―今自分は、高等部の校舎へと歩いている。一年間通っていた校舎は見慣れたものだ。
自分の手に握られた封筒の中には、去年と同じ文字がでかでかと書いてあった。
・・・俺はいつもBクラスだ。Aクラスにはぎりぎり入れない。今年こそはと振り分け試験対策として勉強時間を思い切り長くしたはずだったのに。もちろん、Aクラスという『肩書き』と設備を狙い、試召戦争を仕掛けた。しかし、いつも惨敗なのだ。お互い消耗さえするが、Aクラスにはいつも消耗スピードが遅く、一気に叩き込まれてしまったり、長期戦に持ち込まれてしまったり。あちらの作戦は皆目見当もつかない。
「山、岡山!!」
「っ!?」
驚き後ろを振り向くと、そこには悪友の姿が。
「なんじゃ播磨か」
「なんじゃってなんや」
播磨もとい、
「ところで?またBクラスか」
「うるさい」
「よ・・・っと」
「あ、」
不意に手元の封筒を取られてしまった。『
「なんや~?後輩いじめか?」
「は、違うで、」
「あなたは…」
「なんや神戸か。」
「なんやってなんや!!おはようとか今日もきれいですねとか言えんのか!」
「は?今日もきれいですね?なんやそれ?お前は自分が観音とかと勘違いしとるんか?」
「ああー???」
また始まった…
今播磨と痴話喧嘩を繰り広げているのは神戸・
「胃・・・胃が・・・」
あちらで腹を抱えているのは但馬。
「う~・・・ん?なんやこれ・・・
『あの二人はほっときゃそのうち収まるで。心配するだけ無駄や。
丹波』
あ・・・胃薬・・・ありがとう丹波・・・
そしていま彼がつぶやいた丹波というのは2-Aクラス代表・
彼女もまた美人で、人気がある一人だ。切りそろえられた黒髪に深緑のひざ丈スカート。
「二人とも。」
「「なんや!!!」」
「遅れるから行ったほうがええと思うけど。」
「まあ・・・そうやな・・・」
「今日のところは許したるわ。」
「ったく・・・」
*******
昼休み。
自分は悪友播磨と弁当でも食べようかと3-Ⅾクラスへ歩を進めていた。と、自分の前に少女が1人。高身長な3年の中、少しへこんでいる影。その少女はAクラスの代表・丹波であった。
「すみません、播磨居ません?」
「え、播磨の黒髪の方の妹さん?」
「・・・妹じゃないですけどね」
「わ~初めて見た・・・!かわいい・・・」
「そんなことより播磨は?」
「あ・・・播磨ね播磨。」
「播磨~黒髪の方の妹さんが呼んどる~」
「あ?黒髪?・・・丹波か。どないした。」
「あんた、弁当忘れてったやろ。昼どうするつもりだったんや。」
急におかん口調になる丹波。
「あー。気付かんかった。サンキューな。」
「ああ、そうや。」
「なんや?・・・なんやそれ、どういう意味って、ちょう待ちい!」
「よく噛んで食べるんやで~。」
「おいおいそれ、手作り?うらやまし~」
「なんなんやあいつは・・・ん、岡山?」
「・・・おお、播磨。用は終わったか?」
「あ?・・・まあな。で?お前はどうしたんや。」
「いや、弁当食べよう思っただけじゃ。」
「そうか。せやったら一緒にいこか。」
「おう。」
*******
「そういえばなー。」
「なんじゃ?」
「さっき丹波がな、」
「丹波さんが?」
「岡山を見て、」
「俺を見て?」
「言ってたんやけど・・・」
「何を?」
「つーかなんなんや!ちょっと黙っとれ!!」
「お、おう、すまん。」
「で、丹波がな、
『岡山はんの実力、楽しみですわ。なあ?』
・・・なんて言っとってな。」
「・・・俺の実力?」
「ああ。なんかお前、丹波の恨みでも買ったか?」
「恨みって・・・お前んとこの母ちゃん、どんな性格やねん。」
「腹黒やな。」
「すっぱり言いやがった・・・」
「で?なんか心当たりあるんか。」
「いや。・・・でも『実力』って言ってるあたり、大体のことの見当はつくけどな。」
「は?」
「たぶん俺に伝わるようにわざとお前に知らせたんやろうけどな?」
「何のことや?」
「まあ、お前には関係ないことやし、すぐわかることやろ。」
「どいつもこいつも・・・よくわからんやつばっかりや。」
*******
―そして教室。
相手の考えていることのおおよそはわかった。多分、もうすぐ・・・
「失礼します!」
「!?」
教室内に透き通った声がこだました。
大勢に聞こえるようにか、大きな声で言ったのが効いたのか、みんなが入り口を振り向いた。
「・・・Bクラスの皆さんいいえ、いない方もいらっしゃるかもしれませんが・・・Aクラス及び学園理事長からの連絡です。」
・・・自分が考えていたより違う話なのか?しかし、全校ではなくBクラスへだけの連絡とは。学年だけでもこんなに面倒な方法は使わないだろう。
「AクラスとBクラスで、召喚演習をを行います。」
「・・・召喚演習?」
ざわざわと教室内が騒がしくなった。
「あ・・・あの!」
1人の生徒が手を挙げた。
「なんですか?」
「あ・・・えと、召喚演習とはなんですか?」
「召喚演習というのは、・・・そう、一種のイベントのようなものです。
今年度から、まだ試召戦争のできない中等部1年へ、試召戦争の実演を見せよう、という話がまとまりました。
というわけで、高等部2年A・Bクラスで決行することとなりました。」
「ルールなどはどのようになっているのですか?」
「はい、基本ルールは試召戦争と同じです。しかし、設備の変更などはありません。今回は試召戦争の基本形・全体戦争方式で行います。
戦争の様子は、1年が中継で見るのはもちろん、ほか学年も授業時以外は生中継されています。
今回私はAクラスの使者として、『宣戦布告』しにやってきました。・・・開戦は明後日の1校時です。お互い、頑張りましょう。」
・・・そして、試召戦争もとい『召喚演習』が始まる―。
出来ました!試召戦争がこれから始まっていきます―
どちらが勝つのでしょうか?楽しみだ・・・←書くのはお前だ。
ちなみに今回のタイトルは兵庫戦隊です!!関西の皆さんと見分けつかなくなるかも・・・
そこら辺は許してくださいっ!!