守護者のいる暗殺教室   作:美宇宙

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「行ってきます」

 

「本当に私が送らなくて大丈夫?」

 

「大丈夫だって」

 

毎年同じ事を言っているのになあ、心でつぶやきながら俺は家を出た。

近くの駅まで行って電車に乗り、目的地まで近づいていく。

途中一回降りて、俺は雑貨屋に向かった。

中に入り、俺は何を買おうかと探索しながら考える。

 

「前がかるただったし、今回は何にしようかな」

 

人狼ゲームだとかもあるけど少し刺激が強そうだし。

かといってUNOもなあ、奮発してゲーム機でも買おうかな、もうちょっと遠出しないといけないけど時間ならまだあるし。

うーん、でもそれだと喧嘩しかねないしな。喧嘩しないのならいいんだけど。

そもそも俺の歳で素直に買わせてくれるかもわからない。やっぱりパスかな

何も買わないで出るのもなんだし、一応何か買っていこう。

さて、何があるかな……お。

 

「これでいいかな」

 

目に留まったのは絵本エリア。

そういえば前に買ってから買ってあげてなかったっけ、少なからず人気だったし、買わない手はないか。

俺は本棚から適当に4冊ほど取ってレジに向かって歩く。

 

「すいません、これをください」

 

「ありがとうございます」

 

店員さんは本を丁寧に袋の中に入れていく。

会計が出たので俺は財布からその分を出し、渡された袋を受け取って店を出た。

後はお菓子とジュースか、それは現地で買おう。流石に電車の中で大荷物持つのは恥ずかしいし。

 

再び電車に乗り込んで約二時間俺は電車の中で過ごした。

進むにつれどんどん自然溢れる地に世界は姿を変えていく。

懐かしい、そう思えるのはきっと……

 

「まもなくーー駅に到着します」

 

電車の運転手がそう告げた。

数秒後、言われた通りにある駅に止まった電車から俺はそっと降りて駅を出た。

 

歩いてすぐの所にあるコンビニで適当にBIGサイズのジュースやお菓子を購入し、俺は目的地に向かい歩き始めた。

電車同様、進むにつれ変わる風景は何度見ても飽きない。

その中、どんどん進み続けること数十分、一つ、大きな建物が見えてきた。

 

ああ、懐かしい。

 

「あ、快お兄ちゃんだ!」

 

建物の前で遊んでいた子供達が一斉に俺の元に駆け寄ってくる。

 

「おかえり! 今日は何々!?」

 

袋の中がどうやら興味津々のようだ。

強引に取ろうとする子がいたり、中に何があるかを考える子やら、じっと見ている子、いろいろな表情を見せる小さな子供たちに、俺は返事をする。

 

「ただいま、今日はねえ……」

 

懐かしき孤児院に俺は帰ってきた。

 

 

「ごめんね、毎年毎年。お仕事忙しいでしょう?」

 

「いえ、今はこれと言って危ないことはしてないですから。それに例なら彼女に言ってください」

 

あれから今日で5年、毎年この日になるとたとえ仕事でも抜けてこの場に俺は帰ってくる。

 

爆発したあの日、最早孤児院として機能しなくなったこの場所は1年半近く放置されていた。

だがある出来事をきっかけに大きな会社の若き社長に頼みこの孤児院を復活させてもらったのだ。

いまではこうして笑顔で遊び回る子供達がすくすく育つような場所となり、俺は毎年この日に帰ってきて1日泊まるのだ。

 

「お兄ちゃん! これ読んで!」

 

「ああ、いいよ」

 

手渡された本は今日買ってきた本のうちの一つだ、題名は「やさしき君へ」

絵本にしては子供向けに見えない気がしないけれど、子供向けの所にあったし、きっと大丈夫だ。

部屋の床に腰を下ろし、本を開いた。

子供達は俺の後ろに来て、本の絵をじっと見ている。

 

「ある日、二人の子供がいました」

 

公園で泣く女の子、その子の横で何もできず困る少年。

『僕、何かしたかな?』少年は少女に聞きます。

『なんでもないよ』そう言いますが少女はまだ泣いています。

『なんでもないわけないじゃないか』少年は少女に手を差し出します。

 

「ね? 笑って遊ぼ」

 

少年は笑いました。

少女の顔からは涙は無くなって、いつの間にか笑っています。

 

『うん』

 

少女は少年の手を握ってまた遊び始めました。

 

「お兄ちゃん、この本短い」

 

「だね、1ページに一文しか書かれてないや」

 

絵とともに添えられた文は毎一文だけだ。

それに子供に読ませるには少し難しい気がする、気楽に読める感じでもない気がするし。

 

「皆んなはこんな人になれるかな?」

 

後ろにいる子達に聞けば全員が「うん!」と大きな声で答えた。

 

 

「それでは、俺は失礼しますね」

 

次の日、俺はここで働いている人に頭を下げ、孤児院を出た。

だが向かうのは前きた道ではない。孤児院の後ろだ。

 

そこにあるのは文字が刻まれた巨大な墓石だ。

あの日死んだ全員の名前が刻まれた墓石の前に俺はしゃがみこむと独り言を始めた。

 

「今さ、長期任務を受けてるんだ。とても長い、とても長い依頼。その過程で学校に通ってる。皆んな仲がいいんだ、俺もその輪に入れてるといいんだけどね、少し不安。この前沖縄旅行に行った。いろいろあったけど、最後月見したんだ。守りたいと思える人と一緒に、その日の月はとても綺麗だった。次の日怒られちゃったけど」

 

これまでの事を、俺は()()に話す。

今の俺の表情は果たしてどんな物だろうか?

笑っている? それとも泣いている? その両方でもない? それ以外? 分からないが。

きっと、後悔はない。

 

「行ってきます」

 

俺は立ち上がって、その場を後にした。

 

 

森を抜け、今は次の目的地に向け足を動かしている。

歩く道は季節外れなひまわりが咲き誇る道、その先にあるのは白い建物、病院だ。

病院に入って受付の人に挨拶をした後、最上階にある一室に俺は入った。

 

真っ白な部屋。

綺麗な花が入った花瓶とベッド、その脇にある椅子しかなさそうな部屋に、窓から入った風はカーテンを揺らす。

 

その中心、先ほど言ったベッドの上で横たわる少女は、静かに眠っていた。

 

「こんにちは、神無」

 

彼女が眠り始めて5年、未だ目を覚まさない彼女の傍にある椅子に腰かけた。

 

「また花が変わってる。誰が変えに来たんだろ」

 

毎年来るたびに花は変えられている。誰が変えたかなんて知りはしない。

彼女の父親だろうか? 思い当たる人物といえばそれぐらいしかいない。

不意に花瓶の横にある手紙に目がいった。

彼女に手紙が? 一体誰が……

 

「まあ君宛のだし、読まないほうがいいのかな」

 

手紙から彼女に視線を戻す。

あいも変わらず眠り続ける姿はまるで眠り姫のようだ。

 

ーーーああ、君はいつになったらその眉を上げてくれるのかな。

 

彼女の手を取り、そっと額に当てる。

暖かな体温が伝わってくる、彼女がまだ懸命に生き続けている証拠だ。

 

「ねえ神無、俺のスタートはいつから始まるんだろうね」

 

君と会った時、守護者になった時、あの男を殺した時。

そのどれもかもさえ俺のスタートはきれていない。

一体、俺はどこから始まるのだろう、俺はいつから、本当に笑えるのだろうか。

 

「行ってきます」

 

椅子から立ち上がって彼女に背中を見せ部屋を出ようとした時。

 

鈴のように綺麗な声は確かに俺に言った。

 

『ーーーいってらっしゃい』

 

「!?」

 

すぐに彼女を見るも彼女は変わらず眠り続けている。

けれどその顔は、少し笑っているように見えた。

 

 

病院を出ると、1人男が立っていた。

 

「……何をしているんですか、グリア」

 

「おうおう、呼び捨てかよ」

 

男はニカっと笑って見せた。

あの日、神無を今の状態にした男がなぜここにいる。

今戦闘に持っていかれるのは不利だ、今現在俺に戦う術なんてない。

 

「そう怖い顔すんな、俺はお前に話があってきただけだよ」

 

「……話?」

 

「おう。数日後俺はお前の()()ってやつになる。よろしくな」

 

「そうですか……は?」

 

「よろしくな、坊主」

 

再度、ニカっと笑う男に俺は肩の力を抜いて、駅に向かい歩き始めた。

 

 

取り残されたグリアはというとポケットから電話を取り、ある番号を選択し電話をかけた。

数秒して出た相手に彼は告げた。

 

「久しぶりだな。今は楽しいか? ()()

 

 




問題

設定 両思いの少年少女、少女は記憶喪失で数年後記憶を戻します

「ねえーー」

「やめて」

「俺さ」

「やめて、ください」

彼女はそう言うも少年は止めずに、笑顔で言葉を告げた

「君の事が好きでした」

彼は彼女の前から、消えた。

さあここから問題です。
これ昔私が書いた小説の一文なのですが、次のうち彼女は最後の言葉を聞いてどう思ったでしょう。

1嬉しかった

2 悲しかった

3 何も感じなかった

さあどれでしょう?
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