ソニックフォームは防御を最小限に抑えることで、そのリソースをすべて速度にまわしたものだ。

 

だが、アクセルソニックフォームには"防御の概念"自体がない。

バリアジャケットは胸と腰から下のみを覆うだけで押さえ、お腹は丸出し。

さらにソニックフォーム時にはあった腕の装甲も「ない」。

 

また髪を縛るリボンも一本のポニーテールにすることで一つに減らしている。

そんなリボン一本分の防御リソースすら速度などにまわしているのだ。

 

結果的にアクセルソニックフォームの持つ防御力は

自身の速度による反動をぎりぎり防ぐレベルしかない。

そのため、下手に攻撃を喰らうとフェイト本人は一撃で死にかねない。

 

それでも、圧倒的な速度を求めたのがこのフォーム。

その速度はソニックフォーム時の3000倍の速度であり、

あらゆる動作を通常の2800倍の速度で行う事が可能となる。

 

また、腕のソニックセイルはより肥大化し、姿勢制御や高速推進用のバーニアとしての役割を持つ。

 

これぞ速さにすべてを注いだフェイトの究極最終形態だが、一つだけ難点がある。

 

この形態はJSエンジンから提供される莫大な魔力を元に構築しているのだが、

このエンジンが相変わらずの『駄々っ子』で、カートリッジで起動には成功しても長持ちしない。

さらに、もともと防御性能をかなぐり捨てているアクセルソニックフォームの稼動限界時間は・・・

 

「バルディッシュ・・・残り時間は・・・?」

《・・・12 seconds remaining》

 

十二秒・・・たったそれだけしかこの形態を維持できない。

だが構わない。・・・それだけあれば十分だった。

 

目の前の少女を助けるためには・・・それだけあれば!!

 

「いくよ、バルディッシュ!!!」

《Yes,sir》

 

瞬間、レヴィの目の前から・・・フェイトテスタロッサの姿が跡形もなく消えた。

 

「!!!!???」

 

レヴィは急いで周りを見渡すが、どこにもフェイトは見えない。

闇の力で存在を探ろうとしても、捕捉できない。

 

それほどの速さ。それほどの領域!

常人どころか、高速戦を行える魔導師にすら認識することはできない。

 

それが今のフェイトの全力。

そしてレヴィが後ろを振り向いた、その時だった!

 

「!!!!」

「―――――――――ゃぁぁッ!!」

 

もはや音速を遥かに超えているため、声が聞こえたのは七つの攻撃がヒットした後だった。

そしてかすかに聞こえた声すらも、曖昧で小さなものだった。

 

「ぐふっ・・・」

 

残ったのは結果だけ・・・

それはレヴィの襲撃服の一部が細切れに吹き飛ぶというものだった。

だがダメージはそう多くはなかった。七回分の攻撃を一瞬で喰らったにもかかわらず、

身体へのダメージはその攻撃の派手さと反比例して、ほとんどなかったのだ。

 

超高速で空間を蹂躙する中、フェイトもそのことを思っていた。

 

アクセルソニックフォームは圧倒的速度と反応速度を与えてくれる。

しかし、それを「非殺傷」設定で使う場合は話が少し変わる。

 

本来なら掠っただけでも移動エネルギーだけで相手を殺しかねない。

そのエネルギーをすべて粉散させて、魔力ダメージだけにしてしまった場合。

一撃分の攻撃力が著しく低下してしまうのだ。

 

だからこのフォームは重い一撃を叩き込むのではなく、

一度に連続攻撃を重ねてダメージを蓄積していくのが管理局魔導師としての戦法なのだ。

 

そのためにダメージは微量でも残された12秒の間にフェイトは着々とレヴィの体に溜めていく。

攻撃はまさに怒涛、威力は少なくともその猛撃はレヴィの体に纏わりつく闇を剥ぎ取っていく。

 

そして・・・アクセルソニックフォームの制限時間・・・12秒が過ぎ去る。

 

 

 3

 

 

 2

 

 

 1

 

 

 0

 

 

《Time up》

 

バルディッシュのその音声と共にフェイトの姿が再び現世に出現する。

息を乱しながら、先ほど攻撃を受けた左肩を抑えつつ、しかしレヴィを包む闇をキッと睨む。

 

《Form Release》

 

再び発せられたバルディッシュのその音声と共にフェイトを光が包み、

そしてアクセルソニックフォームから通常のソニックフォームへと姿が戻る。

さらに、すぐさまもう一度フェイトを光が包み、今度はライトニングフォームへと戻った。

 

これはアクセルソニックフォームからアイドリングであるソニックフォームを経由しないで

直接ライトニングフォームに戻ってしまった場合、回される魔力リソースの変化の大きさに

フェイトの体が耐え切れず大ダメージを受けるため、一度経由する必要があるのだ。

 

切り札はすべて使い切った・・・あと・・・自らに残されているのは・・・

 

フェイトは一度目を瞑った後、改めて目の前のレヴィを見据えた・・・

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

結局のところ、レヴィへのダメージはフェイトの予定よりも多く与えられていた。

左肩に受けた傷が痛むために、多少はダメージ効率の低下を予測していたが、

どうやらフェイトの杞憂だったようだ。

 

だが、レヴィを包む闇の瘴気はまだ消えていない。

ちまちまと削り取ったおかげで、最初の頃に比べればかなり減ってはいる。

もっともレヴィを呪縛から解き放つことはまだ無理だが・・・

 

 

さて、どうしようか・・・とフェイトが考えていると・・・・・・

 

―あらあら、頑張っているね―

 

「!?」

 

また響いてきた声、闇が発する忌々しい声がフェイトがいる空間に響いたのだ。

フェイトはその声に恐れずに大声をながら問いかける。

 

「あなたは誰ッ!!? どうしてシュテルやレヴィにこんなことをするのッ!!?」

 

―知っているくせに、あの子達をいじめていいのは私だけ―

 

答えになっていない答えに、フェイトは珍しく舌打ちをする。

 

全く予想がつかない。

 

自分が知っている明確な敵の中では、データで見たシリアル5ではないことだけはわかる。

この空間に響いてくる声の主が誰だか・・・フェイトには判断はできなかった。

 

だが、今はそんなことは関係ないとも思った。

友達の友達が目の前で苦しんでいる。そしてそれをしている者に対して

自分自身が、なんと言うかは決まっている。

 

「させない!!! レヴィだって私は助けてみせる!! たとえどんな敵が来ようともッ!!」

 

左肩から来る激しい痛みに耐えながら、そう叫んだフェイトは

両手でしっかりとバルディッシュ・ザンバーを握り締めて、闇に向ける。

 

―愚かだね・・・そんなことをしても無駄なのに・・・―

 

「無駄かどうかは私が決める!!あなたに言われることでもない!!」

 

―真実も知らない・・・人形の分際で・・・―

 

人形・・・その言葉を聞くとイラっとくる・・・だけど、いちいちいったりする気はない!

 

「だったら見せてあげる!あなたが言う人形と呼んでいる『人間』の絆の力を!!」

《Struggle Bind!!》

 

フェイトの宣言と同時にバルディッシュがそう発言をする。

それとほぼ同時に展開した魔法陣から伸びる、魔力で編まれた縄でレヴィを闇ごと捕縛した。

そして、それは雷撃を帯びながら、レヴィと彼女を包む闇の力を封じ込める。

 

―こ、これは・・・ッ!?―

 

「ストラグルバインド・・・クロノに教えてもらっておいて正解だったよ・・・」

 

フェイトはハラオウン家で世話になっている今、クロノにあらたな戦略のために

クロノの使用できるさまざまな魔法のプログラムを教えてもらっていたのだ。

ストラグルバインドもそのときに本人曰くついでに教えてもらったものだ。

 

クロノは少し苦笑いしながら、魔法生物にしか役に立たないと言っていたが、

どうやら目の前の闇はそう言う類のものらしい。十分役に経ってくれた。

 

必死にストラグルバインドを解こうとしているが、

強化魔法も打ち消されているので全く何もできないでいた。

 

フェイトはそのチャンスを当然逃さない。

バインドを維持しつつ、急いでレヴィの前方斜め上空へと向かって飛んでいった。

 

―な、なにを・・・ッ―

 

「言ったでしょ、絆を示すって・・・今度は・・・なのはに教えてもらった技術を!!」

 

そう言うとフェイトの周りにプラズマスフィアを数発並べる。

そしてそれを軸として、自分の魔力を込めていく・・・

 

―こ、これはぁ・・・ッ!?―

 

いや、自分の魔力だけではなかった。

そこにはフェイトの魔力光以外にも様々な色の魔力が集まっていたのだ。

 

魔力の集束・・・

 

フェイトがそれまでに使用した魔力に加えて、レヴィが使用した魔力を集積していたのだ。

これがフェイトがなのはから以前教えてもらった集束技能だ。

 

本人もシュテルに向けていったとおり、不得手だとは納得しているが

ここではそうも言っていられない。アクセルソニックフォームの代償で

現在の魔力ではプラズマザンバーブレイカーは使用できないからだ。

 

自分が使える・・・残された手段がこれなのだ。

 

 

着々と集まっていく魔力を、闇はただ呆然と見据えるしかなかった。

 

まるで流星のごとく周囲の魔力が集束していく・・・

 

着々と集束は進行し、そして段々とその球は脈を打ちながら大きくなっていく。

 

「これが、なのはから教えてもらった・・・絆の集大成!!」

 

そしてついに集められた魔力が暴発寸前にまで圧縮されているそれは完成した。

雷鳴を纏いし、閃光の星屑の弾丸が・・・そしてフェイトはそれを解き放つ!

 

「シューティングゥ・・・スタァーダストォオオオ、

 ブレイカァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

 

フェイトは叫びながらバルディッシュ・ザンバーを大きく振り上げ、

自らの何倍もある巨大な雷光を発する魔力の球を叩き出した。

球が崩壊し、莫大なエネルギーの激流が一気にレヴィへと撃ち出される。

 

 

 

―ぐぁあああああああああああああああああああああああああッ!!!!!―

 

 

 

そしてそれはレヴィを飲み込み、直撃。

そこを着弾点として、まるで大きな爆弾でも落とされたかのような光球と余波が広がってゆく。

 

その激しい余波は、海をも飲み込んだ・・・そして・・・

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

「はぁ、はぁはぁ、・・・・・・」

 

まったく無理しちゃ駄目だね・・・こんなに疲労があるなんて・・・

レヴィは・・・大丈夫かな・・・?

 

闇が消え去ってくれてればいいけど・・・

そう思っていた私の目の前で、煙が晴れていく・・・

 

 

そして、煙が晴れた先にいたのは・・・闇が晴れたレヴィの姿だった。

瞳もちゃんと光を取り戻している!

 

「レヴィ!!大丈夫!?」

「あつつ、だ、大丈夫だ!問題ない!」

 

レヴィはそう言っているけど、よくよく見るとその足元が光の粒子となって消え始めていた。

レヴィはそれを見ながら、フッと少しだけ笑うと私に向けて話しかけてきた。

 

「ありがとう、君の強さが僕を闇の書の呪縛から解き放った」

「うん、どういたしまして」

 

おそらく・・・レヴィはシュテルと同じで一度紫天の書のに帰るのだろう・・・

でもきっとシュテルと同じでまた今度会えるはず。そう私は思った。

 

その時だった。

 

 

ピキンッ

 

 

どこか遠くの空で、何かが砕ける音がした。

その音が聞こえた後、レヴィは何かを悟ったように一人、小さく呟いた。

 

「そうか・・・王様は負けてしまったか・・・」

 

なるほど・・・はやては助けられたんだね。

シュテルとの約束・・・はやてが守ってくれたんだ・・・。

 

「そうだね。負けちゃったけど・・・きっとディアーチェも助けらたはずだよ」

「ふふ・・・そうか・・・そうだな・・・」

 

レヴィは笑いながら、改めて・・・といった顔で言い始めた。

その笑顔はとても清々しくて、気持ちが良くて・・・・・・・・・

最初のいろいろとキツイ印象がすべて幻想だったのではないかと思えるものだった。

 

「僕の名前はレヴィ・ザ・スラッシャーだ。覚えておけ!」

「うん、わかったよ。レヴィ」

 

襲撃者(スラッシャー)か・・・物騒だけどかっこいいね。

そう思っているとレヴィはフンッとでも言いたげな表情で私に言ってきた。

 

「今回は君が勝者だ。君はこの空を飛べ、僕は落ちる」

「・・・わかった」

 

レヴィは勝者として私を讃えると、静かに目をつぶる。

私も、消えていっているレヴィの言葉に、静かに頷いた。

 

レヴィの崩壊はどんどんと進んでいく・・・

そして、夜空に消えていく星屑のように、光となって彼女は消えていった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

ピピピピピp

 

ん?エイミィからの通信・・・?

 

『闇の欠片、すべて停止を確認。再発の気配、なし!』

『ひとまず、解決かしら』

 

リンディ提督も・・・そうか、なのはとはやては頑張ったんだね。

 

『フェイト、アルフ。一度戻ってきてくれ』

「クロノ?なのははどうしたの?」

『未だに通信はない。さっき君が言ってくれたシュテルとの戦闘を最後に

 本人がかけているとしか思えないジャミングのせいで、位置情報もつかめない』

「どういうこと・・・?」

 

なのは・・・いったいどうしちゃったの・・・?

 

『とりあえず、はやては少し用事があるから後で来る。

 なのはのことも含めて話をしたいから、な・・・』

「うん、わかった。取りあえず戻るよ」

 

なのはのことも気になるけど・・・とりあえず戻らないと・・・

 

そんないろいろな想いが葛藤する中、私は戻っていった

 

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

 

――そして、

闇の欠片はその後も再生する事なく、事態は無事に収束しました。

 

クロノやレティ提督によれば

『闇の書事件の余波被害としては、むしろ想定より小規模だった』とのこと

 

確かにナハトヴァールとジュエルシード・シリアル5の戦闘では

次元震すら発生していたのだから、紫天の書の件を含めても小規模だと私も思う。

 

そのため、旅行の日程は、少しだけズレちゃいましたが、

それ以外はなんとか普通に年末年始を過ごすことができました。

 

 

 

なのはがここから姿を消したことを除いて・・・

 

 

 

あの後、なのはを皆で捜索したけれど・・・見つからなかった。

そして高町家のなのはの部屋から一通の置手紙が見つかった。

 

それによれば・・・シュテルの言ったとおり、なのはは『彼女』を見つけに行ったのだろう。

いろいろ言いたいこともある。はやてもアリサもすずかも・・・皆心配しているし、怒こってる。

それは当然のことだし、なのはもきっとわかっているのだろう・・・

 

 

でも・・・・・・・・・待っているよ。なのは

 

まだ、あなたに私のカカオケーキ・・・食べてもらっていないんだから・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、冬休みも終わって・・・

 

「ねぇ、アルフ」

「んー?なーに、フェイト」

「ずっと迷っていた事・・・・・・踏ん切りがつきそうかなって」

 

そう、あの問いに・・・今こそ答えられる気がする・・・・・・

 

「ほんと? それは、すごくいい事だね」

 

「なのはのこととか、いろいろ悩むこともあるんだけど・・・

 自分で決めたことは、しっかりと守っていきたいと思うんだ」

 

なのはやレヴィに言った通り、私のすべては約束にあると思うから

だから、決めたことは守っていきたいんだ。

 

「ま、あたしは、フェイトについていくだけだけどね」

「ありがとう、アルフ」

 

ずっと一緒にいてくれたからね。そして、これからも・・・

 

「それで・・・答え、いつごろ出せそう?」

「そうだね・・・」

 

いつごろ・・・かな・・・でも・・・きっと・・・

 

「きっと・・・・・・桜の花が、もう一度咲く頃かな」

 

 

 

 

 

 

 

 

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