まあ、タイトル通りですね。
2日後 とある海岸
「本当に時間通りに来るのか?」
「なに、我々は連邦と世界平和の為に貢献しているんだ。ちゃんと来るさ」
とある海岸に十数人の者達が何かを待っていた。
しかも、よく見ると彼らの背後には両手足を拘束され、更に目隠しと猿轡をされるた女性達が居る。
彼らは連邦の工作員や亡命者、連絡員で今夜現れる回収船に『献上品』と供に回収される為に集まっていた。
無論、彼らは回収する仮装巡洋艦が沈められた事を知らない。
更に自分達が罠に嵌っている事も………。
「ん? なんだ?」
1人がそれに気付いた時、全ては手遅れだった。
上空に照明弾が煌めき、海岸にいた彼らを照らし出す。
次の瞬間、AKを持って警戒していた工作員が頭を撃ち抜かれ、頭部がスイカの様に砕かれた状態で倒れた。
「アーチャー・ワン、目標クリア」
『こちら、アーチャー・リーダー。対象達はまだ状況を把握していない。そのまま作戦を続行せよ』
「アーチャー・ワン、了解」
無線符丁アーチャー・ワンことヘルガ・ユルキアイネン少尉(24 女性)とエミリー・カーディナル少尉(24 女性)のペアはそのまま狙撃態勢で待機する。
今回ヘルガはスナイパー、エミリーはスポッターである。また、ヘルガは元フィンランド陸軍、エミリーは元カナダ陸軍で、2人とも父親や祖父が猟師で、エミリーは原住民族の生まれだ。
しかも、互いに得物はドラグノフなどの専用狙撃ライフルではなく、ヘルガはモンシ・ナガンM1891/30、エミリーは38式歩兵銃の変わり種ながら、TJS社ではナンバー・ワンのコンビである。
そんなこんなで気の合う2人はこうしてペアを組んでいた。
「ヘルガ、あのMP5を持ってる奴ね」
「うん」
モンシ・ナガンを構えるヘルガはスコープを着けず、銃の照準器と照星のみで狙いを定める。
なお、スコープを着けない理由は『視野が狭くなる。感覚が狂う』との事だった。
そして、ゆっくりと引き金を引く……数秒後、MP5を持っていた工作員が崩れ落ちた。
そして、彼らは何者かに狙われている恐怖から、やたらめったらに撃ち始めた。
『アーチャー・リーダーよりサンダーボルト。敵は乱射を始めた。混乱状況にある模様』
「サンダーボルト・リーダーよりアーチャー・リーダー。了解した」
狙撃隊からの報告にアレクサンドル副隊長が代わりに答える。
そして、それを聞いたユーリアは右手を振り下ろす。
その瞬間、待機していたBMP-2を含めた強襲部隊が動き出した。
しかも、ロシア人隊員は「ウラー!!」の歓声を付けての突撃である。
声のした方に銃口を向けた者達は直後に多数の銃撃を受けて倒れる。
そして、前進する強襲部隊は転がされていた拘束女性達を次々に保護していく。
そんな彼らに銃を向けた人間は……言わずもながら。
「貴様ら! これが見えんのか!!」
リーダー格らしい男が右手を挙げる。
ユーリア、アレクサンドル、安達ら強襲部隊員が狙いを定める。
「これは起爆スイッチだ!! お前達が保護した女共の首輪に爆薬があるぞ!!」
「ちっ、ゲスが」
「屑の中の屑だな」
誰もが思っているであろう事を呟く安達とアレクサンドル。
『アーチャー・ワンからサンダーボルト・リーダーへ。あのゴミの処置を任せてほしい』
「……サンダーボルト・リーダー、了解」
次の瞬間、高々と挙げた右手がヘルガのモンシ・ナガンの銃弾により右手首が吹き飛んだ。
そして、ゲスなリーダーはキレている強襲部隊員の集中射撃を受けた。
後方司令部
『敵部隊降伏! 繰り返す、敵は降伏した! ミッション・コンプリート!!』
「やれやれ、羅上佐の書類も役に立って、逃げようとする奴らを捕らえる事が出来たな」
後方司令部で作戦完了の報告を聞いた後藤が言うと、ケイシーはケータイを弄りながら呟いた。
「まぁ、あの状況判断能力はさすが遠少将の一派…と言うべきか……だが、これで元帥や日本政府も動きやすくなるだろう」
仮装巡洋艦から救い出した機関科兵達と少年兵、そして、羅上佐。
羅上佐は防水仕様のスーツケースの書類をネタに待遇を交渉する気でいたが、遠や商級潜水艦のメンバーがいた事により、その必要はなかった。
しかし、仮装巡洋艦の目的が判明した為、こうして罠を仕掛けていた。
「次は残党掃除か」
「それが大変だぞ。警察だけでは対応出来ないのだからな」
「あぁ……だから、今回は強襲部隊しか使えなかったんだからな。あとは上手くやってくれる事を願うしかないよ」
「まぁ….そうだな」
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