今回が『鳥取の乱』の総収編になります。
また、ケイシー社長の叔父様(創立者兼会長)が出てきます。
大逆転も更新致します。
翌朝 鳥取県庁舎屋上
「行け行け! GOGOGO!!」
そう言ってギリアンはAB-412やNH-90から人員を下す。
頭上にはTJS社のスーパーコブラとハインドが警戒にあたっている。
既に鳥取市内では警察署や放送局などは第8普通科部隊とTJS社部隊がガッチリと抑え、連邦工作部隊と防衛戦を繰り広げており、いまのところ、鳥取県庁舎しか連邦側は掌握していない。
また、郊外の戦闘も徐々に自衛隊とTJS社部隊が敵増援部隊を制圧しつつあり、一部部隊は市内の部隊を援護する為に向かっている。
そして、TJS社はヘリを使用した庁舎強襲奪還作戦を実施。庁舎屋上から突入した歩兵部隊は部屋を一つ一つ確認しながら進んでんいく。
しかし、既に連邦工作員達が占拠するであろう部屋は特定しているので、念のための確認に近い。
ただ、ある窓際部屋で待ち伏せしていた工作員達は外にいたスーパーコブラのロケット弾と20ミリ機関砲の射撃を受けて殲滅された。
『こちら、エアー・サンダー。敵の待ち伏せを排除した』
「了解。今回もありがとう、ジャニス」
『お礼を言うなら、早く終わらして。社長達に宴会やらすんだから』
「おっ、その話、のった。じゃあ、早めに終わらすか」
暫くして……鳥取県警本部内 鳥取防衛司令部
「ふう、鳥取県庁舎奪還完了か…案外、手早く済んだな」
そう言ってリチャードはひと息吐いた。
社長達が率いる艦隊も敵艦隊を撃滅した、と連絡が入ってきているので此方の勝利は確定的である。
「後は外にいる馬鹿共か……とりあえず、ビラでも蒔いて、投降でも促すかな」
とりあえずな方針を決めて椅子に体を預けるリチャード。
兎にも角にも、終わりは近かった。
その後、市内外にヘリによりビラが撒かれ、この時点で漸く作戦失敗を認識したクーデター部隊の大半は投降、一部は抵抗を続けたが容赦無しに火力をぶつける等で対応、拘束・鎮圧していった。
翌日には鳥取県知事により安全宣言が出され、後に『鳥取の乱』と言われた武装クーデター未遂事件は陸自第13旅団とTJS社の活躍により幕を閉じた。
また、遠一派残党情報網によってもたらされた情報によると、今回の一件で作戦を実施した連邦上級中堅幹部は失敗を理由に処刑されたとの事だった。
ただ、連邦にとっても相当ダメージのある一件だった。
何故なら、日本国内にいた工作員やその細胞たる活動家の大半を逮捕・拘束されるか、今回の『鳥取の乱』により戦死した。
また、在日中国・朝鮮・韓国人も多数拘束された。なにせ、鳥取の乱では実働員として動いた為、更に監視が厳しくなっていた。
後日、これを『ヘイストピーチ』『人権侵害』として控訴する人権保護団体や弁護士がいたが、人権保護団体などは中心人物達が今回の摘発や鳥取の乱の参加・関係者であり、その勢力は大きく削がれていた。
また、弁護士連中に関しても工作員や活動家からの資金が彼らに渡っていた事が判明、日本弁護士会を始め、各都道府県弁護士会に強制捜査がはいり、多数の逮捕者が続出した。
数日後 横須賀 元米軍基地
横須賀の元在日米軍基地の滑走路に一機の私用チャーター機が着陸した。
その滑走路にはTJS者の人間…ケイシーと後藤が居た。
そして、タラップから降りてくる人物にケイシーは一目散に駆ける。
「叔父様!!」
「おぉ、ケイシーか。身体は大丈夫か? 下手をして身体を壊してならんよ」
「ダグラス叔父様もよ。本国は大変でしょう?」
「大変…か。まあ、大変だな」
「お久しぶりです、エバンズ会長」
「おぉ、ゴトウ君か。姪が世話になってるね」
先程からケイシー・後藤が話しているのはTJS創立者兼会長、元海軍提督、元政治家でケイシーの叔父様であるダグラス・エバンズ(68 男性)。
アメリカ国内ではコンサルタントとして政財界や軍にも顔が効く初老であった。
暫くして TJS社基地内
「先ずは、先の鳥取の件を含めた今までの戦いぶり、ご苦労だった。在米日本大使館から謝意を送られた」
「それについては、社員達に…あと、自衛隊や艦娘、元帥をはじめとした提督達のお陰ですよ、叔父様」
「そうか、そうか…初期に助けてくれた元帥は話したいし、日本政府とは色々と今後の事を検討したいが、先ずは本国をどうにかせねばの」
「叔父様、やはり、政府内部は?」
叔父の嘆き様にケイシーは質問する。
「あぁ、あのアホ共め。日本を見捨てておきながら、自分達の力を借りずに日本が勝っている事に不満…いや、自己妄想の妄言を呟いておる。いまや、アメリカ政府内はかつてのルーズベルト政権の様に日本を敵視しとおる。日本が艦娘や重爆を保有し、アメリカの世界覇権を崩そうてしている、と妄想しているようだが、自業自得だ。アメリカは恐竜になってしまった。そして、巨大になってしまったが故に衰退の道へ転んでしまっている。歴史の理に駄々をこねる様なものだ。それに気付かんアホが多すぎる。特に国務長官のマーカスだ。彼奴は大統領が優柔不断な事をいい事に自分の意見を吹き込み、対日敵視を強めている。まあ、彼奴は最初から困った奴だが」
それを後藤は苦笑いを浮かべて相槌を打っていた。
そして、ケイシーは………
「やっぱり、タカ派で有名なマーカスが裏で糸を引いてたのね」
「彼奴がタカ派だ? 冗談はよしてくれ、彼奴は白人優越主義者な自信家の嫉妬家だ。彼奴は自分より優れた者、良い者にはかなり嫌悪的嫉妬感を抱いていたそうだ。しかも、政治畑にいて軍務経験なんぞ何もないしな」
最後には唾棄するかの様にダグラスは言った。
何故なら、彼はベトナム戦争から湾岸戦争まで軍人として生き、それ以降から最近引退するまで政治家であった。
また、復員・退役・傷痍軍人の社会復帰・就職斡旋・相談役として軍退役前からの活動を現在も続けており、『文民の戦争ごっこに付き合わされた兵隊達』を見てきた彼としては軍務に就いた事も無い人間が戦争を誘発し、利益のみに注視し、現場の将兵を見ない事が腹立たしかった。
「彼奴らは間違い無く、日本を潰しに掛かるだろう。噂では連邦の上級幹部の亡命を受け入れる、と囁かれる程だ。まったく、太平洋、朝鮮、ベトナム戦争の犠牲を無に帰すつもりか、大阿保共め! サタンによって地獄に落とされてしまえ!!」
「ですが、そうなりますと、不味いですよ。噂…いえ、かなり実体のある話ですが、連邦では人造深海棲艦を人体実験によって生み出しているとか…」
「なんと…そんな事がアメリカで行われれば、原爆実験でアメリカ兵を使った時やベトナム戦争時以上の突き上げがくるな……まぁ、アメリカは任せなさい。もし、戦端を開いたら、あのアホ共を弾劾して、政権を交代させてでも早期に終結させる」
「お願いね、叔父様。でも、命は大事にしてよ?」
「はっはっは、可愛い姪にそう言われては死ぬに死ねんな」
次号へ
ご意見ご感想をお待ちしております。