魔法少女リリカルなのは~天を穿つ深緑の狙撃手~   作:グリューン

28 / 32
最初の番外編は、ニールたちとギンガの出会いです。

前半はコミックのstrikersを参考にしました。

後半はラーナが中心です。


番外編
番外編 俺たちの休日(前編)


 

 

ニールside

 

―訓練校で魔法の訓練に明け暮れているある日の休日。

 

ラーナはスバル、ティアナと外で遊びに行くということで彼女たちの部屋へ行った。

 

俺は何かする気になれずにほとんど部屋で寝ることにした。

 

[マスター、あまり外へ出ないのはどうかと思いますよ?]

 

「悪いな、今日は溜まった疲れを取りたいんだよ。」

 

[だからこそ、外で気分転換するのが宜しいのではないですか?]

 

とデュナメスに怒られながら寝ていたら自動ドアが開いた。

 

「ニールさん、今暇ですか?」

 

部屋に入ってきたのはスバルだった。

 

「ああ、今日はちょっと疲れが溜まっちまってるから寝るつもりだ。」

 

「ダメですよ、せっかくの休みなのに勿体ないですよ。だから、一緒に外へ行きましょう!!」

 

で俺の腕を掴んで引っ張り始めた。

 

ていうか何てパワーしてんだよ!

 

「分かった、分かったから引っ張るな!落ちるから、落ちるってどわっ!」

 

「わあっ!」

 

俺はベッドから落ちて額を打つ。

 

「痛つつ、大丈夫、か?」

 

「あ、あの……。」

 

 

え―、どうなっているかというと…

 

俺がスバルに覆い被さってる状態になっている

 

ということだ。

 

スバルの顔は、真っ赤。

 

「すぐに退く……!?」

 

とここで謀ったように自動ドアの扉が開く。

 

「ちょっと、スバル!あんたはいつまで時間を掛け、て。」

 

「どうしたの、ティ、ア?」

 

やっべえ……最悪なタイミングでラーナとティアナが来た。

 

「ふ、二人とも、誤解だ!」

 

慌てて弁解するも、二人は既に俺を睨んでる。特にラーナの目付きがティアナより恐い。

 

「見損なったわ、この……変態!」

 

「ごかぶへっ!」

 

ラーナの鉄拳が俺の顔にクリーンヒットし、俺は気絶した。

 

り、理不尽だ。

 

 

 

.

 

 

 

意識が覚醒すると、ラーナが突然謝ってきて、その横でティアナとデュナメスがスバルに説教をしていた。

 

どうやら、スバルとデュナメスがちゃんと弁解してくれたようだ。

 

……まだラーナに殴られた頬がヒリヒリしていて痛い。

 

「しっかしラーナのパンチはすっげえ痛えな。」

 

「うう、悪かったわよ。」

 

まあ、反省してるからもういいだろう。

 

「で、ミッドチルダの何処へ行くんだ?」

 

「行ってくれるの!?わ〜い!!」

 

どっちにしろ、断れなさそうだしな。

 

「ははは。」

 

「すみません、ニールさん。このバカの我が儘に付き合わせてしまって。」

 

[いえ、惰眠を貪ろうとした今のマスターには丁度いいです。]

 

声がフェルトと同じだが、性格は随分違うな。辛辣な台詞がよく飛んでくる。

 

「いいさ。せっかくだから俺も楽しませてもらうぜ。」

 

「因みにお昼はニールが払ってね。」

 

……楽しめるのか、俺。

 

そもそもスバル、どこ行くか教えてくれ。

 

 

 

.

 

 

 

ミッドチルダ東部

 

この区域は色々と遊んだり買い物などが出来る場所となっている。

 

今回はスバル、ティアナ、ラーナの三人と共にやって来た。

 

ただ、何だか周りから見られているようだが気のせい…じゃないな。

 

一部、男から殺気のこもった視線を受けている。

 

そりゃそうだな。三人の女の子と一緒にいればプレイボーイとかで捉えられても仕方ないよな…。

 

[マスター、周りからの視線が……。]

 

<知っている。はあ……。>

 

今の状況を半ば嘆いているところで前方でスバルと同じ青い色の長い髪を揺らしながらこっちに手を振る女性がいた。

 

「スバル〜。」

 

スバルは前を見るな否や彼女の方へ駆け出していく。

 

「ギン姉〜!」

 

二人とも互いの手を取って再会を喜びあう。

 

というよりちょっとした組み手をやっている。

 

こっちに気が付いた女性が俺たちの方を向く。

 

「初めまして、スバルの姉のギンガ・ナカジマといいます。妹がお世話になってます。」

 

「あ、はい、初めまして。ティアナ・ランスターです。」

 

「初めまして、私の名前はラーナ・シールズです。」

 

「ティアナさんとラーナさんですね、宜しくお願いします。でそちらの男性はどなたですか?」

 

「初めまして、俺の名前はニール・ディランディだ。それと年上だが別に敬語じゃなくてもいいぞ。あとは別に呼び捨てでも構わない。」

 

「あの敬語は私の場合は地も入っているんですよ。それと貴方のことはニールさんと呼ばせてもらいますね。」

 

まあ、こればかりは人それぞれだからいいか。

 

 

 

.

 

 

 

挨拶が終わったところで、スバルはラーナと一緒に食べ歩き、俺とギンガとティアナはベンチに座っていた。

 

ギンガとティアナは同じベンチで、俺は二人の隣にあるベンチに座る。

 

「ごめんなさいね、ティアナさん、ニールさん。あの子の我が儘に付き合わせてしまって。」

 

「いいえ。」

 

「いや、気にしないでくれ。」

 

ティアナは首を横に振りながら、俺は手を軽く振りながら答える。

 

「スバルから大体のことは聞きましたか?」

 

「はい。スバルやギンガさんのご家族のこととか、何で管理局に入ろうとしたのかも聞きました。しかし、聞いた時は驚きましたよ。たった一年ぐらいで訓練校に入ったって言ってましたから。」

 

「そうですか。スバルが突然、管理局に入ると言い出した時は私とお父さんも驚きましたよ。スバルは一度言い出したら聞かないから、大急ぎで色々と教えたんですよ。」

 

なるほど、スバルのわがままは家族にも発生するんだな。

 

朝の事件が目に浮かぶ。

 

ティアナも同じことをおもっているのか、げんなりとした表情を見せている。

 

相当スバルに振り回されているんだな。

 

「それで、ティアナさんのご両親はどうなんですか?」

 

「両親は物心ついた時には既に亡くなって、兄がいたのですがその兄も任務中に亡くなりました。」

 

「ごめんなさい。」

 

ギンガが頭を下げて謝るが、ティアナは両手を振って気にしないように言う。

 

こいつらも辛い目に遭っているんだな。

 

「ニールさんはご両親とかは?」

 

なら俺も腹を割って話すとしようか。

 

「それを言う前に聞いてほしいんだが、俺はこの世界の人間じゃない。管理局で言う次元漂流者だ。」

 

「えっ!?」

 

「そ、そうなんですか!?」

 

ティアナもギンガも驚いて俺を見る。

 

俺は予想していたので、そのまま話を続ける。

 

「俺は地球出身だが、並行世界にある地球からこっちに飛ばされた。」

 

「それで、ご家族は?」

 

ティアナがギンガと同じ質問をする。

 

「家族は父さんに母さん、妹に双子の弟がいる。弟以外は全員俺が10歳ぐらいの時に亡くなったがな。」

 

「そんな……。」

 

正確には殺されただが、そこまでの話をする必要はない。

 

「じゃあ、ニールはあっちでは何をしていたんですか?」

 

「狩人だな。銃で動き回る鹿とか猪とかを狙い撃ってそれで生計を立てていた。言っておくが、密猟はやってないぞ。」

 

本当はスナイパーでCBのガンダムマイスターだったが、それは言えるはずもないので附せておく。

 

「だから射撃に自信あるって言ってたんですね。」

 

とはいえ魔導士の射撃は俺がやってきたことと違っていたがな。

 

「まあ、そうだな。」

 

なんとか誤魔化せたか。

 

「…あれ、もうお昼になってる。そろそろどこかレストランで食べましょう。」

 

「そうだな。スバルとラーナと合流しよう。」

 

俺たち三人はベンチから立ち、スバルとラーナのいる所へ向かった。

 

 

 

 

ラーナside

 

今、私はスバルと一緒に散歩……いや、スバルの食べ歩きに付き合わされていた。

 

「ねえ、スバル。」

 

眉間に皺の寄った私。

 

「何、ラーナさん。」

 

前を歩きながら、後ろの私に顔を向けるスバル。

 

「貴女、アイスクリームいくつ頼んでるの?」

 

そして…スバルの手にはコーンの上に何重にも重なったアイスクリームがこれでもかと乗せられている。

 

数はざっと6個、全て、私のお金で買ったものである。

 

「あたし、大体はこんな感じだよ?」

 

それを聞いた私は内心、張り倒そうかと思っていた。

 

その前に、そんなデフォルト要らないわよ!!

 

「貴女に遠慮するなと言ったことを後悔してるわ……。」

 

項垂れる私。

 

もう、アイスクリーム程度のはずが思わぬ出費になってしまった。

 

そんな私の話を聞いてないのか、スバルは先に歩いて行ってしまった。

 

ギンガ、貴女も苦労してるのね。

 

とはいえ、スバルも苦労している所もあるのだろうが。

 

「ラーナさん、こっち来てよ〜。」

 

あの元気いっぱいの笑顔を見ているとそんな気がしなくなる。

 

「ラーナさ〜ん、スバル〜、お昼にするのでこっちに来てください。」

 

後ろからギンガが私たちを呼ぶ声が聞こえて、そっちへ向かう。

 

 

 

.

 

 

ニールside

 

俺たちは繁華街にあるレストランに入った。

 

名前は『アーネンエルベ』という。

 

今は人がたくさんいて、俺たちはギリギリで全員座れた。

 

「先に言っておくが、今日は俺の奢りだ。」

 

実は1ヶ月間、訓練だけでなく簡単なアルバイトもやっていた。

 

喫茶店の接客で、夕方から夜まで働いた。

 

……なんか店長から「俺がいる間は女性客が多い」と言われたことがあった。

 

「あの、他の女性のお客さんの視線が痛いのですが……。」

 

ギンガが困った表情で向かいにいるティアナに話しかける。

 

「ギンガさんもですか?実は私もそう思ってました。」

 

ティアナも小声で訴えかける。

 

そこにオレンジ色の髪で頭のてっぺんにアホ毛の付いた女の子が近付いてきた。

 

「ご注文はお決まりになりましたか?」

 

するとスバルがメニューを手に取り、ページをめくって見せる。

 

「あの、この店でパイが美味しいって聞いたことがあるのですが……。」

 

「あ、はい。この店では店長が焼くパイがオススメなんですよ?」

 

それを聞いたスバルが俺の顔を見る。

 

そこはかとなく嫌な予感が……。

 

「じゃあ、このパイ全種類一つずつで。」

 

全種類って、10種類全部かよ!

 

「へっ、あ、はい。チカちゃん、ちょっと店長に用意出来るか聞いてきて。」

 

チカちゃんと呼ばれた緑色のツインテールの女の子がこっちを振り返る。

 

「わ、分かった。」

 

チカちゃんと呼ばれた女の子が店の奥に引っ込む。

 

ティアナが目が据わった恐い表情でスバルを見る。

 

「スバル、少しは遠慮しなさい。それにあんたはさっきアイス沢山食べたでしょ。」

 

「だって食べたかったんだもん。」

 

スバルの隣に座ってるラーナを見ると、楽しそうにさっき注文したパイのページを見ている。

 

「でも、私もパイがどんなのか気になるわ。」

 

……相棒の『ビンボークジ、ビンボークジ』という声が聞こえてくるようだ。

 

[マスター、本当に損な性格をしてますね。」

 

<ほっといてくれ…。>

 

ギンガを見たら彼女もパイを食べるのが楽しみでニコニコしながら待っている。

 

そんな楽しみな顔されたら断れねえじゃねえか。

 

 

 

 

to be continued....

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。