僕と幼馴染と友情物語(過去編・番外編) 作:sata-165
また、この話は前作のバレンタインの話の続編で明久達は高1です。
バカテスト(一般常識)
Q.ホワイトデーに関する説明と感想について自由に書きなさい。
・吉井 明久の解答
説明 バレンタインデーのお返しをする日。欧米では見られない東アジア諸国独自のイベント。
感想 僕はバレンタインに2人の女性から本命チョコを貰ったので、お返しをどうしようか迷っています。
教師のコメント
二人から告白されるなんて吉井君はモテるんですね。少々羨ましいですね。お返しについては自分が後悔しないように良く考えてみてください。青春を謳歌できるのは若者の特権ですからね。先生も若い頃は………すいません見栄を貼りましたが、あまりいい思い出は無いです。
・木下 秀吉の解答
説明 バレンタインのお返しをする日
感想 わしは今年初めてチョコを貰ったのじゃが、料理に自信がないので友人に教えてもらおうと思っておるのじゃ
教師のコメント
初めてチョコを貰ったのですか。いい思い出ができましたね。料理を教えてもらうと言うのは木下君は努力家で義理がたいですね。
・藤崎 明梨の解答
説明 主に東アジアに浸透しているイベント。男性がバレンタインのお返しをする日。バレンタインの告白の返事をすることもある。
感想 わたしはバレンタインの日に本命チョコを渡したので返事が気になるのと怖いのとでドキドキしています
教師のコメント
藤崎さんは告白したのですか、『いのち短し 恋せよ乙女』とも言いますし、若いうちに恋することは人生経験を積むうえでも大切なことです。結果はどうあれ行動する方がしないよりも後悔は少ないものですよ。
・多くのFクラス予定男子
説明 お菓子業界が業界の売り上げを上げるために作った日
感想 お菓子業界に踊らされる愚かな人間が多いのは嘆かわしい
教師のコメント
説明に間違いはありませんが、君たちは若いんですから業界の販売戦略など気にせずに青春を謳歌すべきだと思いますよ
3月10日
秀「明久よ。放課後に少し教えて欲しいことがあるのじゃが」
僕が次の授業の準備をしていると秀吉が話しかけてきた
「僕に教えて欲しいこと?それって何?」
秀「菓子の作り方を教えて欲しいのじゃ」ボソボソ
秀吉が僕の耳元で小声で話してきた。他の人には知られたくないのかな?
「わかったよ。じゃあ放課後に僕の家に来てよ。僕もちょっと相談したいことがあったし」
龍司さんに連絡しておかないとな。今日は明梨と帰る約束しているけど、家までまっすぐ帰ればいいか。
PM4:15
ピンポーン
僕が家についてある程度お菓子作りの準備をしていると玄関のチャイムが鳴った
「は~い。秀吉、先に準備しといたよ」
秀「すまぬが今日はよろしく頼むのじゃ」
「気にしないで、早く上がって」
立ち話をしててもしょうがないので秀吉を家にあげる
秀「おじゃまするのじゃ」
「それで、秀吉は何を作りたいの?」
秀「うむ、神谷にお返しを作りたいのじゃが、わしでも作れそうなものは無いかのぅ?」
「秀吉って料理の経験って」
たしか秀吉と優子さんは料理をしない人間だったはずだ
秀「うむ、家庭科の実習でする程度じゃの」
バツが悪そうに言う秀吉
「そうなると、あんまり時間もないし、クッキーとかはどう?簡単だけど手作りなら喜ぶと思うけど」
秀「うむ、それで頼むのじゃ」
「うん。じゃあまずは―――」
僕は秀吉に教えながら簡単なクッキーを作った
「じゃ、秀吉。今度は一人で作ってみてよ」
一通り終わり、クッキーをオーブンで焼き始めてから秀吉に一人で作らせる。やっぱり実際に一人で作る方が勉強になるからね
秀「わかったのじゃ。え~と、まずは―――」
秀吉は順調にクッキー作りを始める。うん、さすがにさっき作ったばかりなので手際は良くないがちゃんと指示したとおりに作っているな
秀「お、終わったのじゃ」
「お疲れ様、これなら何とかなりそうだね」
今は先に焼き上がったクッキーを食べながら、秀吉が一人で作ったクッキーが焼き上がるのを待っている
秀「ところで明久が相談したいと言っていたのはなんじゃ?」
料理に夢中で忘れるところだった。危ない、危ない
「うん、実はコレなんだけど」
僕は秀吉にケータイに保存された写真を見せた
秀「これは、チョコかの?」
そう、先月に明梨と日向から貰ったチョコレートだ。問題は形状だが
「うん。バレンタインの日に明梨と日向から貰ったものだよ」
秀「しかし、これは見事にバラバラじゃのぅ」
確かに秀吉に見せた写真は逃げるときにバラバラになってしまった状態の写真だ
「うん。ちょっと逃げるときにね」
秀「確かにあの時は災難じゃったのぅ」
あの時の奴らは軽く人間を超えていたもんね
「で、それを復元したら、こうなったんだよ」
秀「ハート・・・・じゃな」
「だよね。秀吉にもハートに見えるよね。で、秀吉はこれの意味は何だと思う?」
秀「本命チョコじゃろうな。明梨と久遠は明久のことが好きだと思うぞい」
やっぱり、その結論に達するのが普通だよね
「秀吉もそう思うよね。どうしよう」
僕は頭を抱えてしまう
秀「して、明久は二人のことはどう思っているのじゃ?」
「二人とも美少女だし、魅力的だし付き合えるって言うなら付き合いたいけど――」
秀「(のろけにしか聞こえんのぅ)」
「――僕は二人とも好きだし、二人の悲しむ顔なんて見たくないんだ。たとえ僕が二人と付き合ったとしても、将来的な事を考えると重婚もできないし」
秀「明久は優しいからのぅ。こういうことは他者のわしが口を挟むべきではないと思うから自分で解決するしかないのぅ」
「やっぱり、そうだよね。うん、僕自身の問題だもんね」
秀「相談に乗っておきながら、すまんのぅ」
「いや、十分参考になったよ秀吉。ありがとうね」
秀「わしと明久の仲ではないか。わしで良ければ何時でも相談に乗るのじゃ。今回はわしも菓子作りを教えてもらったしの」
「秀吉はクッキーならちゃんと作れるみたいだし、後はアレンジとしては生地を練るときにチョコチップを混ぜたり、粉を振るう時にココアパウダーを混ぜたりすると、また違ったクッキーになるよ」
秀吉が作ったクッキーの出来を確かめたので、あまり遅くならないうちに別れる
秀「うむ、明久のお陰で助かったのじゃ」
「じゃあ秀吉、また明日」
秀「うむ、明久もしっかりのぅ」
バタン
玄関のドアを閉めてから僕は考える。明梨と日向、二人が悲しまない方法を
3月14日
あれから色々と考えたが、あまりいい考えが浮かばずにホワイトデーになってしまった。やっぱり二人とちゃんと話すことからかな
優「明久君、明梨。おはよう」
秀「おはようなのじゃ。明久、明梨よ」
そんなことを考えながら明梨と登校していると、優子さんと秀吉が挨拶をしてきた
明「おはよう、優子、秀吉君」
「おはよう、秀吉。優子さん、はいコレ、お返しに」
僕は優子さんにカップケーキの入った小袋を渡す
優「ありがとうね。明久君の作る物って美味しいから、楽しみだわ」
「そんな期待されると、恥ずかしいな。今年は時間無くてあまり手が込んだもの作れなかったし」
二人のことを考えていて前日に慌てて用意したから申し訳ない
優「そんなこと言いながら、女子のアタシよりも美味しいもの作るんだから自信無くすわ」
優子さんは溜め息まじりにそんなことを言う
「まぁ僕の特技だしね。あ、明梨はちょっと待ってもらえるかな。日向と二人に聞きたいことがあるし」
明「うん、いいよ」
「そうだなぁ。放課後に屋上に二人で来てくれないかな。大事な話があるから」
明「わかったよ。ヒナちゃんにはわたしから伝えておくね」
「うん。お願いね」
一応は用意してあるんだけど、本命チョコなら家に用意してある方が必要になるからね
秀「(明久はどうするのかのぅ)」ボソボソ
優「(確か明梨と日向から本命チョコを貰ったのよね)」ボソボソ
―― 昼休み
「島田さん、はい。この前のお返し」
僕は島田さんの所に行き小袋を渡す
島「え、あ、ありがとう。これって吉井が作ったの?」
袋を眺めながら島田さんが尋ねてくる
「まぁ時間がなかったから簡単なもので申し訳ないけど、じゃあね」
渡すものも渡したので僕は自分の席へと戻る
秀「ふぅ、なんとか渡せて来れたのじゃ」
秀吉が疲れた様子で戻ってきた
「お疲れ様?神谷さんにクッキー渡すだけでなんでそこまで疲れてるの?」
秀「あまり詮索せんでくれ」
うん聞かない方がいいことってあるよね
「わかったよ。渡せてよかったね」
秀「うむ、明久が教えてくれたおかげなのじゃ」
―― 放課後
僕はHRが終わると同時に屋上に向かった。二人を待たせるわけにもいかないしね
ガチャ
僕が屋上の扉をあけると、まだ誰もいなかった
「よ、よかった」
待たせるのは悪いから、と急いで来たので呼吸を整え心を落ち着かせていると
ガチャ
屋上の扉が開き、緊張した面持ちの明梨と日向が入ってきた。うん、本命チョコを渡して『話がある』なんて言われたら緊張するよね
明「お、お待たせ明君」
日「明久君、お待たせしてすみません」
「いや、気にしないでよ。呼び出したのは僕なんだし、心を落ち着ける時間にもなったし」
呼吸が荒れていたり心が落ち着いてないと話すらできない状態だからね
明「それで、明君。大事な話って」
日「なんなんですか」
二人が話を進めてきた
「まず確認なんだけど、バレンタインの日に二人がくれたチョコって・・・・」
明「うん、本命チョコ」
日「私もです」
やっぱり勘違いなんてことはないよね。これは大変なことになったな
「やっぱりそうだよね」
明「…やっと気づいてくれたんだ(小声)」
日「…鈍感にもほどがあります(小声)」
えっ今二人が呟いたことって
「え~と、もしかしてこれまでも本命だったり?」
明「うん、わたしは小学生の頃から」
日「私は最初からです」
しまった~。これじゃあ僕は乙女心を弄んでいた最低な男じゃないか
「ごめんっ」
まずは土下座しよう。こんなことで許されるなんて思ってもいないけど
明「や、やめてよ明君。今年は気付いてくれたんだし」
日「そ、そうですよ。もう過ぎたことですし」
二人がいいと言うので僕は顔を上げる
明「それで明君。返事は…」
日「どうなんでしょうか?」
こんなどうしようもない男でも二人の思いは変わらないらしい
「二人には悪いんだけど――」
明・日「「えっ」」
そこで二人は涙目になり悲しそうな顔になる
「――ちょっと待って。ちゃんと話を最後まで聞いてくれる?」
明・日「「う、うん(は、はい)」」
なんとか話は聞いてくれるようだけど、まだ悲しそうな顔で涙目のままだ。すごく心苦しい
「僕は二人とも好きなんだ」
明・日「「えっ」」
今度は一転、驚愕と嬉色の含んだ表情になる
「それで僕としては二人の悲しそうな顔を見たくないから、一人に決めることなんてできないんだ。付き合うだけならまだしも、将来的な事を考えると重婚なんてできないし…」
明・日「「けっ結婚」」
「それで、僕としては二人とは今までどおりの付き合いをしながら、解決策を考えたいんだけど、どうかな?」
正直、想いを伝えてきた二人に対して僕はズルイことをしているとは思うけど
明「う、うん。明君がそう言うなら、わたしはいいよ」
日「私もそれでいいですよ」
よかった。二人も納得してくれたみたいだ。しかし、二人が悲しまない方法なんてあるんだろうか。いや絶対に見つけ出す、無ければ自分で作るぐらいのつもりでいないとダメだ
「じゃあ、バレンタインのお返しに今日は僕の手料理を振る舞いたいんだけど、二人とも予定とかは大丈夫?」
本命チョコだったら手料理を振る舞う予定で、いろいろと準備してあるんだよね。フルコース並みのメニューを揃えて
明「わたしは大丈夫だよ」
日「私も大丈夫です」
よかった、二人とも予定はないようだ。その後、僕の家で料理を振る舞い、日向を家まで送り届けた。いざとなったら父さんにも相談しないとな。結婚できるのは2年後からだから、それまでを目途に何か方法を考えなくちゃ
時間は昼休みに戻ります。
秀吉Side
わしは明久に教えてもらい昨日作ったクッキーを持って神谷のおる教室へと向かった
ガラッ
わしが教室のドアを開けると昼休みということもあり一部の生徒は教室におらなかったが、神谷は教室に残っておった
「神谷よ。少し良いか?」
わしは神谷の席に近づき声をかける
紫「ええ、いいわ。なにか用かしら?」
「うむ、先日貰ったチョコのお返しを持ってきたのじゃ」
そう言いながらわしは神谷にクッキーの入った袋を手渡す
紫「あら、もしかして手作り?」
「うむ、そうじゃ。あまり自信はないが頑張って作ってきたので食べて欲しいのじゃ」
紫「あたしの為に作ってきてくれたのね。ありがと」
そう言ってわしの頭を撫でてくる神谷
「な、何をするのじゃ!」
紫「う~ん、頑張り屋さんの秀吉君を褒めてあげているのよ」
「は、恥ずかしいからやめて欲しいのじゃ!!」
優「紫織、あんまり秀吉をからかわないであげて」
紫「仕方ないわね。クッキーありがとうね秀吉君」
姉上に諭されてやっとやめてくれた神谷、少々疲れたのじゃ。そんなことを考えながらわしは教室へと戻っていった
Side out
雄二Side
ピンポーン
俺が家で朝飯を食って学校の準備を終えると家のチャイムが鳴った。相変わらずタイミングがいいな
ガチャ
俺がドアを開けて外に出ると、彼女の翔子が待っていた
翔「…雄二、おはよう」
「おはよう、翔子。ほい、バレンタインのお返しだ」
俺は鞄から小包を取り出して翔子に渡す
翔「…ありがとう。大切にする」
「大切にしてくれるのはありがたいが、中身はケーキだからちゃんと食ってくれ」
翔「…わかった。雄二…愛してる」
「バッ…そんなことこんな場所で言うんじゃねぇよ」
今は時間帯的に周りに人がいなかったが天下の往来で『愛してる』なんて、こっちまで赤くなっちまうじゃねぇかよ
Side out
特別編2作目です。明久の答えは曖昧な回答でしたが、これ以降明久は二人のことを意識し始めます。
一応はIfの話ですが、本編の明久が好意に気づいていても吹っ切れていないって感じなら、本編にもつながります。
あんまり考えずに書いてしまいすみません