僕と幼馴染と友情物語(過去編・番外編) 作:sata-165
Q.バレンタインデーについての説明とそれに関する感想を書きなさい。
・木下 優子の解答
説明 女性が親しい人にお菓子などを贈る日
感想 あたしはまだ異性に好意をもったことがないので、特に感想はありません。
教師のコメント
正解です。木下さんはあまり恋愛事には興味がないのでしょうか。素敵な出会いがあるといいですね。
・久遠 日向の解答
説明 女の子が好きな人やお世話になっている人にチョコレートなどのお菓子を渡す日。女の子にとっては大切な一日。
感想 私も好きな人にチョコを渡したのですが、義理チョコだと思われてしまい悲しかったです。
教師のコメント
久遠さんは好きな人がいるのですね。素敵なことです、あきらめずに頑張ってください。それと外国ではバレンタインに贈り物をするのは男性もだそうです。
・吉井 明久の解答
説明 女の子がお世話になっている人にお菓子を渡す日。
感想 義理チョコを貰っただけなのに嫉妬に狂った覆面集団に追いかけまわされた。
教師のコメント
説明についてはあっていますが、感想についてはあまり一般的ではないですね。私もよく吉井君が覆面の集団に追いかけられているのを見ますがあれも嫉妬なのでしょうか。
・多くのFクラス男子の解答
説明 ローマ帝国皇帝・クラウディウス2世は、愛する人を故郷に残した兵士がいると士気が下がるという理由で、ローマでの兵士の婚姻を禁止していたが、それを破ってしまったヴァレンティヌスが処刑された日であり男女がイチャつく日ではない。
感想 バレンタインにイチャつきヴァレンティヌスを侮辱している奴など抹殺してやる。
教師のコメント
説明についてはほぼ当たっていますが現在では親しい人に贈り物をするのが一般的となっているため正解にはできませんね。吉井君を追いかけていたのはあなた達のようですね。それと一般常識に関する問題で抹殺などと書くのは大幅な減点につながるので控えましょう。
・藤崎 明梨の解答
説明 日本では女性だけですが、外国では男性も親しい人に贈り物をする日。特に日本では女性が意中の男性に自分の気持ちを伝える日。
感想 わたしは毎年同じ男性に本命チョコを送っていますが、幼馴染なので義理チョコだと思われているため、いい思い出はありません。
教師のコメント
説明について外国のことまで書いてあるとはさすがですね。感想についてはつらいことを聞いてしまいすみませんでした。ただあなたより長く生きている人間としてアドバイスとしては何かいつもと違うことをしてみてはいかがですか?相手もあなたの気持ちに気づくかもしれませんよ。
・神谷 紫織の解答
説明 女性が親しい人にお菓子を渡す日。
感想 今年はワサビ入りのチョコを贈るつもりだから、どんな泣き顔が見れるか今から楽しみだわ。
教師のコメント
説明はあっていますが、神谷さんはその人に対してどんな感情を抱いているのでしょうか。
・島田 美波の解答
説明 女子がお世話になっている人にお菓子を贈る日。
感想 アイツにあげるのは去年助けられたからで他に意味なんてありません。
教師のコメント
島田さんはお世話になった人に渡すのですね。とてもいいことです。
・姫路 瑞希の解答
説明 女の子が好きな人にチョコを渡す日。
感想 異性を振り向かせるには硫酸と硝酸のどちらを入れた方がいいのでしょうか
教師のコメント
説明は問題ありませんが感想に問題がありますね。その両方が人体には非常に危険な毒薬です。姫路さんはお菓子を自作しないことをお勧めします。
・霧島 翔子の解答
説明 雄二にチョコを渡す日。
感想 雄二が浮気をしないか心配。
教師のコメント
霧島さんは坂本君のことが大好きなんですね。ただ『坂本君にチョコを渡す日』では正解にはできませんね。
・坂本 雄二の解答
説明 女子が男子にチョコを渡す日。
感想 前は翔子がチョコに睡眠薬を入れて俺を拉致したことがあったが今はそんなことしないので安心している。
教師のコメント
あの霧島さんがそんなことをするとは、愛の力は恐ろしいですね。
バレンタイン
2月12日(土曜日)
明梨Side
Pipipi
わたしが夕食後自分の部屋で勉強していると携帯が鳴った。あ、メールだ。誰からだろうこんな時間に
そう思いながら携帯を開くと
from久遠 日向
明日、二人でバレンタインのチョコを家で作らない?
ヒナちゃんからのメールだった。ヒナちゃんとはわたしの親友で恋敵の久遠 日向(くおん ひなた)ちゃん。綺麗な黒髪をセミロングにした娘で中学二年のころに不良に絡まれているところを明君に助けられて以来明君のことが好きになったらしい。
そのことをわたしに言ってきたときに『明梨ちゃんも明久君のことは好きなんだよね。ねぇ明梨ちゃんとは仲良くしていたいから、協力しない?明久君が選んでくれるように二人で。もちろん恨みっこなし。抜け駆けもOKってことで』と言ってきた。最初は驚いたがわたしも明君のことが好きだし、ヒナちゃんとも仲良くしていたかったので賛成した。でも、二人とも抜け駆けはしてないよ。明君と遊ぶ時はちゃんと報告するし、一緒に行きたいならば3人で遊ぶこともあった
特に断る理由もないのでわたしは時間と持っていくものの確認をしてから眠りについた。まさかヒナちゃんがあんなことを考えてるなんて
2月13日(日曜日)
AM9:00
わたしはチョコを作るためにヒナちゃんの家の前に来ている
ピンポーン ガチャ
呼び鈴を鳴らすとすぐにドアを開けてヒナちゃんが出てきた
「いらっしゃい明梨ちゃん。準備はできてるから早く始めよ」
「おはよっヒナちゃん。今日はよろしくね」
わたし達はあいさつを済ませるとすぐにチョコ作りの準備に取り掛かった。準備といってもまだチョコを湯煎して溶かすだけだ。すこし暇になったのでヒナちゃんとどんなチョコを作るか話そう
「ヒナちゃんはどんなチョコを作るの?」
「そのことで相談なんだけど、ハート型のチョコ作らない?明久君に」
「ハ、ハート型?!そ、それって」
自分でも顔が熱くなってくるのがわかる。たぶんわたしの顔は真っ赤になっているだろう。言い出したヒナちゃんも顔を赤くして俯いている
「う、うん。ド本命チョコ。今までのチョコも本命チョコだったけど明久君って全然気づいてくれないし」
確かに明君はわたしのは『幼馴染だから』、ヒナちゃんのは『助けてくれた恩返し』と思っているらしく『本命チョコ』なのに『義理チョコ』だと思っているほど鈍感だ。まぁ小さい頃は確かに幼馴染だし一輝君のと同じ『義理チョコ』だったけど、4年生のころからはお母さんに手伝ってもらわないで一人で作った『本命チョコ』を渡している、一輝君のとも別だ。でも鈍感な明君は気付いてくれない
「そうだね。わたしは小さい頃から毎年明君にチョコを渡しているから普通のことだと思っているのかも」
「そ・こ・で、ハート型のチョコを渡せば流石に鈍感な明久君にも私たちの気持ちも伝わるんじゃないかなって考えたの」
確かに明君にはそのぐらいしないと一生気付いてくれないかもしれない
「うん、わかった。ハートのチョコで想いを伝えよう」
「おーっ!!」
その後わたし達は15cmほどの大きなハート型のチョコを作った。さすがにLOVEとかは書いていないけど
Side end
2月14日(月曜日)
僕はいつものように明梨と学校へと向かっていると道の先に見覚えのある二人の姿があった
「おはよう秀吉、優子さん」
「おはよう秀吉君、優子」
「おはよう明久君、明梨」
「おはようなのじゃ明久、明梨」
僕達が声をかけると二人もあいさつを返してきた
「はい、明久君。こっちは明梨に」
優子さんが僕らに何かを渡してきた。なんだろう?
「ん、これは?」
「はぁっ、明久君、今日はバレンタインよ。知らなかったの?」
「そう言えば今日は14日だっけ。ありがとね優子さん」
「どういたしまして」
「ありがとう優子。わたしからはコレね。秀吉君にも」
そう言って明梨は優子さんと秀吉に何か小包を渡した
「明君には放課後に渡すね」
今じゃダメなのだろうか?
「うん。楽しみにしてるよ」
「(何か仕掛けるのかしら?)」「(明久に効くとよいがのぅ)」
向こうで秀吉と優子さんが何か話している。なんだろう?
明梨Side
ヒナちゃんと相談して明君には放課後に一緒に渡そうと決めていたので、明君にはもう少し我慢してもらわないと。アレを一人で渡す勇気は無いもん
Side end
―― 昼休み ――
「失礼するわ」
長身に綺麗な亜麻色の長髪ストレートの女性が教室に入ってきた
「あれ、神谷さん。どうしたの、秀吉に用?」
彼女は神谷 紫織。隣のクラスの生徒で勝気なつり目をしている。よく、秀吉をからかっているので入ってきたとき秀吉がビクッて背筋を伸ばした
「えぇ、バレンタインだし秀吉君にこれをプレゼントしようかと」ドンッ
そういって神谷さんが秀吉の前に置いたのは
徳用プロテイン(重量15kg)
「こ、これは…」
秀吉が困惑している。しかしなぜ彼女はコレを片手で軽々と持てるのだろう。あの細腕にそんな力があるようには見えないのだが
「ふふっ冗談よ。秀吉君の困った顔が見たかっただけよ。ほんとはこっちよ」
彼女はプロテインを机から下ろすと今度は普通の小包を秀吉の前に置いた
「困った顔が見たいとはお主鬼畜じゃな!!しかし、ありがとうなのじゃ」
秀吉が神谷さんの発言に抗議するが、すぐにお礼を言った
「あ、あの秀吉君。それ自信作で感想を今すぐ聞きたいから、食べてくれない?」
彼女は恥ずかしそうにそんなことを言っているが、僕の位置からは彼女のいたずらっ子のような笑みが見えた
「う、うむ。わかったのじゃ」
秀吉は神谷さんが渡した小包をあけると
「見た目は綺麗じゃな」
「あ、ありがとう」
見た目は売り物のように綺麗だ。しかし俯いてる彼女は必死で笑いを堪えているように見える
「で、ではいただきます」
パクッ
「~~~~ッツ」
『『『『『グハッ』』』』』
「ふふふっ」
秀吉が涙目で鼻のあたりを押さえている。その様子に一部のバカどもが吐血をし、神谷さんは秀吉を嬉しそうに眺め
「……イィっ」パシャ パシャ
康太が秀吉の泣き顔を連写する
「土屋君。その写真ネガごとあたしが買うわ」
その写真をネガごと買う神谷さん。うん。カオスだ
「やっぱり秀吉君の泣き顔を見てるとゾクゾクするわ」
神谷さんは秀吉のことが好きなようだが、その発言はどうかと思う
「お主は鬼じゃっ」
ようやく治まってきたのか秀吉が涙目で抗議するが
「やだわ、そんな顔で反論されると興奮しちゃうじゃない」
彼女には逆効果のようだ
「それにそのチョコレートはこだわって作ったのよ。チョコレートはベルギー産のものを取り寄せて、中に入れるワサビは国産の本わさびをサメ肌で擦り下ろして、丹精込めて作ったんだから。ちゃんと感想を言ってほしいわ」
彼女はそんなに秀吉の泣き顔が見たかったのか。すごい愛だ
「丹精を込めてくれたのは嬉しいのじゃがワサビの辛味で味がわからないのじゃ」
「ふふっ安心して秀吉君。ワサビ入りは一つだけだから。さっきのは運が悪かったのよ」
そう言っているがたぶん嘘だろう。秀吉が悶絶している時の笑みと同じ笑顔だから。秀吉は涙で彼女の表情がわからないのか、次のチョコに手を伸ばした。
「そう言うならば。もう一つもらおぅかのぅ」
パクッ
「~~ッ辛い。み、水がほしいのじゃ」
「ほら、秀吉これを飲んで」
「ふふふっ」
僕は秀吉にお茶を渡し、秀吉はそれを一気に飲んだ。その間神谷さんは笑い続けていた
「っぷは。た、助かったのじゃ。ありがとうなのじゃ明久」
「どういたしまして」
落ち着いたのか秀吉は僕にお礼を言うと
「神谷よ!!お主嘘をついたな」
秀吉が抗議の声を上げるが
「ふふっ嘘ではないわよ。『ワサビ入りは』一つだけなのだから。さっきのは反応からしてジョロキア入りね」
ブート・ジョロキア――ギネス認定の世界一辛いトウガラシ
「でも、安心して秀吉君。半分は普通のチョコよ。これは本当、ちゃんと味わって後で感想を聞かせてちょうだい」
神谷さんはそんなことを言いながら教室から出て行った。『半分は』ってまだ10個以上あるから秀吉は5回は悶絶することになるんだろうな
「あ、明久よ。少し手伝ってはくれぬか?」
「秀吉、手伝っても良いけど普通のおいしいチョコもあるんだよ?それを僕が食べちゃったら神谷さんに失礼じゃないか」
「う、うむ。そうじゃな。神谷がわしのために作ってくれたのならばわしが食べるべきじゃな」
後で優子さんから聞いたら苦いのやら酸っぱいのやらしょっぱいのやらで秀吉が一日中悶絶していたそうだ。秀吉は「普通のチョコは絶品だったぞい」としか言わなかった。おそらく思い出したくないのだろう
―― 放課後 ――
「吉井」
僕が帰り支度をしていると島田さんが声をかけてきた
「どうしたの?島田さん」
「これっ」
そういって渡してきたのは
「チョコ?」
どうやらチョコのようだ
「か、勘違いするんじゃないわよ。去年助けてもらったから、そのお礼なんだからね」
「わかってるよ。義理チョコってやつでしょ」
彼女が僕に好意を持っていないことぐらい分かっている
「そ、そうよ!!」
用事が済んだからか彼女はさっさと帰って行った
『『『『女子からチョコを貰うなど…』』』』
「うるさい」
『『『『ぐふぅ』』』』
なんか嫉妬した男子が襲ってきたのでとりあえず急所に拳を入れ気絶させた。
「あ、あのっ」毒兎
「「明君(明久君)!!」」
僕が嫉妬男子を気絶させると誰かの声の後に僕を呼ぶ声が聞こえたのでそっちを向くと
「あれ、明梨に日向どうしたの?」
明梨と隣のクラスの日向がいた
「朝にチョコは放課後にって言ったじゃない」
「ってことは日向も?」
「はい、明梨ちゃんと相談して一緒に明久君に渡すことにしたんです」
そう言うと彼女たちは20cm四方ほどの箱を取り出して
「「受け取って(ください)明君(明久君)!!」」
頭を下げながら僕の方に突き出してきた
「うん、ありがとうね二人とも」
僕は受け取ると二人にお礼を言ったが
『『『『美少女二人からチョコを貰うなど万死に値する!!!!』』』』
さっき潰した男子どもが復活して僕に襲いかかってきた
「た、確かに二人とも美少女だけど、チョコを貰っただけで死んでたまるかっ!!」
「「び、美少女///」」
二人ともかなりの美少女で僕も彼女たちのような人と付き合いたいけど・・・そんな嫉妬だけで殺されてたらたまらない。そう思い手前の男に鳩尾に正拳を叩きこむが
『ぐふっこの恨み晴らすまでは気絶などはできん』
気絶するほどの痛みを堪え立っている。その理由さえなければカッコイイのに。しかしこの状況はマズいな。
「明梨、日向!!後でお礼はちゃんとするから!!今日はゴメン!!」
幸い帰り支度は済んでいたので鞄を持って教室から脱出する
―― 明久宅 ――
僕は嫉妬男子から逃げ延びてなんとか自宅へとたどり着いた。だいぶ無理して逃げてきたから明梨と日向のチョコの包装が少し破けていた
「中身は大丈夫かな?」
外がこんな様子では少し気になる。開けてみると
「うわっメチャクチャだ」
二つとも中身は複数のチョコの破片になっていた
「とりあえず、元のかたちに戻すか」
幸い粉々ってわけではないので復元はできるだろう。ピースの少ないパズルのようなものだ
「これは・・・・・・」
僕の前にはヒビの入った2つのハートがある。明梨と日向がくれたチョコを復元したらできたものだ
「・・・・・本命チョコってやつか?」
いや、良く考えるんだ吉井明久!!ここで勘違いしたら二人との関係が大変なことになる。
よし、順を追って考えてみよう
バレンタイン――主に女性が普段お世話になっている人や意中の異性にチョコなどのお菓子を渡す日
ハート――心臓や心を表わす形。また愛情や好意を示す形
明梨と日向が僕にハート型のチョコを贈る――明梨と日向の意中の異性は僕
うん、良く考えても結果は変わらない。このパズル状になってしまったチョコもこの形以外あり得ない
どうしよう、二人ともとても魅力的な女性だし付き合えるって言うなら付き合いたい。でも、僕は二人のことが好きだしどちらか一人を選ぶことなんてできない。とはいえ二人と同時につきあうなんて不純だし、将来的なことを考えると重婚なんてできないのでどちらか一方を選ぶことになる。
僕はどうすればいいんだ~~
吉井明久の返事の期限まで あと1ヶ月
一方、雄二君の場合
「…雄二、はいチョコ」
「翔子、このチョコに睡眠薬とかは…」
翔子は前に睡眠薬を入れて俺を拉致したことがある。目が覚めたら目の前に婚姻届と実印があった時は驚いた
「…入ってない」
「本当か?」
「…雄二は私のことを信じてない?」
「うっ」
翔子が上目づかいで縋るように俺に尋ねてくる。俺は思わずのけぞってしまった
「…?」
俺の反応が不思議なのか首をかしげている翔子。やばい可愛すぎる
「悪かった翔子。信じることも彼氏の務めだったな。チョコありがとう」
「…うん。どういたしまして」
この話は明久たちが1年の頃の話です。
紫織、日向に関しましては現在本編には登場していませんが、登場は決定しています。
バカテストに関してはだいぶ長くなってしまいました。
明久がどんな答えを出すかはホワイトデーに投稿するつもりです。お楽しみに。