ただ、そこそこの近くの友人・親戚などが比較的被害を受けた地域であるため若干その関係で忙しかったりします。
さて、先日告知いたしましたごません様とのコラボ企画話のスタートです。
全く同じ時系列の出来事をごません様と隠岐それぞれが描くスタイルになります。
ごません様には大変こちらが遅筆なせいでご迷惑をおかけしますが、同時投稿とさせていただきます。
新企画、お楽しみ下さい。
「というわけで、とっつあんによろしくな」
「…貴様のやり方の是非は何とも言えないが、仕事が助かる。それには感謝しよう」
今では珍しくなった深夜の公衆電話でルパンは笑いながら電話をする。
その電話先は先日憲兵隊に所属した、銭形の助手になった那智である。
那智もどちらかと言えば融通がきかないタイプではあるが、自分達の窮地を救ったのはルパンの非合法な手腕によるものといういこともあり、ある程度の許容を見せている。
銭形も巨悪を倒すためにルパンと手を組むことは辞さない程度の融通がきくところもあるが、あまり借りを作るのを良しとしないだろうという判断により、那智を通している。
事の次第を説明した上で、電話を切るとすぐそばで路上駐車で待っていた次元が運転席で煙草をふかしていた。
その助手席にルパンが乗り込むとともに次元は車を静かに走らせ始める。
「しっかし…この国もどんどんおかしくなってきてんなぁ…今回で何件目だ?」
「言うなって、根っから洗脳されてんだ。まともな判断をしろって方が無茶な話だぜ?」
ほんの少し前に二人はとある鎮守府に忍び込んだ。
その鎮守府の提督は反艦娘派に属し、またそれと同時に某大陸の『元』大国に軍事情報を売り渡している。
そんな情報を貝木と忍野の二人が持ってきたのだった。
さらには艦娘ですら売り渡そうと計画が動いていたのを水際で阻止できた、というのがこの晩の出来事である。
同様の案件が既に複数件にもおよび、ルパン達が手を出した鎮守府を皮切りに憲兵隊独自ででも同様の検挙が行われている。
余談だが、現在の大陸の国家バランスはというと。
某大国、及び半島の二国は艦娘はほぼいない。
艦娘となる元の艦がほぼいないせいではないか、と言われている。
対深海棲艦の海防能力はほぼ皆無なせいか、深海棲艦の猛攻を受けて沿岸部はほぼ壊滅。
少ない艦娘人間による肉弾戦で何とか上陸は阻止しているが、海からの資源回収はほぼ不可能。
そのように余裕がなくなると、一気に半島へと陸上戦力及び近代兵器により半島に侵攻。
そして武力で属国化、というよりも隷属を強いた。
それだけでは足りないとばかりに西へと攻め入ろうとしているのが現状である。
当然、国連による制裁処置も経済制裁のみならず、西への国連軍による包囲網が敷かれている。
しかし、国連に所属する各国も深海棲艦への対策で余力がないため、にらみ合いで止まっている。
「ま、土下座が好きならご自身だけで勝手にやってくれってんだ」
車を走らせ始めた次元が冷笑を浮かべて肩を竦めるのをルパンは笑う。
「あっちはもう余裕がねぇ、そして空っぽのプライドが許さねぇ。
そして反艦娘派と利害が一致する、そういう背景もあるんだろうけどな」
ルパンも煙草に火をつけて苦笑する。
「…なるほどねぇ…いずれにせよ、俺たちに迷惑かけねぇように自分だけでやってほしいってのは代わりねぇな」
「その『俺たち』ってのには、艦娘は入ってんのか?」
次元の呟きにニヤニヤしながらルパンがからかうが、次元は咥えていた煙草を無言で灰皿にねじ込むだけだった。
「そんなつまんねぇ冗談はさておき、あの招待状、どうすんだ?」
「ま、怪しいっちゃ怪しいがな…評判を聞く限りじゃ悪くないみてぇなんだよなぁ…」
先日、とあるブルネイの鎮守府より招待状が届いた。
内容を見るに、所属地は違うものの国防を担う者同士、親交を深めようという内容である。
とはいえ名目上としては『視察』という形ではあるが。
「親艦娘派でガチケッコンして、元帥の一人からの信頼も篤い…ねぇ…」
「ただ、俺たちは色々と目立つ存在だからな…あえて火中の栗を拾うようなマネをする理由が、なぁ?」
鎮守府へと車は走る。
その中でルパン達はうーむ、と悩む。
「…妥協案としちゃ、公的には表向きにはせず、なおかつこちらの武装可で、って感じか?」
「妥協、というか妥当、だな…」
次元の言葉に頷いて、同意を示すと助手席の背もたれにルパンは身を預ける。
親艦娘派でもあり、実力者でもある先方の提督に目立つルパンが接触したとなると警戒してくる連中もいるだろうという判断である。
「じゃ、そういう線で調整するわ」
「世話をかけて悪ィなぁ」
「今更だな」
男同士は薄く笑って、深夜の道路を走るのだった。
そして、当日。
公的な記録にはルパン達は鎮守府にまだいることになっている。
しかし実際にはこうしてブルネイの地を踏んでいた。
いつも通りの服装でタラップを降りる。
滑走路に止まった背後の飛行機は中身を弄っており、緊急時には即座にブルネイを離れることが可能だ。
「ようこそブルネイへ。俺がここの鎮守府の提督、金城だ。遠路はるばる悪かったな、ルパン提督。」
「いや~、俺様提督としてはまだまだ新人のペーペーだもんで。ベテラン提督のご招待とあっちゃあ来ない訳にもいかんでしょ~?」
金城という目の前の男に差し出された手を笑って握る。
その真意を見透かすように細めた目で見据える。
「そういやアンタ、制服は着ねぇのかい?」
その背後で早速懐から煙草を取り出しながら次元が問う。
名目上は『視察』である以上、てっきり堅苦しくくるかとも思った。
しかし、金城提督はニヤリと笑って言った。
「生憎と学がねぇモンでな。堅っ苦しいのが嫌いなんだよ。お前さん方もそういうクチだろう?」
自虐ともとれる言葉と、次元としても堅苦しくされたいわけじゃないためあえて何も言わなかった。
その隣の五右衛門もわずかに閉じていた片目を薄く開けて、金城を見据えた。
目の前の男はどんな男なのか、何を企んでいるのかと。
張り詰めはじめた空気を読んでか、金城が口を開く。
「……そういえば、事前に艦娘を3名同行させると聞いてたんだが?」
「おっといけね、忘れてた。お~い!降りてきていいぞ~!」
軽く笑いながら背後の飛行機に向いて、声をかける。
しかし、本気で忘れていたわけではない。
相手の出方や対応によっては、即座にこのまま逃げ出すことも考えていた。
そのためにルパン達が許可を出すまで飛行機で待機するように言っていただけだった。
「エスコートの一つもしてくれないなんて酷い提督よね~?」
「…少々、頭にきました」
「まぁ、そうなるな」
そう皮肉を言って、ルパンの芝居に乗って降りてきたのは龍田、加賀、日向であった。
この人選はルパン達に害をなそうとした場合を警戒しての人選である。
執務室詰めのトップとして、交渉や情報に関してルパン鎮守府一長けた龍田。
弓術や体術のみならず、正規空母としての腕、そして冷静さを買われた加賀。
五右衛門の指導を受けた剣術、航空戦艦としての腕で選ばれた日向。
龍田が頭脳となり、時には冷静な二人がサポートをしつつも遠距離、近距離戦能力で切り抜けるという人選である。
龍田とルパン一家の話し合いによる、ルパン鎮守府内の艦娘による『疑似ルパン一家』であった。
イベント海域の件ですが、やっとE5甲クリアです。
また時間作ってE6行かねば…。
あとはE2で照月も…。