鳥の鳴き声が響く朝。高校一年生の桜葉 雫は走って登校していた。なぜか目覚ましが鳴らなかったのだ。しかも今日は始業式。
「はぁはぁ 何でこんな日に~~」
と、自分の運のなさに悲しんでいると、校門が見えてきた。半ば滑り込むように門をくぐり、そのまま教室に急ぐ。
「おっ おはようございます!!」
教室の扉を勢いよく開き、担任の教師に挨拶をする。
キーンコーンカーンコーン
チャイムの音だ。雫は安心しながら席についた。
「え~みなさん、おはようございます。」
教師お決まりの挨拶をして、ホームルームは始まった。
「初日に全員登校はとても素晴らしいことです。でも、18番の桜葉さんはもう少し早く来ないとね?」
雫は自分の顔が赤くなるのを感じた。
「このあとは、始業式だからみなさん素早く並んで下さいね。では、終了!」
教師が教室からいなくなると、雫の回りには人が集まってきた。理由は雫が登校初日に遅刻ギリギリだったのと、単純に雫が可愛いからだ。スタイルがよく、顔もキリッとしている。本人はあまり良く思ってないが、胸も高校生にしては、豊かな方だ。
「雫さんって彼氏いるの?」
「桜葉さんって、スタイルいいよね~」
などの、面倒くさい質問を適当に返しながらため息をつく。
始業式も無事に終わり帰路につく。時間は12時を越えたぐらいで、まだ太陽が真上にある。気温が高いわけではないが、やはり日光が長く当たると暑い。雫はすぐに家に帰った。
「ただいまぁ~」
やる気のない声で言う。雫の両親は、彼女が小さい頃に亡くなった。そのせいで雫は独り暮らしをしている。
「にゃぁ~~」
雫が誰もいないのに挨拶をしたのは、この子がいたからだ。元野良猫のプリン。
雫はプリンを抱き上げると、机の上に乗せる。
そしてコンビニの弁当をあける。
「プリンちゃん美味しい? よかったね~」
と猫に話しかけながら食べた。そのあとは、すぐに電気を消し、布団に入る。布団のなかで雫はいろいろなことを考えていた。
その夜、雫は金縛りにあった。急に目が覚め、体が動かないのだ。それから少しして、雫の前に黒い霧のようなものが現れた。
『貴方はだれだ?』
と言いたかったが、口が動かない。
「ーーーー」
黒い霧がなにかを言った気がした。雫は集中して聞いた。
「アシタトモダチ、、アナタヲヨブ。ゼッタイニイクナ。」
雫にはそう聞こえた。
『なんのこと?意味がわからないわ!』
また口が動かない。そうしているうちに、意識が落ちた。
朝になったら金縛りも溶けていた。雫は怪しいと思いながらも、あまり気にせず準備をし、家を出た。家をでてしばらくすると、道路の向こうから昨日話した七里さんが手を振っていた。雫は手を振りながら、黒い霧のことを思い出した。正確には再確認した。
「桜葉さ~ん。こっちきなよ~」
七里さんが雫を呼ぶ。雫はどうしても黒い霧のことが気になっので、道路を渡らなかった。
「ごめ~ん。七里が渡って~」
「わかった~ そっちいくね~」
七里が道路を渡り始める。
プーーーーー!!!!
「?!」
一代のトラックが七里を軽く飛ばしていった。