大半はコラボ元の先方が書いてあるので、PMC側視点で。
第五艦隊 満月艦橋
「F/A18レガシーホーネット隊より連絡。敵陽動艦隊の攻撃成功。敵のエアカバーは壊滅、また、連邦艦艇並びに深海棲艦18隻の撃沈を確認。以上です」
満月の艦橋でレガシーホーネット隊からの報告を述べる西洲少尉。
現在、満月は夕潮、巻潮に艦娘の比叡、榛名、飛鷹、足柄、由良、潮を加え、更に海自の第12護衛隊あぶくま、せんだい、とね、うみぎりと共に第五艦隊を構成し、済州島基地から出撃した揚陸部隊を含む陽動艦隊へと向かっていた。
「ふむ、数的不利はあるが…数で海戦は決まらない。最後に物を言うのは戦術と人だからな」
自信有り気に言うバラミール艦長。
「飛鷹の攻撃隊もそろそろ接敵するな。TJS社全艦安全装置解除、戦闘用意!」
「敵艦隊捕捉! 比叡達が撃ち始めました!」
「全艦攻撃開始! 対空警戒を怠るな! データリンクも切らすなよ!!」
飛鷹からの航空攻撃が開始され、その間に最大速度で接近した第五艦隊は敵を捕捉した比叡達の砲撃からその戦火を開いた。
オペレーターを含めた艦橋要員が緊張した面持ちのまま、テキパキと仕事をこなしていく。
彼らからすれば二度目の実戦…だが、今回は敵の方が数も多く、深海棲艦もいる。決して侮れる状況ではない。
「敵艦隊よりミサイル!」
「我が恩人の国と彼女達を傷つける者は、この私が許さない! 迎撃ミサイル発射! 並びに電子妨害開始! 各艦にも通達! こちらも撃ち返すぞ! 対艦ミサイルまだか!?」
「対艦ミサイル用意よし! いつでもいけます!」
「海自とも合わせる! まずは迎撃に専念するぞ、迎撃開始!」
「サルボー!!」
レーダーが捕捉した対艦ミサイルに向かい、VLSから次々とSM-2が発射され、これに合わせて比叡達からの物を含んだハープーン対艦ミサイルも発射される。
正に殴り合いとも言うべき様相である。
しかし、ここで物を言ったのは皮肉にも『システム』だった。
「対艦ミサイル大半の迎撃に成功! ですが、抜けた数発接近!!」
「近接防御! イージスシステムのデータをデータリンクで各艦に送れ!」
「了解!!」
イージスシステムのデータがデータリンクによって各艦に送られ、これが迎撃に一役かう。
各艦は自分達に向かう物を冷静に迎撃し、手が空けば支援の必要な僚艦の支援に回れるからだ。
これは比叡以下、TJS社所属の艦娘達も一緒で『超』近代化改装され、速射砲や近接防御火器(CIWS)を載せた為に次々とミサイルを叩き落としていく。
対し、敵はフリゲートやコルベットの類が中心であり、深海棲艦に至ってはミサイル戦に介入するどころか、自分達に向かって飛来するミサイルの対処に手一杯である。
元韓国海軍のフリゲートやコルベットはイージスシステムを持たないが為に僚艦同士の支援はもちろん、迎撃能力も限定され、更に対空ミサイルを持たないが為にその迎撃も速射砲とCIWSに限定される。
だが、韓国海軍装備な為か迎撃はイマイチだ。
そんな中、深海棲艦は果敢にも接近、比叡達と砲火を交わし始めた。
これにはTJS艦隊も海自も近付かない。ミサイル戦を主眼に置いた現代艦は幾ら素材の違いがあるとは言え、下手をすれば14㎝クラスの砲弾の直撃で大破してしまう。
よって、ミサイルを撃ち込んで韓国艦や深海棲艦を減らすぐらいしか出来ないのだ。
だが、遂に被害が出た。
「敵対艦ミサイル2本、迎撃突破! 『せんだい』『とね』に命中!!」
「『せんだい』と『とね』に被害を問い合わせろ! 急げ!!」
「はい!」
返事をしながら西洲は12護衛隊に視線を向ける。
『せんだい』『とね』は火災が発生し、乗組員達が消火にあたる。
太平洋戦争を経験した日本帝国海軍の末裔である海自はダメージコントロールにも定評があり、また、『あぶくま』型護衛艦は今でこそ二線級艦の印象が強いが他国ならば旗艦を務めていてもおかしくないコルベット・クラスの艦艇だ。
「『せんだい』『とね』より返信! ミサイルによる火災発生、中破との事! ですが、士気は高く、継戦可能!!」
「無茶はさせるな、2隻は後退させろ! 撃ち負けるな! 反撃!!」
2隻の様子を聞いたバラミールは熱く、されど冷静な声で指示を出す。
発射されたハープーン対艦ミサイルは敵艦隊へと飛んで行き、敵艦に突き刺さる。
「敵艦艇の一部が反転! 深海棲艦や沈没艦の乗組員を放置し、撤退する模様!」
西洲からの報告にバラミールの決断は早かった。
「それでも軍人か! しかも、日本の海に土足で踏み込んで無事に帰れる訳がなかろう! 比叡達は独島級強襲揚陸艦以下の輸送船団を撃滅し、我々はコルベットを殲滅する!」
『『『『『『了解!!』』』』』』
比叡達から力強い返事が返ってきた。
だが、『あぶくま』の真田海将補から通信が入った。
『待ってくれ、バラミール艦長。既に敵艦隊に戦意は無い。深海棲艦のみ撃滅すればよいのではないか?』
「アドミラル・サナダ、確かにアドミラルの意見もわかります。ですが、相手は貴国に妄想的嫉妬心と邪悪心を持った連邦です。未来の為にも、日本人的お人好しでは無く、日本人の拳の痛さを見せるべきです。でなければ、再び侵攻して来るでしょう」
『だが…』
「閣下、我が国がかつて、イランから貴国の方々の脱出に手を貸したのはエルテゥール号事件と日露戦役での戦い振りからです。時に慈愛に溢れ、時に勇猛果敢。いま、ここで見せるのは勇猛です」
『……わかった、我が第12護衛隊もバラミール艦長に続け! 日本人の勇猛果敢さを見せてやれ!』
バラミールの言葉に真田海将補も決意し、敵艦隊を追い詰める。
第五艦隊の攻勢はとどまる事を知らず、次々に連邦軍艦艇も深海棲艦も撃沈されていく。
特に足柄の兵装フルオープン攻撃により、一撃浴びただけで轟沈する艦艇や深海棲艦も出る。
そして、連邦(韓国)艦隊旗艦の撃沈により、戦闘は決した。
暫くして
『全艦救助活動に入れ。艦娘達は周囲を警戒しつつ、救助を支援してくれ』
戦闘の終結に伴い、バラミールは救助指示を出した。
実際、海上には撃沈破された艦艇から脱出した乗組員や大破・負傷した深海棲艦もいる。
夕潮、巻潮、うみぎりの3隻が救助にあたり、比叡達もこれを手伝う。
そんな中、潮はある一点に向かって疾っていた。
そして、その一点には海戦で深傷を負った戦艦棲姫が居た。
戦艦棲姫は潮を見付けると苦笑…自虐の笑みを浮かべ、そのままガックリと波間に沈もうとした。
それを間一髪のところで腕を掴む潮…いつの間にか由良と足柄も戦艦棲姫を支えていた。
「こちら、足柄! バラミール艦長、聞こえますか?」
『こちら、バラミール。よく聞こえる』
「潮ちゃんが戦艦棲姫を救助しましたが、重傷です! 至急の処置をお願いします!」
『戦艦棲姫を? 重要な幹部級な人物だ。わかった、直ぐに対処する。一刻も早く、収容してくれ』
「了解しました!」
……こうして、対馬を巡る戦いは終わった。
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