魔法少女リリカルなのは~天を穿つ深緑の狙撃手~   作:グリューン

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第1話 再会と新たな出会い

 

 

―はやての機動六課設立の話が終わり、早速訓練をすることになった。

 

俺はフェイトが隊長、シグナムが副隊長を務めるライトニング部隊に配属。

 

理由は俺が戦闘向きなこと、もう一つのスターズに入れるとティアナとポジションが被ること、そしてライトニングの隊員二人は戦闘経験がない上にフェイトやシグナムは度々隊舎を離れなければならなく、身近で二人のサポートをして欲しいという様々な事情が絡んでいるからだ。

 

…それにしても、ライトニングの隊員でフェイトが保護しているっていうエリオとキャロがまだ10歳って聞いた時は驚いたぜ。

 

戦いにこの子たちが自分から入っていくことになるなんて…。

 

理由がありそうだから自己紹介がてら聞いた方がいいな。

 

そうやって考えていたら、スターズの隊員となったスバルとティアナが俺に近づいてきた。

 

「ニールさん、お久しぶりです!」

 

スバルが元気よく声をかける。

 

二人とも茶色の六課の制服に身を包んでいた。

 

確か、スバルが15歳で、ティアナが16歳だったか?

 

二人とも大きくなったな。

 

「ん、おお、スバルとティアナか。久しぶりだな!訓練校以来だが元気だったか。」

 

「はい!まさかニールさんとチームを組めるとは思っていなかったので…。」

 

「これも何かの縁だ、宜しくな!…ティアナも宜しくな。」

 

だが、ティアナは黙ったままだった。

 

ああそうか、ティアナは姉妹と間違えそうになるぐらいラーナと仲良かったんだよな。

 

「どうしたの、ティア。」

 

ティアナは俯いて顔が見えない。

 

「あの…ニールさん。」

 

ティアナの顔は今にも泣きそうな顔だった。

 

「ティアナ、お前の言いたいことは分かる。……お前としてもラーナのことはショックだっただろう。」

 

「あ…。」

 

何故ティアナが俯いているのかが分かったスバルからさっきの明るい表情が無くなっていく。

 

「いえ、私はニールさんが心配で!でも、武装隊じゃなかなか会えないから……。」

 

ティアナにいつの間にか気を遣わせてしまっていたのか。

 

「…俺なら大丈夫だ。確かにラーナがいなくなっちまったのは辛かったが、それでも俺は彼女のためにも俺自身のためにも止まるわけにはいかない。けどありがとな、ラーナのことを覚えていてくれてたんだろ?」

 

俺は本当の気持ちを悟られないために穏やかな表情でティアナの頭を撫でる。

 

……我ながら最低だな。

 

でも、どっちにしても泣きそうな顔でこの後の自己紹介をする訳にもいかない。

 

「はい、私にとってラーナさんは大事な友達でしたから。」

 

「そうだな。…さて、いつまでもしょげてるとラーナに笑われちまう。それに、ライトニングの隊員二人はまだ俺たちより経験が浅い。俺だけじゃなくてお前ら二人も先輩にあたる。だから、気持ちを切り換えて頑張ろうぜ!」

 

潤んだ目から涙を拭いたティアナの顔は元のキリッとしたいい顔になった。

 

スバルもそんなティアナを見ていつもの明るい表情に戻る。

 

「「はい!」」

 

うん、いい返事だ!

 

 

 

.

 

 

 

訓練場所になる隊舎の外に着くと、赤い髪が逆立っている男の子とピンクの髪でセミロングの女の子が立っていた。

 

多分、あの二人がエリオとキャロだな。

 

キャロの横で小さな白い竜が飛んでいる。

 

……竜なんて生まれて初めて見たぜ。

 

「あの、こんにちは。」

 

「こんにちは。お前たちがエリオとキャロか?」

 

「はい、エリオ・モンディアル三等陸士であります。」

 

「キャロ・ル・ルシエ三等陸士であります。でこっちがフリードです。」

 

「きゅくる〜。」

 

固い口調で敬礼がてら挨拶をする二人。

 

「ニール・ディランディだ、宜しくな。でこの二人が……」

 

「ティアナ・ランスターよ。宜しくね。」

 

「スバル・ナカジマだよ。宜しくね、二人とも。」

 

柔らかな口調で自己紹介する二人。

 

「先に言っておくが、俺がこの中で一番階級は上だが、楽な喋り方でいい。と言うより本当はあまり固い喋り方は好きじゃないからな。」

 

「了解であります。」

 

「えっと、エリオ…でいいんだよね。別に『はい。』でもいいんだよ?」

 

ナイスフォローだ、スバル。

 

「キャロも、ね?」

 

ティアナもキャロに話しかける。

 

「はい。」

 

エリオもキャロも笑顔で答える。

 

これで自己紹介と挨拶は大丈夫だな。

 

そこに、俺たちの教官にあたるなのはがやってきた。

 

「皆、待たせてごめんね。」

 

「なのはか。…じゃなかった、高町教導官。」

 

「もう、気をつけてね。管理局では私が上官で、ニールさんが部下なんだから。でも、それは公の場での話だから。」

 

「あの…なのはさん、ニールさんと知り合いなんですか?」

 

「知り合いも何も、俺はなのはに色々世話になったんだ。」

 

「色々って…何を?」

 

「ニールさんが訓練校に入る前に、一緒に生活したり、訓練に付き合ったりしたんだよ?」

 

一同沈黙。そして唖然とした顔で俺となのはを見比べる。

 

「「ええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!?」」

 

スバルとティアナが大声をあげて驚く。

 

隣にいたエリオとキャロは耳を塞いでる。

 

それよりも耳が痛え…。

 

「二人とも、耳に…!」

 

「ああ、ごめんなさいニールさん。」

 

「すみません。…じゃなくって、どういうことなんですか!?初耳ですよ!!」

 

「いつつっ…当時は仕方なかったんだよ。なのはの部屋以外に泊まれるとこなんてなかったからな。」

 

「でも、何でそんなことに…。」

 

スバルが言いかけたところでなのはがパンパンと手を叩く。

 

「ハイそこまで、そろそろ訓練を始めるよ。」

 

騒がせた張本人が言うかという言葉を飲み込んで聞くことにする。

 

「まずは基礎を固めたり、チームワークの練習から入るよ。…それと、ニールさんは今回は見学ね。」

 

「えっ、何でニールさんだけ見学なんですか?」

 

「こらスバル、あんたは今のニールさんの実力を忘れたの!?」

 

「確か…魔力はBのままだけど、戦闘ランクは空戦、総合AAAだったっけ?」

 

「そうよ!戦闘ランクだったら隊長たちに近いのよ。そんな人と私たちじゃまだレベルに差がありすぎるってこと。」

 

俺はラーナが亡くなってから、遭遇だったり捜査協力だったりしただけだが、二度のロストロギア事件を解決している。

 

あの時は死ぬかと思ったなあ……。

 

命がいくつあっても足りなかったと思えたぐらいだ。

 

「あの…どうしたのですかニールさん。何だか遠いところを見ていたような感じでしたよ。」

 

あの時のことを思い出すと鬱になりそうだ。

 

「ん、ああ、何でもないんだエリオ。」

 

「こら、訓練に入らないとダメでしょ?」

 

あまり話が進まず痺れを切らせたなのはが注意してきた。あまりなのはを怒らせると恐いからなあ…気を付けねえと。

 

「悪かった。とにかく俺は近くで見てるから、まずはお互いの力を把握することに専念してくれ。」

 

そう言って、俺は少し離れたところで訓練を見ることにする。

 

 

 

.

 

 

 

俺はチームを組んでダミーのガジェットを相手にする四人を見ている。

 

ポジションは近接から順に

 

スバルがフロントアタッカー(以後FA)

 

エリオのガードウイング(以後GW)

 

ティアナのセンターガード(以後SG)

 

キャロはフルバック(以後FB)

 

という配置になっている。

 

俺のポジションはSG、これがライトニング部隊に配置された理由のひとつだ。

 

「デュナメス、あいつらのチームワークを見てどう思う。」

 

[最初にしてはなかなかだと思いますよ。やはり互いのぎこちなさや前に出がちなところが気になります。でも、最初ですし慣れればバランスに富んだチームになると思います。]

 

まあ、まずはそんなものだな。

 

…ってスバル突っ込みすぎだ!

 

エリオもスバルほどじゃねえが陣形乱してやがる。

 

これじゃティアナとキャロがピンチの時に反応が遅れるぞ。

 

<ニールさん、見ててどう思う?>

 

なのはが念話で話し掛けてきた。

 

<ちょっと陣形が乱れてんな。ティアナが注意しているが、聞こえてるかどうか怪しいもんだぜ。後で俺からも言っておく。>

 

<うん、お願いね。>

 

念話を切って、再び四人に視線を向ける。

 

そして、ダミーのガジェットに視線を向けて睨み付ける。

 

こいつらを造ったスカリエッティ、そいつの元にいる俺がいた世界の誰かが、ラーナを殺した。何としても見つけて……殺す!!

 

[マスター……憎しみに囚われないで下さい。]

 

「……分かっている、分かっているさ……。」

 

 

漏れ出した憎しみを抑え込み、また訓練の様子を見る。

 

 

 

.

 

 

 

なのはside

 

私、高町 なのはは新しく出来た機動六課の戦技教導官で新人たちを教えています。

 

入った四人はそれぞれ違った能力を持っていて、将来どうなるか楽しみです。

 

もっと詳しく言うと…

 

スバルは一撃必倒の爆発力に頑丈な防御性能が持ち味で、FAの理想型。

 

エリオは高速機動と電気資質があり、突破・殲滅型を目指せる。

 

ティアナは射撃と幻術を極めて、味方を生かして戦う戦術型のエリートガンナーになれる。

 

キャロは二騎の竜召喚を切り札に支援中心に後方型魔導師の完成形を目指せる。

 

ニールさんはこの後に模擬戦をやって、能力を実際に自分で確かめていく。

 

…多分、リミッター付きだと相手にならないかもしれないけどね。

 

2年前の短期訓練で分かったけど、ニールは戦い方自体が既に完成されていた。

 

あの時は魔導師としてはまだまだだったけど、2年で戦闘ランクが空戦と総合でAAAだからもう魔導士としても完成しているかもしれない。

 

そう思いながら、フォワードの皆に意識を戻す。

 

……う〜ん、ちょっと前へ突っ込みすぎだよスバル。

 

エリオもティアナとキャロから離れすぎ。

 

ティアナは指示に集中しすぎて後ろへの意識が疎か。

 

キャロはオロオロと他に何か出来ないかと探してる。あれだと咄嗟の判断が遅れちゃう。

 

ニールさんに念話で聞いてみよう。

 

……ニールさんも私と大体同じだね。

 

で聞き終わってまたフォワードの皆に視線を向ける。

 

そういえばニールさん、大丈夫かな?

 

ラーナちゃんが亡くなってから誰とも組まないで単独で任務をこなしていたっていうし…。

 

私も、今は大丈夫だけど友達になったばかりのラーナちゃんが亡くなったって聞いて、一晩中泣いちゃってしばらく教導に身が入らなかった。

 

気になってニールさんに視線を向ける。

 

ニールさんは険しい表情でガジェットを見ていた。

 

ニールさん、まだラーナちゃんのこと引き摺ってるのかな?

 

私に、何が出来るんだろう。

 

でも今の私にはそれが分からなかった…。

 

 

 

.

 

 

ニールside

 

四人の訓練が終わり、今度は俺となのはの模擬戦だ。

 

勿論、フォワードの四人は全員観戦だ。

 

なのはは以前と違い、リミッターを付けている。そのため、全体的な能力は2ランクダウンしている。

 

そのランクダウンは隊長陣全員で、はやてに至っては3ランクダウンらしい。

 

隊舎側を見ると、いつの間に来たのかフェイトにヴィータ、シグナムも見ている。

 

「じゃあ、今回も私に一撃入れたら勝ちね。」

 

2年前の模擬戦では本気は出させたものの、結局負けてしまった。

 

だが今回は、なのはにハンデがあるため負けるわけにはいかない。

 

「いいのか、2年前より実力の差は埋まっているんだぞ?」

 

実際、今のなのはなら勝つ自信がある。

 

「いいよ。ハンデがあっても、負けるつもりはないから。」

 

俺の言葉に対してなのはは挑発してくる。

 

「言ったな?なら、こっちは何が何でも負けられねえな!デュナメス、セットアップだ!」

 

[All right.]

 

俺の姿が訓練服からバリアジャケット姿に変わる。

 

目を開けると、なのはもバリアジャケットの姿に変わっていた。

 

「じゃあ、始めよう!」

 

俺となのはは空へと飛び上がった。

 

俺はまず、カートリッジをロードしてデバイスをピストルフォームに切り換える。

 

[photon machinegun.]

 

ガトリングのような連射性でなのはの動きを牽制する。

 

予想通り、なのははアクセルフィンで悠々と避けていく。

 

「まだまだ!」

 

[photon machinegun.]

 

予め唱えておいたフォトンマシンガンで追撃する。

 

但し、今度は左のピストルで先を見て撃つ!

 

「!?」

 

なのはは慌てて上昇する。

 

「デュナメス、ライフルフォーム!」

 

内部で弾丸が打ち込まれ、薬莢が飛び出す。

 

狙撃銃になり、ゴーグルを掛けながらなのはに照準を合わせる。

 

「これはお前の間合いだろうが、同時に俺の間合いでもあるんだ!」

 

[stinger ray.]

 

俺の知る魔法で一番弾速の速いスティンガーレイでさらに追撃する。

 

 

 

 

.

 

 

 

なのはside

 

リミッターで機動力も下がっているせいか、ギリギリ避ける感じになってしまってる。

 

しかも突然、直撃コースを突いてきたからやむを得ず上昇する。

 

どうにか離れて、私の間合いに持っていこうとしたのだが、ニールさんの間合いでもあることに気付くのが遅かった。

 

[stinger ray.]

 

弾速の速い直射型魔法で更に追撃してきた。

 

[マスター、これでは避けきれません!]

 

「くっ!」

 

[protection powerd.]

 

防御するものの、通常より威力や貫通力があるせいで防御を破られて私に直撃する。

 

「あうっ!」

 

爆発するも、どうにか態勢を保たせる。

 

う〜ん、まさかここまで早くやられちゃうとは思わなかったなあ…。

 

「模擬戦終了だね。まさか負けちゃうなんて思わなかったなあ…。しかも、攻撃出来なかったのがちょっとショックかな?」

 

 

あれ、反応が返ってこない。

 

「どうしたの?」

 

見てみると、ニールさんは顔を真っ赤にして目を覆っている。

 

フォワードの皆の方を見ると皆呆然とした表情で私を見る。

 

エリオに至っては顔を真っ赤にして俯いている。

 

で、隊舎側を見るといつの間にかフェイトちゃんやヴィータちゃん、シグナムさんもいるんだけど様子がおかしい。

 

フェイトちゃんとヴィータちゃんが私に「なのは、自分の姿を見て!」と叫んでいて、シグナムさんは顔を真っ赤にして額を覆っている。

 

[マ、マスター、すぐに地上へ降りてください!]

 

「何で?」

 

[マスターの…胸が見えてます!]

 

「へっ!?」

 

言われてみれば、胸の辺りがスースーする。

 

そう思って見たら…

 

そこだけ、バリアジャケットが破けて私の胸が乳首に至るまで露出していた。

 

……露出?

 

……ロシュツ!?

 

それも、ニールさんの前で?

 

そう思ったら、段々恥ずかしくなってきた。

 

「…っ、きゃあああああああああああああ!!!!」

 

[divine buster.]

 

み、皆見ないでええええええええええええええええええええ!!!

 

その後は混乱してしまい、気付いた時には、レイジングハートが勝手に放ったディバインバスターでニールさんが気絶していたのでした…。

 

 

 

.

 

 

 

ニールside

 

なのはのディバインバスターの不意討ち(という名のレイジングハートからのおしおき)で避けれずに気絶した俺は、医務室で意識を回復した。

 

「大丈夫かしら、ニールさん?」

 

「そっか、模擬戦でやらかしちまったのか…。ありがとな、ミス・シャマル。」

 

ここは機動六課の医務室で、ミス・シャマルがここの医務官を務めている。

 

それと、シグナムにヴィータ、目の前のシャマルにザフィーラを合わせてヴォルケンリッターと呼ぶそうだ。

 

主ははやてだと以前にシグナムがヴォルケンリッターのことを交えて話してくれたが、何故彼女たちがはやてに従っているかは分からない。

 

何か事情がありそうだが、聞くのは野暮だな。

 

「それにしても、まさかなのはちゃんのバリアジャケットを破って裸にしちゃうなんて、ふふっ、ニールさんも男の子なのね。」

 

思い出して、思わず額を覆う。

 

あの時にちょっと見えてしまったが、なのはのおっぱいはなかなか良い大きさで形も良かった。

 

一度触ってみたいと思わず思って、鼻血を出しそうになった。

 

…ってちょっと待て!

 

「ミス・シャマル、裸にはしてねえぞ!!」

 

「もう、ニールさんのむっつり!」

 

口を手で押さえて慎ましやかに笑うミス・シャマル。

 

…ダメだ、聞いてねえ。

 

なのはは強いから本気でやっただけなんだがなあ…。

 

これを思うと、後が恐い…。

 

[マスター、一度謝ってはいかがでしょう?]

 

「そうよね。いくらアクシデントでもなのはちゃんに大恥掻かせちゃったんだから、謝った方がいいわ。」

 

「そりゃそうだな。……そういや、誰が運んでくれたんだ?」

 

「フォワードの皆よ。ニールさん、体が大きいから四人全員で運んできたのよ。」

 

…あいつらにもお礼言わねえとな。

 

と思いながら、時間を見るとお昼の時間になっていた。

 

「ミス・シャマル、今から俺もお昼食べてくるが大丈夫だろ?」

 

「ええ、問題ないから食べてきていいわよ。」

 

シャマルの了承をもらった俺は医務室から出た。

 

医務室を出て、通路を歩いて食堂室に着いた。

 

食堂室は何十人もの人数が食べるためのスペースと椅子が確保されている。

 

で、窓際辺りにスバルたちとなのはが座っていた。

 

が、俺はそのテーブルの上を見て唖然とした。

 

「スバルは慣れたが…エリオもあんなに食うのかよ!」

 

スバルとエリオの皿には通常の3〜5倍のスパゲッティが山のようになって乗せられていた。

 

それを二人とも、一心不乱に食べ続けている。

 

ティアナは慣れているようで、意に介さずにマイペースに食べている。

 

キャロは俺と同じようにエリオの方を見て唖然としている。

 

フリードは床で自分の分のご飯を食べている。

 

でなのはは……四人の話を聞きながら食べていたが、俺に気が付き、こっちを見て顔を赤くして、こっちを見るのを止めてまた食べ始めた。

 

話しかけづらい。

 

立ってても仕方なかったので、厨房で注文してさっさと食べることにした。

 

 

 

.

 

 

昼食を貰い、なのはたちから離れたところに座った。

 

…流石に食事中にさっきの模擬戦の話をするのは良くねえしな。

 

座って食べ始めたところで、向かいに誰かが来る。

 

「ここ、座っていいか?」

 

「おお、いいぞ。」

 

そいつは男で、格好からしてヘリパイロットのようだ。

 

雰囲気や喋り方とか、俺と少し似ているな。

 

それと、どこかで似たような声を聞いたことがあるような…。

 

「あんた、フォワード陣の奴だろ。一緒に食べなくてもいいのか?」

 

「いや、ちょっと訓練でやらかしちまってな。」

 

何があったのかはなのはのこともあり、伏せておく。

 

俺の一言を聞いたヴァイスがしかめっ面になる。

 

「実は、シグナム姐さんが『高町に恥を掻かせるとは…私が後で腐った性根を叩き直してやる!』って言ってたんで何だと思ったんだよ。」

 

うげっ、マジかよ!

 

しかも誤解だぞ!!

 

「…あまり、この話は拡げないでくれよ。事故とはいえ俺は仕方ないが、なのはにあまり恥を掻かせたくないんだ。」

 

「面白そうだけど、広めたらシャレにならないんで止めておきます。」

 

男はやんわりと断りを入れる。

 

信用出来そうだな。

 

「そういや、名前言ってなかったな。俺の名前はニール・ディランディ、階級は空曹長だ。」

 

「く、空曹長だったんスか!?し、失礼しました!」

 

男は慌てて敬礼する。

 

「いや、そんな畏まらなくていいぞ。それに、プライベートな時は楽な喋り方でいい。」

 

「じゃあ、遠慮なく。俺の名前はヴァイス・グランセニック、階級は陸曹でヘリパイロットをやってる。出動の時は俺がヘリで現場へ運ぶんで、宜しく!」

 

機動六課に入って…いや、この世界に来て初めて出来た友との出会いだった。

 

 

 

.

 

 

 

いい出会いがあった昼食の時間だが、午後のことを思うと鬱になりそうだ。

 

覚束ない(おぼつかない)足取りで事務室へ行き、書類整理をする。

 

俺はあっちで報告をまとめたりする事もあったため、ある程度は書類整理は出来る。

 

武装隊ではよくこの仕事をしていたので、慣れた手付きで仕事をこなせる。

 

「んー、ふぅ〜。」

 

[マスター、お疲れ様です。]

 

「おう、サンキュー。」

 

集中してやったお蔭で割と早く終わった。腕を上に伸ばしてリラックスする。

 

すると、同じく書類整理をしていたなのはと偶然目があった。

 

だが、なのはは顔を赤くしてまた目の前の書類に視線を戻した。

 

まいったな…。

 

これじゃ今後、付き合いづらくなるぞ。

 

「ニール、お前終わったのか?」

 

俺より先に書類整理が終わったヴィータが話し掛けてくる。

 

「はい、終わりました。」

 

念のため、上司と部下という関係を意識して敬語で答える。

 

「…なら、シグナムがお前のこと呼んでいたから行ってこい。…それと、御愁傷様。」

 

ああ、なるほどね。

 

ヴァイスが言ってたことは今日だったのか。

 

「すみませんが、ちょっと先に高町教導官と話をしてからでも大丈夫でしょうか?」

 

「それなら、シグナムも許すだろ。…それと、お前は六課内では敬語で喋らなくていい。お前が敬語で喋ってるとイライラする。」

 

「じゃあ、遠慮なく…楽な喋り方にさせてもらうぜ、小さい副隊長殿。」

 

「…フン!」

 

そっぽ向いてるヴィータに背を向けてなのはの席に向かう。

 

 

 

なのはの机の前に来た俺。

 

気付いたなのはは顔を上げて俺に尋ねる。

 

「どうしたの、ニールさん。」

 

少し話しかけづらい雰囲気ではあるが、なんとか口を開く。

 

「仕事が終わったらちょっと二人で話したいんだが、いいか?」

 

拒否されたらどうするかと思案しながらなのはの答えを待つ。

 

「うん、いいよ。でも、まだ仕事残ってるから後でいい?」

 

少し絞り出すような声で答えたなのは。

 

「ああ、分かった。」

 

そう言ったところで、ティアナがこっちに近づいてきた。

 

「ニールさん、ちょっと手伝ってもらえますか?」

 

ティアナは作業速いから書類整理とレポート終わったのはいいが、スバルから手伝って欲しいとせがまれたといったところか。

 

「悪い、ちょっとシグナム副隊長に呼ばれちまってんだ。」

 

「ふええええん、ニールさん手伝ってぇ〜!」

 

「う〜ん、これどうすればいいんだろう。ランスター二士、これはどうすればいいでありますか?」

 

「あ、あの、ニール空曹長、これはどうすればいいでありますか?」

 

そうだった、スバルは作業遅くて、エリオとキャロは慣れてないんだ。

 

「スバル、自分でやれ!」

 

「そんなぁ…。」

 

言われてガックリするスバル。

 

「エリオとキャロはもっと楽な喋り方をしろって言っただろ?」

 

「「すみません。」」

 

「いや、そんな落ち込まないでくれ。エリオはティアナが見てくれ。キャロは俺が見る。」

 

「はい。」

 

急ぐはずが、面倒見ることになっちまった。

 

その後は結局三人の書類整理とレポートまで手伝ってしまうのだった。

 

 

 

 

.

 

 

 

スバルたちの書類を片付けるのに時間が掛かったもの漸く訓練場に来た。

 

だが、そこには眉を吊り上げて怒りの表情のシグナムがいた。

 

風が吹いていて、彼女のポニーテールがユラユラと靡いてる。

 

シグナムの姿は既にやる気満々なのか、バリアジャケット姿だ。

 

シグナムのバリアジャケットは、本人の髪の色に近いピンクにほとんど統一されている。基本はチャイナドレスのような服に半袖のジャケット、腕に銀色の籠手が付いている。

 

手には彼女のデバイス<レヴァンティン>が握られている。

 

確か、レヴァンティン、正確にはレーヴァテインは炎の魔剣の名前だったよな?

 

「…遅い!」

 

シグナムは腕を組んでこっちに怒声をあげる。

 

「悪い、スバルたちの手伝いをしていたら遅れちまった。」

 

「言い訳無用だ!!すぐに戦うぞ。」

 

かなり聞き分けが悪い。

 

余程怒ってるな、こりゃ。

 

誤解だと言っても無駄だろう。

 

「分かった。デュナメス、セットアップだ!」

 

すぐにバリアジャケット姿に変わる。

 

「この勝負はどちらかが限界になるかまでやる。その頃には貴様の腐った性根は叩き直されているだろう。」

 

……おい、何が性根が腐ってるだ。

 

アクシデントだったし、俺が悪いのはしょうがねえけどよ……あの模擬戦は真剣にやってたんだぜ?

 

それを性根が腐ってるなんて言われたら、こっちとしても納得出来なくなる。

 

「上等じゃねえか、そんなに性根が腐ってんなら自分で確かめてみろ!」

 

今の俺は…容赦ねえぞ!

 

 

 

.

 

 

 

「レヴァンティン、カードリッジロード!」

 

レヴァンティン内でカードリッジが装填されて、打ち込まれる。

 

そして内部から薬莢が飛び出す。

 

すると、レヴァンティンの刀身が炎を纏う。

 

炎熱の魔力変換資質だ。

 

「紫電一閃、はああっ!」

 

こっちに突っ込んできた!

 

しかも、速い。

 

「デュナメス、ピストルフォームだ。」

 

[pistol form.]

 

二丁拳銃へとデュナメスを変型させながら、バックステップでかわす。

 

しかし、一振りしたらまた突っ込んできた。

 

「フォトンマシンガン、狙い撃つ!」

 

魔力弾連射で接近を回避しようとするが、シグナムは魔力弾をレヴァンティンで弾いていく。

 

「貴様の能力は承知済み、それに…」

 

[マスター!]

 

<分かってる、あれを使うぞ!>

 

シグナムは目の前に迫り、今にも剣を振り下ろそうとする。

 

「その程度の魔法は私には効かん!!」

 

[explorsion.]

 

「紫電一閃!!」

 

シグナムの剣が振り下ろされる。

 

俺は左手の銃口をシグナムに向ける。

 

「今更遅い!」

 

「デュナメス!」

 

[Saber form left.]

 

左の拳銃が深緑の魔力刃を形成する剣へと変型した。

 

互いの剣がぶつかり、鍔迫り合いになる。

 

飛び散る火花が互いにどれだけ力を入れているかを物語っている。

 

「まさか剣も出せるとは思ってなかったぞ、ディランディ!!」

 

「そりゃどう…も!」

 

右の拳銃の銃口を突き付け、カートリッジを一発使う。

 

[burst shotgun.]

 

「なっ!?」

 

連射がきかないが、近接で広範囲に攻撃出来る上に発動の速いバーストショットガンを放つ。

 

目の前で魔力の爆発が起こる。

 

「これで終わるとは思えねえ。」

 

[マスター、来ます!]

 

離れたところで、爆発の煙の中から何かがしなるように俺に襲いかかる。

 

「うわっ、危ねえな!」

 

だが、これだけで終わらずに何かがまた襲いかかってきた。

 

今度はその何かを見る。

 

あれは…レヴァンティンの刀身!?しかも、バラバラに連結してやがる。

 

あんな武器は見たこともねえ!

 

「随分驚いているようだな。」

 

煙が晴れ、両腕のバリアジャケットがボロボロのシグナムが出てきた。

 

「ああ、そんな武器は見たこともねえから驚いちまった。」

 

「せっかくだから教えておこう。この形態はシュランゲフォルム、蛇腹剣とも連結剣とも言われる形態だ。」

 

そういや趣味で本をよく読むんだが、小説にそんな武器の名前があったな。

 

「まあいい、慣れてないようだからせっかくだ…私がどんな使い方をするか見せてやる!」

 

シグナムは右手に持ってるレヴァンティンの柄を引き、投げるように振りかぶる。

 

刀身は勢いよく、俺に迫ってきた。

 

「くそっ!」

 

軌道が読みづらく、避けるのに精一杯だ!!

 

 

 

 

.

 

 

 

 

「デュナメス、ライフルだ!」

 

拳銃と魔力刃の剣が一つに合わさり、狙撃銃となる。

 

「いくぜ、スティンガー…」

 

「させるかっ!」

 

後ろから!?

 

ギリギリ避けるも、コートに切れ目が入る。

 

「まだだ!」

 

さらに刀身は蛇の如く、俺に迫ってくる。

 

避けようとするも、身動きが取れない。

 

「くっ!」

 

迫ってきた刀身をライフルから二本のサーベルに変えたデュナメスで受ける。

 

ちっ、押される…!

 

押しきられ、後方に吹っ飛び、木に衝突する。

 

「がはっ!」

 

背中を打ち、空気を吐き出す。

 

背中を強く打ったせいで、体が動かしづらい。

 

「どうした、ディランディ。まだ終わりじゃないぞ!」

 

シグナムは容赦なく蛇腹剣の形態になっているレヴァンティンを振り上げる。

 

「飛竜、一閃!」

 

紫がかったピンク色の魔力を纏い、ガガガガと削岩機のような音を立てて地面を削りながら刀身が俺へとまた迫ってくる。

 

「ったく、容赦ねえな…。避けれねえじゃねえか…。」

 

休めば治るが、背中の痛みで上手く動けない。

 

避けきれない。

 

だったら…

 

「とことん、凌いでやる!」

 

[protection.]

 

刀身が俺が張ったバリアに衝突する。

 

金属同士が衝突したように火花が散る。

 

背中に痛みが走る。

 

腕も痺れてきた。

 

バリアにも皹が入り始めている。

 

しかし、心は屈していない。

 

「簡単に、負けてたまるかああああああああああ!!!!」

 

目を大きく見開き、声の限り叫ぶ。

 

そしてレヴァンティンの刀身が離れ、一旦攻撃が止む。

 

「まさか、飛竜一閃をあれだけで凌ぐとは驚いたぞ。」

 

いつの間にかシグナムが俺の目の前に立っていた。

 

「しかし、どうやらあまり動けないようだな。」

 

「吹っ飛ばされた時に背中を打ってな、どうやら打ち所が悪かったようだ。」

 

これ以上は今後に響くかもしれねえ。

 

「それなら、どうしようもないな。これで模擬戦は終了だ、立てるか?」

 

悔しいが、完敗だな。

 

運も実力のうちとも言うしな。

 

 

 

.

 

 

 

シグナムの手を取り、立ち上がる。

 

まだ背中が痛い。

 

「…大丈夫か?」

 

「大丈夫と言いたいところだが打ち所が悪かったようだ、痛みで上手く立ち上がれねえ。」

 

「すまない。」

 

「気にすんな。全力で戦った結果だ、シグナムのせいじゃねえだろ?…それより、何でわざわざ理由付けて模擬戦を申し込んだ。お前のことをそんなに知らねえが、変に遠慮する性格じゃないだろ?」

 

そもそもなのはとのアクシデントに便乗している時点でおかしい。

 

なのはが言うにシグナムは遠慮なく模擬戦を申し込んでくる奴だという。

 

所謂バトルマニアだ。

 

なら、理由を付けるのは不自然なのだ。

 

「私とはあの時だけのはずなのにバレてしまうとはな。…私には、シールズを助けられなかったという負い目が少なからずあった。もっと早く現場に着けば…と。」

 

シグナムは俯いて後悔の念を罪人の如く吐露する。

 

だが、それを言ったら俺も同じだ。

 

「しかし、私自身ディランディと戦いたかった。それで、理不尽だが怒ったように見せながら戦いを申し込んだということだ。」

 

聞いていて、眉間に皺が寄っていく。

 

思い浮かぶのはあの男、奴はバトルマニアにも見えたがそれ以上に戦争中毒だった。

 

奴は俺が会った人間の中で一番不愉快な男だった…。

 

「不愉快にさせてしまったか?」

 

だが、シグナムは違うようだ。

 

それを確かめるために一つ疑問をぶつける。

 

「…一つ聞きたい、シグナムが剣を取る理由は何だ?」

 

「…私は騎士として主はやてと私が認めた者たちのために剣を取る。模擬戦はただもっと強くなるために自分から申し込んでるだけだ。」

 

「…そうか。ならこれからも宜しく頼むぜ、美人の副隊長殿。」

 

「なっ、べ、別にそう呼ばれても…嬉しくなど、ない。」

 

おいおい、説得力ねえぞ。

 

「ははははは!シグナム、面白いな。」

 

あ〜、おかしい。

 

「か、からかうな!」

 

その後、スバルたちが来るまで喋っているのだった。

 

 

 

 

.

 

 

 

夜、今日やることも終わりなのはと共に星の見える夜空の隊舎の外に設置されているベンチに座る。

 

「なのは、まずはすまなかった。」

 

「う、ううん、あまり気にしないで。」

 

なのはは両手を振ってあまり気にしないで欲しいということをアピールする。

 

とはいえ、恥を掻かせてしまったのは流石に気にしてしまう。

 

「だってあれはアクシデントなんだよ?それに、ニールさん本気だったし。」

 

「…分かった。」

 

全く、なのはは優しいったらない。

 

そう思いながら、静寂がこの場を支配する。

 

おもむろになのはを見る。

 

なのはは教官の時は笑顔で厳しい訓練をさせてくるが、普段はそうでもない。

 

そもそもなのはは美人だ。というより、機動六課の女性陣は美人ばかりじゃねえか!?

 

色々と凄い所のあるこの部署だが、女性が美人ばかりというのもなかなか凄いな!

 

とは言っても俺は自分のやることやるだけだがな。

 

今、恋愛に目を向けるつもりはない。

 

「あの…ニールさん?」

 

気付けば、なのはが至近距離で見つめていた。

 

「お、おう、悪い。」

 

「…?」

 

ビックリして顔を逸らす。

 

おそらく3年前の同じことされた時みたいに顔が真っ赤だろう。

 

顔を逸らしたまま、再び静寂に包まれる。

 

…気まずい。

 

「ねえ、ニールさん。」

 

と思っていたところで、なのはが聞いてくる。

 

「ラーナさんのこと…今でも後悔している?」

 

思わずなのはの方へ顔を向ける。

 

なのはの表情は悲哀に満ちていた。

 

「何言ってんだよ、後悔してたら何も出来ねえぞ。それに、後悔なんてしてたらラーナの願いを叶えられない。」

 

嘘だ、今はラーナの願いを……俺が幸せになることを今叶えるつもりは無いくせに。

 

「ラーナさんの願いって?」

 

「…俺に、幸せになってほしいって言っていた。」

 

「なら、幸せになるように頑張ろう!」

 

なのはが悲しい表情を吹っ飛ばして俺を励ます。

 

「…ああ、そうだな。」

 

幸せの前に、まずは奴ら…ジェイル・スカリエッティをどうにかしねえとな。

 

じゃなきゃ幸せを見つける気になれねえ…!

 

 

そう思いながら足元を見たが、何故かよく見えなかった。

 

 

 

 

.

 

 

フォワードside

 

 

今日の訓練と仕事が終わり、スバルの提案で部屋を借りて四人で会話することになった。

 

内容は今日の訓練のことである。

 

今は大方、訓練の内容の良かった点や反省点を言い終えたところである。

 

「今日初めて四人でやったけれど、何か思うことはある?」

 

ティアナがそう言い切ったところで早速エリオが手を挙げる。

 

「あの、ニールさんは何で別メニューなんですか?」

 

それについてはキャロも同じで、心持ち頷いている。

 

「ああそっか、エリオとキャロは知らなかったんだっけ。」

 

訓練で同じことを聞いたスバルは納得する。

 

そこにティアナの拳骨がスバルの脳天に直撃する。

 

「今日まで知らなかったあんたが言うことか!」

 

「うう〜、痛いよティア〜。」

 

余程痛かったのか、頭を抑えて蹲るスバル。

 

だがティアナも痛かったのか、赤くなった拳を抑えている。

 

「オホン、ニールさんは武装隊所属で2年で私たち以上に活躍したのよ。勿論、入隊当時は三等陸士だったわ。」

 

「えっと、ニールさんはリイン空曹長と同じ階級でしたよね?」

 

「ええ、そうよ。…噂ではロストロギアに関連した事件を解決したらしいけど、定かではないわ。」

 

実質、ニールが解決した事件は本来、八神 はやてが担当するはずの事件であった。

 

実はそれがはやてがニールを機動六課へ積極的に引き入れようとした理由の一つでもあるが、それは誰も知らない。

 

 

 

閑話休題

 

 

 

「そうですか。そういえば、ティアさんとニールさんってポジション同じですよね。」

 

「そうだね。確かに二人とも同じポジションだけど、違うところはいっぱいあるんだよ。」

 

「そういえば、ニールさんが放った魔法でなのは隊長の防御を破ってましたよね。」

 

キャロの言葉にスバルとティアナは苦笑いをするしかなかった。

 

エリオに至っては思い出したのか、赤面して俯いている。

 

ティアナの場合は幻術で相手を撹乱させたり、状況に応じた戦いの出来るタイプ。

 

ニールは防御不可や弾速の速い射撃で、相手に自分の動きや攻撃の隙を与えさせない上に超遠距離からの精密射撃の出来るタイプである。

 

どちらも相手に自分の攻撃をさせないタイプではあるが、今のところはニールの方が強い。

 

この後の頑張り次第ではティアナがニールに並ぶか越すかということにもなるだろうが。

 

(いつの間にか差を付けられていた…。まさかニールさんが空戦を出来るようになっていたなんて思わなかったわ。

 

私は所詮凡人、ならそれ以上に訓練を重ねて強くなってみせるわ。)

 

それでも、空を飛べるようになりたいことなどで焦っている今のティアナは自分に眠っている力に気付く筈もないのだった。

 

 

 

 

.

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