IS《Blind Revenger》―光を奪われた彼は復讐者と成る―【未完】   作:与祢矢 慧

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遅くなりすいません。
実はPCにジュースぶっかけてしまい、使用不可能状態となってしまいました。
現在、iPod touch第5世代でチマチマと書いてますが……
まあ、やる気が削がれます。

今回など、誤字や文字の間隔、文頭の一字開けがおかしくなってるかもしれません。
見つけたら笑いながら指摘してください。PCが復活したら修復します。

お気に入り、UAありがとうございます!
すでに前作を越えようとしています。


六話 新たなチカラ:ニ

 

 

神経を蝕むような激痛。

それに耐えるトオルは呻きづつけている。口には歯が欠けないようにガーゼを噛んでいる。

 

いま彼の右腕の付け根には、義手を神経と繋げるバイパスの役割を果たす『干渉機』が着けられている。

これはトオルが失ってしまった部分の神経に代わる、擬似神経を残った神経に無理やり繋いで義手を動かせるようにする物だ。

『接続率』がある程度に上がるまで、他人の想像を超える痛みが伴う。

 

トオルは全身に汗をかき、オータムが握っている左手には力が入る。痛みが和らぐわけではないが、オータムはその手を額に当てて祈るように両手で包む。

彼の寝ているベッドの横の計器はピッピピッと不規則なリズムを流す。

 

「思った以上に数字の進行が早い。予定より早く終わりそうです」

 

開発室長は、部屋の端で壁にもたれているスコールにそう告げる。

彼女はそう、とだけ返事する。

計器が鳴らす音の感覚が少しずつ伸び、数分後に鳴らなくなった。

それを確認した室員は室長に報せた。

 

「接続率安定しました。予想値より高いです。義手を装着しても問題と思います」

「解った。義手の準備を終わらしてくれ」

 

苦しげだったトオルの様子は少し落ち着いたようだが、まだ呼吸が荒い。

義手に繋いであったコードをほとんど外し、彼の横にセットする。

 

「義手を接続する。トオル君、いいかね?」

「………………ええ、大丈夫です」

 

一言だけを絞り出し、すぐに口を閉じる。

室長は一つ頷き、義手に右手を添えた。

周りの室員に目配せをして、全員が無言の返事をする。

一人の室員がベッド横のスイッチを押す。するとベルトが出てきてトオルの太もも、二の腕、腹を固定した。

室長は左手でトオルの右肩を押さえ、義手を近づける。

ぎゅっ、と彼の左手に力が入る。

「カウント、スリー……トゥー……ワン……接続っ!」

 

ガチンッ!

勢いよく義手を肩の干渉機にはめ込む。

途端、トオルを高圧電流のような痛みが肩から走った。

 

「ッッッ! グ、ウアァァァッッ!!」

「トールッ?!」

 

暴れそうになるも、彼を固定するベルトがそれを抑える。

オータムの驚愕した声も、彼には聴こえていない。体内に入り込む異物感や脳神経が灼けるような痛みに耐えることで精一杯だ。だが彼のかつて瀕死の重症を負った過去と復讐への意志がそれを支えている。

 

「数値はどうだ?!」

「まだ上昇してます!」

「義手の状態は?!」

「反応なしです!」

 

室長達はトオルの叫び声にかき消されないほどの大声で確認し合う。

ベルトに押しつけられ身悶えるトオルとは反対に義手はピクリとも反応を示さない。

 

「アァァァッッ!! ウグァッッ!」

「頑張れっ! トール!」

 

手放されそうになった手をさらに強く握りしめる。彼の耳に届いているかはわからなくとも、オータムは励まし続ける。

思っていた以上に苦しむトオルの様子を見て、スコールは思わず自分の口に手を当てる。

部屋に響き続ける声の中、その瞬間が来た。

 

「ッ! 反応出ました!」

「よしっ! 数値の方は?!」

「安定してきています!」

「最終接続を開始!」

 

室長は義手から最後のコードを外し、接続部に近いスイッチをONにすると……

 

ガチャンッ、ギュイン、ガシンッ!

接続部周囲が展開して、干渉機ごと肩にかじりついた。

突然、計器の音が止まる。

そして、トオルの叫び声も止んだ。

 

「…………成功です」

 

待ち望んだ室長の一言が、部屋にいる全員の耳に入った。

しかし誰も声を高らかにはしなかった。彼らは一様に、ベッドに横たわる少年をみつめていた。

 

「ハァ、ハァ………ハァ。やっと、終わった、のか……?」

 

ベルトを取り外し、上体を起こして義手を目の前に掲げる。掌を開いたり閉じたりしてゆっくりと動きを確認する。

創られた腕なのに、まるで生まれてから共にしてきたそれと同等、いやそれ以上の感覚を覚える。

そんな彼の肩に室長は手を置いた。

 

「お疲れ様でした。その様子だと、しっくりしているようですね」

「……ええ、思った以上に」

「我々も八徹した甲斐があるというものです。いますぐに機能の説明を、としたいところですが、お疲れでしょう。説明は明日にしましょう」

 

それでは、と言って彼は白衣を翻して部屋から去っていった。追従してほかの室員達も出て行った。

 

「……トール、大丈夫なの、か?」

 

恐る恐るオータムは声をかけると、トオルは無理のない笑顔を彼女に見せた。

「大丈夫ですよ。……あー、でもちょっとやばいかもしれません」

「えっ?! どこか痛いのか? 気分が悪いのか?」

 

ちょっとした冗談のつもりが、思った以上に慌てるオータムの様子を聞いて思わずプッと笑ってしまった。

それでからかわれた、と知ったオータムは顔を赤くしながら彼の肩を持って「トォー

ルゥー!」と憤慨する。

その様子をスコールは微笑ましいものを見る目で眺めていた。

 

「っと、オータムさん」

「ん? どうした?、またふざけるのか?」

「そうじゃなくて、すいません」

「へっ? って、トール?!」

 

ふらっと彼の身体が傾き、オータムにもたれかかった。

咄嗟に受け止めるが突然の行動にさっきとは違った赤色が頬に浮かぶ。けれど、すぐにいつもの表情になる。

彼女はトオルの向きを変えて背におぶると、近くに来たスコールに苦笑いしながら、そして愛しいものを慈しむような顔でこう言った。

 

「疲れすぎて、寝ちゃったよ」

 

スコールは微笑して彼の頭を撫でた。

 

「あんなに頑張ったもの。ゆっくりと寝かせてあげましょう」

 

そう言って扉を開き、エレベーターに向かって歩みだす。

 

トオルの青色の義手、彼の新たな腕は鈍く光を反射した。

 

 

 

チカラを手に入れた少年は、より深く物語を綴ることになる。

その先は希望か、絶望か。それを知るのはまだまだ先の話となる。

 

 

 

 

 

「そうだ、オータム。あなた一緒に寝てあげなさい」

「なっ、なっ、何言ってるんだスコール!」

「静かに。起きちゃうでしょ。何って、そのほうがトールの疲れが癒されるからよ」

「いや、だとしても、それは……」

「いいから、添い寝しなさい。トールも喜んでくれるわ、きっと」

「そ、そうか。なら………………」

 

 

 





細かい設定とかが全部見れなくなって、どこかでほころびが出てくると思います。
その時も前述のとおり、笑いながら指摘してください。
これから更新速度がさらに落ちると予想できますが、頑張ります。
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