IS《Blind Revenger》―光を奪われた彼は復讐者と成る―【未完】   作:与祢矢 慧

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二作目です。
完結まで頑張るつもりです。


原作開始前
一話 プロローグ


 

 

少年は元孤児であったことと過去の記憶がないことを除けば、いたって普通に優秀な子供だった。

 

子供に恵まれなかった義両親は彼にありったけの愛を注げて育てた。

 

彼は両親の教育によって幼くして思いやりを持ち、勇気に溢れ人望がある人格者になった。

 

両親はそんな彼をよりいっそう愛をもって育てた。

 

三人の家族は円満な時間を過ごし、これからも同じように生きていくものと、無意識に思っていた。

 

 

 

 

そして、必然の偶然が起きた。

 

その日は朝からニュースが騒がしかった。少年の耳には『ミサイル』『白騎士』などの単語が繰り返し入ってきた。幼い彼でもよくわからない不安を感じ取っていた。両親は怖がる彼を励まし、食事をしようとした。

 

その時………………家が爆発した。

 

三人は吹き飛ばされ、その家は跡形もなくなった。

本来なら太平洋上で破壊されるはずのミサイルの一発が彼らの家に命中したのだ。

両親は少年を咄嗟に庇い、致命傷を負った。父親は頭部が粉砕し、下半身が消失していた。母親は両腕を失い、腹部に大きな破片が突き刺さっていた。

少年は二人のおかげで命は助かった。……しかし、破片が両目に突き刺さり、肩から右腕は千切れていた。時が経つと共に温度を持った血液がとめどなく流れ出る。

少年の意識は辛うじて保たれており、視界と腕を失ったことにも気づかず、ただ両親の名を呼び、痛みを訴え続けた。

だがそれも失血と痛みによって止まってしまう。

もう死ぬのか……。無感情に自覚した時、瓦礫を踏む音が聞こえた。

 

「……目標を保護。今から帰還するわ」

 

初めて耳にする女性の声が聞こえたのを皮切りに、少年の意識はそこで暗闇に堕ちた。

 

 

 

 

 

この日に起こった、日本に降り注いだ約二千発のミサイルを『インフィニット・ストラトス』と呼ばれるパワードスーツを纏ったたった一人の操縦者が《公式記録》では《全て》破壊した事件を、そのパワードスーツの姿を現し『白騎士事件』と呼ばれることになった。

 

 

 

 

 

 

事件の黒幕である天災はまだ知らない。

無限の成層圏を目指したスーツが、望まない方向に認められることを。

そして、自分のしでかした事の大きさを。

 

 

 

 

かつて白騎士を纏った世界最強は知ることとなる。

二人の生命を奪い、その罪悪感に押し潰されることを。

そして、自分の終わりが数十年早くなったことを。

 

 

 

 

姉に憧れる少年は思い知ることになる。

自分の掲げた理想がいかに空っぽであることを。

そして、自分の愚かさを。

 

 

 

 

光を奪われ、堕ちた少年は決意する。

両親と己の未来を奪った元凶に、残虐の限りを尽くして復讐することを。

そして、己のような存在を生み出した社会を潰すことを。

 

 

 

 

後に少年に恋をする少女達は誓いを立てる。

何があっても一生彼と添い遂げようと。

たとえその想いが実らないとしても。その選択が、世界を破滅に導こうとも。

 

 

 

 

『白騎士事件』の影が、歯車を狂わし始める。

 

 

 

 





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