そんでもって短いです、ごめんなさい
「斬らないで」
姿勢を低くして、俺は地を蹴った。
自らの最高スピードで郁也の前に出た俺は上段から刀を振り落とした。
それを鞘から刀身を出していない刀で受け止め、その直後に刀を抜いて反撃に転じた郁也の攻撃を俺は肩を使って宙を回転、背後に回り、再び真紅の刃を向かわせた。
それを前進することで回避、同時に振り向き今度は俺に金色の刃が迫り、刀の腹で受け止めた。
「やっぱり
「くっ!」
郁也の刀、卯月を弾きつつ、攻撃するため足を前に出す。
刀の先を郁也に向かい突き刺し、更に追撃として刃を上に向け、振り上げる。
難なく躱し、反撃の攻撃顔を切断せんとする攻撃をしゃがんで回避、足をバネに再度振り上げる。
俺の攻撃に刀を叩きつけ、正面に来た俺の額に。
「オラァ!」
自分の額を思いっきりぶつけてきた。
強力な一撃を受け、一瞬の目眩に連れ自分の額に手を当てる俺に容赦なく攻撃する為に飛んだ郁也。
「もたもたしてっと、死んじまうぞ!」
「うる、さいっ!」
左手で育也の首元を引っ張りこちらに引き寄せた後、今度はこちらから相手の額に思いっきりぶつけてやった。
郁也が後退したのを見計らい、俺も交代、だいたい回復したのを体感しながら俺は自らに知覚拒否を使って。
「第1刀」
飛躍する。
「信濃!」
赤い弧を描いた刀は郁也の肩と首の間を狙い迫る。
「そう来なくっちゃな快!」
信濃は見事はずれ知覚拒否を使いながら後退する。
相手は俺の戦い方を知っている。だからこの手も聞かないことは想定済みではあったが流石にきつい。
どうする? 勝つための秘策までにうまく持ち込む方法は何がある? その工程を俺はこの戦いの中で見つけられるのか?
「くそっ!」
再び飛躍、刀を振るう寸前再び知覚拒否を使用し、今度は背面に出て刀を振るう。
再度寸止めでばれた瞬間に知覚拒否、今度は左下側から上に振るい、今度は思いっきり飛んで
「うらあ!」
叩きつけた。
あいも変わらず興奮した表情で俺の攻撃を受け止め弾いて彼は刀を下ろす。
「お前、なんでそんなに慌ててんだ?」
「何を言って」
「お前の戦い方はつったら常に冷静、誰も殺さずに依頼を終了させるのがお前のはずだ。だが今はとても焦っているように見える。なんでだ?」
そう言われて俺は自分でさえ疑問を抱える。
そうだ、なんで俺はこんなに焦っている?
こんなに焦っている理由は何だ? 何が俺を突き立てて、俺を動かす?
なんて自問自答する意味もない、答えはすぐに出ていたから。
「守りたい人がいるから、大切な人がいる! だから戦う! 助けるために!」
刀を一振り、疾走する。
戦う理由はいつだって一つ、誰かを守るための存在がそれ以外の理由で戦ってどうする。
守るために走れ、振るえ、戦え、俺たちは守護者、守るべきしている存在。
自らの身を投げ打ってでも、犠牲にしてでも守りきれ。そのあと精一杯笑え、護り切れたこと、その価値に嬉し味を感じるように。
そうだろ、みんな
そうだろ、俺!
「第二刀ーーー」
「馬鹿が」
呆れたように彼は刀を振り上げた。
彼の懐に入り、俺も大きく刀を振り上げる。
刹那、彼の刀は俺の体を大きく切った
体に走るとてつもなく大きな激痛、それさえも押し殺して俺は頬を緩めた。
「捕まえ、たーーー
ただ一言、俺は紡ぐ。
真紅の刀の上を青い光が走り、3つの光の羅針盤が刀の上で結合する。
瞬間、彼は体が勝手に動いたかの様に刀を握った手を俺と自分の間に動かした。
「武蔵!!!」
渾身の一撃、彼ではなく刀に俺は武蔵をぶつけた。
同時に放たれた3回に及ぶ斬撃が、彼の手から卯月を弾き飛ばし、床に突き刺さる。
足元から力が抜けていって床に体を預ける。
床には俺の血が止まることを知らずどんどんと広がっていく。
でも何故だろうか、痛みよりも何か別のものがとても大きく感じて俺は再び頬を緩める。
「刀を無くした者は守護者にあらずと知れ。今回はお前の勝ちだ、快」
「そ、っか」
「ああ、上に連れてってやる。もう動けないだろ?」
俺を担ぎ、階段を登っていく郁也に全てを預けるように、俺は目をそっととじた