艦娘、PMCと共に水平線にて戦えり   作:休日ぐーたら暇人

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SEALs先生の作品とのコラボ作品です。
鎮守府では無く、PMCと一風変わった内容をお楽しみ下さい。


1 始まり

ある日のインド洋航路上

 

 

「タンカー4隻異常なし」

 

 

「早潮より各艦、現状知らせ。オーバー」

 

 

『巻風、異常無し』

 

 

『速風、ノープロブレム』

 

 

『荒雪、異常を認めず』

 

 

日本に向かう通商航路上、4隻の大型タンカーを4隻の軍艦が護衛しながら進んでいた。

軍艦には艦首に01〜04の艦艇番号が書かれ、船体中央に平仮名で各艦の艦名が書かれていた。

そして、船団の1番前を進む旗艦である早潮の艦橋では各報告を集計する要員が走り回っていた。

そんな中、『Fleet Commander(フリート コマンダー)』と書かれた椅子に座る金髪女性に青年が話し掛けた。

 

 

「今のところは順調だね」

 

 

「順調ね…いきなり護衛対象を増やされてる割には問題が起きて無いだけマシよ」

 

ムスリとしながら呟く金髪女性に対して青年は苦笑いを浮かべる。

金髪女性の名前はケイシー・クロックフォード(25)、青年は後藤武蔵(ごとうむさし)(25)。

2人共…いや、この艦隊の艦艇に乗る者達は右袖の肩の所に共通のワッペンを着けていた。

そして、艦艇に掲げられている旗もワッペンと同じようデザインである。

そう、彼らは何処かの国に所属する正規軍部隊ではない。略称PMC…民間軍事警備会社の人員と艦艇の艦隊である。

彼らはアメリカに本社を構え、部隊と事務所を日本の横須賀に置く民間軍事警備会社『The Japanese Spirit(ザ・ジャパニーズ・スピリッツ 大和魂 略称TJS)である。

ワッペンと旗は青色円形の中央に略称の『TJS』と書かれ、上に日の丸、下に白星4つが描かれたシンプルな物で、アメリカの本社や横須賀の事務所で社旗としても掲げられていた。

 

「こっちとしては、このまま連邦と深海棲艦に襲われずに日本に向かいたいんだけど」

 

 

「ムサシ、貴方が連邦軍上層部の屑だったら、こんな獲物を見逃す?」

 

 

「だよね。うん、わかってるよ。いつ襲われてもおかしくないと」

 

 

「そう言う事よ。本当なら護衛してくれる艦娘達も糞連邦のお陰で来れなくなったし、護衛対象も増えたし…あーあ、この任務が終わったら、前線任務を回して貰おうかしら?」

 

 

「さて、上手く回してもらえるかな…まあ、半々で期待してみるのもいいけど」

 

 

「期待か…1年前なら、君から聞く事すら怪しい言葉よね」

 

 

「そこまで言うかな? そんな事を言ったら…」

 

その時、ブリッジに緊急を告げるサイレンが鳴り響いた。

 

 

「どうした! 敵襲か!?」

 

 

「いえ、哨戒中のアベンチャー・ワンが漂流する艦娘を見付けたとの報告です。なお、アベンチャー・ワンは救助の為、着水するとの事」

 

 

「アベンチャー・チームはシーキング対潜ヘリだからな。着水回収も可能ね。にしても、艦娘が漂流…連邦に裏切った奴らに居た子かしら?」

 

 

「さてね、収容してみないとわからないだろう」

 

 

 

3時間後……早潮艦内医務室

 

 

収容した艦娘が目を醒ましたと聞いたケイシーと後藤はブリッジから医務室に降りて来た。

 

 

「我々は日本政府と契約しているPMC…民間軍事警備会社の者で、私は副司令の後藤大佐だ。こちらは司令兼社長のケイシー少将。君の名前は?」

 

 

「綾波型駆逐艦の潮です…えっと…ここは…?」

 

 

「インド洋だ。と言っても、明日の昼にはシンガポールに一時給油の為に寄港するけどね。君は何で漂流していたんだい?」

 

 

「潮の…潮達の提督は連邦側の人間だったんです。色々と酷い目に遭いました…それで、提督が連邦に付いたと同時に残っていた私達はそれに乗じて逃げ出したんです」

 

 

「そうなの…辛い中、よく頑張ったわね…うんうん、よしよし」

 

まるで幼い妹のをあやすかの様に潮の流れを抱き締め、頭を撫でるケイシー。

後藤はその場をケイシーに任せる事にして、医務室から出ると待っていた軍医、キンバリー・ブラックウェル少佐が声を掛けてきた。

 

 

「ムサシ君、中の彼女は大丈夫かね?」

 

 

「はい、キンバリー先生。ケイシーが落ち着かせています」

 

 

「ふむ、そうか…同い年の娘を持つ親としては何とも憤慨してしまう話だ」

 

 

「私もそう思います、先生。まあ、例の一件でそんな奴らの大半が消えた事が唯一の良点だったかもしれませんが」

 

後藤も連邦へと転向し、更に日本を破滅させる事をしようとしている提督達が居る事に憤慨していたし、人として、また、元海上幹部自衛官として艦娘を酷く扱う彼らにも怒りを露わにしていた。

 

 

「では、すみませんが、潮さんの事を頼みます」

 

 

「あぁ、わかった」

 

 

 

4時間後……早潮艦橋

 

 

 

「さて、シンガポールに寄港する訳だが…何も無い訳はない」

 

 

「向こうからすれば、最短ルートを通る上ではシンガポールを通るのは必須。ゆえに待ち伏せと破壊工作は当然あると見るべきだな」

 

海図台でシンガポール周辺の海図と寄港地周辺の地図を拡げ、互いにコーヒーを啜りながら今後の事を話していた。

 

 

「1番あり得るのは寄港前後の襲撃だな。潜水艦が対艦ミサイルを撃ち込むだけで、向こうからしたら万々歳な結果だからね。あるいは深海棲艦の潜水艦か…だが、シンガポール港内に特攻突撃しても、海底設置ソナーに引っ掛かる。後は破壊工作と対艦ミサイルだな」

 

 

「なら、後は簡単だ。殿を荒雪に任せて入港ね。破壊工作はシンガポール軍が何とかしてくれる事を祈るしかないわ」

 

 

「でも、とりあえずは手は打っとくんだね」

 

 

「当たり前だ。予測されるリスクに対して手を打つのは当然よ」

 

 

 

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