あの事件後、旅館に戻って温泉入ってコーヒー牛乳を飲んで一息つきながら部屋に入ったら気になる女子ランキングみたいなのやっててまだ一ヶ月もたってないのにいるわけないという言い訳でスルーした後殺せんせーがそれをメモって逃走したのでほとんどの男子が殺しにかかり、その後女子のところにも行ったらしく何かやらかして女子にも狙われ、結局いつもと変わらない時間を過ごした後の出来事だ
「おーりーむーらー」
「ん? って危な」
「ちっ、外したか」
呼ばれたから振り向いてみれば枕が自分の方向に飛んできていたのでとりあえず回避した
えーっと、前原だったか? このクラスのモテ男
何気に舌打ちしないでもらえます? 心に傷がつくのでやめましょうね
「なんで枕」
「分かってないなあ織村は」
「枕投げだよ、ま・く・ら・な・げ」
枕投げ? あの枕を相手に当てるあれ?
まあ確かに修学旅行の定番っちゃ定番だけれど、決まって旅館の人に怒られる定番のやつだよな? やりたくないんだけど
「就寝時間前とはいえ、修学旅行に来たからにはやらないと気が済まないよな!」
「なんでそんなやる気満々? というか他の皆んなも自分の枕を構えない」
しかも全員が俺をターゲットにしてやがる
「織村君、餌食になってよ」
カルマが俺にデススマイルを送りつけたのをスタートとし、ほとんど全員が俺に枕を投擲した
だが甘い、無駄に守護者をやっているわけではないのだ
君たちの投擲スキルなんてプロに比べれば序の口だということを俺は知っている
まず一個目、真っ先に飛んできたのを首を傾げ回避、続く二個目と三個目、両方をキャッチしその後に来た二つの枕に叩きつけた
次をジャンプで回避、体をそらしまた回避し、ドヤ顔を見せつける
「まだまだですね」
「誰だよお前!」
「さて、次は俺が反撃を、ってまた危な!?」
足元に叩きつけた枕を拾おうとした瞬間、一瞬できた死角を狙って投げられた枕をギリギリで回避した
「やるねえ、織村君」
「危ないな。というかなんで俺しか狙わないの? 他は?」
「ほらあるだろ? 下っ端をいびるやつ」
「下っ端じゃないつうの!」
前原に思いっきり投げてやった
顔面にHIT! 前原は転倒した!
「いくぞE組男子。枕の貯蔵は十分か!?」
「お前はどこの偽善者だよ!?」
投擲だけにはそれなにり自身があるんだよ!
なんでって? そりゃよくナイフ投げてるから、3本ほど同時に、因みに当たるは当たるがどこに当たるかは分からない
だが枕となるとかなり当てやすいから大丈夫だ、うん
「あんな所に隠れている渚みっけ!」
次は渚に向け投げた、見事避けられたが
「ちっ、外したか」
「お前も言ってんじゃねか、ブハッ!?」
おおっと、今度は磯貝が前原に投げたぞ
その磯貝に菅谷が投げた、が躱されてやり返されてる
ようし
「木村!」
手元にあった枕を木村に投げてみるが見事失敗
この教室であんな授業してたら反射神経よくなるのはわかるけど、当たって欲しかったなあ
「あっぶね! やったな!」
枕を投げられたと同時、俺は前方にダッシュした
自分の前にきた枕をキャッチし、床を蹴って宙に体を任せた
そのまま
「喰らえ!」
思いっきり投げた
よおし、木村撃破、後は
「いっつ!」
調子に乗っていたせいで気づかなかった攻撃は、俺の背中に直撃した
いったい誰が、倒れ際、後ろを見ればそこには竹林がいた
た、竹林が当てた!? こういうのに乗るタイプだったの!? メガネをくいっと上げて決めないで!
「投げるってんなら、俺の得意分野だな!」
これ野球じゃないからね杉野!
というか参加していない三村に当ててどうすんの! やる気満々になったじゃないか!
「ヌルフフフ、先生も参加させてください」
「「「一番論外なのきたああああああああ!?」」」
なんでここにいんの殺せんせー!?
「こうなったら全力でやってやる! いけえええええ!」
全身の力を込めた枕が、高速で飛んで行った
「甘いですよ織村君」
「軽々しく避けた、だと!?」
マッハ20は伊達じゃないって事だろう
「さっきの続きだ! 全員で掛かるんだ!」
「「「おおおおおおお!!!」」」
クラスほとんどが一致団結し、枕を投げ始め、後々烏間先生に殺せんせーごと怒られるのはいうまでもない
「疲れたあ」
説教も終わりなんやかんやなって積み全部着せられ、挙句みんなのジュースを買ってこいという命令を受けた俺は渋々自販で適当にジュースを買っている
参加してたの何人だっけな、20もあれば足りるかな
「織村君?」
「あれ、神崎さん?」
意外な人と遭遇してしまった
どうやらあっちもジュースを買いに来たらしい、右手に銀色に輝くコインを一枚持ってらっしゃる
「神崎さん、これいる?」
男子分に買ったものだが、一つくらいなら問題ないだろう
カゴからフルーツオレを取り出し差し出せば彼女は銀貨をこちらに差し出してくる
「お金はいいよ。どうせこれおごりだから」
「でも悪いよ」
「無駄に仕事しているわけじゃないから、お金の心配はないよ」
一回100万とかだからな、金に関しては別に問題はない
と言いつつも「中学生が持っていい金額じゃない」とか先生が言って7割ほど持っていかれるのだけれど
「これも何かの縁だし、ね?」
少し悩んだようだが、諦めて受け取ってくれた事に少し嬉し身をもらいながらソファに腰掛けた
「神崎さんもどう?」
自分の横をパシパシと叩く
今回は特に迷った様子もなく、すんなりと俺の横に彼女も腰掛ける
「今日はありがとう」
「俺はこのクラスの守護者だからね。当然の役目だよ」
それにほとんどなにもしてないし
縄解けてないわ不良は先生と渚たちが倒してしまったので俺がやったことといえば時間稼ぎくらいだろうか
我ながら情けない、最近腕が鈍ってきたかな、なんて現実逃避をしてみる
「また今度、一緒にゲームセンターに行こうね」
「俺はいいけど、他は誰か誘うの?」
「へ?」
「さすがに男女2人はダメです」
俺が後で杉野に何されるかわからないから
それとクラスの弄りネタになっちゃう、あと殺せんせーが何するかわからないからそれだけは避けたい
「……じゃあ連絡先教えてもらえる? いつ遊ぶとか連絡したいから」
「わかった……あ、部屋にケータイ忘れてきた」
「じゃあ学校でだね」
何かさりげなく他の約束をしてしまった気がしているのは気のせいだろうか
「そろそろ戻らないと。ありがとうね」
「此方こそ」
あーあ、今からあの部屋に行とあるとなんか憂鬱な気分だ
神崎さんと別れて部屋に戻れば早々に顔面に枕がHIT
……あれれ、さっき怒られたばっかなのにまだやる気なんですか?
「遅いぞ織村」
「……上等だ、やってやる!」
俺は内心楽しげに、枕を敵に向かって放った