鈴が中国に転校してから日にちが経ったある日……
「うーん……ここがモンドグロッソの会場になるドイツか……」
「結構冷えるんだな……」
一夏と武昭はドイツの空港に来ていた。
「えーっと確か、千冬姉が迎えが来てる筈だけど……」
「あっ、あれみたいだぞ一夏」
武昭が指差した方を見ると千冬が車の所にいた。
「千冬姉、来たぜ」
「千冬さん俺も呼んでくれて、ありがとうございます」
「気にするな武昭は私にとってはもう1人の弟の様な物だからな、それよりもホテルへ向かうぞ」
2人は千冬に促されて用意されてあった車に乗り込んだ。
車に乗って暫くすると宿泊するホテルに到着した。
「うわぁ……凄い立派なホテルだな……」
「多分だけど、ここはモンドグロッソに出る出場者の関係者用だと思うぞ」
「そうだ、武昭の言う通り、このホテルは関係者用で他国の選手等もいるからトラブルを起こす様な事をするなよ」
「「分かりました」」
「分かったなら良い、では部屋へ向かおう」
一夏と武昭は千冬の案内で泊まる部屋に向かった。
部屋に到着して中を見た一夏と武昭は言葉を失っていた。
「なぁ、一夏……ここって……ドイツだったよな?」
「あぁ……確かにドイツの筈だ……なのに……」
「「なんで!日本の部屋と同じ状態なんだ!(なんですか!)」」
ホテルの部屋とは思えない程に散らかっていた。
「い、いや、あのな……試合の打ち合わせや練習なんかで時間が……」
「武昭!袋を買ってきてくれ!!」
「分かったよ、大きめの奴で構わないな、千冬さんここのホテルのフロントで両替は可能ですよね?」
「あぁ、他国の選手も多いからな」
「じゃあついでに何かいるか?」
「だったら洗剤とかも頼む、俺は出来る事をやっておくから」
一夏は部屋の掃除、武昭は千冬と一緒に買い物に向かった。
少しして……
「ふぅ……とりあえずはこんな所だな……」
「そうだな、出せるゴミは全部出したし洗濯物は乾燥させるだけだからな」
「すまないな2人とも……ドイツに来たばかりでこんな事をさせて」
作業が終わった2人が汗を拭っていると千冬が頭を下げた。
「お礼と言ってはなんだが、近くにあるレストランを予約したから食事に行こう」
「ありがとうございます、一夏ドイツに来たからには」
「そうだな出来るだけ本場の味を覚えていくぞ」
2人はどこか燃えていた。
食事が終わってホテルに帰ってきた3人は、それぞれに用意された部屋で休んでいたが……
「あぁ、束さん?こっちはとりあえず何も無いよ」
〔そっか、ありがとうねタッくん〕
武昭は束に連絡を入れていた。
〔タッくん、私が頼んでおいてなんだけど……危ない事だけは気をつけてね?〕
「まぁ、それは相手次第ですよ、それじゃもう遅いんで……束さんも早く寝た方が良いですよ?」
〔う、うん……分かったよタッくん、じゃあね……(タッくんが私の心配を……えへへ)〕
武昭に心配された束は顔を赤くして喜びながら通信を切った。
ちょっとした設定。
ホテルでは大会の関係上、選手の部屋には家族が選手本人が許可した人しか入れない。