僕と幼馴染と友情物語(過去編・番外編)   作:sata-165

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なんとか祝日中に投稿できました。
前回(ハロウィン当日)の続きですので、読んでない人は先にそちらをお読みください。


ハロウィン当日-2

「……吉井、明梨、日向。いらっしゃい。」

 

呼び鈴を鳴らしてから、しばらくして白い下地に青いオバケの描かれたケープを着た霧島さんが出てきた。

前がよく見えないのでガイコツマスクを外していたおかげで僕だってすぐに分かってもらえた。

 

「こんばんは、翔子ちゃん。そのケープよく似合ってるね。」

 

「こんばんは、翔子さん。翔子さんの仮装カワイイですね。」

 

「……ありがとう。日向と明梨もよく似合っている。」

 

「こんばんは、霧島さん。もう誰か来てる?」

 

集合場所の洋館は霧島さんの家から近いとのことで、僕らは一旦ここに集合してから行くと決めていた。

集合時間は4時50分で、今は4時半だから誰か来てるかもしれないと思って聞いてみる。

 

「……まだ雄二だけ。」

 

「そうなんだ。じゃあ、集合時間までお邪魔するね。」

 

僕らは霧島さんに一言断りを入れて、霧島さんの案内のもと中に入る。しかし、凄い豪邸だな。

 

「……この部屋で待ってて。雄二も中に居る。」

 

「そうなんだ。じゃあ……雄二! Happy Halloween!」

 

僕は案内された部屋のドアを勢いよく開けて雄二に挨拶をする。

 

「なぁっ!? あ、明久! いきなり開けんじゃねえ!」

 

雄二は僕が突然入ってきた事に驚いたようだ。しかし僕も驚いたよ、だって雄二のカッコが

 

「……犬耳?」

 

頭に犬耳(?)をつけて、胸元から赤茶色の毛をはだけさせたシャツを着て、手は動物の前足のようなグローブをつけていた。たぶん狼男かな? なんで顔が普通なのかは謎だけど、雄二は宣言通り僕を驚かせてくれたよ。

 

「俺はもっとマトモなの用意してたんだが翔子に付けさせられたんだよ!」

 

「……雄二にはそっちの方が似合う。」

 

う~ん、確かに顔が隠れちゃう仮装だと誰だか分からないよね。霧島さんの気持ちも分かるなぁ。

 

         ☆

 

「ん? あれって康太と工藤か?」

 

優子の手を引いて霧島の家に向かっていると、ちょうど反対方向から歩いてくる二人の人影が見えた。

 

「え? あの正面の二人? ……よく見えるわね。あんな遠いのに。」

 

「いや、顔までは見えねえよ。ただ、背丈と人数考えたらそうじゃねえかと思っただけだ。」

 

アキ達なら3人のはずだし、秀吉達なら身長差があるから、消去法で考えれば分かる。

 

「しかし……肩借りて歩いてるように見えるのは気のせいか?」

 

「アタシにもそう見えるわよ。何かあったのかしら?」

 

正面の人影は片方がもう一方の肩を歩きながら歩いてるように見える。考えられる理由としては康太が貧血になったのか?

 

「やっぱ康太と工藤だったか。」

 

「愛子、あなた土屋君に何したのよ……」

 

霧島の家の前で距離が近くなったので康太たちに声をかける。思った通りヴァンパイアの仮装をした康太が顔面蒼白で工藤の肩を借りながら歩いていた。

 

「あ、高瀬君に優子。ちょうどよかった、ちょっと手を貸してヨ。」

 

工藤はオレたちの声に気付いて顔をあげて助けを求めてきた。

 

「一つ聞いていいか、工藤。その血って康太の血か?」

 

オレはジャケットのポケットに入れておいた賢者薬と増血薬を康太に飲ませながら工藤に尋ねる。

工藤の仮装は普通のナース服なのだが、その色は血で真っ赤に染まっていた。

 

「元から少し血のりが付いていたんだけどネ、康太の介抱をしていたら真っ赤になっちゃって……」

 

工藤は少しバツが悪そうな様子で答える。なるほどな……康太なら仕方ない事か。

 

「康太、立てるか?」

 

「…………なんとか。」

 

薬を飲み終えた康太に尋ねると、康太は工藤に助けられながらなんとか立ち上がる。

 

「やっぱ抗体ができて効果が薄くなってるみたいだな。ひとまず、霧島の家で少し横になった方がよさそうだな。」

 

呼び鈴を鳴らして、康太に肩を貸しながら、出てきた霧島の案内に従って中に入る。

 

         ☆

 

ガチャ

 

「む? 明久達はすでに来ておったのかの。」

 

一輝に肩を借りながら入ってきた康太を寝かせた後。呼び鈴が鳴らされ霧島さんが連れてきたのは、黒いマントにタキシードを着て、顔には右上のあたりが覆われた仮面を付けた秀吉と、黒いレザーのスーツに同じく黒のレザー素材で作られた目元を隠したマスクとネコ耳のようなものを付けた神谷さんだった。

オペラ座の怪人とキャットウ○マンかな?

 

「あら? 優子、蹲っちゃってどうしたの?」

 

「大丈夫よ、紫織。ただ、現実に打ちのめされただけだから。」

 

神谷さんの姿を確認した後、優子さんが崩れ落ち、少し成立していない会話をしながら立ち直った。

 

「なるほどネ~。優子は紫織の胸を見て絶望しちゃったんだネ~。」

 

「あ、愛子! なんてこと言ってんのよ!」

 

……今の話は聞かなかった事にしておこう。

 

ガチャ

 

「お、全員揃ったようだな。じゃ、さっさと向こう行こうぜ。親父もいるだろうから康太もその方がいいだろ。」

 

優子さんが工藤さんを注意しているところで、トイレに行っていた一輝が戻ってきた。

 

「そうだね。時間もちょうどいいし行こうか。」

 

僕らは霧島さんの家を出て、目的の洋館へと向かう。

 

         ◇

 

「龍兄、瑠璃姉、こんばんは。」

 

「お、アキ達はずいぶん大所帯で来たんだな。」

 

「こういうイベントって大人数の方が楽しいわよね。」

 

洋館の近くで龍兄と瑠璃姉を見つけたので、声をかけ挨拶をする。

 

「龍兄たちはおそろいの衣装なんですね。」

 

「まあな。あんま準備の時間も取れなかったんでテキトーに選んだからな。」

 

龍兄と瑠璃姉の格好は海賊風の衣装で、龍兄はフリントロック銃が3本収まったベルトを肩から下げていて、二人とも両腰にカットラスを差していた。

 

「立ち話もなんだし、ソイツも具合悪そうだからさっさと中に入ろうぜ。」

 

龍兄の指した方を見ると今にも倒れそうな顔色の康太が工藤さんに支えられていた。ヴァンパイアの衣装には合っているけど、人間として危ない状態だな。

 

「やぁ、いらっしゃい。」

 

龍兄たちと一緒に洋館の門扉をくぐり、洋館の入口へ続く道を歩いていると突然、横の石像から声がかかってきた。この声は一輝の父さんの司さんかな?

 

「「ひゃうっ!?」」

 

突然声が聞こえたせいか、明梨と日向が両側から抱きついてきて、柔らかな膨らみが両腕に当たる。

 

(や、やばい。このままじゃ理性が持たない……)

 

僕の(自称)鋼の精神も二人の前では発泡スチロールぐらいの強度しかでないよ。

 

「親父、相手なら後でしてやるから、まずコイツを診てくれ。あと、お袋も。」

 

一輝は石像に近づいて声をかける。あ、やっぱりあの石像がそうだったんだ。

 

「あ~、やっぱり一輝には効かなかったか。……どれどれ……」

 

司さんは2mほどある台座から飛び降りて、真剣な顔つきになり康太の様子を見る。一輝のお母さんの琉香さんも反対側の台座から降りて、その手助けをしている。

 

「……一輝、薬は何回くらい飲ませた?」

 

「確か……7回くらいのはずだが……」

 

「やっぱり、その位で効き目が無くなるか。投薬とかするから一輝たちは先にそこのドアから中に入ってくれ。」

 

「あの! ボクも付き添っていいですか?」

 

司さんが康太を抱えあげたところで工藤さんが声をかけた。やっぱり心配なんだろう。

 

「ん? 君は?」

 

「康太のか、彼女です。」

 

「そうか。じゃあ、ついて来い。」

 

「心配しなくてもいいわよ。あの人の腕は確かだから、死人じゃなければ問題ないわ。」

 

「はい。よろしくお願いします。」

 

工藤さんを安心させるように琉香さんが声をかけると、工藤さんは二人に頭を下げた後に司さんと琉香さんと共に近くにある小屋へ向かった。

 

「康太は問題ないし、オレらは先に行くか。」

 

「そうだね。たぶん父さんたちが待っているもんね。」

 

僕らは一輝に従って洋館の中へと入る。

 

中に入ったらミイラ姿の父さんや騎士甲冑姿の龍司さん、ピエロ姿の透さんなど、僕たちよりも楽しんでいる様子の男性陣と、少し呆れ気味の女性陣がいた。

中に入って1分ほどで康太も戻ってきたので、それからは母さんたちが作ったと思われる料理を食べ、ビンゴゲームなどをやった後にお開きとなった。

父さんたちは久しぶりに再会したからか、かなりの量のお酒を飲んでしまい、母さんたちに介護されていたが、とても楽しい時間がすごせた。僕達も大人になってもこんな風に集まって楽しい時間を過ごしたいな。

 




これからは企画モノを書くときには1ヶ月くらい余裕を持って書こうと思います。
たぶん次はクリスマスになると思います。

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