目が覚めたら、どうしようも無いくらいレガ様だった 作:ACS
病名:レガ様症候群
病状:言動行動全てがレガ様的解釈で行なわれる為、思った通りの発言や行動が取れない。
例:帰って良いよ→還って良いよ、行って良いよ→逝って良いよ
#3 第一部完!!
先日、翠屋で遅めの朝食を摂っていると、下校後のなのはから妙な夢を見たと言う話を聞いた。
フェレットが森の中で助けを求めて来る夢だそうで、不思議と夢では無いような気がして帰りにその場所に向かうと、案の定フェレットが倒れており、病院に運び込んだと言う、まあ原作開始のイベントだろう。
夜食用のサンドイッチをなのはに作って貰った僕は紙袋を抱えながら思案する。
原作に関わる気は無い、僕が関われば数秒で終わるし、生存者も皆無、原作より凄惨な事になるに違い無い。
となれば、周りに被害を出さない為にも暫く何処かで身を隠す必要がある訳だ、まぁ大量に食材を買ってあの廃墟に引きこもってれば大丈夫かな?
そんな事を考えていると、上着のポケットの中に謎の重みが現れた。
(内心で)首を傾げながらソレを取り出すと、21個の青い宝石が無造作に糸で縛られて固まっていた。
アレっ、これってジュエルシードじゃね? 原作の事考えたから回収しちゃった系? 然もメッチャ暴走しまくってるのを魔力ごと無理矢理拘束してる様に見えるんだけど?
さ、流石レガ様、魔法技術の産物をどうこう出来るなんて、魔人の名は伊達じゃ無いね(震え声)
…………取り敢えず現実逃避は止めて真面目に如何するか考えよう。
先ず、ジュエルシードには無数の糸が絡み付いていて、其処から流し込まれる電気信号によって無理矢理抑え込んで居る状況だ、と言うかそれでどうこう出来るなら停止信号送れば封印を施せるんじゃね? あっ止まった、流石レガ様(白目)
ユーノに返しに行くか? いや、ビビられて廃人になる可能性が高い、て言うか病み上がりのユーノに即日でジュエルシードを全部返したら確実に卒倒する。
なのははまだ未覚醒、フェイトも初日から地球に居る可能性は少ない、管理局は次元震が無ければ事件に気が付けない、そもそも全部封印しちゃったから介入も糞も……。
面倒だからジュエルシードを破壊すると言う選択肢もあるのだが、それこそ第一部完!! みんなで不幸になろうよ!! 的な事になる。
いっそ元あった場所にばら撒くか? そうすれば原作通りに話が進むかも知れない、ユーノを襲った思念体は瞬殺済みだから適当な悪意に反応させないといけないよな。
うだうだと廃ビルの中でジュエルシードを眺めていた僕だったが、原作をぶっ壊すのも面倒なため、結局封印済みのジュエルシードを全て元の場所に戻し、原作のイベントを全て僕の手で引き起こそうと決めた。
思念体とかは原生生物を取り込ませるか、僕の糸で再現すれば問題無いだろう。
…………何だろう、レガ様だからかな? ラスボス染みた行動に違和感を感じなくなったや(白目)
この事件は全て僕が裏で糸を操っていたんだよ!!(物理的に)
〜高町家なのはの部屋〜
湯上りのなのはが自室に戻ると閉めた筈の窓が空いており、見知った少年が窓枠に腰掛けている事に気が付いた。
レガート・ブルーサマーズ、幼い頃の高町なのはに壮絶な恐怖を与え、その中で屈する愉悦を与えた少年、その強烈な体験は空虚な心を埋め尽くし、狂信を与えていた。
敬愛するレガート様、普段は話しかけても相槌一つ返さず、視線も合わせない、そんな彼に振り向いて欲しくて、もう一度あの強烈な充実感を味わいたくて血の入った紅茶や、髪や爪を混入させた料理を出していたが全て空振り。
其処まで他人に興味の無いレガート様が態々訪ねに来てくれた、歓喜に包まれたなのはは床に正座し、レガートの視線を全身に浴びながらその顔を見つめる。
–––––高町なのは、僕は君に用事があって来たんだ。
彼の発言一つ一つが心臓を鷲掴みにする、呼吸を忘れる程の恐怖がなのはを襲う、同時にレガート直々に命令を下される喜びも。
–––––今直ぐに君が拾ったフェレットの元に行け、後はそのまま運命に身を任せるんだ。
そう言って、彼は上着の中から割れたコインを取り出しソレを恐怖と喜びに打ち震えるなのはに投げ渡す。
––––––それは僕の手駒の証だ、無くしたら容赦なく僕は君を捨てるよ。
––––––まあ精々再び孤独の中に一人で残され泣いてる頃に逆戻りしない様に気をつけるんだね。
レガートはなのはのトラウマを引き摺り出し、コインを無くす事=孤独と言う思い込みを植え付け、ユーノの元へと急がせた。
この時、レガートは普通に『ちょっと動物病院まで行ってくれない?』と言いたかっただけなのだが、レガ様症候群によるフィルターの所為でこんな風になってしまったのだ。
レガートがなのはに渡したコイン、それはGUNG-HO-GUNSが渡された物と同じ物である。
別に特定の誰かに最高の苦しみを与える為の代物だとか、超小型超磁場発生装置のパーツだと言う物でも無い、単に目印である。
これから彼は自分の拠点に戻り原作のストーリー再現と言う茶番を開始しなくてはならならず、遠距離から糸を操る為、個人の特定が少々面倒そうであり、大雑把にコインの有無で殺して大丈夫かそうで無いかを判断する事にしたのだが、レガ様ボディにとって糸で作った偶像で戦闘を行いながらその片手間で個人を特定する事は造作も無い事であり、このコインは唯の余興の一つになってしまうのはちょっと先の話。
口の中からコインをベロンとどっちにしようかと悩みましたが普通に行きました(白目)