僕と幼馴染と友情物語(過去編・番外編)   作:sata-165

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過去編、第一話です。
一応、時系列に沿う形で投稿していく予定です。
最初は明久が中学に進学してすぐの話です。



過去編
木下姉弟との出会い


僕は小学校を卒業して長月中学校に進学した

 

「はぁ~暇だなぁ~」

 

今は昼休み、いつもだったら幼なじみの一輝や明梨と一緒に遊んでいるが、一輝はお父さんの仕事の都合でアメリカに留学しているし、明梨は別のクラスで新しくできた女の子の友達と遊んでいる。

僕は入学式の日に体調を崩して2,3日休んだからあんまりクラスになじめてないし、いつも明梨や一輝と遊んでいたから特に仲のいい人もいないんだよな。だから僕は暇になり廊下をブラブラ歩いていると

 

『『『『『『『『『木下~俺と付き合ってくれ~』』』』』』』』』

 

『わ、わしは男じゃから無理なのじゃ~』

 

不愉快な声と困惑している声が後ろから聞こえてきたので

 

「アァン?」

 

軽く殺気を誰かを追っている連中に向けた

 

『『『『『『『『『ひっひ~』』』』』』』』』ダダッ

 

そいつらは怯えながら逃げて行った。あんな軽い殺気にあてられるなんて

 

「え~と、キミ。大丈夫?」

 

?「わ、わしは男じゃから、これしきのこと平気なのじゃ」

 

その人は若干涙目でありながら強がっている

 

「いや、男っていうのは分かってるけど、あんな連中に追われたら誰だってそうなるよ」

 

うん、正直Gよりも気持ち悪かったよ

 

?「お主、わしが男じゃと分かるのか?」

 

急に僕の肩を掴んで揺すってきた

 

「え~と、女の人に見られたい…ってわけじゃないよね」

 

『女の人』って言葉で急に落ち込んだ。この人の過去に何があったんだ?

 

?「うむ、わしは正真正銘の男じゃ。さっきは助けてくれてありがとうなのじゃ。え~と」

 

「あ、名前か。僕は吉井明久だよ」

 

?「わしは木下秀吉じゃ。双子の姉がおるから秀吉でよい」

 

「わかったよ秀吉。なら僕も明久でいいよ。ところでなんで秀吉はさっき男子に追いかけまわされていたの?」

 

その言葉でやや沈んだ表情になる。ポーカーフェイスを装っているようだが恐怖は表に出やすいからね

 

秀「うむ…実はわしのことを女子とみる輩がわしに交際を申し込んできたのじゃ」

 

なるほど、確かに秀吉は女顔の童顔で体も華奢で小柄、一見すると女の子のような容姿だな

 

「それは災難だったね」

 

秀「うむ、昔から男と見られることがなくてのぅ」

 

秀吉は遠い目をしながら語る

 

「う~ん、例えば髪を切るとかは?」

 

秀吉は髪を肩のあたりまで伸ばしている(原作通り)。短くすればもう少し男に見られるんじゃないだろうか

 

秀「演劇をやる上ではあまり髪は切りたくないのじゃが」

 

「なら、髪型を変えたら?」

 

秀「髪型を変えると言われてものぅ」

 

う~ん秀吉の髪の長さで男らしくか…そうだ

 

「秀吉、櫛って持っている?」

 

秀「うむ、演劇のメイク用に常備しておるが」

 

「ちょっと貸して、僕が髪をセットするから」

 

そう言って僕は秀吉から櫛を借りると、秀吉の髪型を変えていった

 

「こんなもんかな」

 

僕は秀吉の髪型を整えて手鏡を秀吉の前に差し出す

 

秀「おぉっ!!まさか髪型ひとつでこんなに変わるとはのぅ」

 

秀吉は自分の見た目の変化に驚いている

 

「あとは、もう少し筋力をつけた方がいいと思うよ。体力も付くし演劇って体力使うでしょ」

 

秀「確かに、少し体力が足りないと思う時もあるのじゃ」

 

「なら、このメニューからやってみたら?」

 

僕は基礎的なレベルの筋トレメニューを書き出して秀吉に渡す

 

秀「うむ、分かったのじゃ。さっそく今日からやってみるのじゃ」

 

その後、秀吉とはよく遊ぶようになり友達になった。中学に入って最初の友達だ

 

 

 

 

「あれ?秀吉、元気がないようだけど、どうかしたの?」

 

秀吉と知り合って2~3週間ぐらいした時に秀吉が少し元気がなさそうなので聞いてみた。いつも通りを装っているようだけど、なんか違和感を覚えたんだよね

 

秀「やはり明久にはバレたようじゃな。実は姉上と少々喧嘩をしてしまってのぅ」

 

「お姉さんと喧嘩?原因は何なの?」

 

あんまり他人の家の事情に首を突っ込むのはよくないが秀吉が元気ないのは心苦しいからね

 

秀「姉上に『演劇なんてバカなことしていないで少しは勉強しなさい』と言われてのぅ」

 

秀吉がお姉さんの声真似をしながら説明してくれた。やっぱり演技になるとすごいなぁ

 

秀「それで演劇のことをバカにされてわしも反論してしまいお互いに険悪な雰囲気になってしまい」

 

「そのまま引きずっているってこと?」

 

秀「そうなのじゃ」コクッ

 

「秀吉も勉強がおろそかになっていることは悪いって思っているんだよね?」

 

秀吉は演劇に熱中するあまり勉強の方は全くできないからね

 

秀「うむ、流石に今の学力では色々と問題があるのは分かっておるのじゃ」

 

「お姉さんにそのことについて話してはいないの?」

 

秀「話してないのじゃ、わしも少し熱くなってしまってのぅ」

 

お互いに引くに引けないって感じか。喧嘩って切っ掛けがないと仲直りできないもんな

 

「お互いに意地になっているって感じかな」

 

秀「うむ、わしも姉上に面と向かって謝るのはのぅ。姉上も頑固者じゃし」

 

「じゃあ僕が切っ掛けを作るよ。秀吉も喧嘩したままじゃいやでしょ?」

 

秀「それは助かるのじゃが、よいのかの?」

 

「うん、困っている友達を放っておくなんて僕にはできないからね。それで秀吉のお姉さんのクラスと名前を教えて欲しいんだけど」

 

秀「姉上のクラスは3組で名前は優子じゃ」

 

あれ?3組って確か明梨のクラスだよな。それに明梨の友達の名前が優子だったような

 

「うん、わかったよ。秀吉、お姉さんと仲直りしたら僕が教えてあげるから、ちゃんと勉強するって約束する?」

 

秀「約束するのじゃ。わしもどうすべきか困っていたので助かるのじゃ」

 

秀吉も勉強する気があるし、後は秀吉のお姉さんと話せれば何とかなるかな。明梨に頼んでおこう

 

 

 

 

「明梨ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

 

僕は今、明梨と一緒に帰っている。中学に入ってからはよく明梨と二人で帰っている、家も隣だし明梨のことも心配だしね

 

明「わたしに聞きたいこと?わたしが知っていることなら答えるよ」

 

「明梨の友達に優子さんっているよね?その人のフルネームが聞きたいんだよ」

 

明「優子の名前?木下優子だけど、それがどうかしたの?」

 

ちょっと不満そうな顔になる明梨、僕は何か問題のあることを言ったのかな

 

「やっぱりか。実は僕の友達がその子の弟でね、喧嘩しているらしいから仲直りさせたいんだよ」

 

あまり他人に話すべきではないが明梨にはちゃんと事情を話して協力してもらいたいからね

 

明「そうなんだ。だから今日は優子の機嫌がちょっと悪かったのかも」

 

「それで、なんとかしたいんだけど僕は秀吉のお姉さんとは面識がないからね」

 

明「わたしが優子を呼び出せばいいんだね。わかったよ、任せて」

 

「ありがとう明梨。時間帯は秀吉の部活の時間もあるから放課後すぐにして欲しいんだけど」

 

明「うん。場所は屋上でいいかな?」

 

「そうだね、出来れば他の人には聞かれたくないし」

 

これだけ聞くと告白でもしそうだよね

 

明「わかったよ。明日で大丈夫かな?」

 

「明日なら演劇部の部活もあるしちょうどいいね。ほんと、ありがとうね。今度何か奢るよ」

 

僕のわがままに突き合わせてるわけだし、何かしてあげなきゃな

 

明「う~ん。じゃあ明君の手料理が食べたいな」

 

明梨は少し迷った後にそんなことを口走った

 

「え?僕の手料理?そんなのでいいの?」

 

手料理なら安上がりだが、僕の手料理なんて

 

明「いいの、わたしは明君の料理好きなんだから」

 

明梨みたいなかわいい子に料理とはいえ好きなんて言われると恥ずかしいな

 

「わかったよ。じゃあ、明梨に満足してもらえるように頑張って作らせていただきます」

 

恥ずかしさから少しおどけて明梨の要望にこたえることにした

 

 

 

 

?「まったく、明梨ったらいきなり『放課後に屋上に行って』なんて何の用かしら?」

 

僕が屋上で待っていると木下さんが文句を言いながら屋上に出てきた

 

「きみが木下優子さん?」

 

?「えぇアタシは木下優子よ。それで、あなたは?」

 

「僕の名前は吉井明久で、秀吉の友人です」

 

ひとまず自己紹介をする

 

優「そう。吉井君、アタシは人を待っているんだけどあなたはどうしてここに?」

 

「ゴメン。実は明梨に木下さんを呼び出してもらうように頼んだんだ」

 

優「そうなの。で?アタシに何か用?」

 

さてと秀吉のことを切り出さないと

 

「え~と、秀吉のことなんだけど」

 

優「秀吉がどうかしたのかしら?(またあの愚弟に告白したいって話かしら)」

 

あ、なんか嫌な本音が見えた気がする

 

「木下さんが思っているようなことはしないよ。ただ一つ聞きたいことがあるんだ」

 

木下さんの態度を見ていて疑問がわいた

 

優「アタシに聞きたいこと?」

 

「うん。きみは秀吉が演劇をしている姿を見たことはあるの?」

 

優「いいえ、ないわ。それで話は終わりかしら?終わりならアタシは帰りたいんだけど」

 

ガシッ

 

そう言って帰ろうとする木下さんの腕を掴む

 

優「何かしら?」

 

明らかに不機嫌そうな木下さん、少し怖いな。でも、話を進めないと

 

「見たこともないのに秀吉のことをバカにしたのかい?ちょっと一緒についてきてもらうよ」

 

僕は少し怒りながら木下さんを演劇部が使っている部室まで連れていった

 

 

 

 

『――逆さまにゆかぬ年月よ、老いはえのがれぬわざなり――』

 

中では秀吉が源氏物語の光源氏の役を演じていた

 

優「え?あれが秀吉なの?」

 

木下さんは秀吉が演劇をしている姿を見たことがなかったからか、秀吉の姿を見て驚いていた

 

「秀吉は演劇になると人が変わったかのようになるからね。木下さんも秀吉の本気さがわかった?」

 

これを見れば木下さんの考えも変わるかな

 

優「えぇ誤解していたわ。まさかここまで入れ込んでいるなんて。でも、それが勉強を疎かにしていい理由にはならないわよ」

 

「あ~、そのことなんだけど秀吉も問題意識はあるから、今度から僕が勉強を教える約束をしてあるんだよ」

 

優「そうなの、ごめんなさいね。秀吉が迷惑をかけて」

 

木下さんが頭を下げてきた

 

「や、やめてよ木下さん。僕が好きでやっていることなんだし」

 

優「でも、秀吉に教えるのは苦労すると思うわよ」

 

木下さんの台詞に僕は苦笑した。そのまま秀吉の部活が終わるまで僕は木下さんと演劇部の見学をしていた

 

 

 

 

「秀吉、お疲れ様」

 

部活を終えた秀吉に僕は声をかけた

 

秀「明久か、どうしたんじゃ?お主がここに来るなんて」

 

秀吉は僕がこんなとこにいるのが謎のようだ

 

「ちょっと、ある人と部活を見学していたんだよ」

 

秀「『ある人』とな?」

 

秀吉は僕の言葉に首をひねる

 

優「アタシよ」

 

木下さんが僕の影から出てきながら声をかける

 

秀「あ、姉上?!」

 

突然の木下さんの登場に秀吉は驚いている

 

優「秀吉、昨日はごめん。あなたがあそこまで演劇に入れ込んでるなんて知らずに演劇のことをバカにして」

 

木下さんはバツが悪そうに顔を逸らしながら謝る

 

秀「いや、姉上の言った通りじゃ、わしは演劇に熱中するあまり勉学を疎かにし過ぎてしまったのじゃ」

 

秀吉も申し訳なさそうに頭を下げる

 

「さて、これで仲直りだね。木下さんも秀吉も仲良くしなきゃだめだよ」

 

仲直りも済んだので僕が話を切り上げる

 

優「えぇ、ありがとうね吉井君。あとアタシのことは優子でいいわ、秀吉もいるしややこしいでしょ」

 

秀「迷惑をかけてすまんのじゃ明久よ。もう迷惑をかけんように心掛けるのじゃ」

 

「うん、わかったよ優子さん。それとこれは僕が勝手にお節介を焼いただけだよ、気にしないで」

 

それからは、僕と明梨、秀吉と優子さん、4人仲良くなっていった。これが僕と木下姉弟との出会いだった

 




明久と木下姉弟との出会いでした。
こんな感じで書いて行こうと思いますが、どうでしょうか?感想などありましたらお気軽にお寄せ下さい。
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