IS《Blind Revenger》―光を奪われた彼は復讐者と成る―【未完】   作:与祢矢 慧

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どうも。
毎度、遅くてすいません。

しかし、とうとう、新しい(と言っても中古ですが)ノートPCを入手しました!
これで更新速度上がる! と思いきや、自分は四月から高校三年になってしまいます。
更新は多分、かなりおろそかになると思っていてください。
更新の間隔が短い時は勉強してない時です。その時は叱ってください。

UA、お気に入りありがとうございます!

では、やっと十話です。



十話 覚えのない再会:四

 

 揺れる炎が不規則な影を作る。

 

 ガラスに映る少年の赤く濡れた服が黒く変色している。

 

 髪はボサボサで、肌も所々火傷や傷を負っている。

 もっともひどい傷は右手だ。皮膚はズタボロになり、おびただしい量の血が流れ、白い骨が肉の隙間から見える。

 

(これは……俺だ。でも……こんな記憶は、ない)

 

 少年は見るからに幼い。およそ六、七歳。

 

 そして、トオルはその頃以前の記憶を持っていない。

 『白騎士事件』で両親を失ったショックではない。それより昔、まだ孤児院にいた頃から彼には過去がなかった。

 いつどこで生まれ、親は誰で、何故孤児院にいたのか。それら一切が記憶に残っていない。

 

 まるで、思い出したくない現実を封じ込めたように。

 

(……これが俺の過去だとして、一体何があるんだ……)

 

 少年はガラスに映る自分をただ見つめている。

 

 疲労が溜まったからか、がくりと膝をついた。

 それでも、大切そうに抱える少女には傷を負わせない。彼女には火傷も、傷もない。

 彼は右手で彼女の頬を撫でようとして、やめた。

 血で汚せないほど、彼女の表情は穏やかで……美しかった。

 

「………………ない」

 

 ぼそりと、少年がガラスに向かってつぶやいた。その声は小さすぎて、トオルは聞き取れない。

 また、彼はつぶやいた。

 トオルは意識を集中させ、どうにかその声を聞こうとした。

 

「……の…………べて…………ない」

 

 炎は壁を飲み込み、死体を灰に帰す。

 

 獣のように炎が二人に迫った時、壁が崩れて火の道を塞いだ。

 

「こ……の…………べてを…………さない」

 

 別の方向から二人を呑み込もうと巨大な炎がうねり、迫る。

 

 天井が崩落し、道を塞いだ。

 

 二人がいる狭い空間は一時的なシェルターになっていた。

 

 ガラスに映る彼の黒い眼が、蒼く光っていた。

 

「この世の全てを……許さない……!」

 

 噛みしめるように吐き出された言葉。それには死んでいった子供達全員の憎悪が込められていた。トオルはそう感じた。

 

 蒼の光が一瞬だけ少し強まる。ガラスに亀裂が走り、耳障りな音をたてながら派手に砕け散った。

 

 彼は少女を再びしっかりと抱きかかる。砕けたガラス片を踏みつけ、先の見えない暗闇に消えていった。

 

 そのまま、彼の視界は暗転した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なんだよ、これ」

 

(まるで……フィクションの超能力じゃないか……)

 

 彼は右手で見えない目を覆った。冷たい金属の感触が、現実を知らせてくれる。

 

「トオル、気がついたか!」

 

 起き上がったトオルに気がついたオータムが声をかけるが、その声は少し焦っている。

 それに気付き、彼はひとまずさっきまで見ていたことを考えるのを止めた。

 

「……オータムさん、敵ですか?」

「ああ、マークからの通信が来た。おおよそ十人、重装備だ。チッ、どこで感知された?」

「今更考えるだけ無駄よ。すでに爆弾は仕掛けたわ。今はとにかく迅速に、安全に撤退することだけを考えて」

 

 比較的冷静に振舞っているスコールだが、現状に対する危機感は大きい。

 この三人だけならやりようはあるかもしれない。しかし、ここには動けない少女がいる。ただの少女ではない、トオルの記憶の『鍵』になるかもしれない存在だ。この少女を連れていくと、必然的に一人が戦えなくなる。

 生きて帰れるだろうか? そんな不安がスコールの中で大きくなりつつあった。

 

 だが、対照的にトオルはいたって冷静だった。

 楽観的になっているわけではない。悲観的になっているわけでもない。

 ただ淡々と現状を把握していた。

 

(最も近い出入口は地上一回の裏口。敵はここから入ってくる。……入ってくるのが六人、外に残るのは四人。……なら、正面口から突破する)

 

 無意識に、彼は把握していた。そのことに疑問を持たない。

 組み立てた作戦、とも言えないような杜撰な作戦を二人に告げると、すぐさま頷いた。

 

「上で見つけたエレベーターはこの階に繋がってました。どうします?」

「どうもこうも、開いた瞬間に蜂の巣にされるのがオチよ。ダミーに使いましょ」

「なら移動は階段だな。……このガキは誰が担ぐ?」

「私が背負うわ。二人とも、よろしくね。あと、トールにこれを渡すわ」

 

 スコールはマドカを背負い、ロープを取り出して自分に括り付けた。

 ポケットから起爆装置を取り出し、彼に握らせる。

 

「じゃぁ、行きますよ。……三、二、一、ゴー!」

 

 その声と同時にエレベーターのボタンを叩く。一階のボタンが光ったのを尻目で確認し、階段を一気に駆け上がる。『閉』のボタンを押さないことで、到着の時間差が減ると予想した。

 その間も絶えず『情報』は頭に流れ込む。

 階段のちょうど半分あたりを過ぎた時に、敵は建物内に突入した。エレベーターはまだ三分の一も上がっていない。

 日頃の訓練のおかげか、軽く呼吸が荒いが息切れはしていない。

 ペースを上げて登りきると、敵がエレベーターの前で固まっている様子が見えた。

 壁に隠れ、小声で二人に指示をする。

 

「オータムさん、エレベーターが開くと奴らは撃ちます。その銃撃が止んだ瞬間に、フラッシュグレネードを投げてください。スコールさんはその時、同時に正面口へ走ってください」

「OK。でも、投げてどうするんだ?」

 

「俺が突っ込んで、殲滅します」

 

 ノータイムでトオルは言い切った。

 オータムとスコールは絶句する。いつもと違う雰囲気を纏う彼の様子に疑問を抱いた。だが、今は悠長にしている暇はない。

 ポーンとエレベーターが到着した音が鳴った。敵は一斉に銃を構える。

 

「早く、準備を」

 

 チャンスは一度きり。これを逃すと生還できる確率が大幅に減ってしまう。

 オータムはフラッシュグレネードを取り出し、スコールはいつでも走り出せる体勢をとる。

 

 エレベーターがゆっくりと開き、同時に六つの銃口から大量の弾丸が雷鳴のような轟音とともに飛び出す。

 十秒ほど銃声が鳴り響き、敵の一人の掛け声によって音が止んだ。エレベーターがもぬけの殻だと気づいた。

 狙い定めた位置に、ずれることなくオータムはフラッシュグレネードを投げた。

 チッ、と舌打ちをした敵の目の前にコロコロとそれは転がり落ちた。

 

「あっ」

 

 という間もなく、爆音と閃光によって彼らの視覚と聴覚は奪われた。

 

「ゴー!」

 

 オータムの掛け声で一斉に動きだす。

 トオルは飛び出しながら義手のフィンガー・ブレードを発動し、左手でハンドガンを構えて脳内の『情報』を頼りにトリガーを引く。パンッという乾いた音が三回続き、三つの弾丸は遠い位置にいた三人の頭を正確(・ ・)に撃ち抜いて血を撒き散らす。

 未だ混乱状態にいる残りの三人の内、最も近い者の喉首を右手で切り裂く。流れるような動作で二人目に接近し、手刀を胸に突き出す。寸分狂わず心臓を突き刺し、トオルは強引に腕を引き抜いた。

 最後の一人は混乱のあまりに持っている銃を乱射している。『情報』が知らせた射線からステップで回避し、トリガーを引く。弾丸は敵の右手に命中して、敵は銃を落とした。そしてもう一度トリガーを引き、頭を撃ち抜いた。

 この間、三十秒弱。

 

 その隙にスコールとオータムは正面口から脱出し、マークの援護射撃もあって無傷で逃げた。

 トオルは返り血を拭い、外に出た。どうやらすでに二人死んでいる。残りの二人もすぐそこにいる。

 一人を腕で刺し殺してもう一人は頭を撃った。

 

 義手の血を払い落とし、あらかじめ決めていた合流地点へと向かう。

 ある程度離れたところで起爆装置のスイッチを押す。背後で爆音が鳴り響き、森を揺らした。 

 

 

 合流地点にはすでにヘリも到着しており、彼らは早々に引き上げた。

 ヘリ機内では誰も一言も発さず、静かに帰投した。

 

 

 

 

 トオルは自室に直行し、シャワーを浴びてすぐに眠りについた。

 

 

 酷使した脳を休めるために、泥のように眠った。

 

 

 




 
書いててよくわからなくなったので、矛盾点とかあるかもしれません。
最後もしっくりこない。やっつけ感がありまくる。

そしてまだ原作にたどり着けない……。
ワンステップ分、カットするか……?

どんどん駄文になっている気がします。
アドバイス、誤字、指摘等、そして感想、評価お願いします。m(_ _)m
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