なお、今回はLindwurm先生のキャラも新たに加わります。
では、どうぞ。
翌日 東京都 奥多摩のある某廃墟
この廃墟はバブル期に造られたホテルであった。
しかし、バブルが弾け、見捨て去られたホテルはこうして廃墟になっていた。
故にこの廃墟が連邦工作員の東京郊外の隠れ家兼工作拠点であり、工作員傘下にある『反戦・平和主義者』や『基地反対派』、最近は『艦娘・提督反対派』の集まる秘密の拠点でもあった。
しかし、この日、彼らには今までの工作のツケを払う事になった。
「撃て撃て撃て! 国家権力の下僕を追い出せ!!」
「世界と連邦を苦しめる戦争主義者に天罰を!!」
「チョッパリは立ち去れ!!」
こんな事を言いながら、工作員やその傘下にいた操り人形と言うべき細胞の活動家達が、検挙に来た警察・機動隊に向かって発砲していた。
「向こうは自動小銃や軽機関銃を撃ってきています!」
「やはり、装備面では我々の対処範囲を越えたか……やむおえん、上層部の事前命令通り、彼等に対処してもらうしかないな」
伝令役の機動隊員の報告に現場指揮官は決断を下した。
警察・機動隊車両が下がり、代わりに前進して来たのはTJS社のBTR-90、シミター偵察車、AMX-10であった。
『対処目標、未だに銃撃中です』
「構わん。既に奴らに『お話しで解決』なんて無理な話だ。殴らんと解らん、アホだからな。撃て!!」
偵察からの報告にこの現場を任されたTJS社第二歩兵部隊長で日系アメリカ人のアレン・タカダ中佐(27 男性)は事前指示通りに射撃を開始した。
そして、窓や壁に30ミリ機関砲や75ミリ戦車砲、重機関銃がお構い無しに放たれる。
「おい、チョッパリが撃って…」
「ば、バカな!?」
「うわわわ!!」
先程まで法律により反撃してこなかった警察・機動隊に意気揚々と乱射していた工作員や操り人形の活動家がTJS社の反撃を受けて次々に死体の山を築いてゆく。
「あ、RPG! RPGを持ってこい!!」
生き残った工作員の1人が叫ぶ。
生き残っていた1人がRPGを掴んで構え、発射した。
「はっはっは! どうだ! 人殺し…」
立ち上がった工作員は次の瞬間には撃ち込まれた75ミリ戦車砲の榴弾が炸裂し、RPGを発射した工作員や生き残っていた数人を巻き込んで屍へと変わった。
そして、撃たれたAMX-10は対RPG用の金網シールドが弾頭を受け止めていた。
「バカめ。ウチは多国籍企業。RPG対策なんて朝飯前に決まってるだろう。そのまま制圧射撃、歩兵は警察と機動隊と共に突入用意」
暫くの後、散々撃たれた後にTJS社歩兵部隊と警察、機動隊が突し、生き残っていた工作員や活動家達はボロボロな様子で手を挙げた。
都内 某野党議員事務所 向かいの屋上
『こちら、デルタ・リーダー。アーチャー・チーム、聞こえるか?』
「こちら、アーチャー・フォー。感度良好」
一斉摘発の為。強制捜査に入った警察に対し、銃撃と人質で対抗する某野党議員と会合に来ていた手配犯・関係者。
彼らに対し、通常での解決は無理とみた警視庁より、TJS社に出動要請が出た為、安達少佐率いるデルタ・チームと狙撃チームからアーチャー・フォーが派遣された。
アーチャー・フォーこと、狙撃手の櫻井柊司(さくらい しゅうじ)少尉(17 男子)と観測手の星野龍弥(ほしのりゅうや)少尉(17 男子)は元帥からケイシー達に是非と推薦された狙撃ペアだった。
年齢はあったものの、実技試験や筆記試験は上々な成績であり、2人は見事にTJS社へ入社、今やアーチャー・ワンと共に外せない狙撃チームの中堅だった。
そして、狙撃位置で待機中に強襲隊デルタ・チームを率いる安達少佐から無線が入った。
『また君達と組むのか。前回の様な狙撃を期待している。ちなみに、奢る件はどうなった?』
「こちら、アーチャー・フォー。2人共、未成年。よって飲酒は出来ない」
そう言って観測手の星野が言った。
『……了解、なら、別の事を考える。さて、標的の様子を送れ』
「室内に議員を含めた男は6名、人質と思われる少女が1名…なんで人質が少女なんだ?」
『捕まえた議員秘書によると、繋がりのあったブラック提督から預かった艦娘らしい。艦娘は保護対象だ。無傷で保護したい』
「了解。それで、作戦は?」
櫻井が星野に代わり質問した。
『ドア側の奴を始末してくれ。後はスタングレネードを使って無力化し、突入する』
「了解した。直ぐに始める」
そう答えると櫻井は愛用のL115A3 AWMのスコープを覗き、標的に狙いを定める。
標的はドアに張り付く工作員らしき男2人。
充分に狙いを定め、呼吸を調整すると1発、更に素早くレバーを引き排段・装填、2発目を撃ち込んだ。
2人目が頭を撃ち抜かれて倒れたと同時にスタングレネードが放り込まれ炸裂、素早くデルタ・チームが突入する。
『ミッション・クリア。また借りが出来たな』
「アーチャー・フォーからデルタ・リーダーへ。当然の事をやっただけだ」
『いやいや、それに見事な腕だ。やはり、奢らせてくれ。あっ、酒じゃあ無いからな』
「相棒と一緒にじっくり検討させてくれ。ミッション完了、帰投する」
名古屋〜愛知間の下道
「いいか! 絶対に逃がすな!! ベリサリエールの名に掛けても彼奴らを捕まえるぞ!!」
16式機動戦闘車の車長ハッチから前を走る車輌の一団を睨みながらミケロッツォは檄を飛ばした。
名古屋市内に潜伏していた工作員達を警察と機動隊、SATAが強襲したのだが、一部が逃走した。
しかも、車輌に多数の銃器、更には中東よろしくピックアップトラックに重機関銃を備えた武装トラックを何処かから持ち出してきた為、こうしてTJS社が警察に代わり追跡していた。
なお、追跡は16式機動戦闘車と軽装甲機動車が追跡している。
「くそ! 榴弾を撃ち込めるならサッサと撃ち込んで、纏めて吹き飛ばしたいが…日本国内は無理だよな!」
下手に撃ち込んで民間人に被害が出ました……なんて事になったら、日本政府以前に社長と副司令、副社長の雷が落ちるのは確実で、そっちが恐ろしくて嫌なミケロッツォだった。
『こちら、第2中隊。配置完了!』
スコーピオン軽戦車とセイバー偵察車で先回りしていた第2中隊から報告が入る。
「よし、合図で塞げ……いまだ!!」
ミケロッツォの合図で待機していたスコーピオンとセイバーが道を塞ぐ。
更にセイバーは30㎜ラーデン機関砲と機銃で先頭にいた武装トラック群を攻撃、たちまちスクラップに変えていった。
「こちらも機銃で後衛の武装トラック群を潰せ!」
その指示に機動戦闘車と軽装甲機動車の機銃が唸り、後衛の武装トラック群を潰していく。
暫くして、前後の護衛を潰され、更に重火器に包囲された逃走犯達は渋々と投降した。
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