・・・チートすぎたかな?この世界は兄貴も姉貴も強いけどw
それではどうぞ!!
「ふ、ふ、ふ、ふ・・・」
額から汗を飛ばしながら、木刀を振るなのは。
あれから一年・・・御神流をやっと伝授された。
とはいっても、なのはは一度で覚えたものの
体が追いついていかないので、今はまだ木刀を振るうことくらいしかしていない。
体に無理がないように、少しずつ数を増やしていっている。
厳密に言えば数ヶ月前に一度使ってしまった。
そのおかげでアリサやすずかとも友達になれたわけだが・・・
◆◆◆◆
はやてちゃんとの付き合いも大分長くなっていたころ。
はやてちゃんのおかげでメンタル的にもやっと勇気が湧いてきて
今はリハビリ的なものをかねて空を飛んでいたところだった。
前に比べれば・・・まだ、遅いけれどそれでも飛べていた。
そんなときだった。下のほうに不審な車を見つけたのだ。
見ると車から降りてくる人、女の子を引きずりこもうとしていた。
まずい!これは誘拐だ。
「お父さんに連絡しなきゃ!」
わたしはさきほどまで二人がいた地上に降りる。
そして携帯電話で自宅にかけた。
プルルルル、プルルルル、プルル、ガチャ
『はい高町です。』
ちょうど良かった、出たのはお父さんだった。
「お父さん、なのはだよ!」
『お、どうしたんだなのは?』
「緊急事態なの。目の前で女の子二人が誘拐されたの!」
『なんだって?・・・それで?』
声のトーンが変わる。
もともとお父さんは用心のボディガードをしていたから
事態の重さ、自分の実力とあわせて考えているのだろう。
「相手の顔は見えなかったけど人数は確認できただけで4人、多分もっといると思う」
『分かった、こっちも準備しておく。今どこにいるんだい?』
「今はいつものランニングコースの道にいる」
『分かった、なのはそこで待っていなさい』
「ううん、わたしは犯人を追うよ」
『何だって?おいなの・・・』
ピッ!
そう言って電話を切る。
お父さんの言いたいこともわかるけど・・・
今逃したきっとまずいことになる・・・そうわたしの直観が言っていた。
わたしは飛行魔法で、犯人が逃げた方向に向かって飛んだ。
目的の場所に着いたわたしはビルを見上げる。
六階建てのビルで廃墟になって大分経つようだ。
まるでちょっとした心霊スポットの様。
はやてちゃんから幽霊話を聞いたばかりのわたしはすこしブルっとした。
こんなわたしだが、幽霊は信じているのだ。
わたしはお父さんの電話に改めてかけた。
「もしもし、お父さん」
『なのは!!まさか勝手に行ったのか!?』
「それに関しては謝るよ。お父さん。でもわたしはこういうのは見過ごせないの」
『そいうことは大人たちに任せなさい』
「・・・手遅れになるのは見たくない・・・」
『おい、なの・・・』
間髪入れずに言いたいことだけ言って切った。
一応、場所の写真と住所だけメールで送っておいた。
・・・手遅れ・・・大怪我したわたしはあの人が居なければ間に合わなかった。
あの二人にも同じ目にあってほしくない・・・そう言う気持ちがわたしの中にあった。
周囲を確認すると本来あるはずの非常階段などはボロボロになっており
使用するにはちょっと難がありそうだった。
窓ガラスは所々割れていて外から丸見えになっている。
わたしは・・・以前病院で使用することで身につけた魔法の力を使う。
「魔力散布・・・」
魔力散布・・・それは自身の魔力(名づけ親はやてちゃん)を周りに散布。
反射してきた魔力を逆算して、周りの状況をソナーのように理解する力だ。
放たれた粒子状の魔力は周りの物体に当たった後、わたしに向かって跳ね返る。
わたしはかえってきた魔力から物体の形状、距離を逆算して頭の中に情景を思い浮かべる。
そして中にいる人の人数、持っている武器を推測していった。
(正面ロビーに二人、武装はハンドガンのかな・・・?
二階はだれもいない・・・・。そして三階に二人、武装は同じ。
五階には六人・・・二人ほど身長が小さい・・・さっきの女の子か・・・
武装はハンドガンが二人、マシンガンを持っているのが二人か・・・?)
・・・これならわたし一人で何とかなるか?
自信過剰な気がするけれども・・・わたしはビルの中へと駆け出した。
アリサ・バニングスは見知らぬ男たちによく状況が分からないうちに
車に押し込められ、手も紐で縛られて身動きがとれず恐怖していた.
途中で目隠しされ、男たちの言動に耐えながら車に揺られているとどうやら目的地についたらしい。
「着いたぞ、さっさと下ろせ。気づかれないようにな」
「分かってるっつうの」
そしてアリサとすずかは男たちに口の中に布を詰め込まれて
叫び声をあげられないようにされると、どこか建物の中に運ばれた。
おそらく4、5階まで登って部屋に入ると、そこで手を縄で縛られ放り投げられる。
そして男がアリサとすずかの目隠しと口の布をはずす。
目を開けると、男がニヤケ顔を浮かべていたので、二人はもう一度目を閉じたくなった。
(と、とりあえず冷静に出口の確認をするべきよね。)
アリサは恐怖をを必死に抑えつけながら辺りを見渡す。
このコンクリートがむき出しのこの一室はそこそこ広い。
取りあえずドアは2つあることを確認する。
入ってきたドアと、奥にもうひとつのドア。一応窓もあるが、ここは4階だ。
二人には飛び降りるなど無理な上に隣の建物との間隔が狭いらしく、光などまったく入っていない。
「ちょっと、あんたたちこんな事して唯で済むと思ってんの!」
もはや冷静でいられなかったアリサは犯人の一人に突っかかった。
すずかのほうはもはや喋る気力もないようだ。完全に怯えている。
「ふーん、まだそんな元気があるのか、立場わかってるの?」
「ど、どうせアンタたちなんて警察に捕まるんだから! 」
アリサがそう叫ぶが、男達はただ気持ち悪く笑うだけだった。
「はは、これだけ考えて練った計画なんだ。よほどのイレギュラーがない限り捕まることはないさ」
「っく・・・」
「まあ金をもらうまでは生かしといてやるから安心しな。
・・・‥・そのあとは何されても俺は知らないがな。ケヒヒ」
そう言ってと男は気持ち悪い高笑いをする。
大抵こういう奴がやることは決まっているものだ。
アリサはもはやそんな未来に恐怖するだけだった。
しかし・・・意外と救世主と言うものは現れるものだ。
「真に残念だけど、あなたたちは直ぐに捕まるよ」
知らない声に驚いた犯人が声のした方を向くと
バイザーを付けたツーテールで栗色の髪の少女が一人立っていた。
手には木刀が二本あった。無論、顔を隠したなのはだった。
「おい、誰だか知らないが、俺たちが捕まる?
馬鹿言ってんじゃねぇよ。どうやって侵入したか知らないが、
ここはお前みたいな子供が1人で遊びに来るところじゃねーんだ。
で、大人たちは呼んだのかい? おちびちゃん」
「さあね、どうかな」
「ヘッ、とにかく俺らのやる事は変わらねぇな。
場所を変えて、そんでおめェがどうやってこの場所を突き止めたか、
じっくりじっくりと時間をかけて聞こうじゃねえか!!」
もう一人の男も、なのはを脅威とは思っていないようだ。
「ハッ、それにしてもそんな木刀二本で本気で俺たちに勝てると思うのか?
訳のわからねぇダッセェ、バイザーなんて着けやがってよ!」
男2人はふところからスタンガンを取り出した。
魔法は使うつもりはなのはにはない。あの力をこんな屑どもにも使う気はない。
バイザーに隠れたなのはの目が威圧的に細まる。
「少し、頭冷やそうか」
「ちょーっとお寝んねしてもらうぜ。」
「舐めてもらったものだね」
男がひとり襲い掛かってくる。なのはの腕が高速で動いた。
ドスッという鈍い音が聞こえた。
「ぐぁっ――――・・・・・・・・・」
「なっ貴さ・・・ぐわっ・・・」
男が気絶すると同時に木刀を振るいもう一人を無力化する。
間髪いれずに他の二人の元へと向かう。
なのははただどう動けば低労力かつ二人の女の子を守れるか、
きちんと計算に入れながら動いていた。
「くそ貴様!!」
男二人はマシンガンを取りだす。
「もうお前には用はない。死ね!」
そう言って男二人はマシンガンをなのはに向けて撃とうとする。
しかし・・・。なのはに向けるという時間もまた隙だ。
その隙を逃さずになのはは犯人の後ろに回る。
「「なっ、ぐぇ・・・」」
男たちはおかしな声を上げ、一瞬のどに手を当てるがそのまま倒れた。
鋼糸と呼ばれる糸をを首に巻いて無力化したのだ。
薄暗い部屋の中、鋼糸は注意深く見ないと視認できない。
もう一人は何が起こったかわかっておらず隙だらけだった。
そこでなのはは瞬歩で男の懐まで近づき、
もう一度木刀を振るい、叫ぶまもなく彼は気絶した。
「ミッションコンプリート」
そういうとなのははは周りを見る。全員がきちんと気絶していた。
なのはは残る4人も縄で縛り無力化する。下の階にいた奴らは全員すでに縛っていた。
今頃は間抜けな顔で気絶しながら、床に倒れているだろう。
「大丈夫!?」
そういいながらなのはは二人に近づく
「え、えぇ・・・あたしは大丈夫よ。すずかは・・・?」
「私も平気・・・でもどうしてここが?」
「偶然、見かけたから追っかけてきた」
そういいながら二人はアリサとすずかの縄を解く。
「おい!?大丈夫か!!??」
突然大声がしたので、
振り向くとそこにはお父さんと数名の警察官がいた。
中にはあのときのおじさんがいたりした。
「お父さん・・・それにおじさん・・・」
「犯人達は?」
「そこで寝てるよ。全員無力化した」
「・・・ま、まぁ、まあとりあえず無事でよかった。
三人には事情聴取ってことで署まで来てもらうけど良い?」
「はい、私は大丈夫ですよ。」
「わかりました。とりあえず親に連絡してから」
「あっ私も」
「そうか、じゃあ早速外のパトカーに乗ってくれ、一番前のに全員な」
「「「わかりました」」」
そういうとわたしたちはパトカーにのり、署で事情聴取を受けた。
お父さんにこっ酷く叱られたが、叱られる程度の代償で
二人を救えたのだ。全く持ってなのに悔いはなかった。
そして・・・その後・・・お兄ちゃんの友達(彼女にしか見えない)
である忍さんが来て、助けた女の子が話には聞いていたすずかちゃんと聞いて驚いた。
もう一人はアリサちゃんという名前だった。
そんなことで出会った後・・・わたしたちはともだちになったのだ。
◆◆◆◆
訓練が終わった後は今日は静かなものだった。
学校で二人と話したり、はやてちゃんの家でお茶したり・・・
そんな平和な日だった。
ただ・・・神様と言うのは意地悪だ。
まさか次の日からあんなことになるなんてね・・・