牙狼<GARO>~INFINITE SENKI~   作:龍気

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メインヒロインはIS側から出します。


『IS編・序章』

私の見る夢によく・・・決まってその絵本が出てくる。

 

夢の中の私は5歳位の頃の子供で、当時お気に入りだった場所でその絵本を読んでいた。

 

お母さんが初めて枕元で読んでくれた・・・お母さんが作った絵本が・・・大好きだった・・・死んだお母さんとの大事な思い出の絵本が。

 

黄金の鎧を身に纏った騎士が、悍ましい怪物を打倒して行く・・・でも、その最後のページの内容だけは思い出せない・・・真っ白だったから。

 

まるで最初からそのページだけが最初から存在していなかったかのように思い出せないでいた。

 

何時もなら此処で目が覚めるのに・・・最後のページを捲った瞬間、世界が変わった。

 

 

「えっ?何?何なの?」

 

 

辺りが闇に染まって、枯れ果ててお化けの様に枝を屈折している木々に覆われた森の中に今の私が居た。

 

まるで・・・今の私の心を表している様な光景だった。

 

お母さんが死んで、あの家に引き取られ、愛されず、自由も許されない、皆を騙し続ける自分・・・嫌な事を嫌とも言えず、

只そうする事しかできない自分・・・今私の中にあるのは・・・まさにこの光景に相応しい・・・絶望しかなかった。

 

あの時・・・彼に此処に居て良いって言ってくれて本当に嬉しかった・・・希望が湧いた・・・でもそれはたったの3年。

 

長い様で短い時間・・・ハッキリ言って今の状況を改変するほどの案なんて無い・・・例え庇ってくれる人がいてくれていても、

所詮は学生に一個人・・・私も代表候補生とは言え・・・その立場と権限が無ければただの子供に過ぎないんだ。

 

 

「ギギ・・・・」

 

「えっ?」

 

「ギシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」

 

 

闇の奥から悪魔が・・・絵本に出てくるような悍ましい怪物が複数私に向かって飛翔して来た。

 

私は逃げようと・・・しなかった。

 

 

「はは・・・これって日本で言う正夢なのかな?何れこうなるっていう・・・私の未来を表しているのかな?」

 

 

もう・・・疲れたよ・・・ゴメンね・・・力になってくれるって言ってくれたのに・・・一夏・・・ゴメンね・・・お母さん・・・。

 

私は目を瞑り下を向いて何もかもを投げ出そうとした・・・。

 

 

『駄目だよ・・・どんなに辛くても下を向いちゃ』

 

「えっ?」

 

 

突如男の子の声で私を励ます声が聞こえた。

 

私は辺りを見渡すとそこには1人の・・・10歳にも満たない男の子が立っていた。

 

私の記憶に無い・・・いや、この子にはどこかで合った事が・・・

 

 

ガシッ

 

「へっ?」

 

 

男の子は私の手を掴みそのまま私を引っ張って走り出した。

 

 

『人は誰しも絶望に襲われてその苦しみに耐えられず下を向いてしまう・・・だけど前を見てないと差し伸べられる手を掴めないよ』

 

「で・・・でも・・・」

 

『大丈夫・・・君にも希望を与える人が現れる・・・今の俺の様に』

 

 

この言葉・・・聞き覚えがある・・・ずっと・・・ずっと前に・・・。

 

気が付くと私と男の子は一面の花畑に居た・・・凄く・・・綺麗だ・・・。

 

 

「綺麗・・・」

 

「ぎしゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

「!?」

 

 

怪物が直ぐ其処まで迫って来た。

 

その爪が私に届こうとした時、男の子が・・・。

 

 

『君の絶望・・・俺が切り裂く!!』

 

ズバシュ!!

 

ザシュ!!

 

「ぎえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」

 

「あっ・・・・」

 

 

男の子が叫ぶと、男の子の体が光り輝くと、一筋の黄金に輝く閃光が走り、同時に怪物はその体を二つ三つと切り裂かれ消滅した。

 

そして私の前には・・・・。

 

 

『・・・・・・・』

 

「黄金の・・・騎士・・・・」

 

 

全身を鎧に包み、狼を思わせる兜を付けた全身が眩いばかりに輝く黄金の騎士が・・・あの絵本に出てくる騎士を思わせる騎士が立っていた。

 

その一片の曇りも無い澄んだ緑色の眼が私を見詰め・・・私は吸い込まれそうになり黄金の騎士に手を伸ばそうとした。

 

 

『君の希望は・・・必ず現れる』

 

 

黄金の騎士が私にそう呟くと、突如花畑に突風が吹き荒れ・・・舞った花弁で黄金の騎士の姿が見えなくなった。

 

私も思わず目を瞑ってしまって・・・次に目を開けると・・・

 

 

「・・・・・・夢・・・だよね・・・」

 

 

最近になって見慣れた天井が目に入った。

 

 

「おはようシャルル・・・よく眠れたか?」

 

「一夏・・・おはよう」

 

 

ルームメイトの織斑一夏・・・世界で唯一ISを起動させることのできる男の子。

 

私の・・・僕の秘密を知る男の子。

 

 

「今日はいよいよ学年別トーナメントの日だ・・・うぅ~~緊張する・・・」

 

「大丈夫だよ一夏・・・今日の為に一生懸命訓練して来たんだから・・・それに僕もいるよ」

 

 

僕と一夏は今日IS学園の開催される学年別トーナメントでタッグを組んで出る事になっている。

 

 

「俺は先に食堂に行って場所取りしてるから、シャルルも後から来いよ」

 

「うん・・・着替えたらすぐ行く」

 

 

一夏が部屋を出たのを確認すると僕は今来ているジャージから制服に着替える為にクローゼットの前に立った。

 

着替えながら先程の夢について考えていた。

 

 

「あの夢・・・非現実なのに異様に現実味があったと言うか・・・それに何故あの絵本の騎士が・・・それにあの男の子」

 

『駄目だよ・・・どんなに辛くても下を向いちゃ』

 

「あの言葉・・・何処かで・・・男の子も何処かで合ったような・・・」

 

 

男の子について思い出そうとしながら着替えを終えた僕は、鏡の前に立つ。

 

分かってはいるが、鏡には男子生徒用の制服を着た僕の姿が映っている。

 

 

「・・・この格好にも・・・見慣れちゃったな・・・」

 

 

鏡に映る僕の顔は・・・何時も沈んでいる。

 

今の僕の名前はシャルル・デュノア・・・でも、夢であの騎士が言った言葉。

 

 

『君の希望は・・・必ず現れる』

 

「あの騎士は・・・あの男の子?希望・・・」

 

 

本当に・・・現れるかな・・・だとしたら、少しだけ鏡の中の僕の表情が柔らかくなった気がした。

 

何時か・・・“私”に戻れるかもしれないと・・・“シャルル”じゃない“シャルロット”に戻れるかもしれないと。

 

 

「うん!確かに下ばっかり向いていちゃいけないね、一夏みたいな人にも出会えたんだ・・・前を向いていれば何時かは・・・」

 

 

今日も1日が始まる・・・そして・・・私の運命が大きく変わり始める事を、この時の私は知るよしも無かった。

 




と言う訳でメインヒロインはシャルロトです。

シャルロット可愛いよ!シャルロット!!

シャルロットの母親が亡くなったのが2年前から10年前にしています。
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