リリカルなのはサーガ   作:DFGNEXT

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今回は大分原作と違う流れに・・・なったよな・・・?
時間旅行組の時系列は微妙にずれます。理由は後ほどわかるかと・・・
登場自体はしますので・・・

それではどうぞ!!


SAGA 45「闇に染まりし-絆-」

 

 

 

 

「あーーっはっはッ!王様だけ蘇って、僕らが蘇らないって道理はないッ!!

 久しぶりだな!!小鴉ちんにクロハネ!! ・・・あれ?あとの二人は知らないな」

「ロード・ディアーチェ。この姿でお目にかかるのは、お初になります。」

 

さっそく現れながら、相変わらずのテンションで叫ぶレヴィ。

そしてまったく感情が読み取れない表情でディアーチェの目の前に立つシュテル。

そんな二人を見ながら、ディアーチェは確認するように聞く。

 

「貴様ら・・・!!「(シュテル)」と「(レヴィ)」!

 構築体(マテリアル)が3基揃うのは初めてだな。なるほど、力が満ち溢れて・・・・・・ん?」

「王様?どうしたの?」

 

何かに気が付いたかのような王様に対してレヴィが聞く。

そして・・・ディアーチェはすべてを理解すると二人に問い詰める。

 

「今気づいたが・・・・・・・・・貴様らが実体化するにあたって、

 ここらの魔力とシステムの共有リソースを、かなり適当に食い荒らしたな?」

「うん!」

「美味しく頂きました」

 

二人が何事も問題がないようにそう返す。

それを聞いたディアーチェは額をプルプルとさせながら言った。

 

「もしかしなくても、

 それが先ほどの我から急激に力が抜けていった原因ではないのか?」

 

「そーなの?」

「そうなりますか」

 

二人のその自分は無関係だと言いたげな話し方に、

ディアーチェはついに堪忍袋の緒が切れる。

 

「・・・阿呆かキサマラ!!!復活するなら時と場所を考えんかァッッ!!!!」

 

そんな下らないことで先ほど自分が消されかけたかと思うと

心の底から怒りがわいてきたディアーチェは二人に向かってそう言い放つ。

だが、二人も好きにこのタイミングで復活したわけではないのだ。

 

「そんなこと言われたって・・・ねぇ・・・?」

「はい・・・何かに呼ばれたような気がしたんですよ。

 まるで無理矢理に、時を動かされたような」

「はぁ・・・?」

 

二人の物言いに頭の上にハテナマークをあげるディアーチェ。

一体何を言っているのやら。そう思っていた時だった。

 

 

「「あっ!?」」

 

突然、キリエがザッパーを長剣状態にしたかと思うと

アミタとリインフォースの二人をを切りつけたのだ。

 

攻撃を受けた右腕を抑えるリインフォースを心配するように

はやてはリインフォースに側に飛んで行って寄り添う。

 

「キリエ・・・あなた・・・・・・!!」

「リインフォース、大丈夫か?」

「はい・・・私は大丈夫です・・・」

 

「ごめんなさいねー。ちょっと斬らせてもらっちゃった」

 

「ちょっとって!」

 

大切な家族を傷つけられたはやてがキリエの物言いに怒るが、

彼女はそのはやての言葉を無視して、ディアーチェに向かって話しかける。

 

「あのね、王様? ちょっとだけ、私のお話聞いてみない?」

「聞かぬ。失せよ。下郎と話す口は持たぬのだ」

「仮にそれが砕け得ぬ闇・・・システムU-Dについてのことでも?」

「何・・・?」

 

キリエの出した「システムU-D」・・・

それはマテリアル三人がずっと探していた存在。

 

その言葉が持つ意味の重さは彼女たちにとって

耳を傾けずにはいられないほどのものだった。

 

「・・・砕け得ぬ闇・・・」

「そう私はその目覚めさせ方を知っているの」

「本当に!?」

「よさぬかレヴィ!こ奴は得体が知れぬ」

「あらーん、そんなこと言わないで♪」

 

キリエはいかにもわざとらしい言い方をした。

それを見ながらも、シュテルはディアーチェに自分の意見を述べた。

 

「確かに得体は知れませんが、話だけを聞くだけならタダです」

「タダより安い物はないともいうけどねー」

「ふむ、まぁ良いだろう。よかろう、話せ。邪魔者は・・・」

 

ディアーチェはそう言いながら、はやてたちのほうに向けて手をかざす。

次の瞬間、リインフォースとはやて、そしてアミタを紫色のバインドが縛る。

 

「「「なっ!?」」」

 

「貴様らはそこでおとなしく見ていろ」

 

「な、なんでこんなことするん?

 周りに迷惑かけるような事でないんなら、私たちも手伝うのに・・・」

「無礼者め。貴様らの助力などいらんわ。

 それに砕け得ぬ闇を入手した後、我が何をするか知らぬであろう?」

「そ、それは・・・教えてもらってないからなー・・・」

「ふん、無限の力、砕け得ぬ闇を手に入れて――我は真の王となるのよ。

 何物にも縛られず、いかなる事にも害されぬ強き王に!」

「おー!王様かっこいい!」

 

レヴィの言葉を聞いて、ディアーチェは少し嬉しそうな表情をした後、

再びはやてたちの方向を向いて話を続ける。

 

「闇の書の部品にすぎなんだ苦汁の日々はもう終わりよ。

 シュテルやレヴィも自由にしてやりたい・・・」

「王様・・・」

「王・・・」

 

「それなら!局にはシステム解析のエキスパートが沢山いる!」

「スカリエッティ氏にも頼めるかもしれない!」

「だから砕け得ぬ闇なんて使わなくても、

 3人を自由にするやり方、きっとすぐに見つかるよ!」

 

はやてとリインフォースの言葉・・・

それを聞いたディアーチェはその申し出を一蹴して言い放つ。

 

「阿呆か貴様は。情けにすがって恵んでもらった自由など、自由とは呼ばぬ。

 

 ――そこも所詮は・・・籠の中よ・・・」

 

「王様・・・・・・」

 

「下らん話はここまでだ。桃色、話せ」

「はいはーい、というよりもう今の間にほとんど準備は終わってるのよねぇ」

「キリエ・・・いつの間に・・・ッ!」

 

その場にいるほとんど全員がはやてとディアーチェの会話に集中している最中、

キリエだけは空中にモニターとキーボードを出し、

砕け得ぬ闇復活のための準備をしていたのだ。

 

「あれは・・・」

 

そして・・・シュテルが見た先にあったのは集まっていく緋色と漆黒の闇・・・

それがやがては一つに集まり、巨大な球体を作り上げていた。

 

「な、なんや・・・あれ・・・」

「魔力とはまた別の何かを感じます・・・ッ」

 

「すごいや、王様!」

 

「よし、時は満ちた。行くぞ桃色!!」

「はぁーい♪、強制起動システム正常、リンクユニットフル稼働。」

 

キリエのその言葉とともに、空中に浮かぶ赤い・・・

いや赫焉に輝く球体が心臓のように脈を打つように激しく反応し始める。

 

「さあ、蘇るぞ!無限の力『砕け得ぬ闇』!!我の記憶が確かなら、

 その姿は『大いなる翼』!名前からして戦船か、あるいは対外強化装備か・・・

 まあ、どちらでもかまわん!この偉大な力を手にする我らに負けはない!

 残念だったな小鴉とそのお供!

 

 ふはははは!さあ蘇れ、そして我が手に収まれッ!!

 忌まわしき無限連環機構、シスエムU-D――砕け得ぬ闇よッ!!」

 

そうディアーチェが叫んだ瞬間だった。

赤い球体がその叫びとともにガラスが割れるような大きな甲高い音ともに崩壊。

そして、そこから漏れる光の中から声が聞こえてきた。

 

「ユニット起動――――無限連環機構作動開始。

 システム「アンブレイカブル・ダーク」正常作動」

 

「お・・・・・・おおお?」

 

ついに目覚めたシステムU-D。だが、ディアーチェは予想とは全く違ったその姿に

お・・・・・・お(↑)お(→)お(↓)?というおかしなイントネーションで驚いてしまう。

 

「はいっ?」

「え・・・?これって・・・・・・」

 

禍々しさをところどころに感じるとはいえ、まさかの人型・・・

それも金髪の女の子の姿だとはこの場にいる誰もが思っていなかった。

はやても復活を手助けしたキリエもその姿に驚いていた。

驚いていなかったのはレヴィとアミタくらいのものだ。

 

「ちょっと王様?システムU-Dが人型してるなんて、聞いてないんですケドッ!?」

 

「むぅ、おかしい。我が記憶でも、人の姿を取っているなどとは・・・・・・

 ・・・いや、それを言うなら、我々も元々人の姿などしておらなんだわけで・・・・・・」

 

予想外の事態に、さすがのディアーチェも混乱してしまっていた。

 

(害意は感じない――無害なシステムであってくれれば良いが――)

 

その隙を狙い、主と自分のバインドをやっと解除しながら

リインフォースとはやてもシステムU-Dを見つめる。

 

「あー・・・取り敢えず、『砕け得ぬ闇』やから・・・・・・ヤミちゃん?」

「ヤミちゃんっ!?」

 

はやてのネーミングセンスが光る中、U-Dは今の状況を分析していく。

 

「視界内に夜天の書を確認――防衛プログラム破損、保有者認証、困難・・・・・・」

「あ、あの、こんにちは。現在の夜天の書の主、八神はやてです!」

 

「待てェーいッ!うぬら、なんたる横入りッ!起動させたのは我ぞ!」

 

はやての言葉に混乱が解けたのか我に返ってはやてに注意するディアーチェ。

 

「起動方法を伝授したのは私です~!」

 

そして、なぜか所有権か何かを誇示しようと宣言するキリエ。

 

「くっ、やっと解けた!キリエ!そんなこと言って!!」

「げっ、お姉ちゃん・・・ッ!?」

 

そんなキリエに向かっていく気合っ娘お姉ちゃんアミタ。

 

「そやけど、夜天の書の主は私やから・・・・・・」

「黙れ黙れッ!これは我のだ!誰にも渡さんぞッ!」

「あ~ん、王様、話が違います~!!」

「あっ、こら!待ちなさいキリエ!」

 

U-Dを放置して、どことなく盛り上がる四人。

それを見て、さすがのリインフォース、シュテル、レヴィも呆れてものも言えなかった。

その時だった。先ほどから何もしていなかったU-Dに動きがみられたのだ。

 

「状況不安定・・・駆体の安全確保の為、周辺の危険因子を・・・」

 

そんな言葉を発しながら、大きく血の色をした翼を広げ・・・そして・・・

 

「排除します」

 

その二つの眼を赤く煌々と光らせ、淡々とそう告げたのだった。

 

「なっ、攻撃してくるんか!?」

「主はやて!今こそ!」

「うん、了解や!」

 

二人はそういうとお互いの手を握り締めて、言う。

 

 

ユニゾン

 

 

「「インッ!!」」

 

 

はやてとリインフォースはその言葉とともに一つになった。

はやてを主体とした通常の融合。はやての髪の毛が、

茶髪から白に近い色となり瞳の色も、変化する。

 

そして、その身から放たれる魔力量は桁違いと言えるほどのものとなった。

 

「さ・・・・・・・・・いくよ、リインフォース!」

『はい・・・我が主!!』

 

二人はそう宣言しながら、U-Dと対峙・・・したのだったが・・・

 

「空中打撃戦システムロード。出力上限・・・21%」

 

「な、なんやこの重圧・・・・・・魔力量の桁が違う!?」

『あの時の王以上の魔力量です。気を付けてください』

 

システムU-D・・・その力は上限を本気の状態の21%にしてすら、

かつての闇の欠片を吸収したディアーチェをはるかに上回る魔力量を持っていた。

ユニゾンしてはやての魔力や魔法運用能力は上がっているが、

それでも二人が絶望しかねないほどのものだった。

 

「くっ・・・まるっきり、勝てる気がせーへん・・・」

 

「殲滅、開始」

 

そして背中から血の色をした二つの魔力スフィアが彼女の両肩上に形成。

それはまるで悪魔の目。赤く鈍い輝きは一瞬で赤い翼となり、

その翼の先が細まり巨大な手のような五つの刃となる。

U-Dの背後の禍々しい翼が周辺の危険因子の排除を開始しする。

 

U-Dの背中から広がる真紅の翼ははやてのいる空間を貫こうとする。

 

『我が主!!』

「くっ!なのはちゃん直伝の!!」

 

はやてはフラッシュムーブを使い、ギリギリのところで避ける。

だが、本当にギリギリだった。。U-Dの攻撃のあまりの速さにかすっただけなのに

はやてのバリアジャケット上半身部分が、すべて粉々に砕け散ってしまう。

 

「ぐ、きゃあああああああああ!?」

『ぐあああああああああああああッ!!!』

 

「黒羽のお嬢さんッ!!!?」

 

そしてその余波を受けて吹き飛んでいくはやてにアミタが叫び声をあげる。

妹のことも気になるが、このままでは皆が危ない。

そう思ったアミタはヴァリアントザッパーを片手にU-Dへと突っ込んでいく。

 

「どりゃりゃりゃりゃーッ!!!!」

 

アミタは右手にあるザッパーを銃形態にして、バルカンレイドを散髪連続発射する。

だが、システムU-Dはそれをその背中の紅い翼で完全にガードしてしまう。

 

「バルカンレイドがッ!?」

「くっアミタさん、ACS、ドライブ!」

 

吹き飛ばされたアミタを見たはやてはなのはから教わったもう一つの直伝技。

中距離突撃技「マニューバACS」を使用する。なのはがいなかったとはいえ

はやてもこの三か月間遊んでいたわけではない。しっかりとマスターしていたのだ。

 

己の魔力を全身にまとい、シュベルトクロイツを突き出して突進する。

 

「はぁあああああッ!!」

 

その一撃は確実にU-Dを捉え、直撃する。

その衝突と同時に爆煙が巻き起こりあたりを包み込む。

 

「駆動状態修正。反撃開始」

「なっ!? ぐはぁっ」

 

だが、U-Dにはかすり傷う一つすらついてはいなかった。

はやては反撃してきたU-Dの鎌のような翼で強く胴を打たれ、海面に叩き付けられる。

なのはと違い、演算能力が低いはやては液体反発波紋疾走は教わってはいたが、

使用はできなかったため、そのまま海面に叩き付けられた後、海に沈んでしまう。

 

「お嬢さんッ!!!?」

 

アミタが悲痛の叫びをあげる中、U-Dははやてに対してさらなる追撃を与えていく。

 

「ヴェスパーリング!」

 

リング状の炎をその腕に形成すると、はやてに向かって投げつけたのだ。

炎のリングは直進しながら、はやてがいる海上に直撃。

そして巨大な爆炎をあげ、その場に大きな火柱を上げさせたのだ。

膨大で圧倒的なU-Dの魔力量だからこそできる力技だった。

 

「・・・?」

 

だが、その攻撃は手ごたえがなかった。

 

「ふぅ、危ない危ない。リインフォースありがとうな」

『はい、我が主!!』

「え、え・・・?」

 

突然、何事もなかったかのようにU-Dの背後に立つはやて。

それをずっと見ていたアミタは一体全体何が起きたのか疑問に思ったが、

それはアミタ以外にもその場にいるほとんど全員が同じ気持ちだった。

 

だが、一人だけカラクリに気付いたものがいた。

他でもないこの魔法を受けたことがあるシュテルだ。

 

「なるほど・・・あのとき使っていた幻影魔法ですね。

 海に突き落とされたまでは本物でしたが、その後海中に沈んだ後は

 本物は海中を通ってすでに抜け出しており、幻影だけが残されたのですね」

 

かつての宿敵とその主にして、初心者はやて。

シュテルの先ほどまでの認識はそうだったが、今の攻防を見て改める。

どうやらこの三か月間、なのはもいないのにかなりの成長を遂げていたようだった。

 

「あっ、幻影か。なるほどね。オリジナルにできるなら王様もできる?」

「無論だ。あやつにできて、我にできぬことなど・・・」

 

レヴィの言葉にディアーチェはそう返したが、途中で己の失態に気付く。

確かに夜天の書からはやての情報はほとんど吸収していたし、

闇の欠片を吸収した際にリインフォースの魔導もその身に宿していた。

 

だが、ディアーチェが受け取ったのはあくまでもリインフォースのもの。

闇の書から直接受け取った幻影魔法は実際にはディアーチェにはまだ使えなかった。

 

しかし、となりで尊敬のまなざしをしながら自分を見てくる

レヴィを見ているとそんな真実は結局言えないでいた。

 

 

 

そんななかでも戦いは続いていた。

 

「はぁああ!ファイネストカノン!」

 

アミタが放ったのは弾体の形状の砲撃型魔法『ファイネストカノン』

直進するそれはU-Dに直撃、その後大爆発を引き起こす。

だが、それでもU-Dにはダメージを与えられない。

 

はやてはそれを見ながら思い出していた。

あの圧倒的な魔力量と防御力を持っていた存在を

あの宿敵を・・・親友を操っていた宿敵を・・・・・・

 

「あの硬さ・・・まるで防衛プログラムや・・・」

『我が主・・・あれはそれをはるかに上回っています。魔力の量がけた違いです』

(どうする・・・今のまま戦ってもただの消耗戦や・・・あるはずや・・・

 必ず・・・勝利への道が・・・どこかに・・・!!探すんや!それを!!!)

 

リインフォースの忠告を聞きながらも、はやては冷静に状況を分析する。

今使える駒は少ない。今共闘しているアミタの情報が少ない以上

どうしてもはやてが取れる選択肢がかなり狭められてしまう。

必要なのは情報と信頼・・・そう思ったはやては叫ぶ。

 

「アミタさん!!何かあの子を足止めできる、物凄い技!なんかないですか!!?」

「えっ? あっ、はい。ありますよ!」

 

とっさのことに一瞬だけ呆けてしまったアミタだが、すぐに冷静になり返事を返す。

 

「それじゃあ、それをお願いします!私は魔法の準備をしますので」

「了解しました!任せてください」

 

はやての言葉に了承したアミタはそういう。

それを聞き届けたはやてが頷いた後、はやては白い魔法陣を形成。

それと同時にアミタがヴァリアントザッパーを構えて突撃する。

 

「EOD!行きますよッ!!!」

 

まずはけん制の射撃でU-Dを吹き飛ばし、

ザッパーをヴィエッジの状態にして斬りかかる。

そして今度はザッパーを刃状態のフェンサーに変形させ

ダッシュで追いかけて、U-Dを追い越して斬りつける。

 

アミタは最後に無数の弾丸を発射し、U-Dの周囲を包囲した後、渾身の一撃を見舞う。

 

「はぁああああああああ!!!シュート・・・エンドォオオオッ!!!」

 

空中にとどまっていたエネルギー弾が同時に発射され、直撃し爆発を起こす。

 

これがアミティエ・フローリアンの必殺技「EOD」だ。

 

その攻撃を受けたU-Dはほんの一瞬だが、その動きを止める。

そしてはやてとリインフォースはその隙を逃さない!

 

「いくで、リインフォース!!」

『はい、我が主!!』

 

正三角形状のベルカ式魔法陣の各頂点上で魔力をチャージ、

真っ白に輝く三連撃の貫通破壊型砲撃を放つ。

 

『「響け!終焉の笛!ラグナロク!!」』

 

はやてとリインフォースの放った白銀の砲撃が小さなU-Dの体を飲み込んで爆発した。

そして煙が晴れた先には膨大な魔力ダメージを受けて負荷を受けているU-Dの姿だった。

はやてとリインフォース、そしてアミタは肩で息をしながらも、

それを確認して、自分たちが一応の勝利をしたことを悟った。

 

「か・・・・・・か、勝てた・・・・・・・・・?」

「動作不良・・・・・・システム負荷増大・・・・・・躯体動作・・・・・・困難・・・」

 

はやては困惑するようにそう言った。

今でも勝てたのが信じられない。あの魔力量の相手によく勝てたものだと

自画自賛したくなるほどの快挙だった。リインフォースも中で褒め称えてくれていた。

 

「なんとーーーーーーー!?」

「小鴉ちゃんとアミタ、強ッ!? あの怪物を倒しちゃったッ!?

 アミタ本当にウィルスを気合で治しちゃったっていうの!!?」

 

はやてたちの強さもそうだが、ウィルスに蝕まれているはずの

アミタですらあんな動きができたことにキリエは驚・・・いたのだが

 

「ぜぇ、はあ・・・・・・ぜぇ・・・・・・ね・・・ねっけつ・・・びくとりぃ・・・・・・」

「って、ウィルスの効果、思いっきりでてるじゃない!ギリギリじゃない!」

 

結局無理していただけの姉に落胆してしまう。

そして、ディアーチェは傷ついて行動を止めた

U-Dのもとに近づいて心配する声で介護をする。

 

「し、しっかりせいU-D! 傷は浅いぞッ!?」

「闇の書の構築体、マテリアル-D―――駆体・・・・・・起動・・・・・・?」

「そうとも。お主と同じく、駆体起動中だ」

 

「――――ディアーチェ・・・・・・ディアーチェですか?」

 

ようやく正式な起動を果たしたU-Dは目の前の女性がディアーチェだと認識する。

 

「そうとも。我が名はディアーチェぞ。

 いやはや、やっと巡り会えたわ。我ら3基、うぬをずっと捜しておったのよ」

「シュテルやレヴィも・・・・・・?」

「ここに」

「僕もいるよーーー!」

 

U-Dの言葉にシュテルとレヴィは笑顔を振りまきながら返事を返した。

 

ここにマテリアル3基とシステムU-D。

紫天の書を構築するエターナルリングのメンバーが揃う。

 

「会えて嬉しい―――本当は、そう言いたいです」

 

U-Dは悲しげな表情をしながらそう呟く。

 

「・・・・・・なんと・・・・・・?」

「だけど、駄目なんです・・・・・・私を起動させちゃ」

 

「あの、お話が見えないんですが、それはどういう・・・・・・?」

 

話の内容が理解できずキリエが我慢しきれず質問する。

U-Dはポツリとまるで自分に語り掛けるかのようにその答えを話す。

 

「みんなが私を制御しようとしました―――だけど出来ませんでした。

 だから必死で沈めました―――――私に繋がるシステムを破断して、

 別のシステムで上書きして、闇の書に関わる全ての情報から、私のデータを抹消して。

 夜天の主と管制融合騎も知り得ない、闇の書が抱える本当の闇、それが・・・・・・」

 

何か様子がおかしい。とっさにそう思ったはやては

ディアーチェたちに向かって全速力で向っていく。

 

「私なんです」

 

そしてU-Dがそう言った瞬間だった。魄翼をU-Dが広げ、

視認できないスピードでU-Dの刃がシュテルたちに向かって迫っていく。

 

「王様ッ!!! 危ないッ!!!」

「うぉっ!!!?」

 

その攻撃がディアーチェを貫く前にはやては彼女を吹き飛ばす。

 

だが、このままではシュテルたちは守れない・・・そう思っていた時だった。

 

「―――――――――はぁああああああああああッ」

 

突然響いた轟音とはやてが聞きなれた人物の声・・・

そしてその声が過ぎ去る少し前にシュテルとレヴィの姿が消え、

凶器に満ちた刃は彼女たちを傷つけずに空を切る。

 

「――危なかったね。シュテル、レヴィ」

「・・・フェイト・・・?」

「オリジナル・・・」

 

彼女たち二人を助けたのはアクセルソニックフォームで現場に急いで駆け付けた

フェイト・テスタロッサだった。今はアイドリングのソニックフォームになっている。

彼女はアクセルソニックフォームの速度を持って二人を攻撃範囲から救いだしたのだ。

 

はやてはそれを見届けて、よかった・・・そう心の奥で思う。

だがそう思っていられたのも一瞬だった。まだそれで終わりではなかったのだ。

 

 

ディアーチェを狙った刃・・・それが少しだけ方向を変えてはやてに向かってきたのだ。

 

『ッ! 主はやて!!』

 

リインフォースが叫ぶが、もう遅かった。刃ははやてへと向かってくる。

この距離ではよけられない。そう感じたはやてはギュッと目を瞑る。

ここで終わりか・・・はやてはそんなことまで思ってしまうような状態になる。

 

しかし・・・次の瞬間だった。

 

 

 

 

ズンッ!!

 

 

 

 

突然、この空間に轟音と震動が響いた。

 

「・・・?」

 

はやてが目を開けると・・・そこにあったのは天まで伸びる光の柱。

 

それも見覚えのある淡い桜色をした巨大で太い光の柱だった。

その桜色をした光の柱が、それ自身が持つ圧倒的な威力を持って

はやてに襲い掛かろうとしてた刃を弾き飛ばしたのだ。

 

それを見てはやては咄嗟に上を見上げる。

その光の柱の正体は砲撃・・・それも親友の・・・

 

はやてが見上げた先・・・そこにいたのは一人の少女だった。

 

 

顔にある傷は相変わらず彼女の特徴としてアクセントとなっていた。

そして・・・・・・いつもと違うのはその身に纏っているものだ。

 

まるでどこかの砂漠を歩く人が着ているようなボロボロの古布を身に纏っていた。

差し詰めさすらいの民と言ってもそのイメージは崩れない。

だが、そのイメージとは裏腹に彼女のその髪も顔の皮膚も

まるで毎日の手入れがしてあるかのように光り輝いていた。

 

はやてはその姿を見て、顔に喜びの笑顔が広がる。

三か月ぶりに出会った親友・・・その姿を久しぶりに見れたからだ。

 

しかし、同時に気付いてしまった・・・その親友の変化にも・・・

 

 

 

 

彼女はその手に持つ自らの杖を構えて言う・・・・・・

 

「・・・・・・ミツケタ・・・・・・・・・」

 

瞳から光沢が消えて表情のなくなった目を焦点も合わずに

ただ見開きながら、眼前のU-D・・・ただそれだけを

 

彼女・・・高町なのはは空虚な瞳で、静かに見据えていた・・・

 

 

 

 

 

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