うう、期間が開いた割に話が進んでない……。
ペース早めなければ…
「さて、どこから話したものかねぇ…?」
社長はそう言うとしばらく考え込んだ。
そして、突然口を開き語り始めた。
「そうだ!これだけは最初に言っておくが、私イコールあの巨人では無い。ざっくりと説明するならば、さしづめ巨人はロボットや飛行機といったところだ。私の立場はあくまでもパイロットのようなものに過ぎない。」
(ざっくりしすぎですよ…。)
度重なる驚きの連続で少し耐性がついたのか、彼の頭はそれなりに働いていた。
(しかし、あれが社長でないとするならば…何なのだろう…?不思議と安らぎを覚えたが…。)
「ふむ、さっきよりだいぶしゃっきりした顔になったじゃないか。どれ、話の続けるとしよか。」
「お願いします!」
彼が返事をすると、社長は遠い目をして語り始めた。
そうだねぇ、まずどこから話したものか…。
結論から言わせて貰うと、私も彼の事はよく知らないのだ。
それは承知しておいてくれたまえ。
さて、話を戻そうか。むぅ…彼と初めて出会った時は君と同じくらいの年で…そうそう、まだ黒井と2人でやっていた時かな?
確か…そうだ!今日みたいに撮影の下見で森だか山だかに来ていた時だよ。
え?場所かい?関西の…いや京都だったなぁ…。ああ、つまりこの山だけが変なんじゃないかと思ったわけだね。残念ながらそれは違うみたいなのだよ。
その時は確か夕方だったと思うが、私は迷ってしまって慌てていた時に急に悲鳴が聞こえて来たのだ。
その声のする方を振り向くとその土地の地主さんと黒井が、何かから必死に逃げている姿が見えてね。
勢いよく飛び出したのは良いんだが、その2人を追っかけていた化け物を見た途端足がすくんでしまってどうにもならなっくなってね…。
え?どんなって……うぅん……羽が生えた岩のような形だったかな?
一応頑張って動こうとしたのだがね…まあ、怖かったねぇ……。
私は結局動けなかったわけだが、とうとう地主さんが捕まってしまって、やばいって思った時だったよ。
突然凄まじい轟音と衝撃がして、灰色の拳が怪物を潰しているのが見えた…。
拳の先、上を見上げるとそこには白と赤の光が有ってね。見ていると何故か安心したのを覚えてるよ。
放心していた黒井達をよそに、私は巨大な拳に駆け寄って光の元を探した。
まあ君なら分かると思うがね、そんな事をしていたら自然と目が合っちゃったんだよねぇ…。
そこで初めてその拳が巨人のものだと気付いてね。
しばらくじーっと見ていたがなんとも言えない心地よさが漂っていたよ。
まもなく巨人はどこかに飛び去ってしまった。
私はもちろん、黒井も深く驚いてね…しばらくは2人でその話ばかりしていたものだよ。
世界の色々な伝承を調べたり色々な友人の力を借りたりしてまで、あの巨人の事を調べたものだが…これが、なぁんにも分からなくてね。最近は彼の事を忘れかけていたよ…。
今日、君の悲鳴が聞こえるまでは…ね…。
いやいや、恥ずかしがる事は無い。むしろ、よくあそこまで耐えられたものだよ。
そうそう、君の悲鳴が聞こえて駆け出した時にね急に目の前が輝いたかと思ったら何かの形をした石が現れて…何故か凄く気になってしまってね。
恐る恐る触れると…こう、何かに吸い込まれるような感覚に陥ってね…。
気付いたら、その白い棒と銃みたいな…いや銃だね。まあ、それが手に握り締められていたというわけだ。
おかしな事にね…私はそれらの使い方を知っていたのだよ!
ん?ああ、そうだよ。中心部が光っている時にそれを引き抜けば良いのだよ。
ふむ…やはり君も自然と分かったようだね…。
ここまでの話で大体分かっただろうが、どうやらあの巨人は変身させる人間を変えているようなのだよ。
何がどうしてそんな事をしなければならないのか、そこはさっぱり分からないが一先ずは感謝しようじゃないか。
ああ、そうそう!一番大切な話をしなければ。
次の変身者は、他ならぬ君だよ!まあ、さっきも言った事だがね。
この力は私みたいな老ぼれよりも、君のように気概のある若者が持った方が良いというものだよ。
大丈夫だ!君ならば彼にも認められる。?ああ、あの巨人の事だよ。まあそんなわけで、もしもまた怪物が出たりしたら、その時は頼むよ。
ふむぅ…まだ納得出来ていないようだね…。
ただね、君が納得しようがしまいがそれを使う時は必ずやってくる。
君もあの怪物の断末魔から感じたはずだ…これで終わりじゃないってね…。
何故そう思うかは自分でも分からないのだろう?
それをどうにか出来るのは、君だけなのだよ。これは老人の体には少々きついからね。
もちろん、私も出来る限りのサポートを約束しよう。
だから、今は君が戦ってくれ…あの子達を…今日の君みたいな目には合わせられんだろう。
おっと、彼女達をダシに使うのは卑怯かな?
だんだんと社長の言葉が染み渡る。
(俺が諦めなかったのは…あの子達の事を考えたからじゃないか…。それにもし、今日下見に来なかったら………考えてるだけじゃ駄目…だな。)
彼はアイドル達の傷つく姿や苦しむ姿など見たくはなかった。
「…分かりました。」
「おおっ!」
「彼女達を守れるだけの力、使いこなして見せます!!」
言い切る彼の顔には、不安と緊張がまだある。
だが、夜空に響くその声は、何よりも力強かった。
なんか、すいませんとしかいえませんね。
もっと早くするか、内容良くするかはしないと駄目ですね。