艦娘、PMCと共に水平線にて戦えり   作:休日ぐーたら暇人

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タイトルと内容が一致してるか微妙。


7 義有りし

翌日 横須賀 TJS社基地内一室

 

 

商型潜水艦が訓練中の艦隊の前に浮上投降した翌日、既に鄭上校と汪上尉はケイシー、後藤、遠中佐と会っていた。

 

 

「お久しぶりです、遠お嬢様」

 

 

「やめて下さい、鄭さん。汪さんも微笑んでないで、訂正して下さいよ」

 

 

「いえいえ、我々はお父様にお世話になった身。お嬢様と言っても差し支えありませんよ」

 

遠の言いように鄭と汪は久々の再会に気軽に話す。

 

 

「久々の再会で喜ぶのは解るけど、それは後回しにしてね。いくら遠の知り合いとは言え、日本政府と自衛隊は未だ疑いの目をむけてるんだからね」

 

 

「それは承知の上です。まあ、まさか見付けたPMCの艦隊に所属していたのは意外でしたが…」

 

 

「それを含めて鄭上校と汪上尉には色々と聞きたいのですが、よろしいでしょうか?」

 

 

「えぇ、構いませんよ」

 

 

「では、気軽に椅子にお座り下さい」

 

そう後藤は言って着席を促し、2人は席についた。

これに続く形でケイシー達も座る。

 

 

「では始めに…この会話は別室で日本政府関係者や自衛隊、在日米軍の担当官にモニターされてるわ。さっきも言った通り、遠の知り合いと言っても、原潜の乗組員達が投降して来たなんて言われて、簡単に信用出来る状況ではないからよ」

 

 

「無論、我々もすんなりと信用してもらえるとは思っていない。それに、連邦から離脱する際は色々と工作して出てきたからね。その苦労に比べればまだまだ我慢できるよ」

 

鄭上校の反応を見た後藤とケイシーは互いに頷きあう。

 

「わかりました。まず、所属は?」

 

 

「南海艦隊潜水艦隊所属。まあ、我々は遠少将…雪蘭お父様の一派の残党です」

 

 

「確か、遠英傑(エン・インジェ)少将は上海生まれの古豪提督でしたね。しかも、公正公明な人物で、あなた方の様な若手からは随分慕われていたとか」

 

後藤の言葉に鄭と汪は同時に頷いた。

 

 

「我々は遠少将に何かしらで助けて貰った者達ばかりだ。両親が死に孤独だった者、貧乏だった者、自ら命を絶とうとしていた者……本当に様々な理由で自らと家族を助けていただいた…今の連邦の豚共と違うお方だ」

 

 

「深海棲艦出現前まで共産党では無く、人民の為に働き。出現後は対応の遅い上層部を尻目に戦ったお方。更に連邦設立前には『第二の毛沢東はこの地に要らん! 自分の事は自分で決めれる国にしたいんだ!』と言っておられました」

 

 

「ふむ、憂国の将と言う言葉が似合う御仁だな」

 

ケイシーの言葉に再び2人が頷く。

 

 

「……父の最期は?」

 

いままで黙っていた遠が口を開いた。

 

 

「我々が見たのは上層部から深海棲艦迎撃を命ぜられ、旧型フリゲートと旧型ミサイル艇にて出撃……その際、同行すると言う我々に対し、『若手は刻を待て」と仰いました。また、出撃し、生き残ったミサイル艇2隻の乗組員と退艦者によりますと、「年寄りも未来乗組員為に生き残れ! 刻は稼ぐ!」と言って機関科員を含めた退艦者を退艦させた後、単艦にて敵中に……」

 

 

「………そう」

 

父親の最期を聞いた遠の表情は暗くなった。

これに4人は話を続けるかどうかに迷う……が、鄭上校が思い出した様に胸ポケットからUSBメモリーを取り出した。

 

 

「これは我々や同志達が集めた連邦の内部情報です。日本国内に潜伏する下部組織や幹部の個人情報、次期作戦や参加戦力…それらが集めた範囲で入っています」

 

そう言ってから鄭は後藤に渡した。

 

 

「さっそく、解析させていただきましょう。あちこちの情報と組み合わせ、精度を確認します」

 

 

「なお、それにはアメリカから連邦への支援内容とルートも入っていますので」

 

それを聞いて唖然とする後藤とケイシー。

しかし、後藤は直ぐに立ち直る。

 

 

「さすが華僑の情報網ですね」

 

 

「遠少将のお世話になった者は我々軍人以外にも多い。しかも、理性的な華僑は新華僑にも居るからね」

 

 

「会話の内容が解るからいいけど、端から見たら怪しい会合に見えるわよ」

 

半端呆れながらケイシーは言った。

 

 

「それと、これはとても重要な事だが…深海棲艦側も密かにだが、和議を真剣に考えている様だ」

 

 

「事実ですか?」

 

 

「あぁ、彼女達も我々同様、連邦を信用していない。『日本が敵だから』と言って協力しているだけだし、そもそも、彼女達は日本の手強さをこの数年で嫌と言うほど味わっている。幻想の中に住む奴らとは違い、現実を見ているよ」

 

 

「確かにその話は重要ですね。ふむふむ…」

 

深海棲艦の話に後藤はニヤリとしながら思考を纏めていた時、後ろから叩かれた。

 

 

「なに要らない事を考えてるのよ、バカ。さて、貴方達が話してくれた事はしっかりと上に伝えて活用するわ。少しの間、我慢してね」

 

 

「わかっています。それと、もし、我々が解放されれば、貴社の部隊に配備されたいのですが?」

 

 

「確約は出来ないけど、何とかしてみるわ。まぁ、なんとかなりそうだけどね」

 

 

 

しばらくして……

 

 

「まあ、わかってはいたが……悲しいな」

 

 

「遠の事ね……まあ、本人は覚悟はしていたけど……気落ちは確実ね」

 

 

「まさか、深海棲艦に復讐する、なんて言いださない事を願うよ…しかし、皮肉だね。連邦はクズなブラック提督達も日本から引き取ってくれたけど、更に深海棲艦側に日本との和議を考えさせてくれているんだからね。連邦様々だよ」

 

 

「皮肉にしか聞こえないわね。さてと、また、あっちこっちに調整をかけないとね」

 

そう言うとケイシーは社長室に足早に歩き始め、後藤はそれについて行った。

 

 

 

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