悪人面でもいいじゃない。リリカル黒夜君   作:ひひー

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裏切られる者

皆さん突然だが悪人面という言葉を聞いてどう思うだろう?

 

悪役の典型的な顔、何かしそうな顔、怪しげな顔

 

挙げてみれば数多あるだろうがその部類に入るのが俺の顔だ。

特に何もしてないのに怪しまれる、怖がられる、恐れられる。

 

生まれつきそんなデメリットを負っている俺だが今ではうまく人と付き合っているためこの街からでなければデメリットを感じることもない。

 

齢わずか9歳にしてそこまで出来たのは自分が所謂転生者というものだからだ。

別によくある二次小説の様に神様に会ってやって来たわけでも特典を渡された記憶も無い。

でもこの身には前世から受け継がれる世渡り術と、いつの間にか発現してた【肉体再生】、いや【肉体操作】的な能力がある。何故言い直したかというと未だに自分の能力が一体どんな能力なのか把握しきれてないからだ。怪我をした患部を元通りに治すことも出来れば、神経や脳を操り、意図的に痛覚を遮断したり視力を上げたり下げたり出来るため名前があやふやになってしまうのだ。

 

まあ、でも便利な能力なのには変わりは無いため重宝している。

 

最初は転生とか言ったらアニメ世界のどれかに転生したのかと思っていたがその考えは既に捨てている。何故ならこの世界の人間には全て感情がありモブと言うには失礼なくらい輝いていたからだ。だから、俺はこの世界を一つの作品なんかではなく俺が昔住んでいた世界と変わりのないものだと判断した。

 

出来ればこの世界の日常を壊したくない、そんな事を気晴らしに来ていた海岸線沿いにある臨海公園から海を眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーそう思っていた。

 

 

 

「? なんだこの不快な力は…」

 

突然自身を襲ったのはナニかよくわからない重圧の様なもの。まるでここから出ていけと言われているようにも錯覚する力。

 

もちろんそんなものに従う気はない俺は順番に体の感覚を生命活動に支障がない程度に機能を弱めていく。

 

「見つけた…」

 

便利な能力を使い自分に働く力を見つけ順番に対処していく。

 

やった事は単純、自分自身の体にその力に対して免疫が働くように変えただけだ。

 

そして不快感は消え、元の風景が見える筈だったのだが見えない。

 

「?…あぁ視覚と聴力を戻してなかったな。」

 

そして一気に感覚を元に戻すと信じられないものを見た。

 

自然現象では起こり得るわけのないピンクの光と雷の様な閃光。さらに巨大な巨木のような化け物。

 

 

こうして俺、黒夜響輝の日常は簡単に壊された。

 

 

▲▼▲▼▲▼

 

「なのは大変だ!近くに一般人の子供が!」

 

「え!?」

 

見回すとすぐ近くにその子はいた。

 

「あれは隣のクラスの!」

 

フェイトちゃんにもその姿が見えたのか慌てている。

 

だが彼は逃げるどころかゆっくりとした足取りで逆にこちらに向かってきている。

 

「なんで彼はこっち来るんだ!?」

 

ユーノ君の悲痛の叫びは届かず、彼は巨木の根によって切り裂かれた。

 

 

▲▼▲▼▲▼

 

 

「はっ…ハハッ…」

 

乾いた笑みがこぼれる。

 

俺の今までの日常とは何だったのだろう。

 

よく考えればわかったことである。今目の前で飛んでいるのはどう考えてもかの有名なリリカルなのはの主人公のなのはとフェイトだ。

そして、隣のクラスにそんな名前の子がいたはずだ。アリサもすずかも。というかふつうに何時も会話だってしている。

なんで気づかなかった。何故もっと疑わなかった。

 

自然と巨木の方に足が動く。

 

まるでこれは夢なんだろう?そうなんだろう?と懇願する様にゆっくりと足が動く。

 

 

しかし、現実とは無慈悲でありーーー

 

 

 

ーーー巨木が生やした根は俺の体を簡単に切り裂いた。

 

 

▲▼▲▼▲▼

 

 

「ユーノ君!治療用の魔法は無いの!?」

 

「無理だ!あったとしても彼の傷の深さを見れば助かる確率は…!」

 

「そんな!?」

 

私は彼…黒夜君に近づき体を抱きしめる。

 

その間にも黒夜君の体からとめどなく血が溢れ出る。

 

「お願い!目を開けるの!」

 

すると彼は虚ろな目を開き何も無い場所を見つめながら小さく呟きだす。

 

「…そ…か…夢だ……のか…」

 

「しっかりして!」

 

「こ…世界は…現実なん…じゃ…なかっ…のか…」

 

「何言ってるの!?」

 

さらに抱きしめる力を強くする。

 

「お願い!目を覚まして!」

 

 

フェイトちゃんが巨木の攻撃を止める中、私の叫び声が空に響いた。







え?主人公死亡?的な展開
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