守護者のいる暗殺教室   作:美宇宙

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さあやってきましたイトナ回
先に言っておきましょう、原作とは全く違う展開です。
それを踏まえた上でどうぞ

……ついでに文荒いです


在り方の時間

「あーあ、また遅刻した……」

 

昨日のケイドロが酷すぎたんだ、まあ言い訳になるのだが。

起きたら何時もより20分ほど遅く起床した、猛ダッシュすれば間に合うんだよ? でも昨日のせいで走る気にもなれなかった。

よって遅刻するとわかっていてもダラダラと歩いてしまい、結局この時間である。

 

「遅刻とは感心しませんね、織村君」

 

「昨日貴方が変に泥棒逃さなかったらこうはなりませんでしたよ、きっと」

 

全くだ、本当に。

これを聞いた殺せんせーはというと「お恥ずかしい」とか言いながら頬を掻いている。

ならするなよ、こちとら本当に疲れたっていうのに。

 

「二学期も滑り出し順調! 生徒たちとの信頼関係もより強固になってます」

 

「まあそうですね」

 

夏休みの地獄を乗り越え、昨日の事でより信頼度も高くなってるだろう。

そうそういないと思う、こんなに仲のいいクラス。

 

「今日も生徒たちは私に親しみの目を……」

 

ドアに手をかけ、いつも通り入った殺せんせー。

だが、次に続いた言葉は本来とは全く違う言葉だった。

 

「汚物を見る目!?」

 

「汚物ってそんなわけ……わーお、みんな顔酷ーい」

 

新聞を持った人間を中心に、全員が汚物を見る目で殺せんせーを見ていた。

殺せんせー何かやったのか? そんな覚えないんだけどな……。

とか思っていたら新聞を差し出されたので受け取って一番上の情報を見ると目を疑った。

多発する巨乳専門の下着ドロ、犯人は黄色い頭の大男、ヌルフフフ……と笑い現場に謎の粘液を残す。

うん、殺せんせーの特徴だ。黄色い頭とか殺せんせー以外誰がいるだろうか。

そりゃこうなる訳だ、可哀想に思えてきた。

 

それに殺せんせーじゃないと言いたくてもこのタコの場合アリバイなんてほぼ無意味に等しい。

磯貝、かばうなら最後まで庇おう? ね?

 

「わ、わかりました! 今から先生の潔白と理性の強さを証明する為に先生が持ってるグラビア全部捨てます!」

 

学校に何を置いているんだろうかこのタコ。

ということでいざ準備室に移動、すぐに机の引き出しを引いてグラビアの数々を出し始めた。

 

「見なさい! 机の中の、グラビアを……」

 

だが出したのはグラビアではなく、女性物の下着だった。

何でだろ、哀れに見えてきた。

 

「皆んな! 出席簿が!」

 

次に見せられたのは出席簿の中身。

そこには女子の名前の横にアルファベットが一文字ずつ、なんか一人違うけど書かれていた。

おいおい、まさかバストサイズ? それは流石に……ん?

 

「そ、そうだ! 今からバーベキューしませんか!? ほら美味しそう……な……」

 

なんかわかった気がする。

この状況は明らかにおかしい物である事ぐらい冷静になればすぐにわかる。

だってなぜこんなにも証拠が出る? しかも今更? 串に下着なんてする訳ない。

仮に幾らテンパりやすい殺せんせーといえど隠すのならばもっといい場所があるし、そもそもこんな事するわけがない。

そして何よりも、こんな事をすれば俺たちの信頼なんてなくすも同然。

ならこれは、他者が殺せんせーを陥れるためにわざとやったものと考えるのが妥当。

そしてそれをしそうなのは……奴らしかいない。

 

「今度こそ」

 

君を助け出す。

 

 

そんなこんな、俺は情報を得てある場所の茂みに隠れている。

何故かって? こんな時に限っこの場所で巨乳アイドルグループが合宿しているなんて()()が流れているからだ。

ますます奴らの仕業と思わざるおえない状況になった今主犯がより一層濃く正体を出してきている。

というか絶対奴らだ、じゃないと困る。

 

「陽、どう?」

 

『確かに近くにいるわ、後かーくんの先生とクラスメイトも』

 

「OK、迷惑かけてごめんね」

 

『大丈夫だけど、かーくんこそ大丈夫?』

 

「なんとかする」

 

電話を切って俺は再び視線を元に戻す。

さあ、どうでる? この状況で手を出すのは正直野暮だと思うけれど。

 

見つめること数分、ここに変化が現れる。

第三者、黄色いヘルメットをかぶった大男が下着めがけ走ったのだ。

ええ、うっそだあ。予想外れた? まじで?

俺が驚きのあまり動いていないと殺せんせーがその大男にダイブし、最早襲っているとしか見えないような状態でヘルメットを剥いだ。

すると、そこには見知った顔、烏間先生の部下の顔があった。

刹那、男と殺せんせーを囲むようにして白い布が現れ、それに続くようにあの男が現れた。

 

シロ、やっぱりこいつか。

 

「さあ、最後のデスマッチを始めようか」

 

全くやってくれたものだ。

俺はそっと刀の刀身を少し出し、状況を見るのに全力を注いだ。

今、イトナは殺せんせーをあの白い布の上から狙ってる、きっと触手についた変なのも対先生物質でできた武器だろう。

加えて外の布はシロが着ている対先生物質の布、タコに逃げ場はない。

だが、逃げ場がないだけで負けが決定したわけではない。

 

「いかに強く速く、保護者が策を練ろうとも、3度目となれば先生でも見切れます」

 

いつも通り余裕ぶった声は場にいた生徒達に安心感を与えた。

そう、先生はいつだってこうでいてくれないと生徒たちの上として成り立たないのだから。

 

「先生が日々成長せずして、どうして生徒に教えることができるでしょうか」

 

視界が綺麗な光で埋められていく。

まさしく極光ともいうべきその輝きは、次の瞬間、上方へと打ち上げられた。

まるで砲台のように強力な一撃は檻さえも破壊し見事イトナ撃退して見せた。

 

だがここで変化が起きる。

あの白いの、イトナを捨てると言ったのだ。

イトナは頭を抑えて、苦しそうにずっと痛みに耐えている。

 

「イトナ!」

 

茂みから飛び出した時には両者が去ってしまっており俺は皆んなをほって足を動かした。

 

 

「やっぱりここだったんだね」

 

目の前には満身創痍な状態で触手を振るっているイトナの姿がある。

彼についてわかっている事、それは彼がある工場の社長の息子だった事だ。

だがその会社は倒産し、やむ終えず祖父の家に引き取られるが、そこでも何かあったらしい。

わかったのはここまで、だがこの先なんてわかっている、その先が今だ。

 

「お、前は」

 

「織村快、君のクラスメイトだ。覚えておいて?」

 

彼に俺は微笑んでケータイを耳に当てた。

 

「陽、頼む」

 

『無茶はしないでね?』

 

「できる限りは」

 

『もう』

 

呆れた声の後に俺の視界は歪んだ。

ゆっくりと視界は変わっていき、いつしか場所はどこか知らない空地。

まあ近くにある場所なんだけど。

 

「ここなら邪魔なんて入らない、思う存分戦えるよ」

 

鞘から神在月を引き抜いて、俺は足を一歩前に出す。

さあ、ここからが正念場だ。

 

「君が望む限り、何時間何日だって戦い続けよう。それで君が安らげるのならね」

 

「アアアアアアアアアアアアアッ!!!」

 

最初から全力で突っ込んでくるイトナを前に俺は刀の柄に手を添え、呟いた。

 

「神在月、()()()()()()()()()()

 

 

「守護者織村快、推して参ります!」

 

「ここにいましたか……織村君!?」

 

殺せんせーと生徒たちが見たのはまさしく異形な平野だった。

様々なところに血が飛び交っていてあまりにもひどい惨状、そこに立つ2名はといえばそれこそ可笑しなものだった。

片方は傷はあるものの大したものではない、擦り傷やその他の物が体の所々にある位だ。

だがもう片方はどうだろうか? 刀を杖代わりにしないと立っていられないほどにまで疲労し、身体中に傷口があり、今もなお血は滴り落ちて地に落ちていく。

 

「みん、な」

 

傷ついた少年はみんなの方向に向いて脆い笑みを浮かべた。

彼とイトナが戦い始めたのはあの後、それから3日経過している今、彼らは3日もの間不眠不休で戦っていたことになる。

触手を斬るとそれを再生させるために体力を使うことを知っているから触手を斬らず、加えて快はイトナを傷つけないように常に動き戦い、対する自分にはやむ得ないのなら攻撃をまともに受けることも少なくはなかった。

一番大きかった事は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()()()

つまり彼は神在月の加護なしで、不眠不休のデスバトルを3日間もやっていたという事になる。

正気の沙汰ではない、それは少年自身が知っている、けれどそれでも彼にはそれをやる意味があった。

 

「イトナ、一緒にここで、過ごさない? 皆んな、優しいし、何よりも、楽しい、よ?」

 

足を引きずってイトナに近づこうとした瞬間、何かが爆発し、粉が蔓延する。

先生とイトナのお触手を溶かしているのを見て全員が察する。

これは対先生パウダーであると、そしてこんなことをするのは……

 

「追ってくるんだろ? 担任の先生?」

 

シロがイトナをネットにかけ、引きずりながらどこかに行くの見て快は刀を地面から引き抜いて車の方向を見やった。

 

「まさか、その体で行く気じゃねえだろうな?」

 

「行くよ。俺は、彼を守る」

 

だってそれが守護者としての在り方だから。

そう言い残して、快は走り出す。

 

 

体が重い、まるで枷でもつけられてるみたいに。

体が痛い、どこもかしこにも痛みが響いて、感覚がなくなってきている気すらする。

それでも尚、俺は走った。

軽トラはもう目の前、届け、届け届け届け。

 

「届けええええええええ!!!」

 

刀を構え疾走する。

赤い軌跡を描いた刀は見事軽トラを両断し、イトナを離した。

 

「後は、任せ、ます」

 

俺はすぐに来るであろう先生に全てを預けて、意識を手放した。

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