そうだ!俺は約束したんだ!
「おじさん、俺…」
「行っておいで、家はわかるでしょ?」
「はい!」
確か机の引き出しに…あった!『私の命より大切なもの』シャルロットがそう言っていた。
─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─ ─
無我夢中で走った。思ったより時間はかからなかった。
「白石です。シャルロットさんに用事があって来ました」
「少々お待ちください」
聞いたことのある声だったな。誰だろ?
「お久しぶりですね」
思い出した!シャルロットの側近の人だ。
「お久しぶりです。シャルロットさんは?」
「あの時のようにシャロちゃんとお呼びになったらどうですか?」
「いえ、さすがにそれは…」
あの約束の後に俺は親父のとこに帰った。そしたらシャルロットがいた。おじさんの後ろに隠れてはいるけど確かにいた。俺の方が早く出たのに先に着いていたことと外に出たことに驚いた。まぁシャルロットが先に着くのはここに住んでいるし別にいいとして、外に出たことにはほんとに驚いた。
シャルロットに聞いたら変わりたいと言った。俺はびっくりした、部屋という殻に籠もっていたシャルロットが自分の意志から外に出たという事に、会ったばかりのやつがこんな事を思ってしまうほどシャルロットは心を病んでいたのに。そしたら続けてシャルロットがこう言った『あなたのおかげですよ』っと。
俺は頭にクエスチョンマークが浮かんだ。今日初めてあったこの俺のおかで?俺はなにもしていない。それを察してかシャルロットは続けて言った『私はこれまで学校で汚物のように見られてきた。でもあなたはそんな目で見て来なかった。それが私にとってどれだけ嬉しかったことか。本当にありがとう』っと。
「今日はどのようなご用件で?」
「シャルロットさんに渡したいものが」
「懐中時計ですか?」
「はい、シャルロットさんのお母さんは亡くなってたんですね」
「もう随分と昔の事のように感じます。でもお嬢様が懐中時計をあなたに渡すとおしゃった時には驚きましたよ。」
「俺も驚きましたよ。命より大切なものって言われましたから」
「そうでしょうね。それはお嬢様とビーナ様の写真が入ったお嬢様の宝物」
机の引き出しにずっと入れてたとは言えない…。
「それよりもシャルロットさんのところに…」
「おっとすいません。こちらです」
「ここです」
「部屋は変わってないんですね」
「はい、お嬢様が変えたくないと」
「そうなんですか、じゃあ俺は」
「終わったら近くにおるものに伝えてください」
「わかりました」
昔のように入ってみるか。
「失礼しま~す」
ん?真っ暗?まさかいないとか?でも側近の人はそんな事言ってなかったし。
「誰?お父さん?」
なんだ、いるのか。
「いや、ある約束があって来たものだけど君は?」
「私はその約束を破られたものよ」
うぅ、それを言われるときくな。
「そうなのかい、それよりもなんでここにいるの?この部屋は真っ暗だし」
「約束を破る人の前に出たくないの、真っ暗なのはその人に顔を見られたくないから」
ちょくちょく痛いとこ突いてくるな。
「どうして?」
「あなたにはわからないわ」
「ねぇ、いつまで続けるの?」
「あなたにはわからないわ」
あくまで続ける気ですか…。
「なら話してみてよ。そしたらその人もわかるかもしれないよ」
「信じてもいいの?」
「うん、まずは電気をつけよ?」
「それは無理よ」
「なんで?」
「さっきも言ったけど顔を見られたくないの。きっと顔を合わせてしまったら泣いてしまうから」
「泣く事の何がいけないの?」
「せっかくここまで来てくれたのに話が出来なくなってしまうわ」
「そんな事はないよ、時間はたくさんある」
「そう…なら」
「シャルロット…ごめん」
「いえ、思い出しただけでも」ポロッ
「え?まじで泣くの?」
「だ、だってふ…ふうく…ふうくんに忘れられてると思ったら…」
「ごめんて、ん?ふうくん?その呼び方は…」
「思い出したんならふうくんはふうくん。私の事も前みたいにシャロって呼んでよ」
「あーあー、口調も昔みたいに」
「呼んで!」
「シャ、シャロ」
「ふうくん…うわぁぁん」
「え?なんで泣く?」
「う、嬉しくて」
「それよりもこれ」
「懐中時計、ありがとう。なら私からもこれ」
「五円玉、いや~、これを本当に持ってたとは」
「約束したからね」
「なら懐中時計も渡したし俺は帰るよ」
「ま、待って」
「ん?なに?」
「え、えっと…」
は、はずかし~い。ふうくんがここに来たって聞いた時から言うって決めてたのにいざ言うとなると無理!恥ずかしい!でも言わないと。多分橘さんや如月さんもきっと…。
「ずっとずっと前からふうくんが大好きだったの!私と付き合ってくれませんか?」
「え?」
これで始まります、告白の嵐が。
始めを誰にしようかなーって思ってたんですけどここが丁度よかった!