守護者のいる暗殺教室   作:美宇宙

10 / 32
機械暗殺者の時間 その1

「……あれ何」

 

朝いつも通りに登校したのだが、後ろの席の方に謎の黒く長い機械が立っていた

今日は確か転校生が来るって言ってた気がするんだけどな、おかしいな

 

「お、おはよう織村……何あれ」

 

杉野が俺に挨拶をして教室に入ろうとしたが、俺と同じ反応をとった

そうなるよね、前まで無かったもんね

取り敢えず近づいて見たが、俺たちより大きめの機械、ディスプレイが貼り付けられているあたり何かを映し出す機械のようだが、これは一体?

 

取り敢えず、触れてみようかな

手をそっと動かし、機械に触れようとした時、いきなりディスプレイに映像が映った

可愛らしい外見ながら、目が死んでいる少女の映像は

 

「おはようございます。今日から転校してきました、自律思考固定砲台と申します。よろしくお願いします」

 

それだけ言ってまたディスプレイは何も写さなくなった

この瞬間、機械の周りにいた全員の心が一つになったことだろう

 

「「「そうきたか……」」」

 

 

「み、皆既に知っていると思うが、転校生を紹介する」

 

黒板に書かれた文字はさっき自己紹介された彼女の名前だ

と言うことは本当に彼女が

 

「ノルウェーから来た、自律思考固定砲台さんだ」

 

転校生なのかあ

 

「皆様、よろしくお願いします」

 

それだけ言ってまた消えていった

そして生徒の何人かが、『烏間先生も大変だなあ』と言う意思を込めた目線を送っている

そっか、基本的な手続きどうこうは先生がやってるんだっけ

 

「プークスクスクス」

 

「お前が笑うな、同じイロモノだろうが!」

 

そう言われればそうだ

最近ずっと居るから居て当たり前になってしまったせいか、普通に先生しているタコが普通の先生としての認識が俺の中で出てきた

教え方上手いし、生徒の事ちゃんと考えてるし、これが仮に本物の人間だったら絶対大人気だよ、無駄なところもあるけど

 

「言っておくが、彼女はれっきとした生徒として登録されている。彼女はあの場所からずっとお前に銃口を向けるが、お前は彼女に反撃できない。生徒に危害を加えてはいけないというのがお前の教師としての契約だからな」

 

「なるほど、契約を逆手に取り、機械を生徒に仕立てた」

 

機械となると良いところも悪いところもある

まず人間より正確な射撃ができる、だが機械ゆえ同パターンしか撃てない

彼女がどうかは知らないが、これで暗殺が可能かと言われれば、正直怪しいところだ

 

「いいでしょう、自律思考固定砲台さん。貴女をE組に歓迎しましょう」

 

「よろしくお願いします、殺せんせー」

 

 

今日も授業が始まった

最初は国語、先生が説明しているが、何人かは後ろの機械に目を向けていた

彼女はどう攻撃するのか、それは気になる

固定砲台とは言っているが特に銃器は見当たらない。ならそれ以外、と言うにも外見はただの長方形の機械、隠せそうな所などない

なら後残された場所というと……

 

バアン!と音を立て、彼女は我が身の両サイドを展開し、銃を先生に向けた

やはり中に隠してたか、ん? 待てよ固定砲台さん、今授業中ですけど、まさか発砲するわけじゃないですよね? まさかの自慢? なんだ機械の割りには人間らしい心が……

 

「やっぱり!」

 

「かっけえ!」

 

男の子の夢だよね、ロボット

あんな演出されたら言わずにはいられないよね、分かるよ杉野

よかったね固定砲台さん、見事お一人様の心を奪えましたよ

 

「射撃を開始します」

 

ん? 何か嫌な言葉を聞いた気がするな

まさかねえ……本当に発砲し始めたぞこの機械!

 

「ショットガン4門、機関銃2門。濃密な弾幕ですが、ここの生徒は毎日のように当たり前にしていますよ。授業中の発砲は禁止です」

 

あ、弾幕が止んだ

 

「気をつけます。続けて攻撃準備に入ります」

 

あれ、気をつけてないよね? 思いっきり撃つ気でいらっしゃいますよね? その銃を元に戻す選択肢を取ろうとしてませんよね? 言葉の意味をちゃんと理解してますか固定砲台さんや

 

「ここからが本領発揮だ。彼女は自らの機能で進化する」

 

進化? 機械が進化する? そんなの今の技術じゃ無理なんじゃないのか? 出来るなら今頃世界中大騒ぎのはずだし

 

「弾道再計算、射角修正……」

 

なんか変なことベラベラと口にしてらっしゃいますが、というかさっき彼女言ったよ、自己進化フェイズって

つまり彼女は、本当に進化している?

んでもって殺せんせーのあの表情、舐めている時のあの表情は……完全なフラグ

 

「凝りませんねえ」

 

再び撃ち始める固定砲台

それを難なくと避ける殺せんせーだったが、途端に左指先が飛んだ

 

前に撃った弾の同軌道上にもう一つ弾を撃つことで後ろの弾を見えなくする、人間にこれができる人はそういない

さすが機械、射撃だけならば人間を上回っている、しかも進化するときた

暗殺対象の防御パターンを学習、それに見合う射撃を自らが進化することで学習する

なるほど、彼女は立派な殺し屋と言うわけだ

 

彼女は計算した殺せんせーを殺せる確率を言っていく

卒業時点で、90%以上と、彼女は言った

それがどれほど異常な数字か、クラス全員が知っている

 

「それでは殺せんせー」

 

機械なのに、自信で満ちた表情、口で三日月を作る少女は

 

「続けて、攻撃に移ります」

 

射撃を開始した

 

その後も、彼女の止まらない射撃は放課後まで続いた

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。