守護者のいる暗殺教室   作:美宇宙

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気づく時間

「ま、眩しい」

 

手で遮るもその日光は一向に消える気配はない

神崎さんと遊ぶ事になった昨日を跨ぎ今日となり今は駅前のベンチに座っている俺はこうしている訳だがどうも彼女が遅い

予定の時刻よりも今で30分ほどだろうか、何かトラブルでもあったのかと心配してしまう

 

「ジュースでも買おうかな」

 

ついでに彼女の分も買っておこう

思い立ったが吉日である、当日だけど

立ち上がって買いに行こうとした瞬間、少し騒がしい少女がこちらに走って来た

肩で息している少女、神崎さんは何故か申し訳無さそうだ

 

「おはよう、取り敢えずジュース何がいい?」

 

大方遅刻しているから出来る限り早く着くために走っていたのだろう、ならジュースはスポーツドリンクとかの方が良いだろうか

 

「ご、ごめんね。私から誘ったのに……」

 

「そこは大丈夫かな、少し待っててね」

 

少し離れた自販機でスポーツドリンクを買って彼女の元に帰る

汗を掻いている彼女が妙に色っぽく感じるのは気のせい、そう、気のせいです

 

「はい、少し休んでから行こ」

 

「うん、ありがとう」

 

礼を言った後、彼女は受け取ったボトルのキャップを外し口をに含んで中にある半透明の液体を体に注ぎ込んだ

運動後のスポーツドリンクって本当に美味しく感じるよね、不思議でならない

 

「どこ行くの?」

 

「ゲームセンター、かな。後ショッピングモールとか」

 

ゲームセンター、となると彼女からゲームを教わるという事か

前から約束はしてたし、ちょうど良い機会だな

皆んなが言うには相当うまいらしい、ゲームとか大してしないが彼女に教わる事で俺もある程度のゲームスキルを身につける事が可能になるかも知れない

 

「宜しくね、神崎名人」

 

「名人ってほどでもないけど、私で良いなら」

 

「勿論。さ、行こ」

 

ベンチに座る彼女に手を差し伸べれば、迷いなくその手を握って立ち上がって

俺たちは、歩き出す

 

 

『す、すげえ、ベストスコアを叩き出したぞ』

 

『しかも二位の奴よりも遥かに高得点だぜ』

 

『まじかよ!? 相当の手練れか……」

 

「あのー、神崎さん?」

 

「なに?」

 

「そんな清々しい顔しながらも高得点を出しているのは過去の経験故ですか? 手付きが明らかに可笑しいんですが……」

 

「そうかな」

 

普段は大人しげなイメージが強い彼女だが、コンピューターゲームに手を掛けるとまるで別人のように確実にベストスコアを弾き出していく

今で何個目だ? ハイスコア出した奴、今で3つ目だっけ

 

「うーん、腕が鈍ったかなあ」

 

「それで腕が鈍った、と?」

 

あり得ない、これ以上のハイスコアがまだ出ると言いらっしゃいますかこの人は

だって二位の人が50000に対し90000だよ? それ以上がまだ出ると言いたいのだろうか

 

「織村君もやってみる?」

 

「は、はあ」

 

彼女の席に俺が座り、コントローラーに触れる

彼女がやっていて、今俺がやろうとしているのは何処にでもある普通のリズムゲームだ、ゲームセンターの他普通のゲームエンジンのカセットとしても販売されている有名ゲーム

数多くの中から一つを選択し、ゲームを開始するのだがどうにも良さそうなのがない

 

「……あ」

 

野球をベースにした物を見つける

幾らリズムゲームと言ってもリズムを除けば唯のバッティングゲーム

これなら、行ける!

 

「それ結構難しいよ?」

 

「大丈夫、だと思いたい」

 

「そっか」

 

彼女が見守る中、ゲーム画面が切り替わる

画面は視点的にはキャッチャー、前にあるバッターボックスの左にプレイヤー、右にボールのカゴを横にボールを投げ入れる少年

要するに横の少年が投げたボールを俺が打つ、タイミングよく確実に、だ

 

「それは以外と失敗作として有名でね、判定が0.2秒遅いから、少し遅めに打つのが良いと思う」

 

「了解」

 

画面にladyと映る

心臓が少し煩くなる、少し緊張している自分がいる中

 

始まった

横の少年がまず一球を投げ、俺はタイミングを見計らいボタンを押した

HIT、だが判定はGOOD、excellentには届かない

なるほど、確かに判定が少し遅い

 

が、これ位ならまだ行ける!

俺は余裕をかまし、次の球を打ち上げた

 

 

「も、もう無理」

 

「大丈夫?」

 

「もう無理です……」

 

なんなのあのリズムゲーム

そりゃ不良作で有名になるよ、バグで球消えるとかどういう事よ

しかも後半になるにつれ、球はどんどん早くなるし、後半になるにつれどんどん消えていくし

終いには球どころか少年の腕さえ動かなかったよ、予備動作無しで投げるとか無理だからね? 普通

どうやらそのゲームの難易度がゲーマー達の中では()()らしくゲーム会社も改善せずそのままにしているらしいが初心者の気持ちも考えて欲しい

 

「はい、織村君」

 

顔を少し赤くして差し出された物は俺が彼女に買ったスポーツドリンク

 

「ありがとう」

 

受け取ってキャップを外しそれをゆっくりと口内に運ぶ

まだ少し冷たい液体が口の中を潤してくれた

 

「はい」

 

ボトルをキャップで締めて返そうとした時、俺の頭が少し回転する

ん? 待てよ、さっきのって俺が買った奴だよね

それって確か神崎さん飲んだよね? その証拠に俺が飲んだ時それなりに減ってたし

という事はこれって、間接なんたらになるんじゃ……

 

「〜〜〜っ!?」

 

顔が熱くなっていくのが感じ取れた

じゃあ顔が赤くなってたのってこれを承知で渡したからって事なのか!?

 

「ご、ごめん!」

 

「う、うん。それよりも! 次どれにしよっか」

 

何か話題が急に変わった気がするがこの際恥ずかしいのでスルーしておこう

ゲーセンに来てまだあれしかやっていない、彼女がゲームの大半を好むとしても俺の好みに合わせるわけにはいかないし

男女共通で、且つ両者が楽しめるような物は……

 

「あれとかどう?」

 

俺が指差したのは一つの小部屋のような物

外装には水色の塗装が施されていて、外にペン二本が添えられた電子パネル

そう、プリクラだ

俺は取った事とかないけど、あれなら彼女も満足できると思う、其れにせっかく遊びに来たのだし、形になる思い出も欲しいところだし、もってこいだ

 

「……いいよ」

 

「善は急げ、行こ」

 

彼女に手を引き連れて早速中に入った

背景は普通の白、一回400円って、以外と高いんだな

財布を取り出して400円を取り出すと一枚ずつ入れていく

 

「織村君、私も」

 

「今回は俺の奢り。君に出させるのはなんか男として嫌だから」

 

最近は色んな意味でお世話になっているから、そのお礼という事で、口には出さないけど

 

「さ、撮ろ」

 

 

「なんでだ、今日は疲れるぞ……」

 

写真を撮って後付けで外の電子パネルで色々する所で神崎さんが爆発した

色々書き足して行って、5枚ほど撮った写真は殆どが彼女にデコられ、無事2人の手元にやってきたわけだが、これが妙に恥ずかしいので、財布の中に止めておこうと思う

 

さて今は、あのゲーセンの近くのショッピングモールにいる

女の子だし、色々見たいものもあるのだろう、俺は特に日常品で困ってるものはないからここでは特に何もする事ないかな

 

「何を見るの? やっぱり服とか?」

 

「取り敢えず見て回ろうかな」

 

「分かった」

 

ショッピングモールの中はやはりと言うべきか店が多彩で相当な数来ても見飽きる事はなさそうだ

所々怪しい店があるのは気のせい、見覚えのある顔がマークになっているのも気のせい

見て回る中、一つの店に目が止まる

銀細工の店、様々な物が銀で作られていて、ショーケースの中は加工済みの綺麗な物がいっぱいである

 

「神崎さん、少し入ってもいいかな」

 

「うん、いいよ」

 

 

了承を得て店の中に入れば様々な銀細工が並んでいた

主にアクセサリーが並ぶ中、2人別れて探索する

んーっと、何かめぼしい物は……お、いいのが

 

「ふっふ、恋人かい?」

 

「うわあ!?」

 

いつの間にか、レジに居たはずのおばあちゃんが俺の背後にいた

うっそだあ、気配を感じ取れなかったぞ

 

「それが欲しいのかい?」

 

「え、あ、はい」

 

「ふふふ、ならおまけもつけてこれ位の値段でどうだい?」

 

「え、えーと、じゃあ」

 

「毎度あり」

 

 

なんか怪しげな店だったなあ、なんて思いながら店を出ると入り口で彼女が待っていた

 

「待たせてごめん」

 

「大丈夫」

 

なんかこの2人会話が一定だぞ、特に俺

 

「さあ、今日を楽しもう」

 

 

「今日はありがとう」

 

「此方こそ、誘ってくれてありがとう」

 

今日はいい思い出になったなあ、黒歴史も増えたなあ

まあ冗談はよしにして、本当にいい思い出になった

同僚以外の女の子と遊ぶのは初めてで、けれど遊んでいると自然といつも通り接している自分がいた

昨日の俺とは大違いだ、何に迷っていたのだろうか

 

答えは、いつも一つだけ

 

「神崎さん」

 

「何?」

 

彼女が帰ろうとするのを引き止めて、俺はバックの中から紙袋を出して、中身を取り出した

月が造形された銀の指輪、太陽が造形された銀の指輪が俺の掌に転がる

 

「これ」

 

そのうちの一つ、月の方をチェーンとともに彼女に渡す

 

「これって……」

 

「俺を遊びに誘ったのは、俺を元気付けるためだったんだよね」

 

昨日、俺が彼の才能の開花を目の当たりにして悔やんでいたのを一番まじかで見ていたのは彼女だ

自分で気づくほどに木刀を握りしめ、悔やんでいたのに気がついた彼女は、俺を慰め元気付けるために遊びに誘った

男子を誘うなんて相当の勇気がいるはずだ、ましてや彼女は男の事では少し辛い過去があるのに、それでも誘ってくれた

 

「今日はありがとう」

 

俺が守るべき人は、今目の前にいる

 

 

「えへへ〜」

 

日曜が過ぎまた学校が始まった月曜日、教室は妙な空間に包まれていた

朝から神崎さんが何かを見てはにやけているのだ

 

「神崎さん、何かあったの?」

 

「ん?」

 

対する俺は特に何も無く

 

「あれ、織村君ネックレスしてる。何それ?」

 

「これ?」

 

首に掛かったチェーンに通された太陽のリング

彼女の首元にもチェーンに通された月のリング

その両方が、太陽の光を浴び輝いた

 

「「さあ?」」

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