一夏と武昭がドイツに来て数日経った頃、モンドグロッソの決勝戦当日になったので会場に来た。
「やっぱり千冬姉が決勝に進出したか、このまま優勝すれば2連覇だ」
「それは、そうだけど相手も結構な強さみたいだぞ」
武昭は一夏と話しながら売店で購入したパンフレットを見ていた。
「えーっと相手はイタリア出身のアリーシャ・ジョゼスターフさんか……どうやら千冬さんと似たタイプって所か」
「だとしても勝つのは千冬姉だ!」
「まぁ……俺もそう思いたいけど勝負は時の運て事もあるからな」
「嫌な事を言うなよ武昭……そういや決勝戦が始まるまでまだ時間があるよな?」
「ん?あぁ、あと1時間って所だな」
「そうか、なら飲み物でも買ってくるか」
「なら俺も行くよ、ついでにトイレに行きたかったからな」
2人は席を離れたが物陰から何者かがそれを見て誰かに連絡をしていた。
用事を終えた2人が客席に戻ろうとした時だった……
「すみませんが、ちょっと良いですか?」
「俺達に何か用ですか?」
1人の男性が声を掛けて来たので武昭が対応した。
「はい、実は……ちょっと私達に着いて来てほしいんですが……ガッ!?」
「一夏!コイツ……
男性が何かを取り出す様に右手を懐に入れたと同時に武昭が殴り飛ばして一夏を連れてその場から離れると隠れていた者達が出て来たので避けながら逃げ出した。
「おい!武昭!一体何だよ!アイツらは!?」
「さぁな!けど、どう見ても普通の奴等には見えないよ!(もしかしてアイツらが束さんの言ってた奴等なのか?)」
「ガキ共!待ちやがれ!!」
一夏が武昭に事情を尋ねるが説明しながらも心当たりを考えていた。
そんな中、街中の時計を見ると決勝戦が始まっておりいつの間にか町外れまで逃げていた。
「チッ!試合が始まったみたいだな!」
「くそっ!折角、会場で見たかったのに……」
「しょうがないか……一夏
武昭は一夏が買ったペットボトルを手に取ると追いかけて来る奴等に中身をぶちまけた。
「うわっ!?こんな物で俺達を何か出来るなんてガキの考えだな!」
「一夏!俺から離れろ!!
武昭が手を地面につけると電気が発生し、ぶちまけた中身を伝って奴等を感電させた。
「どうやら、コレで追いかけて来るのは終わったみたいだな」
「武昭……今のは一体……何だよ?……」
「まぁ、今はまだ聞かないでもらえるか?いつか話すから」
「……あぁ、分かったよ、けど話せる時が来たら話せよ」
一夏は武昭の表情から何かを察して話を終えた。
「それよりも早く会場に戻らないと……一夏!危ない!!ガハッ!?」ドゴッ!
「痛っ!急に何するんだ………って武昭!?」
「へっ!私らの邪魔をするからこう言う事になるんだよ!!」
2人が話してると物陰から何かが出て来たので突き飛ばされた一夏が武昭を見るとISを纏った何者かに殴り飛ばされ近くの建物の壁にめり込んだ。
「チッ!油断したぜ……一夏!早くここから逃げろ!!」
「馬鹿野郎!武昭を放って「テメェがいたら邪魔だってんだよ!!」なっ!?」
一夏に叫ぶと武昭は壁から抜け出た。
「バカはテメェだよ!ここから逃すと思ってるのかよっ!!」
「一夏!お前がやる事はここから離れて助けを呼ぶ事なんだよ!!その時間は俺が稼いでやる!!
「なっ!?ISを纏ってる私を吹き飛ばしただとっ!!」
武昭の攻撃を食らった操縦者はその威力に驚いていた。
「今のうちに行きやがれ!!」
「武昭……助けを呼んでくるまで無事でいろよ!!」
一夏は悔しい顔をしながら、その場から離れた。
「さてと……来やがれよ!この程度でやられる訳ねぇだろっ!!」
武昭が叫ぶと操縦者が向かってきた。
「生身の体でこんな事が出来るなんて面白ぇじゃねえか!クソガキ!なんて名前だよっ!!」
「俺の名前か、俺の名前な宮本武昭だ!テメェの名前も教えてもらおうか!!」
「良いぜ!私の名前は
互いに名乗りを終えるとそのまま衝突し始めた。
「喰らえオータム!
「カッ!宮本ーっ!!どうやれば生身で機体にダメージを与えれるんだよ!!」
「手の内を明かす訳ねぇだろうがぁ!!行くぜ
武昭が技を出そうとしたがダメージを喰らいすぎた為、足が絡れてしまい、その隙に攻撃を受けて倒れた。
「へっ、幾ら機体にダメージを与える事が出来ても自分のダメージだけはどうにも出来なかったみたいだな!!」
オータムは倒れた武昭の頭を踏みつけた。
「さてと……このまま頭を潰してやるよ!じゃあな!宮本武昭!!」
「(くそっ……このまま死んで……たまる…)…かってんだよ!ウォォォー!」
「そんな叫んだ所で……なっ!?傷が!?グハッ!!」
オータムが武昭の頭を踏み潰そうと力を込めた時に武昭の傷が回復していき戸惑っていると再び殴り飛ばされた。
「テメェ!何を!?速度が!!クッ!!」
ドゴォーン!!
「嘘だろ?……おいおいおい……」
武昭がそのまま向かってきたのを寸前で何とか避けたが、殴られた建物が全壊したのを見て冷や汗を流した。
「宮本……テメェ本当に人間かよっ!!」
「………
「へっ!そんな攻撃くらいで!(なんだ!?何か嫌な予感がしやがる!!)」
オータムは武昭の攻撃を受けようとしたが何かを感じたので受けようとはせずそのまま避けると当たった壁が爆発し武昭が爆煙に巻き込まれた。
「避けなくて、あのまま受けてたら……しかも、あれだけの傷を負ってるなんて……〔聞こえる?オータム〕」
オータムが、そこを見てると爆煙が晴れて武昭が出て来たが殴った拳からは流血し腕は外からでも分かる程に骨が折れていた。
そんな中、機体に通信が来たので対応した。
「あぁ!聞こえてるぜ!
〔どうしたの?織斑一夏が織斑千冬に事情を説明して、そっちに向かってるわよ?〕
「うなっ!?チキショー!!途中までは上手くいってたんだけど、邪魔者が居たんだよ!!おっと!!」
〔邪魔者?もしかして、織斑一夏と一緒にドイツに来た子かしら?〕
「あぁ!こいつは何をしてるか分からないけど
〔嘘でしょ……生身の体でISと互角なんて……良いわ、今はそこから離れなさい、早くしないと織斑千冬達が来るわよ〕
「分かったよ!おらっ!じゃあな!宮本武昭!!今度会った時は必ず始末してやるからな!!」
オータムは武装にあった煙幕の様な物を発動させると、その場から離れた。
それから少しして……
「おいっ!大丈夫か武昭!?……なっ!?なんだ、これは……」
機体を起動させた千冬が駆けつけたが武昭は体中傷だらけで、その場に立っており周りには多数の瓦礫等があった。
「武昭!ここで何が合ったんだ!?……武……昭?……武昭!!」
武昭が千冬を見ると安心したのか倒れそうになったのを千冬が慌てて受け止めたが意識が無かった。
この話では千冬が優勝した後に一夏から事情を聞いて会場の警備をしていたドイツ軍と一緒に探索に向かってます。