ISの世界に来た者。   作:北方守護

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第21話 白騎士事件 (前編)

束がISを作成してからしばらく経ったある日の夜……

 

「チッ!周りに海水が沢山あってもキツイものはキツイか!!

散撃・八岐水蛇!!(さんげき・やまたのおろち)」

海中に潜った武昭が複数の水の蛇でミサイルを破壊していた。

 

「けど!こんな事で弱音なんか吐ける訳ねぇだろう!!

斬・水糸×6(ざん・すいし )」

決意をした武昭は新たに来たミサイルを水の糸で捕まえると、そのまま膾切りにした。

 

 

一方、束の秘密基地で………

 

「ちーちゃん……タッくん……ごめんね………私のせいで………」

束がモニターを見ながら謝罪していた。

そのモニターには白いISを纏いバイザーで顔を隠した千冬と海中にいる武昭が写っていた。

 

何故、この様な状況になっているのか………

 

 

 

 

武昭が今の様になる数時間前………

 

束は武昭と千冬を研究室に呼び出していた。

 

「束さん、急に俺と千冬さんを呼んだりして どうしたんですか?」

 

「武昭の言う通りだ それよりも私は武昭が束と知り合いだった事に驚きなんだが」

 

「急に呼んでごめんね、実は2人に頼みたい事があるんだ……

これを見て……2時間程前に来た物なんだけど……」

束は研究室のモニターに何らかの映像を映し出した。

それには、逆光で顔が見えない人物がいて喋り出した。

 

〔始めまして篠ノ之博士。私は貴女にある提案をする為に連絡しました〕

 

「束、こいつは誰なんだ?」

千冬の言葉に束は映像を一時停止した。

 

「私にも分からないんだ、分かってる事は私が作ったISに興味があるから

連絡をしてきたみたいなんだ」

 

「ISの発表は、もう、やったんでしたっけ?」

 

「うん、前にタッくんに言われたから、どうしたら良いか考えたけど……

続きを流すね」

束が再生すると男は話し出した。

 

〔その提案とは、貴女のISを世に広める為……私達が手を貸そうと言うのです………

 

新たな兵器として使う為に………
」

そこで束は怒りながら映像を切った。

 

「ごめんね急に……けど、コイツの話はもう聞きたくなかったから……」

 

「それは分かりますよ束さん、このISは束さんが宇宙に行く為に作った物……

いわば、夢の翼なんですから……」

 

「まぁ、あの様な事を聞かされて怒らない方がおかしいがな」

 

「ありがとう、タッくん、ちーちゃん」

 

「これを私達に見せたかったから呼び出したのか」

 

「違うんだ、ちーちゃん……本題はこれからなんだ………」

束はモニターに日本地図を映し出した。

 

「実は、1時間程前に約2千発のミサイルが日本に向けて発射されたんだ……」

 

「なっ!?それは本当か!!」

 

「本当だからこそ、束さんは俺と千冬さんを呼んだんだと思いますよ」

 

「そうだよ、タッくんの言う通りだよ………

ちーちゃんには、これを使ってミサイルを破壊してほしいんだ」

束がパネルを操作すると白い機体のISが姿を見せた。

 

「これは私が作り出した最初のIS……名前を白騎士って言うんだ………」

 

「まさか、私がこれを使ってミサイルを破壊しろと言うのか!?」

 

「大丈夫だよ、ここから私が指示を出すし、ちーちゃんの運動神経なら問題は無いんだ」

 

「だが……私ではなく武昭では駄目なのか?」

 

「うん……何でか分からないけどISを動かせるのは女性だけなんだ」

 

「俺は前に実験したんですけど起動しなかったんです」

 

「だから、私が………そうだとしても私1人では………」

 

「大丈夫ですよ、千冬さんが1人でミサイルを破壊する訳じゃないですから

ですよね?束さん」

武昭が束に聞くと黙ってうなづいたが千冬だけは分からなかった。

 

「武昭、どういう事か教えてくれないか?」

 

「その話は後にしましょう、まずはミサイルの破壊が先です

俺は、ミサイルの着弾範囲の南側に行きます!」

 

「待ってタッくん、これを持って行って」

ミサイルの着弾地点に向かおうとする武昭に束は小型モニターが付いたガントレットとゴツいローラーシューズを渡した。

 

「それは、ミサイルのレーダーと通信機能を搭載した物だよ

もう一つは小型エンジンを組み込んだローラーシューズで時速40kmは出せる代物なんだ」

 

「なるほど、これで移動しろって事ですね ありがとうございます、束さん」

 

「おいっ!武昭……」

 

「ちーちゃん!時間が無いから急いで白騎士を纏って!!」

束は千冬を機体のハンガーに連れて行った。

 

 

 

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