今回は、ちょっとしたオリジナルの話になります。
束は武昭を研究施設内の部屋に連れて来て話を聞いていた。
「じゃあ、タッくんが防衛ロボットを破壊したのは、その“仙術”を使ったからなんだね」
「えぇ、亡くなった母親の遺言書にそれらを記した書物の場所が書いてあったのを探して覚えたんですよ」
「あっ そうなんだ………それでタッくんに聞きたい事があるんだけど………」
「仙術を教えてくれって言っても俺は教えるつもりはありませんよ」
「えー 教えてくれても減るもんじゃないじゃなーい‼︎」
武昭の意見を聞いた束は頬を膨らませていた。
「俺が使う仙術は、その気になれば………“人の命を奪う事が出来るんですよ”
だから、誰にも教えるつもりはありません」
「でもでも、それだったらタッくんが命を落としたら、もう仙術を使える人がいなくなるんだよ!?」
「それでも構いません……そうなった時はそこまでだったって事ですから……」
「タッくん……なら、一つ私と賭けをしようよ」
「賭けって、何を賭けるんですか?」
「私が勝ったらタッくんは私に仙術を教える
タッくんが勝ったら私はもう仙術を教えてほしいなんて言わないよ」
「その条件なら俺に何も得が無いんですけど?」
「だったら……私がタッくんの言う事を何でも聞くよ………
お金が欲しいって言うなら幾らでもあげるし、目の前から消えろって言うなら、その通りにする
だから……」
「束さん………わかりました、その賭けを受けます。 その代わり賭けの内容は俺が決めます」
「うん、タッくんは私の出した条件を受けてくれたから、私もそれを受けるよ」
「ありがとうございます。じゃあ、今日の所はこれで帰らせてもらいます。
あと、こいつは俺の連絡先を書いたメモです」
「ありがとう、なら私も連絡先を教えるね」
武昭と束は互いに連絡先を教えあうと、自分の家に帰った。
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武昭と束が賭けの約束をしてから数日後、二人は太平洋上にある無人島に来ていた。
「すみませんね束さん、こんな所を探してもらって」
「ううん、気にしなくても良いよ。それでこんな所で何をするの?」
「それを説明する前に……もう一つ頼んでたバリヤーは大丈夫ですか?」
「うん、今、この島の周辺3km圏内はバリヤーを張ってるから外からは何も感知されないよ」
「そうですか、じゃあ前に約束した賭けを始めたいと思うんですけど……
これは一歩間違えると命を落としますけど、本当にやりますか?」
「うん……私は構わないよ、それだけの覚悟はあるから」
束の目には強い決意が見えた。
「そうですか……なら、賭けを始め……ますっ‼︎」
武昭が合図を出したと同時に水の塊が束の頭を包み込んだ。
(ガバッ!?急に何をするの!?)
「それが俺の考えた賭けですよ……その水を取り除いて下さい。
ただし“何の機械も使わないで自分の力だけでしてください”それが束さんの勝つ条件です」
(そんなの出来る訳ないじゃない‼︎)
「一つだけヒントを出すと“感じるより、考えろ”です。途中でギブアップするなら手を二回叩いて下さい」
そう言った武昭は近くにあった石に座った。
(ガボッ!こんな状況で、そんな事を言われても………あっ、何か息が苦しくなってきた……
このまま手を二回叩いてギブアップした方が良いよね………)
束は手を叩こうとしたが朦朧とした意識の中武昭の言葉を思い出していた。
(そう言えば……タッくんは“感じるよりも考えろ”って言ってたっけ………
これは多分だけど、タッくんが仙術で作り出した物……
だったら、どうにかすればこれを壊せるって事なんだ……)
「おっ、何か雰囲気が変わったな………けど、そこから先に進めないと………」
武昭は真っ直ぐに束を見ていた。
(感じるよりも考えろ………タッくんが私の防衛ロボットを壊した時に聞こえてた独り言……
“氣の制御”って言ってた………私は、そんな事はある訳無いって思ってた………
けど、タッくんが言う仙術を使う為には氣を感じないと駄目なんだ……)
落ち着いた束は精神を集中させていた。
(昔に篠ノ之流の古文書を見た事があるけど、その中に氣の事が書いてあったっけ………
そうか……そういう事なんだ……だからタッくんは感じるよりも考えろって言ったんだ……)
「どうやら、言葉の意味がわかったみたいですね……けど、その先に進めるのかは束さん自身です」
(うん……何と無く体内を何かが巡ってるのを感じてる………これが氣なんだ……
タッくんはこれを手に集めて爆発させてた……だったら私がする事は……)
「ふーん、やっぱり天災って呼ばれてるだけあって、もう理解出来てるんだ」
(この水を取り除く、けどタッくんが使った仙術と同じなら私も危ないから………私がする事は……)
束が水に自分の手を当てると手に竜巻を起きて水を飲み込んだ。
「ハァハァ……これで私の勝ち………だよね………」
水を取り除いた束が倒れそうになったのを武昭が支えたが束は気絶していた。
「はい、束さんの勝ちですよ。今は休んでて下さい。」
水を取り除いた束が倒れそうになったのを武昭が支えたが気絶していたので
そのまま膝枕をすると頭を優しく撫でた。
はい、今回はここまでにします。
今回はオリジナル設定として束を仙術使いにしました。
使う仙術もオリジナルにしたいと思っています。
それでは次回をお楽しみにしてて下さい。