ISの世界に来た者。   作:北方守護

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第36話 裏では……

武昭が千冬に発見されてドイツのとある病院に運ばれたのと時が前後して……

 

「私が!タッくんにあんな事を言わなかったら、ああなる事は無かったのに!!」ドン!

世界のどこかにある束の研究所で武昭の状況を知った束が強く握った拳で机を叩いて後悔して泣いていた。

 

「私はどこかでタッくんに甘えていたんだ……タッくんなら問題は無いって……けど、そうした結果が今回の……」

 

「束様……そんなに自分を責めないでください……」

束が自分のした事に後悔していると腰までの銀髪に両目を閉じた女性が寄り添うと束の両手を取った。

 

「クーちゃん……だって、タッくんがああなったのは私のせいなんだよ?……」

 

「束様、私は武昭様には会った事が無いから詳しくは言えませんが……白騎士・蒼龍事件の時に千冬様と共にミサイルを撃墜したのではありませんか?」

 

「うん、誰かは未だに分からないけど、あの時にちーちゃんとタッくんは私の頼み事を受けてくれたよ」

 

「その時に2人は束様を受け入れてくれた筈……もし嫌悪感があるのならば、その様な事はしない筈です……」

 

「クーちゃん……」

 

「それに束様がしなければいけない事は後悔する事では無く……武昭様の為に今出来る事をするべきでは無いのですか?」

 

「そっか……クーちゃんの言う通りだよね!よーし!タッくんの体を治す為に特製ナノマシンを作るよー!!」

クーちゃんに元気付けられた束は袖で涙を拭うとキーボードで何かを入力し始めた。

 

「タッくん……私が悲しんでも何もならないよね……だから、待っててね……」

 

(束様が元気になって良かったです……では私は食事を作って来ましょう……)

クーちゃんは黙って部屋から出ると料理を作りに向かった。


束が元気になった頃と前後してドイツのとある病院では武昭の手術をしていた。

その手術室前のソファに一夏が座っていたが悔しさから強く拳を握っており近くの壁に千冬が寄り掛かっていた。

 

「なぁ、千冬姉……武昭は……大丈夫だよな?……」

 

「……それは私には分からない……私がここに搬送した時に診察した医者によると息があるのが不思議だった様だ……」

千冬の言葉を聞いた一夏は拳でソファの座面を強く殴り付けた。

 

「クソッ!俺がもっと力があったらあんな事には「無理だな」なっ!千冬姉!無理ってどう言う事だよ!?」

悔しがってた一夏は話を遮った千冬に詰め寄った。

 

「例えお前に力があったとしても武昭と同じ事をする事は無理だ……武昭とお前とでは【ある物】が無いからだ」

 

「千冬姉、そのある物って何だよ?」

 

「それは私に説明する事は出来ないし、例え説明出来たとしてもそれを理解するのは難しいんだ」

 

「どういう事だ「一夏、ランプが消えたぞ」本当だ!」

一夏が千冬に問い詰めようとした時に手術中のランプが消えて執刀していた医者が出てきたので千冬が尋ねた。

 

「先生、武昭の具合はどうなんですか?」

 

「えぇ、難しい手術でしたが出来る事は全てやりました……ですが意識はまだ……」

医者が話してるとストレッチャーに乗せられた武昭が出てきた。

 

「武昭!「今はまだ麻酔が効いてますが例え切れても目覚めるとは限りません」なっ……」

一夏が駆け寄ろうとしたのを医者が止めて説明を聞かされて信じられないと言った表情になっていた。

その後、一夏と千冬は武昭の病室にいた。

そんな中、誰かがノックをしたので千冬が許可を取ると眼帯をした青みがかかった黒髪の女性が入ってきた。

 

「失礼します、ドイツ軍特殊部隊所属 クラリッサ・ハルフォーフと言います。

今回の事を謝罪しに来ました」

 

「あぁ、そうか……今回の警備はドイツ軍が主体で行っていたんだったな……それで…… 何故、この様な事が起きたんだ? 

 

 「はっ!あの、その!(落ち着くんだ!今、私がするべき事は何を言えば良いかだ!!)」 

千冬の迫力ある言葉を聞いたクラリッサはどう言えばこの状況を変える事が出来るか必死で考えていた。

 

「千冬姉、気持ちは分かるけど少し落ち着かないと彼女が何も話せないよ」

 

「そうか、一夏の言う通りだな……悪かったクラリッサ」

千冬は一夏に宥められると雰囲気が元に戻った。

 

その後、千冬と一夏はクラリッサから今回の経緯を聞かされたが……

 

(なんで私がこんな目に遭わないとダメなんだ!?)

2人の雰囲気を感じて涙目になっていた。

 

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