艦娘、PMCと共に水平線にて戦えり   作:休日ぐーたら暇人

8 / 30
陸上部隊幹部の皆様がお集まり。


8 下準備

翌日 横須賀 TJS社基地

 

 

基地内部の陸上部隊区画にある整備場には多数の車両が整備されていた。

前回出撃したBTRー90装輪兵員輸送車の他にBMPー2歩兵戦闘車やFV 101スコーピオン軽戦車、セイバー偵察車、FV 107シミター偵察車、ZSU-23ー4シルカ対空戦車、16式機動戦闘車、AMXー10、T-62……等々の東西新旧の車両が整備されていた。

その一角にある『指揮官待機場』に後藤をはじめ、陸上部隊幹部が面子を揃えていた。

 

 

「つまり、今回は我々にも出番はある、と言うわけですね?」

 

元イタリア陸軍ベルサリエーリ連隊所属で、TJS社機動偵察隊を率いるミケロッツォ・アルティエリ中佐(25 男性)が言った。

 

 

「あぁ、今回の捕物はデカイから、人手が足りなくなるのは確実だ。それに、あさま山荘の様に建物を補強している可能性は高い。RPG等の携帯対戦車火器も使用してくる可能性もあるので、装甲車両には大いに活躍してもらう事になるだろう」

 

これを聞いた陸上部隊幹部達は喜びの声を挙げる。

よほど、出番が無い事への鬱憤が溜まっていた様だ。

 

 

「ようやく戦車隊の出番だな」

 

戦車部隊指揮官エアハルト・ベッカー中佐(25 男性)が言うと隣に居た陸上部隊指揮官のリチャード・オールストン大佐(25 男性)が苦笑いを浮かべながら言った。

 

 

「おいおい、戦車を何処で使うんだ? 攻城戦でもやらかすのか?」

 

 

「それなら、高射部隊はシルカやL90を使って援護するのが関の山かな?」

 

それを聞いた高射部隊指揮官の日高浩二(ひだかこうじ)中佐(25 男性)は眼鏡を直しながら言った。

 

 

「砲兵隊は出番も無いんだけどね」

 

元フランス陸軍砲兵隊で機動砲兵部隊指揮官のリシャール・カラックス中佐(25 男性)が羨ましそうにしながら言った。

 

 

「あのね、ウチのヘリ隊は超過勤務状態なんだけど? 誰か代わってほしいぐらいだわ」

 

リシャールの言葉に元アメリカ陸軍ヘリ部隊所属だったヘリ部隊指揮官のジャニス・アンカーソン中佐(25 女性)が不満気を漏らす。

 

 

「やれやれ、歩兵なんか超過勤務どころの話じゃあ済まないよ」

 

元イギリス陸軍歩兵部隊所属だった歩兵部隊指揮官ギリアン・アッシュフォード中佐(25 男性)が苦笑いを浮かべて呟いた。

それを聞いた後藤は何とも言えない表情を浮かべる。

なにせ、一通りの陸上戦力は揃えた物の、現実上、主に日本国内に潜む連邦の工作員やその支援団体などの襲撃・掃討が任務だった為に歩兵部隊やヘリ部隊はあちこちに派遣されたが、他の部隊は自衛隊や在日米軍との共同訓練などで仮想敵役や教官役に徹していたに過ぎない。

よって、久々の出番であるのだが……皆が満足するかは別問題である。

 

 

「……また、不満をどうにかしないといけないのか…」

 

そう呟いた後藤も、まさかトンデモない事になるとは予想もしていなかった。

 

 

 

暫くして………副司令執務室

 

 

 

「えーと…次はこれと…」

 

そう呟きながら書類を捌いていく後藤。

そこに執務室のドアがノックされた。

 

 

「どちら様?」

 

 

「副社長よ、副司令」

 

そう言って入って来たのはフェリシアだった。

 

 

「どうしたんだ、フェリシア?」

 

 

「社長からよ。出向してくる新しい艦娘と購入・建造艦艇の現状報告が届いたから、持って来たの」

 

そう言ってフェリシアは後藤に2枚の書類を見せる。

それを受け取った後藤は書類に視線を向けながらフェリシアに聞いた。

 

 

「満月と潮月の錬成は完了か…潮月は若干遅れる模様? 何でだ?」

 

 

「あぁ、それは例の艦娘用母艦を兼ねたワスプ型強襲揚陸艦と一緒に来るからよ」

 

 

「なるほど……って、なんでやね!? 普通のドック型揚陸艦を採用する予定じゃあなかったのか!?」

 

 

「それがね、色々考えたら、凡庸性を重視してワスプ型にって…」

 

 

「凡庸性の使い方を間違ってるよ! しかも、他に何が必要だったの!?」

 

 

「航空機運用機能とか、陸上戦力輸送機能とか」

 

 

「う、うーん……何とも言えない……まあ、決まった事は仕方ないか……で、艦娘の方は…重巡1、軽空母1、高速戦艦2か。名前は?」

 

 

「重巡は足柄、軽空母は飛鷹、高速戦艦は比叡と榛名よ」

 

 

「随分と太っ腹な増援だな。まあ、ウチにはありがたいが……配属は何時になる予定なんだ?」

 

 

「それがね……実は数日待ってほしいそうよ」

 

 

「数日? どう言った理由で?」

 

 

「向こう曰く「こちらで基礎練成を行いたい」って」

 

 

「基礎練成? 幾ら彼女達が元ブラック提督にいたからって、数度の実戦は経験している筈だろう? なら、基礎よりも応用だろう? しかも、こっちはどちらかと言うと艦船との連携だから、そっちに時間をかけたいんだが…」

 

 

「なら、そう言ってねじ込んでみる?」

 

 

「流石にそんな事は出来ないよ。まぁ、こっちもこっちで仕方ない案件だな…はあ、お先が良いのか悪いのかわからない報告ばかりだな」

 

 

「悪いニュースに比べれば随分とマシな話よ」

 

 

「そうだけど…大丈夫かな…潮と由良は近い内に艦船との連携訓練をやる予定なんだがな」

 

 

「うーん、元帥だから、大丈夫じゃないの?」

 

 

「まあ、そうだな…最近は神がかってるし、信じるか」

 

 

次号へ




御意見、御感想をお待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。