その後、鈴が中国に行く当日……
「鈴……向こうに帰っても元気でな……」
「分かってるわよ、あんたこそケガするんじゃないわよ」
空港に来た武昭は鈴の所にいた。
「あなた、私が居ないからって浮気なんてするんじゃないわよ?」
「おいおいおい、俺は病気の身体なんだぞ」
「そうだったわ、ねぇまだ時間があるから何か買いに行かない?」
「ん?……あぁ、そうだな悪いが武昭君、私達はちょっと買い物に行ってくるから」
春音は海崙に目配せをして武昭と鈴の2人きりにした。
(武昭君に伝えるなら今が良いわよ)
(うにゃっ!?な、何を言ってるのよっ!!)
春音は行く前に鈴に耳打ちをしてそれを聞いた鈴は顔を真っ赤にして頭から湯気が出ていた。
2人が離れて武昭と鈴はラウンジのベンチに隣り合って座っていた。
(武昭と2人きりになれたのは良いけど何を話したら良いのよっ!?)
「なぁ鈴……考えてみたら俺と鈴が出会ってから、結構な時間過ごしてきたよな……」
「フェッ!?そ、そう言えばそうね……初めて会ったのは私がいじめられていた時だったわ……」
「そこを俺が助けて転校したら同じクラスで隣同士の席になってな……」
「そうそう、それから今までこうして居るのよね……ねぇ、武昭……」
「ん?どうしたんだ?鈴」
「あの、その……あのね、私ね今、料理が上手になりたいから練習してるの……」
鈴は顔を赤くしながら武昭の方を向いた。
「だから……私の腕前が上がったら……酢豚を毎日食べて欲しいんだけど……どう?」
「えーっと……鈴、それは……あの、その……日本で言う毎日味噌汁を飲みたいって事と同じ意味で良いのか?」
「えっ、あのっ、そのっ……もーう!!そうよ!それと同じ意味よ!それでどうなの!?」
「俺の返事は……鈴みたいに可愛い女の子から、そう言われて嬉しいよ……」
「ならっ!「けど、今はまだ早いと思うんだ……」そうなんだ……なら……」
「勘違いしないでほしいんだ……言ったろ?
「えっと、どういう事?」
「だから……今度、鈴と再会する時までに俺は自分の気持ちを確認しておきたいんだ……それでも良いか?」
「武昭……うん、良いわよ……私だって長い間考えたんだから……」
「そっか……ありがとうな鈴」
「別に良いわよ気にしなくて……けど早く決めないと武昭より良い人を好きになっちゃうわよ?」
「だったら俺も鈴より良い女性を好きになるよ」
2人は顔を見合わせると互いに笑い合った。
その後、時間が来たので鈴達が飛行機に乗り込もうとした時だった……
「そうだ、鈴。お前に渡す物があるんだった」
「もーう、渡すならさっきに渡せば良いじゃないの?それで忘れ物って……フェッ!?」
武昭に呼ばれた鈴が近くに行くと、そのままおでこにキスをされた。
「な、な、な、な、何するのよっ!?」
「いや、昔に父さんが生きてる時に……病気の母さんにした事があるって思い出したから……」
鈴は顔を赤くして武昭は頬を染めながら指でポリポリと掻いていた。
それを見ていた周りの人達は優しい笑顔で見ていた。
その後……
「全く……武昭って大勢の前であんな事をしなくても……」
「その割にはすごく笑顔じゃない?」
飛行機に乗った後鈴は春音に揶揄われていた。
「なっ!?それは、その……」
「これは武昭君に責任をとってもらわないといけないわねぇ……」
中国に到着するまで鈴は春音に色々と言われていた。