束の研究室を出た武昭はミサイルが着弾する30分前に指定位置に到着した。
「ここが、束さんの研究室で確認した場所か………」
〔タッくん!聞こえる!?〕
「束さん、はい聞こえます 千冬さんの方はどうですか?」
〔うん、ちーちゃんの方も、もう少しで位置に着くよ〕
「そうですか……なら、俺は海中にいますね」
〔タッくん……ごめんね……私よりも年下のタッくんに、こんな事を頼んだりして………〕
束の声からは悔しそうにしてるのが分かった。
「束さん……確かに俺は年下です………
けど、それ以前に束さんは俺から教わってる……いわば弟子の様なものなんです。
師匠として弟子が困ってるのに手を出さない訳にはいかないですからね」
〔タッくん……うん……ありがとう………〕
〔束、武昭、どの様な事を話してるのかは分からないが……そろそろ予定時間になるぞ〕
千冬の通信を聞いた2人は気合を入れた。
〔ちーちゃんは私がサポートをするからミサイルを落として
タッくんの方はちーちゃんが落とし損ねたミサイルをお願い〕
「わかりました、千冬さんは無理をしないで下さい」
〔それは分かっているが……本当に武昭はどうにか出来るのか?〕
「はい……これでも、そこら辺の子供とは少し違いますんで……
おっと、話はここまでにしましょうか……お客さんが来たみたいですよ」
武昭が目視、千冬がセンサー、束がレーダーとミサイルを確認すると同時に各々は自分がやるべき事を開始した。
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武昭達がミサイルを落としている中………
〔ちーちゃん!残りのミサイルはちーちゃんの方が3発!タッくんの方は7発だよ!〕
〔あぁ!こちらも確認したぞ!〕
「俺も見えました!これで最後なら大技で行きますか!
喰らえ!集撃・蒼龍乱舞!!(しゅうげき・そうりゅうらんぶ)」
武昭が水中で両手を上に翳すと海水が大きな龍に変化して向かってきたミサイルを破壊した。
「フゥ、これで全部のミサイルは破壊したか………」
〔ちーちゃん、タッくん、お疲れ様……どうやら自衛隊がちーちゃん達を捕獲しようとしてるみたいだね〕
〔どうするんだ?束 逃げようと思えば逃げる事は出来るが………〕
「いえ、変に追跡されても面倒ですから 俺にいい考えがあります」
武昭がある事を提案すると束と千冬は、それを受け入れた。
武昭と千冬がミサイルを破壊し終えて………
「うーん……そろそろかな?」
束が秘密基地の一室にいると壁にヒビが入っていき少しすると武昭と千冬が壁から出てきた。
「ふぅ……どうやら見つからないで到着しましたね」
「悪いな武昭……それで、これも合わせてどういう事か話してほしいのだが」
千冬に睨まれた武昭は怯む事無く話し出した。
「ふむ……その様な事情だったのか………」
「えぇ、それで俺は仙術が使える様になったんです……」
「まぁ、普通の私ならばふざけた事を言うなとする所だが………
あの様な事を見せられたらな………」
千冬は武昭が開けた穴を見た。
「それで、武昭と束はいつ知り合ったんだ?」
「俺の父さんと柳韻さんが学生時代の知り合いだったんです。
それで、俺の剣術の修業の為に柳韻さんから誘われた時に会いました」
「最初に会った時には何の興味も持たなかったんだけどねー」
「ちょっとした事で束さんに俺の仙術がバレたんですよ」
「そうか………よく解剖や変な実験をやらされなかったな………」
千冬は武昭の肩を優しく叩いた。
「もーう!ちーちゃんとタッくんは私の事をどう思ってるのー!?」
「「人付き合いが苦手な引きこもりの天災科学者」」
2人の一言一句同じセリフに束は膝をついて落ち込んでいた。
「けど……これから大変な事が起こるかもしれませんね……」
「ん?武昭、それはどういう事だ?」
「いや、あの人物……便宜上黒服と呼びますけど……
アイツの考えてた通りになったなぁって………」
「そうか……黒服はISを兵器として考えていたが……
ミサイルを落とした事で、図らずもそうなってしまったと言う事か………」
「そうだね、ちーちゃんとタッくんの言う通りだよ………
けど、私は諦めないよ………私の夢はISで宇宙に行く事なんだから………」
「束さん、もし俺に手伝える事があるならいつでも言ってください………
俺が出来る限りの事をしますから………」
「フッ……ならば、私も手を貸そう………
ミサイル破壊に参加した時点で私も共犯者なのだからな………」
「タッくん……ちーちゃん……ありがとう………」
束は武昭と千冬に抱き着いたが2人は突き放す事をせず、そのまま抱きしめていた。
その後………
事件がTVなどで放送されたが………
その事件は「白騎士・蒼龍事件」と名付けられ歴史に名を残す事になった。