大泥棒一味が鎮守府に着任しました。   作:隠岐彼方

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ルパン鎮守府が立ち上がってから現状への変遷をお伝えするために、どうしても地の文が多くなっております。
多少冗長化しておりますが、いつものことと諦めて下さい。(ぉ


17-2.ルパンは不二子とランチデートと洒落込むようです。

最近ルパン鎮守府では、ルパンの仕事はかなり減ってきている。

その理由は二つある。

まず一つ目はこれまでのルパンの組んだ段取りで外部の企業との契約などが完全に結ばれて、取引などが完全に軌道に乗った事である。

 

以前取り上げた酒保の計画も順調に進み、また親艦娘派がこれまで保護していた戦えなくなった艦娘を雇用する形での運送業などのいくつもの会社も立ち上げも終わった。

そして、ルパン鎮守府をモデルとした現行のコンビニなどの入ったスタイルの【親艦娘派提督向けのビジネスモデル】が完成したのだった。

 

このビジネスモデルとはどういうことか、というとそのままルパン鎮守府の形を取り入れる、ということである。

 

例えば、艦娘達の出撃、待機状態などの管理用のタブレット端末に入れるリアルタイムに現状を示す鎮守府運営管理アプリ。

コンビニ企業が提携して商品を提供する酒保。

またその酒保にネットで注文を受け付けて様々な商品を配送するweb通販サービス。

 

これら以外のこれまでルパンが立ち上げた艦隊運営にかかわる様々な事業をルパンから提供されるようになったのだ。

 

これまでの親艦娘派の提督達はこれらのことを何故しなかったのか。

いくつか理由があるが、大きなものは『様々な企業との契約締結の手間』、『目立つ行動への忌避』である。

 

当然酒保のコンビニ化に関してもコンビニ企業と契約を結ぶ際に条件を突き付けられたり、配達などの手筈を整えたりと様々な条件のすり合わせも必要になる。

企業も企業で利益を生むために存在する以上自分たちに有利な条件を求めるし、利益が見込めないなら契約を拒否するのは当然である。

そのため、かなりの能力やノウハウが求められる。

 

それがコンビニ以外の様々な企業との契約が求められる。

アプリに関しても、アプリ以外にも施設の様々な場所にアプリに対応する設備を設置するなどの工事などもある。

しかもそのための資金の問題などと広範囲にわたる問題があり、それを解決するには時間がかかりすぎる。

 

 

さらにもう一つの問題は目立ちすぎる、ということである。

 

鎮守府運営は艦娘から提督として認められるか否か、という一点が非常に大きい。

実際に人格・能力ともに艦娘に理性で評価されても、感情というか感覚で『でも提督じゃない』と評価されてしまうと鎮守府運営は成り立たない。

大本営によって様々な人材で実験してみたが、艦娘が過度のストレスを感じてしまって鎮守府が成り立たなくなってしまうという実験結果が出ている。

そのため、相応の申請さえ行えば鎮守府の相応の改造は認められている。

 

しかし、海軍というものは人の集まった組織であり、大きく言えば『親艦娘派』・『中立派』・『嫌艦娘派』という三つのグループが存在している。

 

『中立派』はそこまで艦娘に関する扱いには執着せず、全体がどう扱うかに任せるといった様子見なので大勢には影響しないので問題はない。

しかし、『嫌艦娘派』は艦娘への負担を一切考慮せず、機械のように扱う。

そのため、『嫌艦娘派』の方がどうしても成果は大きく、評価や階級は高い人材が多くなる。

 

そうなると、下手に艦娘の環境を改善しようと大きな動きをした際に先日の黒沼中将のような上役にあたる『嫌艦娘派』から睨まれる羽目になる。

それは組織人としてはよろしくなく、どうしても二の足を踏む結果に繋がりやすい。

 

しかし、ルパンにはそのようなことは一切考慮しない。

別にルパンは海軍内での出世に頓着していないどころか、面倒になったら飛び出せばいいくらいの感覚なので睨まれても気にしない。

そのため、横槍が入っても押し通してしまって現在のシステムを構築してしまった。

 

さらに浦賀との話し合いにより、単純な艦娘の環境改善のためのものだけでなく、鎮守府運営の効率化のためのサービスをも確立。

そのサービスと艦娘の環境改善のサービスをパッケージ化して、『鎮守府運営のため』に『ルパン鎮守府を通して一括で』サービスを依頼するという形を作ったのである。

その結果上役に何か言われても言い訳ができるようにしたのである。

 

「別に艦娘の環境整備はいらないと思うんですけど、鎮守府運営の効率化のために導入したんですよ。

セットになってるからいらないとは思うんですが、一緒に導入するしかなくて…」

 

という多少は苦しくても言い訳というよりもお題目があるかないかは大きく違う。

しかも海軍の大本営では禁止されている行為ではない。

なので、それらしい言い訳が出来れば十分であり、しかも煩雑な手続きは既にルパン鎮守府が行った契約を基にして右に倣えで問題がない。

細かい調整は必要でも、大筋でレールが敷かれている以上それに沿うだけでいいからである。

 

 

また、『準・退役艦娘』の扱いは『親艦娘派』でも問題になっていた。

ルパン達がやってくる以前からあまりにも酷い鎮守府は取り潰しになっていたが、その際に保護された『戦えなくなった艦娘』を『準・退役艦娘』として扱っている。

勿論、健全な運営をしている鎮守府の艦娘でも何らかのショックにより『準・退役艦娘』は出てくる。

 

しかし、ここで『艦娘』という存在がネックになってくる。

人間のようで人間でなく、艤装を纏っている方が力はあるものの華奢な女性の姿をしていながら常人の何倍もの力を発揮する。

一般社会で自由にさせるのも問題がある。

艦娘が邪な考えを持たずとも、悪用されないとは言い切れないためだ。

そのため、『退役艦娘』とすることはできず、『準・退役艦娘』として軍関係で保護するしかないが軍内でもそれほど仕事もなく扱いに困っていた。

 

それに軍関係の運送業などで軍直属の下請け会社をルパンが設立し、その責任を浦賀とともに背負った。

そして、コンビニなどの民間企業がその会社に卸した物資を、『準・退役艦娘』がトラックなどで契約した鎮守府に運ぶ。

そして、代金は現金ではなく資材で大本営に支払い、それで清算する。

 

燃料や資材はダブついたら暴落するが、軍の設備でも使用するので備蓄しても問題ないし、軍が国を通して民間に卸しても問題ない。

そのため、軍及び国内の経済にも寄与するため動き出した以上、止められない。

 

しかも、それらを全て確立した以上、ルパンが汗をかく必要はなくなった。

このシステムの販売の営業は貝木が行っている。

勿論一人ではなく、一般から雇用した人間も使っている。

今や貝木は詐欺など行えない一企業の代表となってしまっている。

ちなみに忍野はその部下という形で雇用され、様々な鎮守府の情報を集めて回っている。

あの服装で営業は無理である。

みかじめ代の請求と勘違いされても仕方ない。

 

 

閑話休題(それはさておき)

 

そういうわけでルパンは今は手が空き、様々な情報収集に専念していた。

その結果、先日の不二子の発見につながったのである。

 

そして、あの後連絡先の交換とともにいったん別れて今に至る。

 

「…で、それでどうするんだ?」

 

「どうするも何も話を聞かないと判断のしようもねぇだろ」

 

いつもの執務室でルパンは龍田の淹れたいつものコーヒーを飲み、本をペラペラとめくっていた。

その中のソファーに次元、五右衛門の二人が腰を下ろしてルパンを睨んでいた。

 

「オメェなぁ…あの女のことだ、ロクでもない企みをしてるに決まってるだろうが」

 

「左様、振り回されるのは御免だぞ」

 

次元、五右衛門ともに今までの経験から苦り切った顔をしながら放っておけと言外に告げる。

しかし、ルパンはそちらに顔を向けずに本に顔を伏せたまま動かない。

 

「もちろん俺も甘い顔をするつもりはねぇよ…ただなぁ、俺よりも色々とこの世界の事をわかってるようなんでね。

真偽はともかく、情報は多いに越したことはないだろ?

…だから、その薙刀…しまってくれたりしたりしたら嬉しいんだっけどもなぁ~」

 

軽くため息交じりに言っていたが、とうとうその斜め後ろに立つ龍田のプレッシャーに負けて懇願するように言って恐る恐る横目で龍田を見る。

執務室内でありながら龍田は艤装を装備し、薙刀を持って立っていた。

まるで山田浅右衛門のように。

 

「…鎮守府運営に支障が出そうなら、持ち帰って相談してね~?」

 

「その様子なら、大丈夫か」

 

龍田も本気で折檻しようというつもりはなく、釘を刺すに留めるつもりだったらしく素直に艤装をしまう。

やっと本から顔を上げたルパンの様子に静かに五右衛門は頷く。

 

「で、いつどこで会うんだ?」

 

「明後日の昼。場所はこっちの指定でいいってことだが、海軍の目を誤魔化せる場所っていうご注文だな」

 

「やっぱり後ろ暗いことやってんじゃねぇか」

 

質問の答えにやってられないとばかりに次元は帽子を抑えながら天井を仰ぐ。

 

「それ言ったら俺らも似たようなもんだしな…スペシャルゲストを用意しているってことだが…」

 

「そりゃま、そうだけどよ…で、お前一人で行くつもりじゃねぇよな?」

 

ルパンの言葉に納得したのか、短く吐息を漏らすと横目でルパンを見る。

言外に俺も連れていけ、と言っているのはルパンもわかっておりただ頷く。

 

「そうだな…万が一に備えて五右衛門には鎮守府にいてもらおうか。次元と俺と…大和か武蔵に頼むか」

 

その言葉を聞いて少し考えた五右衛門が口を開く。

 

「ならば、武蔵がいいだろう。武装していくわけにもいくまい…刀を携えてよいなら大和でいいと思うがな」

 

どうも普段の訓練での様子から五右衛門は判断したらしく、静かに頷く。

普段の出撃任務において、艦娘が揃ったルパン鎮守府の現状としてはあまり戦艦や空母が忙しくなるようなことは多くない。

その結果、自然と五右衛門に武道を学び、研鑽しあう事が多くなる。

 

ちなみに五右衛門はどうしても抜刀術に近い剣術ばかりがスポットライトを浴びがちだが、実際は伊賀忍術など様々な武道に精通している。

初代の石川五右衛門自体が伊賀流忍術を用い、かの百地三太夫の流れを汲むという言い伝えがあるほどである。

 

「ならそうすっかね…こっちも色々と裏を取れたし」

 

五右衛門の目を素直に信じると、本をパタリと閉じて執務机に置く。

その表紙には『世界史』と書かれていた。

 

 

 

 

 

その翌々日、ルパンは鎮守府を愛車のベンツではなく、黄色のフィアットである。

 

「むぅ…少々、狭いな」

 

「そう言うなって、そんなに遠くはねぇんだからよ」

 

よく晴れた昼前に次元を助手席に乗せ、後部座席に武蔵を乗せてルパンはフィアットを走らせる。

ルパンと次元はいつものスーツ姿、そして武蔵は外出するということもあってパンツスーツであった。

その武蔵は後部座席で女性にしては多少大きい身体を軽く窮屈そうにする。

 

「…で、待ち合わせは?」

 

助手席のシートを軽く倒し、インパネに足を上げた次元は窓を開けて春の訪れを感じていた。

さすがに後部座席の武蔵の事を考えてか煙草は吸っていない。

 

「ま、ランチというには合わないかもしれねぇがな…とある個人経営の喫茶店を貸切りにしたぜ」

 

「へぇ…お前にしちゃ珍しいな。どっかの高級レストランでも借りてキザにやるのかと思ったがよ」

 

ルパンの返答に次元は軽く皮肉って笑う。

その予想が頭にあったのか、ルパンは軽く唇を尖らせる。

 

「うるへー、このムッツリスケベ。硬派気取って、やるこたぁやってるくせによ」

 

「しょうがねぇだろ、俺の方がモテるんだからよ」

 

ルパンの反撃を軽く鼻で笑うように薄く笑って流す。

その余裕ぶった態度が気に食わないのか、ムッとして横目で次元を一瞬見るが街中の道路でよそ見運転はするわけにはいかずに前を向いて運転する。

 

「後で覚えてろよ?」

 

「ま、それはさておきだ…その喫茶店に何かあるんだろ?」

 

ルパンの捨て台詞を軽く流した次元が余裕を浮かべたまま、帽子の鍔から目をのぞかせながら口を開く。

 

「さっすが相棒…よくわかってんねぇ」

 

「あったりめぇだ、どんだけ付き合わされてると思ってんだよ」

 

次元の言葉にルパンが笑えば、次元が軽く肩を竦める。

そのやり取りを面白そうに武蔵が笑えば、座席の間から軽く顔を出す。

 

「なるほど、らしくない行動の裏には理由がある、ということか。ではルパン提督よ、その心は?」

 

明らかに楽しそうにする武蔵に苦笑するルパンだったが、楽しそうに笑いながら車を運転する。

 

「着くまで暇だしな…武蔵、貝木を覚えてるか?」

 

「ああ、あの胡散臭い男か。この前は暇がないと嘆いていたが?」

 

「そうそう。仕事量は自己責任でやってもらうしかねぇがな、アイツが全く違う世界からやって来た、という主観を持っているのは知ってるだろ?」

 

あくまでルパンは断定せず、『そういう主観を持っている』と表現した。

 

「ああ、らしいな。そして提督もとある時を境に艦娘がいない世界からこの艦娘のいる世界にやって来た、という主観を持っている」

 

「そうだな、勿論俺の気付かない間にどうにかして記憶を操作された可能性もある」

 

「ああ、魔法のランプの事件もあったな」

 

武蔵はルパン鎮守府の妖精が唐突に生み出すDVDでアニメ化されたルパンの過去の事件を見ている。

その中であったエピソードを口にする。

 

「そんなこともあったがな、どうも今回はそれにしちゃおかしい。

次元も五右衛門もまとめて拉致して記憶を操作する、しかも過去にあった艦娘に関わる記憶だけを消してしまうなんてピンポイントの操作なんて不可能だろ。

そこでヒントが鎮守府のDVDさ」

 

「…あのアニメがどうかしたんだ?」

 

流石に黙っていられなくなったのか、次元が問いをを入れる。

 

「俺もちぃとあのDVDを見たがよ、アニメになってることを除けば俺たちのやってきたことに間違いねぇ。

しかし、あの製品化された様子を見たら、とあるSFで見た『パラレルワールド』ってのを思い付いたわけよ」

 

「…平行宇宙ってヤツか?」

 

「なんだそれは?」

 

記憶を掘り起こして次元が怪訝そうに言えば、武蔵は知らなかったのか眉を寄せる。

さもありなんとルパンは小さく頷く。

 

「まるで無限のページのある本をイメージしな。その本の1ページには今の俺たちの宇宙の過去や未来、現在の全てが描かれている。

そして、隣のページはこの現在と全く一緒だが、一ヶ所だけ…そうだな、次元の今日の靴下が黒じゃなくて灰色っていう違いしかない。

その隣は次元のパンツの色が違う…という細かい違いが少しずつ異なっていて、ページが離れれば離れるほど今とかけ離れる」

 

「…例えば、我々艦娘がいない世界、提督たちがアニメの登場人物の世界…ということか?」

 

ルパンの説明を聞いて少しだけ考えれば、武蔵はルパンの言う言葉を咀嚼した後に答えを口にする。

それは次元の導き出した答えとも一致していたらしく、次元は口を開かない。

 

「そう考えれば貝木も俺たちと似たような事例、と言えるだろうな。

何しろ、鎮守府に帰ればアイツらの出るDVDがあるんだからよ…ま、アイツは元の世界で死んだ記憶があるらしいがな」

 

それは知らなかったのか、次元がギョッとした様子で目を見開いてルパンを見る。

それに反応せずに、ルパンは車を走らせ続ける。

 

「じゃ、俺たちは元の世界とやらじゃどうなってんだ?」

 

「知らねぇよ、もしかしたら胡蝶之夢のように夢の中の出来事かもしれねぇし。

あくまで仮説の一つってことしか言えねぇよ、平行宇宙が存在するかどうかの確認も出来なけりゃ違う平行宇宙の観測も出来やしねぇんだしな」

 

どこか慌てた様子の次元に肩を竦めるルパン。

完全にお手上げといった口調のため、次元も諦めてため息をつく。

その様子に苦笑しながらもルパンは慰めるように言う。

 

「でも、そんなもんわかったってしょうがねぇだろ?

とりあえず俺たちはこの世界に確かに生きてる…だったら生き抜く以外にねぇさ」

 

「そりゃ…そうだけどよ」

 

「なるほど、帰る方法どころか、帰る場所の存在の有無すらわからなければどうしようもないな」

 

次元よりも武蔵の方がルパンの心境がわかったのか、頷く。

その言葉にルパンは信号で車を止めると、窓を開けて煙草を咥えて火をつける。

 

「そういうこと…ま、それらがわかったらその時改めて考えればいいだけだしな。

誘拐されたなら誘拐されたで落とし前はつけるが…ちと話が逸れたな。

で、俺は考えたわけだ、似た事例が二件ある……だったら、三件目もあるんじゃねぇかってな」

 

次元がルパンに無言で続きを促すと、武蔵も黙ってルパンの横顔を見つめた。

 

「で、とある一人の男に当たりをつけたらこれが面白いことに芋づる式に見つかってな…それがこれから行く店が関係してるってわけだ」

 

そしてまた車を走らせながら、ルパンは窓の外に煙を吐き出す。

そこまで聞いた次元は深い溜息を漏らす。

 

「毎度のこととはいえ…よくそんな突拍子もないことを思いつくもんだ…」

 

「ま、今日行く先が本当に当たりかどうかは半信半疑さ。

その確認も兼ねてそいつらの溜まり場らしい、その喫茶店に行くことにした…ってとこさ。

外したところで問題ないしな…ちと、頭がおかしいんじゃねぇか、って思われるくらいか」

 

その言葉に次元は天を仰ぐ。

もう何も言えないとばかりに帽子を押さえながら首を横に振る。

しかし、武蔵はまだ聞きたいことがあるのか、どこか不安そうにルパンを上目遣いに見やる。

 

「…その…ルパン提督よ」

 

「んー?これ以上の推察はあるけど、行った先で確認した上でしか言えねぇぞ?

なんせ、推察っていう積み木を積み重ねまくった上の結論だからな。

途中で一個間違ったら俺の今の答えは違うってことになる…そんなことは恥ずかしくて言えねぇよ」

 

軽く冗談めかして言うが、武蔵はその表情を変えずに口を開く。

 

「仮に…仮に違う世界からこの世界に連れてこられたとしたら…その、帰ってしまうのか?」

 

「…その時に考えるがな……ある程度この世界でも途中で放り出していなくなることはしねぇよ」

 

武蔵のどこか普段とは異なる口調に少しだけ考え込みながらも、ルパン本人も答えが出ていないのか曖昧な言葉しか口に出来なかった。

その言葉に軽く笑った次元をルパンは横目で睨むことしかできなかった。

 

そして、短いドライブの時間の後にとある駐車場を見つけると、ルパンはフィアットを駐車場に停車させる。

 

「さーて、答え合わせの時間だ」

 

そう言うとルパンはフィアットの灰皿に煙草を押し込んで消すと車を降りる。

それに続いて普段通りの次元、そしてまだ何か言いたそうだが口を閉じた武蔵も降りる。

 

その視線の先にはバイク屋と併設された一軒の少々古い喫茶店が視線の先にあった。




実は生きておりました…恥ずかしながら。

更新が滞っていた理由は今後の展開を悩んでいたせいです。
ゴールは決まっているのですが、途中の展開をかなり悩みました。

最初の構想通りに展開させたら絶対荒れるなーという予想があり、展開に迷って全然書けなくなっておりました。
一ヶ月ばかり悩んだ末に「俺の読みたい作品・展開を書く」という根本に戻って、結局一番最初の構想通りに書きます。

下手に皆様の評価を頂いたせいで欲が出て、評価を気にし過ぎて自縄自縛に陥ったのは己の未熟さ故です。
長らくお待ちくださった皆様、本当に申し訳ございません。

そして途中の展開が気に食わないと思われた方はそっとお気に入り解除していただけますようお願いします。

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