守護者のいる暗殺教室   作:美宇宙

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さあてやってまいりました、ケイドロの時間!
今回は少し違う感じでお送りします。

さて、現在の時間で出した問題、その答えについてですが。
答えは②です
何故か、彼女は記憶を取り戻してから浅く、会えたのにも関わらず、主人公(まあ快なんですけど)は『過去形』で返したからです
以上、答えでした


ケイドロの時間

「ケイドロをしましょう」

 

「……ケイドロ?」

 

「はい」

 

いつも通り登校していざクラスに入ってみれば警察コスをしている殺せんせーが唐突にそう言い放った。

ケイドロというとあれか? 警察になった人間が泥棒を捕まえる鬼ごっこに似たあれの事か?

そういえば昨日からフリーランニングの特訓始めたんだったか、なるほど、要するに遊びつつ皆んなの能力向上を目指すわけだ。

 

「皆さんには泥棒役、対する警察役は先生と烏間先生……そして織村君です」

 

「……わっつ?」

 

「1時間目内に皆さん全員を逮捕できなかった場合は烏間先生の財布で全員分のケーキを、織村君にはそうですね……一人一回命令権をプレゼントしましょう」

 

「……それ俺にメリットないじゃないですか」

 

「その代わり、全員が捕まった場合、宿題を二倍にします。仮にできたのであれば織村君は宿題なしです」

 

こうして、意味不明な追いかけっこが幕を開けたのだ。

 

 

「さて、どうします? 皆んな裏山の各方面逃げちゃいましたけど」

 

「ああ、なら俺がこちらに行こう」

 

「なら俺はこっちですね」

 

今回のルールはいたって簡単だ。

逃げ切れ、ただそれだけ、逃げ切ればあっちの勝ちとなる。

正直こんな広い、しかも隠れやすい場所が多い裏山でのケイドロは少し警察側が不利、と言いたいが残り1分になると後ろの牢屋にいる殺せんせーが動き出す。殆ど勝ったも同然である。

が、そこまで俺と烏間先生が何もしないわけではない、確実に捕まえに行く。

 

両者が裏山に向かい、俺は見渡しのいい場所で足を止めた。

さて、どこにいるかな、精神を安定させ、耳を澄まし、目を凝らし、辺りを見渡す。

聞こえた、前方約100m先、木から木に渡ろうとする少女の姿、岡野さんと見た。

腰を下ろし、足を後ろに、手を前に置いて、目標点に目を向けて、走った。

神在月を持っていないとはいえ範囲内、つまり秒速50mの俺はこの距離を2秒で埋めれる。

渡り終えた岡野さんの背中を叩く、その辺りにいた木村も確保。

 

「岡野さん、木村確保」

 

「……え?」

 

信じられない表情を浮かべる二人。

うん、ここでこの2人を捕まえられたのはいいな、逃げ切れる可能性が高いしね、この2人。

 

「さて、やっていきますか」

 

さて次は……お、菅谷発見、誰かと電話してるな。

少しドッキリしよっかな? うん、しよう。

そう決め込んだ俺は知覚拒否を使って急接近、電話していて俺に気づいていない菅谷の耳元で。

 

「誰と電話してるの? 逮捕」

 

「マジかよ……」

 

「ほら、牢屋までダッシュ!」

 

背中を押して見送ったあと、俺はある可能性について考えながらも次のポイントまで走る。

可能性、とはこれがケイドロということでルールとして存在する泥棒の解放である。

あのタコがいる限りほぼ不可能だとは思うがそれでも0%じゃない。

今の所捕まっているのは総計8名既に1/3逮捕している。

このままだと残り20分も保たないだろう、確実に狙いにいくはずだ、そこを狙うのもいいがまだ後でいいだろう。

 

そう思っていた矢先の事だ。

 

『7人脱走〜』

 

「え、マジで?」

 

あのタコがいるのにか? 一体どうやって……

考え込む中、通信用のアプリから声が発せられた。

 

『おい、どうして捉えた泥棒が逃げるんだ?』

 

『いやあ、思いのほかやり手で、うっひょー! この乳やっべえ!!!』

 

「物でつられましたね!?」

 

そういえば捕獲リストの中に岡島がいた気がする、まさか写真で買収されるとは、思いの外こっちの方が強敵かもしれない。

 

「焦ってもしょうがないか」

 

逃げられたのならば捕まえるまで、時間はまだいっぱいある。

既に数人は烏間先生が確保している、半分ほどだが確実に戻りつつある。

 

さて誰がいるかな……お、倉橋さんと数人発見だ。

見つけるとすぐに走り出し、全員をタッチ、前に出て後ろを見、笑ってみせる。

 

「捕まーえた」

 

「やっぱ速えな」

 

「それ程でも」

 

さて、あと何人ぐらいだ? 烏間先生も順調みたいだし、もう半数は切ってると思うんだけど……あれ?

おっかしいなあ、また0になってるなあ、なんでだろうなあ。

 

『烏間さん! 織村君! 聞こえるか!? どうして牢から犯人が脱走するんだ!?』

 

「『こっちのセルフだザル警官!!!』」

 

その後も淡々と続く泥棒逃しにより、ほぼ0の状態がずっと続く。

挙句あのタコ、途中で信州蕎麦食べに行くし、なんでさ。

 

「なんで逃すんですか!?」

 

「お前が逃しては元も子もないだろが!」

 

「す、すいません」

 

ということで絶賛説教中である。

この状態が続けば負けはほぼ確実だ、皆んなに命令権一個? 怖すぎるよ、特にカルマ、あいつは何しろいうかわからん。

 

「次逃したら降りるぞ」

 

「俺もです」

 

「分かってます。もう絶対しません、が」

 

自分の額に触手を当て、いつも通りニヤついた顔で殺せんせーは言った。

 

「泥棒の性能もここから上がってますよ」

 

「……何?」

 

性能が上がっている? どういう事だろうか。

取り敢えず再度裏山を走るが、妙におかしい。

痕跡が、逃げた跡が無くなっているのだ。

ロングジャンプをする際に折れる木の枝も見つけれない、まさかこれらを隠蔽するように助言をしたか? なるほど、それは確かにlvアップしている。

 

「発見」

 

前方に4人組発見、見つけた瞬間に走り出し、素早くタッチ、再び逃走者を探し始める。

そろそろ1分、殺せんせーが動き始めれば俺たちの勝ちはほぼ確定、長かったなあ、あの人がふざけなかったらもう少し短く終わったんだけどな、全く、迷惑にも程があるよ。

 

『しまった!』

 

「どうしたんですか?」

 

アプリから烏間先生の声が聞こえる、しかも妙に焦っている感じだ。

 

『織村君、プールからどれくらい離れている!?』

 

「なんでプールなんですか?……まさか」

 

殺せんせーが水中に入れない事を逆手にとってプールに誰かが入り烏間先生をプールから離したのか?

プールは確か、あっちの方角か、よし、まだ間に合う。

 

「烏間先生、俺がいきます、先生方は他の逮捕を」

 

言うや否や、俺は走った。

距離から考えてもギリギリ間に合う、ならばやらない手はない。

最大速度で走り抜け、プールが見えると俺は手で体を守るように覆い、飛び越えた。

草木を抜け、プールが見えると地面にケータイを置いてプールにダイブ、中で先生用ナイフを構えている3人に手を伸ばし、触れた。

 

その直後。

 

『タイムアップ! 全員逮捕により警察側の勝利!』

 

律が高らかにそう述べた。

 

 

「はあ、疲れた」

 

時は放課後、無事に勝ったということで宿題なしになったわけだが今回結構走り回ったこともあり今回の宿題無しの時間は見事体休めに持っていかれそうだ。

 

「お疲れ様、()()

 

「なんで名前呼びなの? かんざ「有希でいいよ」……有希」

 

逆らってはだめと本能的に判断してしまった俺は渋々彼女の名前を呼ぶと、笑顔を向けられた。

 

「お茶飲む?」

 

「うん、ありがたく頂くよ」

 

差し出されたボトルのキャップを取り外し、お茶を飲んで返す。

いつも通り綺麗な表情を見せる彼女はどこか嬉しそう。

なんでだろ?

 

「勝ちたかったなあ」

 

「ケーキが食べたくて?」

 

「ううん、快君に頼み事が出来るから」

 

「……何をさせる気だったの?」

 

嫌な予感しかしなかった。

季節的にはまだ早い寒さを背中に感じて、俺はそれの正体を知るために彼女に聞く。

 

「秘密です、一緒に帰ろ?」

 

だめだ、彼女には勝てる気がしない。

 

ちなみに彼女と帰り家にたどり着いた時、あの時飲んだお茶が彼女の飲みかけだった事を今更思い出し叫ぶ俺の姿があったりなかったり。

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