クラリッサから事情を聞かされてから数日経って……
「ガハッ!まだまだ……やれるぜっ!」
「ほう……さすがは教官の弟だな……だが、まだ甘いっ!!」
ドイツ軍の基地敷地内の広場の1つで一夏が長い銀髪で片目に眼帯をした少女と体術訓練をして投げられていた。
少女の名前はラウラ・ボーデヴィッヒと言いドイツのIS部隊の部隊長をしている人物だった。
ラウラは以前に軍の実験の被験者になった事があり、その時の実験が上手くいかず失敗作と言われていた。
それから少しして千冬が来て教官として教育を受けて部隊内でもかなりの実力を持った。
そんな中……
「お前は……あぁ、上官が言っていた教官の弟か」
ラウラが基地内を歩いていると体を鍛えている一夏を見かけた。
「君は……もしかして千冬姉が教官をしてる部隊の……」
「そうだ、ラウラ・ボーデヴィッヒだ。お前に聞きたいが……お前は自分が教官の邪魔をしたと理解しているのか?」
「分かってるよ……けどな、ただの一般人だった俺に何が出来るって言うんだよ?幾ら千冬姉がISの操縦者って言っても俺は何も無かったんだ……なぁ、教えてくれよ、俺は何をしたら良かったんだ?」
「そうか……(なるほどな……何か気になる事があったが、彼は以前の私と同じなんだ……)」
ラウラは一夏の表情から自分の事を思い出していた。
「私から言えるのは、何かしたいのなら色々とやってみる事だな。それで自分に何が出来るか見つけてみろ」
「ボーデ「ラウラで構わん。」そうか、分かったよラウラ、ありがとうな」
「気にするな、力が無いという事はよく知っているからな。すまんが私はこれから訓練なので失礼する」
「色々とやってみるか……じゃあ最初に……」
一夏にお礼を言われたラウラは訓練所に向かい一夏は何をしようか考えていた。
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その後……
「千冬姉!俺も訓練に参加させてくれ!!」
「一夏……お前に聞くがなんで参加しようと思ったんだ?」
「簡単に言うと自分の為だ。千冬姉も知ってるけど俺が攫われそうになった時、武昭がいたから助かったんだ……
あの時に俺に他に何か出来る事があれば、武昭もあんな風になる事も……だから……」
「そうか……だが、私の訓練に参加するには生半可な気持ちは許さんぞ?」
「あぁ、俺だって分かってるよ……それがどれだけキツい事か……それでも俺は……」
千冬は一夏の決意が強い事を感じるとある事を命じた。
「分かった……では、これからボーデヴィッヒと体術訓練をするんだ。来るんだボーデヴィッヒ」
「は、はいっ!ラウラ・ボーデヴィッヒ来ました!!」
千冬に呼ばれたラウラは軽い小走りで近くに来た。
「これからボーデヴィッヒには、コイツと体術訓練をしてもらう、良いな?」
「はい、それが教官からの命令ならば受けます」
「一夏、お前も良いな?」
「あぁ、わかったよ……今は俺が出来る事をするだけだから……」
「そうか、ではお前らは少し離れた所で訓練を行うんだ」
千冬からの指示を受けた2人はその場を離れると訓練を開始した。
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その後……
「これでどうだ!?うわっ!?」
「うむ、今のは良い動きだったが、そこで油断をしたな」
一夏はラウラと訓練をしていたが地面に投げられていた。
「ほら、手を貸してやろう、少し休憩する」
「あぁ、ありがとうなラウラ……くそっ、折角上手く行ったと思ったのに……」
「それは当たり前だ私は軍に入って、それなりに鍛えているのだからな(だが……さすが教官の弟と言った所だ)」
2人は休憩しながら話していたが一夏の成長力を感じたラウラは感心していた。
一方……
「なんで一夏に電話が通じないの?……もしかして何かあったの?……」
中国では鈴が一夏に連絡がつかない事を不安に感じていた。
「鈴?一夏君はなんだって?」
「いえ、一夏にかけても電話が通じないの、雪子さんが言うには千冬さんがモンドグロッソに出場するから一緒に行ったって言うんだけど……」
鈴は春音に事情を説明した。
「そう……じゃあ、まだドイツにいるんじゃないの?」
「そうかもしれないけど、もうモンドグロッソは終わって少し経ってるし……それに……」
鈴は割れた武昭から貰った猫の人形を見た。
「なら、千冬さんに連絡してみたらどう?」
「え?千冬さんに……?」
「えぇ、連絡先は知ってるんでしょ?」
「うん、日本にいる時に聞いたけど……ちょっと苦手なのよね……」
鈴は千冬の事を思い出していた。
「そんな事を言ってる暇があるなら連絡しなさい!じゃないと今日のご飯は抜きにするわよ!!」
「は、はいっ!分かりました!!」
春音に叱責された鈴は慌てて千冬に連絡をした。
その後、鈴は千冬に連絡がついたが……
「はい、わかりました……」
「鈴、どうだったの?」
「うん……ちょっと事情があって今はドイツ軍にいるんだって……」
「そうだったの、なら連絡がつかないのも当然じゃない?」
「お母さんの言う通りなんだけど……何か隠してる様な気がしたの……(武昭……一言で良いから声を聞かせて……)」
鈴は春音と話しながら武昭の事を考えていた。