なんか、大半が文章になった…。
2月28日 深夜 嘉手納基地 フェンス周辺
この夜、十数人の集団が嘉手納基地の滑走路を取り巻く様に設置された侵入防止用のフェンス近くに集まっていた。
そして、この時の為に用意していた小型ブルドーザーを使いフェンスを押し倒して侵入、その後ろからは軽トラやトラックに分乗した先程の集団達が押し入ってきた。
無論、彼らは連邦の工作員である。そして、彼らの大半が沖縄に移り住んで来た反基地運動家である。
そして、彼らの目的は言わずもながら、嘉手納基地を一時的に使用不能にする事。
明日の攻撃に際して日本側の戦力を減衰させ、嘉手納などの主要基地に空挺部隊を降下・占領させる為の奇襲攻撃だった。
フェンスを押し倒したブルドーザーを先頭にした集団は意気揚々であった……が、その時間も短かった。
次の瞬間、上空に照明弾が瞬き、集団と前方にあった2つの『物体』を照らし出した。
その『物体』とは…対空戦車のZSU-23-4Mシルカだった。
二輌のシルカは車列に砲塔を向けると容赦無しに射撃を開始した。
シルカの23㎜機関砲は毎分800〜1000発の射撃が可能であり、四連装機関砲の全力で毎分4000発を発射可能だが、普段は連装での射撃を行うことが多い。
しかし、その弾幕は第四次中東戦争やソ連のアフガン侵攻で類似の兵器が『ミート・クラッシャー』に転用された事を見ればわかる。
実際、先頭の小型ブルドーザーには小銃攻撃を想定して貼り付けていた運転席の追加装甲やドーザープレートも易々と貫き、エンジンを破壊した為か遂にはその場で爆発・炎上し、火達磨となった。
これに後続の軽トラは避ける暇も無く追突・炎上し、潰れた運転席の工作員はもちろん、荷台に居た工作員も火に巻かれ、火達磨になった。
この後ろに居た後続の軽トラは避ける事は出来たが、横にはみ出た瞬間、射撃をしていたシルカの一輌に捕捉され、瞬く間に乗っていた工作員共々爆発・破壊された。
こうなると残るはトラックと殿の軽トラだけになった。
トラックは慌て止まると荷台や運転席から工作員が転げ出て散開したが、直ぐにシルカの標的となった。
皮肉にもこのトラックには破壊工作用の工兵用爆薬と各種武器弾薬も載っていたので、爆発は更に大きな物となり、消えかけていた照明弾の代わりに周囲を照らしだす。
後は各人が持つ武器と手榴弾、2つのRPG-7だけになった。
そして、唯一残った殿役の軽トラには他の軽トラ同様、運転席の屋根に支那共産党軍の67-2式(67式2型)汎用機関銃が据えられており、これを乱射して走り回る。
しかし、ここにいたのはシルカだけで無かった。
ここにM240汎用機関銃を搭載したTJS社高射部隊とミニミ軽機関銃を搭載した空自の基地警備隊の軽装甲機動車(LAV)が猛スピードで突入してきた。
双方のLAVは停止し、運転手と機銃手を残して下車すると一部のLAVは走りながら機関銃を乱射し、殿の軽トラを撃破し、更にシルカと共に制圧射撃を行い工作員達を圧迫する。
「RPGだ! RPGを使え!」
隊長格の男の声に1人がRPGを構えたが、次の瞬間、自衛用にシルカの車長ハッチに追加装備していたロシア製12.7㎜Kord重機関銃が火を噴き、このRPG手を蜂の巣した。
「馬鹿者! シルカを狙わ…」
隊長格の男の声はTJS社隊員が放った小銃用グレネード・ランチャーから発射されたグレネードが炸裂し、数名を巻き添えにして死体へと変えた。
暫くして 那覇基地TJS社派遣高射隊仮設本部
「やれやれ、備えあれば憂いなし。知識あれば備えが出来る。これを思い知らされたな」
報告を受けた日高中佐はそう呟いた。
実は嘉手納以外にも襲撃された基地や施設はあったが、事前に日高は随伴していたシルカ隊を標的になりそうな場所に二輌づつ分散配備しており、TJS社の隊員と各警備部隊がシルカの支援を受け撃破・撃退していた。
実は日高は派遣前に強襲隊のアレクサンドル副隊長に助言を受けており、その際に『ブルドーザーなどの土木機材が盗まれてないか気を付けろ』と言われていた。
この為、到着後に沖縄県警に問い合わせ、ブルドーザーなど数台の工事車両が盗まれている事を突き止めた。
実際、中東などでイスラム国などのテロ集団が自爆トラックによる基地・施設の破壊が難しくなった事から、運転席の防弾化に加え、同じく防弾化した自爆用ブルドーザーなどを先に突入させてから本命の防弾化自爆トラックを使って成功させており、アレクサンドル副隊長が注意したのはこの事だった。
今回は後々に再利用する為に一時的に使用不可能にする事が目的だったので自爆トラックなどは無かったが、一歩間違えれば行われていた事であった。
「襲撃があったなら、襲来は明日だな」
そう呟いて日高は気を引き締めた。
翌日 3月1日 嘉手納基地
昨夜の襲撃で破られたフェンスを警備付きで修復する中、嘉手納にサイレンが鳴り響いた。
『早期警戒機が敵編隊を探知! 総計200以上! 全機スクランブル!!』
緊迫した放送が流れ、空自のパイロット達は待機室から走って乗機に走り寄る。
対し、TJS社のパイロット達はいつでも愛機に飛び乗れる用に整備員達と共に機体の整備にあたっており、中には操縦席でヘルメットを膝の上に乗せて計器やシステムの確認をしている者もいた。
この為、サイレンが鳴り響いたと同時に愛機に飛び付き、スクランブル発進時の点検要領を行い、空自よりも素早く滑走路へと入っていった。
「嘉手納管制塔。こちら、サンダーバード隊。緊急離陸する。大丈夫か?」
『こちら、管制塔。滑走路並びに周辺空域オールグリーン。発進はいつでもどうぞ。御武運を』
「了解。サンダーバード隊、全機発進」
ヴィットリオ少佐の指示にサンダーバード隊が1番に飛び上がり、次々に他の部隊も飛び上がった。
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