大泥棒一味が鎮守府に着任しました。   作:隠岐彼方

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皆様お久しぶりです。

今回から他作品からのクロスオーバーが始まります。
苦手・嫌いな方はお気に入り解除をお願いいたします。


あまり言い訳するのもカッコ悪いので、一言。

皆様、ストレッチ大事。
特に腰、そして脚。


17-3.ルパンは怪しい会合を行うようです。

そして、店のドアに手をかける直前にふとルパンは振り返って武蔵を見る。

 

「武蔵ちゃんよ…まぁ、俺の護衛ってことで来てるのはわかってんだけどよ…。

一つコレだけは守ってくれ。『俺の許可か、相手から攻撃を受けるまではこっちからの攻撃は禁止』な?」

 

その言葉に怪訝そうに眉をひそめる次元と武蔵だが、次元はそのまま黙っている。

自分にもその言葉は適用されることはわかっている。

 

「…いきなりこちらから突っかかるつもりはないがな…。

その不二子は、そんな相手と手を組んでいるのか?」

 

「ま、推測だが間違っちゃいねぇだろうさ…とりあえず武装解除して入るくらいの気持ちでいてくれたら助かるぜ」

 

それ以上は詳しく言いたくないのか、小さく肩を竦めるだけでルパンは二人に背を向けてドアを開けるのだった。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

ルパンがドアを押すと、カウベルの音が招き入れる。

その中にあるカウンターの奥に柔和そうな中年男が笑顔を向ける。

 

「すんませーん、予約してたルパン三世って者だけども」

 

「あぁ、いらっしゃい。こんな喫茶店で予約なんて珍しくて驚いちまったよ」

 

ルパンの軽い挨拶にも男は笑って答えながら、奥まったスペースにある大きなテーブルに案内する。

いくつかのテーブルを組み合わせた上で洒落た清潔感のあるテーブルクロスが掛けられている。

 

そのテーブルには先客が一人いた。

 

「フン、呼ばれてきたが…何を貴様は企んでいる?」

 

そこにいたのは銭形だった。

いつものくたびれたトレンチコートは脱がないまま、帽子は預けているのか手元には置いていなかった。

 

「随分な御挨拶だな、とっつあんよ。

俺たちも善意の協力者として手を取り合ってる仲じゃねぇの…もうちっと心を開いてくれてもいいんじゃねぇの?」

 

「フン、悪党と馴れ合いはせん。貴様らも悪党だが、もっと腐った悪党が世の中には多い。

だから手を結んでいるだけだ」

 

次元のからかいに軽く唇を尖らせつつも、腕を組んでそっぽを向く。

しかし、その様子に苦笑してルパンは銭形の斜め90度にあたる席に座る。

当然次元、武蔵はその隣に倣って座り、二人でルパンを挟む。

 

「死人を捕まえることは出来ねぇだろ、俺たちの指名手配は死亡という事で抹消されてるんだからよ」

 

やれやれとばかりと肩を竦めつつも笑ってルパンが言うが、ジロリとその顔を銭形が睨む。

 

「ワシにはお前がこのまま大人しくしとるとは思えん。

大人しくなったならそれにこしたことはないんだがな…」

 

渋い顔つきの銭形の追及に肩を竦め、肯定も否定もせずに済ませる。

そのまま案内してきたマスターらしき男に人数分のコーヒーを頼むとともに、ルパンはエスプレッソを頼む。

武蔵、次元もそれに便乗してエスプレッソを頼めば室内にエスプレッソマシンの音が響く。

 

そのまま少し待てば、アルバイトなのか女性がそれを給仕する。

ルパンや次元を横目で見ながら武蔵が真似をしてカップに注がれた少量のエスプレッソに砂糖を入れてかき混ぜる。

二人は軽く水を口に含んで飲んだのちに、たっぷりと砂糖を入れて攪拌したエスプレッソを口に運んで飲んで通常のコーヒーよりも濃厚な味わいを楽しむ。

武蔵はそのパンチの強さ、濃さにギョッとしたような顔をするがこういうものかと納得したように頷く。

 

一方ただ一人のブレンドを飲む銭形は逆にドリップコーヒーをブラックで少しずつ飲む。

お互いあえて何も語らずに不二子がやってくるのを待っていた。

 

「…来たか」

 

お互いコーヒーカップを置くと煙草に火をつけて一服していると、不意に銭形が口を開く。

その言葉と共に武蔵が入り口に視線をやると、二人の人影が見え…

 

「武蔵ッ!!」

 

武蔵はその人影を見た瞬間、椅子から飛び跳ねるように立ち上がり、気が付けば艤装を纏っていた。

陸上での効果は海上に比べれば落ちるものの、十分に銃火器として成立する。

その砲身を入り口の、不二子の脇にいた女に向けていた。

 

威嚇などではない、ルパンの声が無ければほぼ条件反射といっていい感覚で砲撃をしていただろう。

 

その砲身の先にいた女二人はそれを平然としていた。

不二子はルパンを軽く責めるような視線で見つめ、連れの女は愉快そうに顔を少しゆがめていた。

しかし、それ以外には何も言わずにルパンの正面になる席に静かにつく。

 

不二子はいつも通りであり、パンツスーツ姿。

その隣に座る女は黒いワンピースで白い素肌を覆い、ロングスカートで足首近くまで隠していた。

その容貌は美しかった。

いや、美しすぎた。

 

「はじめまして、ね。話は伺っているワ…ルパン三世」

 

その女はその整った顔を、ほんのわずかに唇を歪ませて笑った。

それはひどく酷薄で、整っていて、吸い込まれそうな笑顔だった。

声は高く、冷たく、武蔵の背筋に冷たいものが走った。

 

「提督よ…わかっているとは思うが…」

 

「待ちな、お客様があと一組来るんだよ。話はそれからだ」

 

武蔵は知っていた、その女を。

直接見たことがあるわけではないが、今まで似た女たちと幾度となく戦いを繰り広げてきたのだから。

 

次元はルパン同様にその女の雰囲気に飲まれるどころか、どこか楽しそうにニヤリと笑って帽子の鍔を軽く下げるに留めていた。

 

武蔵は本能と言っていい、自分の奥底から目の前の女の危険性を感じ取っていて、出来る事ならば全力で砲撃をぶつけたい気持ちを必死に押し殺していた。

それと同時にその感情は恐怖から生じていることも理解していた。

彼女がこれまで戦ってきた女たち、それよりも上位に位置すると。

 

数分なのか、数時間なのか。

武蔵は最期のカウベルが鳴ったのがどれほど時間が経った後なのか、わからなかった。

しかし、その音が響いた直後に能天気な声が響いた。

 

「おう、猛じゃないか。悪いが今日は貸切りなんだよ」

 

「ああ、わかってるよ…おやっさん。今日は俺たちも呼ばれたんだ」

 

店主の中年男に声をかけられた顔見知りらしき男は静かに頷いた。

その男はカジュアルなスーツを身に着け、少々緊張気味の面持ちでテーブルについた。

 

「さ、お話合いの始まりといこうか」

 

ルパン一人がふてぶてしいまでの笑みを浮かべて頷くのだった。

 

 

 

「じゃ、自己紹介といきましょうか。

私は峰不二子。この『白姫』のパートナーにして、スポークスマンといったことかしら」

 

ルパン同様に堂々とした不二子が自己紹介をすれば、どこか掠れたような高い声音で隣の白い女が口を開く。

その声を聞くだけで一同の背中に冷たいものが走り、強烈な圧迫感に襲われるが、ここにいる一同はそれで暴発するほど短慮ではなかった。

 

「我が名はない…が、暫定的に『白姫』と名乗ってイル。

察しているだろうが…深海棲艦の姫の一人だ」

 

「予想以上に強そうだったけども、まぁそっち側に立ってるのは予想通りだねぇ」

 

ルパンがコーヒーカップ片手に笑うが、次元と武蔵は聞いてないぞとばかりにルパンを睨む。

それを苦笑気味に肩をすくめればルパンが種明かしをする。

 

「まぁ不二子ちゃんが義にかられて…なんて慈善事業をするわきゃねぇからよ。

軍とかに出入りしているのを確認して関係しそうな企業とかを洗ってたら、いくつもののダミー企業を含む企業を経由させて海底資源や貴金属、そして海上輸送ルートに関わってるのがわかってよ。

この御時勢で軍事的背景なしでそんな商売を大々的にいくつもできるってことは海軍なり、深海棲艦側に話を通せなきゃおかしいからな」

 

「あら、ひどい言い分ね…と言いたいけども、当たってるから何とも言えないわ」

 

不二子はルパンの言葉に軽く笑いながらコーヒーを口に運ぶと、少し考えてから喫茶店のオーナーにパンケーキを頼む。

そのままルパンは白姫と猛を見て、ニヤリと笑う。

 

「まぁ、腹を割って話そうじゃねぇの。おたくらは、『何がしたい』んだ?」

 

それを聞いて、猛は軽く動じたように目を見開き、白姫はニタリと笑う。

白姫はそのまま軽くルパンを下からねめつけるように、ねっとりと視線を走らせる。

 

「我々は…人類の自由と平和と正義のために戦う」

 

少し迷いを浮かばせながらも猛は言葉を紡ぐ。

それを冷笑したのが白姫だった。

 

「フム…まず、我が求めているのは『平穏』であることを告げておこうか。

理解のためには我の出自や、深海棲艦というものを理解してもらわねばなるまいヨ…」

 

「そりゃ助かるね。正直提督やってても、深海棲艦が何なのか、何を求めて戦っているのかがよくわからねぇからな」

 

当然ルパン三世ともあろう者が全く推測も何も立てずにこの場にやってくるはずもないが、あえて誰もその事は指摘しなかった。

そのまま、白姫による深海棲艦に関する話を黙って全員で聞くのだった。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

我はお主らと同じく、異なる世界より呼び寄せられた者ヨ。

但し、お主らと異なり、人間ではナイ。

 

過去を語っても詮無キ事ユエ、語らぬが…まぁ邪悪の権化として戦い、敗れ、眠りについた。

そして、その眠りの中で微睡む内に…ナニカに引き寄せられ、気が付けばこの身体になり、深海にて眠っていた。

 

その際に人類への憎悪などを子守唄が如く囁かれたが、我にも矜持ガアル。

我は挑まれ、挑み、戦い、敗レタノダ。

 

それを異なる身体故、世界故に、ナドと理由をつけて再度挑むナド無様ヨ。

 

とはいえ、目覚めたての寝起きに狂おしいほどの憎悪を植え付けられ、不意に大陸で暴れたことは不明でアッタガ、ナ。

我に返り、そのまま海にて眠っていたが、我には及ばぬにせよ深海棲艦は生まれた。

その者達の多くは理性もなく、ただ人類への憎悪とともに戦っていたが、我は関与しなかった。

 

その内『姫』と呼ばれる、多少の自我を持ち合わせた者どもも生まれ、次第に勢力が生まれた。

その者たちが我に助力や恭順を求めたが、全てを力にて突っぱね、話を多少はした。

 

その中でわかったのは、深海棲艦を生み出したのはこの『大地』、『地球』のようなモノだということだ。

人類により切り刻まれ、削られ、穢され、踏みにじられた怒り。

そして、人間を含む様々な生物の遺した怨念。

それらを捏ね上げて作られたのが深海棲艦というワケヨ。

 

トワイエ…無から生み出すわけではないらしく、何らかの『素体』にそのような『邪悪』を塗り固めて形にするようで、ナ。

その基となった『素体』によっては塗り固められた『邪悪』に囚われにくかったり、解放されやすかったりもスル。

その強さにより、『姫』と言われる種別も生まれるノヨ。

 

そして、艦娘はその『邪悪』を祓う力を無意識に持っており、攻撃によって沈めることでその『邪悪』を吹き飛ばすが…マァ、一回や二回沈めて上手く祓えれば運がいいだろう。

お主らの知っておる『姫』など無数におり、その中の一体が『邪悪』から解放されたところで大勢は変わりはセヌガナ。

上手く『邪悪』を祓い、『正』に転じれば『艦娘』と化すこともあれば、無に返ることもあろうヨ。

 

フム、勘違いしておるようだが、深海棲艦が『沈んだ』ところでどうということはナイゾ?

攻撃の食らい様によっては無に返る事もあろうが、『深海に棲む艦』である『深海棲艦』が深海に沈んでどうなると思ってオル?

 

 

話ガ逸れたナ。

我は『邪悪』の束縛からももう解放されておるし、戦う意味も見出せヌ。

故に、我は不二子に海軍に連絡をさせて情報を与えつつ、不可侵を誓わせたのダ。

その報酬に我のいる海域の資源や海底の財宝などを配下に集めさせて与えてオル。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

あまりに絶望的な戦力差と、知らされていない事実に一同が愕然としながらも、ルパンだけは煙草を吸いながらそうだろうなと静かに頷いていた。

 

「おそらくだが、『ガイア理論』のような『地球の意思』だか、神のような『超越者』がいて、それが人類に間接的に牙を剥いた、ということかね?

それか人によっては『神からの試練』とでも評するのかもしれねぇが…それを観測できねぇ俺たちからすりゃ、関係ねぇ話だな」

 

「アン?…地球が意思を持っていて云々とかいうやつか?」

 

次元の訝しげな言葉に首を小さく横に振る。

 

「そういうトンデモ理論と勘違いされやすいが、実際は要は地球と地球上の生命体は相互影響のもとにあり、地球が環境を自動的に調整している、ってのが正しい『ガイア理論』だがな。

俺が言うのは、そっちのトンデモ理論的な『ガイア理論』だな」

 

「よくわかんねぇな」

 

次元がお手上げとばかりに肩を竦めて煙草に火をつける。

それに少し眉を潜める猛。

 

「そうだとしたら…人類は地球に滅ぼされようとしている、ということか?」

 

その疑問に関して白姫が首をゆるゆると横に振る。

 

「そこまではいかんな。そのつもりなら天変地異なりで地球環境を大幅に変えてしまえばいいだけだ。

そして、人類側に立つであろうお主らを呼んだ以上、完全に人類を滅ぼそうとしているとは思エヌ…」

 

不二子が白姫がどこかいやらしい、試すような笑みを浮かべて睥睨するのを肩を竦めてみせる。

出されたパンケーキにナイフを走らせてから口元に運び、妖艶な唇をアピールするかのように軽くナプキンで拭いてから口を開く。

 

「とはいえ、私たちも世界を外から見れるわけじゃないから推測しかできないんだけどね。

結論から言うと、この世界は『ソーシャルゲーム』のようなものなんじゃないか、って思ってるの」

 

あまりといえばあまりの表現に全員が目を見開いて、不二子を見る。

ただ白姫だけがいきなりのネタばらしが気に入らないのか、つまらなそうに鼻で笑う。

 

「ソ…ソーシャルゲーム?」

 

「…ウム…あくまで喩えだがナ…。

人類の敵に、人類への憎悪などの『邪悪』を配置したのはいいが、思ったより我のように人類の敵側が強力すぎた。

故に、お主のように他の世界の『希望』となる、人類側の『ユニット』を慌てて配置した…というべきカ」

 

あまりといえばあまりの喩えにその場の全員が顔を引きつらせる。

ただ一人、ルパン三世を除いて。

 

「なら、この場にいる俺はキャラデータってわけか?」

 

「ドウダロウナ…私の感覚になるので正しいという保証もナイガ…この世界にいる我モ、ソシテ、本来の我の存在モ確かに感ジル。

ナラバ、一時の夢、胡蝶之夢ノ如キ世界なのかもしれヌ」

 

掠れたような、高い声で言い、それ以上は何も言わずにパンケーキを食べ始める。

その様子を腕を組んでいた銭形が困惑しきり、といった顔を一同に向ける。

 

「お、おい、ルパン!全くわけがわからんぞ!!」

 

「ああ、とっつぁんは気にしなくていいぜ。ある意味哲学みたいな、証明のしようのない話しだしなぁ…

要は、俺たちはこの艦娘と深海棲艦のいる世界で生きていくしかねぇ、ってことさ」

 

ルパンは軽く肩をすくめてカップを傾けて飲み干せば、カップを掲げて揺らして見せることでおかわりを求める。

ここまでの話は本題ではないのか、そのまま大した執着も見せずにあっさりとした結論で終わらせる。

 

「要は、ここが異次元だとしても次元を超える道具なんか作れるはずもなけりゃ、理論の目途もねぇ。

だったらココで生きていくしかねぇ。その上で、今俺たちの頭上には爆弾が飛んで来ようとしてる、それはいいな?」

 

 

 

 

一同が軽食を終えて、テーブルが片付くのを見計らうと食後のコーヒーとともにルパンがさほど厚くない書類の束を一同に配る。

銭形や不二子は目を細めてその書類をめくるが、一人だけその表紙を睨んだのちに顔を上げた男がいた。

 

「一つ聞きたい、ルパン三世」

 

本郷と呼ばれた男だった。

 

「そこにいる白姫という女性、そして提督であるルパン三世、憲兵隊に属する銭形。

この場にいるメンバーで大体のことは、これから何をするか、理解はした」

 

その書類を一瞥した上で中身を見ずに、そう言ってのける。

ルパン三世が天才ならば、この本郷も天才である。

本郷の瞳を見ただけで、ルパンはそれがブラフではないと判断して、笑う。

 

「さすがだね、城南大学生化学研究所史上最高の頭脳は伊達じゃねぇな」

 

「…その上で、聞きたい。『私に、何をさせたい』?」

 

ルパンのからかいめいた言葉に反応を示すことなく、真っすぐルパンを見つめて、否、見据えて言う。

それはまるで一足で飛び込み、一刀両断に斬りつける五右衛門のような鋭い瞳だった。

 

「ああ、一応そっちの行動原理というか、目的は知ってるぜ。安心しなよ、別に部下になって手足にしてぇなんて言いやしねぇよ」

 

警戒する理由をわかっているのか、笑ってルパンはテーブルに肘をついて軽く本郷を見上げる。

 

「一つわかってほしいのは、俺たちは正義なんてものは信じちゃいねぇわけだ。

ただな、敵には容赦しねぇし、外道に堕ちる気もねぇ」

 

ルパンの挑発的な発言にも本郷は表情を変えることなく、真っすぐ見据える。

その様子を茶化すような軽い口調で次元が継ぎ足す。

 

「俺たちが許せねぇってんならかかってくりゃいいさ。

勿論、鉛玉で返事させてもらうがね」

 

その喧嘩を売っているような言葉に苦笑しながらも否定する気はないらしく、ルパンは言葉を口を開く。

 

「ただな、そこにあるように今回のヤマは結構デカそうだ。

俺らもいっぱいいっぱいにならねぇとも限らねぇ…その中で泥沼の三つ巴、もしくはそれ以上の泥仕合なんかまっぴらごめんってわけだ」

 

そこまで言ったら本郷も求めるところを理解してか、頷いて手元の資料を手に取って開く。

 

「つまり、同盟。利害が一致するなら協力し、そうでないなら不戦を求めると?」

 

「それが理想だが、期待しちゃいねぇな。全てを知った上で俺たちと敵対したいならどうぞってなもんだ」

 

同盟を求めながらも敵対を認めるルパンに本郷は軽く顔を上げてそのニヤケ顔を見つめるがそのまま資料に目を落とす。

目の前の強かな男が敵対する相手にタダで情報を与えるはずもない。

つまりは手元の情報の確認は必要であるし、さらに、同盟を組めないような事態なはずがない。

 

そのまま無言で全員は手元の資料をめくるのであった。




中途半端といえば中途半端なところで申し訳ないですが、文量の兼ね合いでご容赦ください。

なお、今回から別作品からのクロスオーバーが増えます。
とはいえ、あくまでもメインはルパンです。

ルパンが他の作品の「天才」もしくは「超人」と組んだらどうなるの、って感じで書きます。
が、そこまで多くの作品からは出ません。

そして、知識的に間違っていたりしたらご指摘をお願いします。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

次回作はごませんさんとのコラボの最終話を書きます。
その後に、この続きと行きますのでご了承ください。

※追記
R-18タグを追加しましたが、私の意図するR-18ではないようなので、R-15のみにしておきました。

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