魔法少女リリカルなのは~天を穿つ深緑の狙撃手~   作:グリューン

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第五話 交わる道

 

―あれから3ヶ月が過ぎた。

 

訓練は密度が増し、ミッドとベルカに組が別れるという形も増えてきている。俺はあの自主訓練のお蔭である程度はデュナメスでの誘導操作が出来るようになった。今まで言ってなかったが、防御に捕縛、結界などの魔法は今まであまり上手く出来ていなかった。

 

だが、それも今は実戦に使えるぐらいなら問題なく使いこなせる。

 

一方、俺とコンビを組んでいるラーナだが、互いの素性を知ってからはすっかり阿吽の呼吸と言えるぐらいに連携が出来ていた。勿論、実力も付いてきている。彼女の弱点だった機動力も幾分マシになってきていた。

 

他にもラーナやスバル、スバルのお姉さんのギンガ、ティアナと共に休日に遊びに行ったりもした。

 

 

閑話休題

 

 

そんな感じで特に問題なく訓練校も残り半分に差し掛かっていた。

 

「ねえ、ニール。」

 

机で書類を書いていたラーナがこっちに来た。書いている書類は入隊希望のアンケートだ。

 

「何だ。言っておくが、まだどこに入るかは決めてないぞ。」

 

「それは分かっているわ。そうじゃなくて、ちょっと聞いてほしいことがあるのよ。」

 

「どうしたんだよ、改まって。今更遠慮する必要はねえだろ?」

 

「う、うん。…ごめん、今のなしで。」

 

どうしたんだ、ラーナの奴。

 

そう思いながら、俺はアンケートに再び目を向けた。

 

 

 

 

翌日の訓練

 

射撃の訓練が終わり、俺はティアナと話していた。

 

「なあ、ティアナ。お前らはどこの部隊に入るつもりなんだ?」

 

「私も完全には決まってないけど、スバルと多分一緒になると思うわ。そういうニールさんはどうするつもり?」

 

「俺も決まってはいないが、ラーナと同じ職場にするつもりだ。」

 

「それはラーナさんも?」

 

「ああ、そうだ。それと、ラーナは武装隊にするって言ってたな。」

 

武装隊とは戦闘が見込まれる事態が発生した場合、前線の戦闘員として駆り出される部署だ。戦闘専門の魔導師が所属しており、その他に航空魔導師専門部隊として『航空武装隊』、地上の航空武装隊と言える『地上本局航空魔導師隊』がある。

 

勿論、今の俺とラーナは飛べないため、武装隊だけに入れるということになる。デュナメスが適性があると言っているが、まだその兆しはない。

 

「ニールさんの射撃能力なら他でもやっていけるんじゃないの?」

 

「ここで訓練していて分かったんだが、俺は戦闘の方が自分の力が一番発揮出来るみたいなんだ。…決めた、俺も武装隊にしよう。」

 

ちょっと決め方としてはどうかと思うが、後にそのまま俺たちの部署は武装隊となるのだった。

 

 

.

 

 

ラーナside

 

ニールと組んで3ヶ月

 

最初こそ私は男ということで、あまり彼を信用してなかった。訓練校で会ったあの男も嫌い、そして男なんて皆あの男のように私を嫌らしい目でしか見てないとも思っていた。

 

でも、最初に訓練していて……ニールは私が今まで出会ってきた身勝手な男たちとは違うことが解った。

 

それもそのはず、彼は普通とは言えない…辛い人生を歩んできたのだから。

 

勿論、どんなに辛くても…紛争根絶という矛盾した理想を掲げても…そんな彼が人をたくさん殺してきたこと自体は許されることではない。

 

だけど、私はそれでも彼を許す。

 

彼の悲しそうな目を見て、彼が本来は戦うのが嫌だったんだと解った。人の命も、幸せも、奪うことが嫌でも引き金を引き続けたんだ。

 

なんて優しい人なんだろう……。

 

……そんな彼を思いながら見ているうちに胸に痛みが走った。

 

ティアナやスバルが喋っている時も、何故かモヤモヤした感情になる。

 

ニールと呼んだり、顔を見たりするのが時々恥ずかしくなる。

 

 

 

もう彼が好きなのが分かっちゃうなあ。

 

ニールは気付いてるのかな?

 

 

 

でも、今は告白はしない。

 

言うのなら、お互いに職場に慣れてからが良いなあ…。

 

だけど、いざ言おうと思うと何だか言いづらくて…。

 

 

 

 

 

私ってこんなに臆病だったかな?

 

 

 

 

 

そうだ、武装隊に慣れてきたら言おう。

 

私の気持ちを伝えよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あなたにだけ素直になりたいから―――――――――――

 

 

 

 

.

 

 

 

なのはside

 

彼が訓練校に入ってからは、連絡を取り合っている。

 

勿論、私のことを周りの人に言うと騒ぎになる上にニールさんに迷惑が掛かっちゃうから口止めはしてある。

 

で、1ヶ月前に連絡取ってみたけど元気だった。

 

ただ、その時にパートナーのラーナさんに見つかっちゃった。

 

もうニールさんったら……。

 

でも、訓練校に入ってから随分よくなったみたいだって言ってたなあ。

 

 

 

 

よし、武装隊で教導することになったら、一度ニールさんとラーナさんの二人と模擬戦やってみよう!

 

何だかニールさんの卒業が楽しみになってきたなあ…。

 

 

 

 

.

 

 

ティアナside

 

 

スバルとの最初の出会いはとんでもない目に遭った。

 

スバルが勢い余って走り出しちゃうわ、高いところまで投げ飛ばされるわ、それで教官に怒られるわ…もう散々だったわ…。

 

でも、早いうちに馬鹿力を矯正出来たお蔭でその後は特に問題なく訓練が進んだわ。それと、スバルのことお嬢だって言ったけどそれは間違いだった。

 

 

 

スバルとギンガさんも……

 

 

 

っていけないいけない!

 

この問題を今考えても仕方ないわ。

 

そんなスバルだけど、部署希望のアンケートに「私とのコンビを続ける」なんて書いていた。

 

これからも気苦労が耐えると思うと憂鬱に……。

 

え、やっぱりティアナはツンデレですって!?

 

 

 

 

誰がツンデレよ!

 

 

 

 

 

もう、なんで私の時はこうなの!?

 

……作者の悪意が見えるわ。

 

(それ僕のセリフ!? by アレルヤ)

 

 

 

スバルの話はもういいわ…。

 

その訓練校でもう二人、気になるコンビに出会った。

 

それはニールさんとラーナさん。

 

ラーナさんはちょっと私と似ていたからか、すぐに仲良くなれたわね。話を聞くと、ある意味で私より辛い目に遭っていて涙が出そうになったのを覚えてる。

 

でもまさか、スバルやニールと一緒にからかってくるとは思わなかったけど。

 

それにしても、段々ニールさんへの態度が豹変と言えるぐらいに柔らかくなっていった。

 

もしかして…ニールさんに恋をしたのかな?ニールさんを見る度に顔赤くしてるし。一瞬可愛いと思ってしまったわ…。

 

恋する乙女ってあんな感じなのかしら?

 

 

 

ニールさんはもう最初の印象は最悪だった。

 

自信ありげに射撃だったら誰にも負けないと言っていたのが勘に障ったわね。

 

だってそんなこと言われたらお兄ちゃんのことが認めてもらえないみたいで…。

 

でも、今思えばあれはただのブラフじゃなかったのが分かる。最初大したことないと思っていたのに、それはデュナメスの特殊な能力のせいでコントロールが難しくなっているだけで、実際はすごく射撃が上手かった。

 

それだけじゃない。

 

ラーナさんとのコンビネーションの練習の時も支援も上手かったし、何よりラーナさんに変な男が絡んだ時に見せたあの気迫は鬼気迫るものがあった。

 

本気で勝負したら勝てる気がしなかったわ。

 

あの人は一体何者なの?

 

気になるわ……。

 

「ティア〜、どうしたのボ〜ッとして。って、うわあ!!」

 

スバルが転けて私の胸にいいいいいいい!?

 

「きゃああああ、胸を揉むなあ!!」

 

私はセクハラをするスバルの頭を叩いた。

 

ベシッという小気味のいい音が鳴る。

 

しかも、周りの男子訓練生の中では鼻血出している奴もいるし大恥かいたじゃない!

 

「あ痛っ!ワザとじゃないよ〜。」

 

「こんの、バカスバルッ!!」

 

もう、またしばらくズッコケコンビのままな気がするわ…。それが当たっちゃうんだから余計腹ただしい…。

 

 

 

 

 

 

 

そこ、ツンデレ言うな!!

 

 

 

ダンッ!!(アンカーガンの銃声)

 

 

.

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