I S×GARO   作:navaho

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かなり久しぶりの更新でございます(汗)リハビリもかねて本編に行くまでの間を描きます。

ISについてのオリジナルの設定が入りますが、束のバックについての個人的な解釈です。

今回のお話はあの二人が中心です。





IS×GARO 幕間 「IS学園 生徒会」

 

 

 ラウラ・ボーデヴィッヒ シャルロットデュノア 篠ノ之  箒 更識 簪のタッグバトルが発表される前までに舞台は遡る。

 

IS学園では一年の内に様々イベントが行われており、その規模は各国の著名人、政府関係者を招く程である。

 

学園とは謳っているもののIS学園はその実 強化マルチフォーム”インフィニット ストラトス”を扱う者を養成するための施設であり、その設立には各国の政治的な意図が大きく反映されている。

 

この学園の施設の設計、建設、運営の費用は全て日本政府が出している。それは”IS”を開発したのが科学者である篠ノ之 束であり、彼女の出身が日本であり、”IS”が齎した世の混乱に対する戒めの意図もあるのだ。

 

”白騎士事件”より各国は”IS”のその驚異的な性能に目をつけ、その所有と独占を試みたのだが、各国が動き出す前に発足した”IS委員会”により”IS”のコアは制限がされ、各国にもその所有できるISも限られてしまった。

 

また軍事利用を禁止する”アラスカ条約”を掲げることで”IS”が齎す世の中の混乱を抑える一端を担っている。

 

戦乱という混乱は抑えられているものの使用の資格があるのが女性だけという性質のためか”女尊男卑”の風潮が蔓延してしまったのはある意味仕方がなかったのかもしれない。

 

開発国である日本も独占することは叶わず、各国の代表候補者等を受け入れつつ、全ての費用を出さなければならないという負担を強いられている。

 

束もまたこれ以上のISのコアを作るつもりはないと公言しているにも関わらず、各国は”IS”をよりよく強くするために研究を続けているがやはり、兵器は強力なものをより多く所有したものが勝者となることは歴史が証明しているためか

 

コアの独自の開発、さらには禁じられている軍用 ISの開発もまた水面下で行われている。

 

そんな中、開発者である 篠ノ之 束の来訪。さらには世界初の男性のIS適格者である 織斑一夏の存在が今回の学園を例年以上に騒がしていた。

 

当然のことながらIS学園側は今まで以上に忙しい日々が続いており、教師側だけではなく生徒側の”生徒会”もまたその対応に追われていた。

 

「もぉ~~~~っ、どうしてこんなにやらなくちゃいけないことが多いの今年は~~~~~!!!」

 

目の前にある書類の山に対して嘆いているのは IS学園 生徒会長の更識 楯無。昨年より生徒会で手腕を振るっていた彼女であるが今年に限って業務が多く、ここ数回何度も脱走を考えるほどであった。

 

特に織斑一夏の入学に関する対策や、彼?が関わっている闇の仕事などにおける連携だけでも荷が重かったのだが、今回は篠ノ之 束の来園である。

 

彼女に接触を図ろうと問い合わせも多くなっており、また良からぬことを考えている情報も入っているため非常に気が抜けない状況なのだ。

 

普段ならば自身の力で何とかすると豪語する楯無であるが、今回ばかりは生徒会だけではどうにもならないと思い、実家に依頼し人手を回してもらっているのだ。

 

良からぬことを考えているところには”実家”に依頼しているが、各国政府要人、著名人の対応に関しては非常に頭を悩ませていた。

 

更識の家は、古くは戦国時代より伝わる”暗部の一族”であり影よりこの国を守護していたのだが、海外となるとその伝手が乏しいのである。一応は海外にも活動を広げているのだがあくまで諜報活動に限られているため海外の有力者や地位のある名家に関しては、日本に限れば様々な場所にパイプを持っているのだが、欧州に関してはそこまでの物はないのだ。だが、今回より生徒会に招かれた彼女がそれを解決してくれたのだ。

 

「仕方ありませんわ。今回のタッグマッチもそうですが、今まで以上にIS学園が注目されています、更識 生徒会長」

 

デスクに山積みの書類を作っている楯無とは対照的に慣れた動作で書類をチェックし瞬く間に片づけているのは 一年一組代表の セシリア オルコットであった。

 

「そうよね~~。今回はセシリアちゃんが居てくれて本当に助かったわ」

 

「いえいえワタクシも何もしないよりは有意義な仕事をさせていただけまして感謝しておりますわ」

 

穏やかに微笑むセシリアの笑みに楯無は

 

(う~~~ん。やっぱりセシリアちゃんってほんと美人さんよね。こういうのが貴族っていうか高貴っていうのかしら)

 

内心セシリアの笑みに見惚れながらも今回、彼女を生徒会に招いて良かったとも思っていた。

 

生徒会はここ最近の業務が多くなってしまった為、人手が不足していたため、欧州では名門貴族に名を連ねるオルコット家の次期当主であるセシリアの話を聞きつけ、楯無自らが生徒会にスカウトしたのだった。

 

(セシリアちゃんはここ最近の学園の生徒の中では一番の期待だからね)

 

生徒会長 更識楯無の業務は多岐に渡っており、学園の運営、または警護も含まれているが学園の生徒の様子やまたは問題などが起こればそれらの概要をレポートにまとめて関連する国家、委員会へ報告しなければならないのだ。

 

その報告にあたってセシリア・オルコットは最初こそは今どきの”女尊男卑”に染まっていた部分はあったが、今では見違えるように一年一組代表として振舞っており国家代表候補生としての振舞も楯無から見ても十分なものだった。

 

「楯無会長。今日の業務はこの書類の確認が終わりましたら切り上げてもよろしいでしょうか?」

 

「あれ?今日、何か用事でもあったのかしら?」

 

「用事と言えば、用事ですが。少ししたらアリーナでISの訓練を見る約束をしておりまして。この書類が終われば切りが良いので」

 

「あぁ~~。そういうことね。セシリアちゃんも本当に熱心ね。ちょっと働きすぎじゃない?」

 

「これでも一組代表ですから、今回のタッグマッチに出られない分、皆さんのサポートに全力で回らせていただきますわ」

 

「あはははは、皆もセシリアちゃんにこんなに思われて幸せね。次の生徒会長はセシリアちゃんに指名しようかな」

 

セシリアの様子に対して、楯無は満足そうに今後のIS学園の将来は安泰とでも言わんばかり笑った。

 

「ご指名されるのでしたら、ワタクシは早く怪我を治して貴女との勝負に勝たなければなりませんわ」

 

「言ってくれるじゃないの♪そう簡単には勝たせないわよ。でもセシリアちゃんを絶対に指名するとこは変わらないから」

 

生徒会室は穏やかな雰囲気に包まれながらも二人の談笑は時折途切れながらも何度も何度も繰り返されるのだった。

 

「その時は謹んでお受けいたしますが、ワタクシの実力はまだまだ楯無会長には及びませんわ。故に怪我が治り次第今まで以上に精進しなければなりませんわ」

 

「そうよね。今回セシリアちゃんに傷を負わせたあのドイツの黒兎ちゃんだけど…あの子……あのままだと学園を追放されるかもしれないわ」

 

ドイツの黒兎ちゃんこと ラウラ・ボーデヴィッヒ。ドイツの国家代表候補性であり、自分たちと同じ年齢でありながら軍に所属している。楯無も一応はそれに近い一族の生まれではあるが、軍属の人間がIS学園に生徒として編入されるのは初めてのことだった。

 

彼女がここ最近起こした問題は、織斑一夏に敵意を剥き出しにして突っかかったことから端を発し、さらにはイギリスの代表候補性であるセシリアに重症を負わせてタッグマッチに出場ができなくなってしまったこと等、大きな問題から小さな問題まで苦情が生徒から上がっているのだ。

大きな問題としては、セシリアに重傷を負わせたことに対する抗議がイギリスからドイツに上がったことであった。この件に関して、ドイツ側は非が完全にラウラにあったことを認めており、厳重に注意と処分をいずれ通達すると発表した。セシリアに関してはむしろ代表候補性としての姿勢が評価され、今後もその姿勢を心掛け、IS学園での活躍を期待されていた。

 

「ボーデヴィッヒさんの件は確かに一筋縄では行きませんわ。あの人はどうも織斑先生に執着されていて、自分はその教えを受けた存在だといわんばかりです」

 

ラウラの学園での振舞に対してセシリアも思わず溜息を付いてしまう。今でこそは織斑千冬の言葉もあり、タッグトーナメントまでは絶対に揉め事は起こさないようにしているが、時折の言動が他の生徒達から反感を抱かれている。同じ一組としては改めてほしいが、彼女の場合織斑千冬の教えを正しく理解していないがための振舞なので彼女自身が改めないとどうにもならないのが現状である。

 

「その辺は私も頭が痛いけど。逆に言えば今の自分の振舞が織斑先生の汚点として評価されかねない事に気が付いていないのかしら?もし、そうだとしたら後々になって取り返しのつかないことになったら私も気分が悪いわ」

 

ラウラについては楯無もそれとなく注意を促しているが、聞く耳を持ってくれない。織斑一夏を倒して学園最強の座に自分が就くとも豪語している。だからといって楯無はラウラに一対一で戦っても負けるつもりは一切なかった。ロシアの国家代表であるが、IS学園では学生の身でもあるためISの訓練には余念がなく特に織斑一夏との対決の後はこれまで以上に訓練を行っているため、軍属とはいえ候補生に勝ちを譲ってやるほど楯無は甘くはなかった。

 

「その辺りは一夏さんがボーデヴィッヒさんの陰我を断ち切って頂ければ良いんですが、一夏さんも一夏さんで恐ろしいホラーの件で掛かりきりのようなので……できればワタクシ達でボーデヴィッヒさんの件を解決できればと思うのですが……」

 

「一夏くんも一夏くんで多忙だしね。それでこそセシリアちゃんと同じぐらい忙しいから私としては、学園の問題ぐらいはこっちで何とかしたいわね」

 

願望ではなく実際に行動を起こさなければならない。その為にはかつての自分たちのように対決をし、お互いの心情を吐き出してスッキリするのが一番ではあるが中々、タッグトーナメントでの第一試合はかなりの波乱の内容であることは楯無も既に把握済みである。

 

「まさかの第一試合が簪ちゃんと黒兎ちゃんのところなのよね~~」

 

よりによって自分の妹と当たってしまったことに楯無も愚痴を言わずにはいられなかった。

 

「試合の組み合わせに関しましては厳正に行っていますのでワタクシ達がどうこう言えるものではありませんわ。例え、”ブリュンヒルデ”たる織斑先生であっても……」

 

場合によっては千冬が裏から手を回してラウラと一夏に対決が実現していたかもとも考えていたが、最近になってセシリアも驚いたことだが”ブリュンヒルデ”の栄光をもつ

 

織斑千冬でさえもIS学園では影響こそは大きいものの学園の運営や決定権に関してはそこまで大きな権限はないとのことだった。

 

ISは最強の兵器というのが世間の認識ではあるが、その運用の関してはその特性を生かした競技という形で落ち着いており、基本的に軍事等の運用に関しては使用が禁じられているのだ。

 

緊急事態の場合は、国家の承認が必要とされており個人的な判断での運用は結果がどうであれ、後々重い処罰が下される。

 

IS学園では非常時の荒事に関して、活動する部署が設けられており万が一の件に関してはこの部署が動くようになっている。

 

その主任が 志摩 リノ かつての織斑千冬が国家代表だったころの護衛とそのフォローに回っていた人物である。さらには片瀬 律子なる人物もおり、普段は保険医として学園に勤務しているが

 

非常時には事態の収拾に動く。髪は金髪に染めており自他共に認めるヘビースモーカーである。

 

「実際のところ学園の運営に関してはIS委員会が行っているわけだし、そこが今回の組み合わせも決めてるのよね」

 

必要なものはこの国から出させるだけ出させて運営する”IS委員会”について内心愚痴る楯無ではあるが、”IS委員会”もそうだが、志摩 リノのように荒事に長けた教師に対しても

 

若干の苦手意識を持っていたりと彼女はいろいろと忙しかった。

 

「今回の黒兎ちゃんの件も頭が痛いけどまさかのIS委員会のメンバーも出席するなんて……今まで委員会が学園に来たことなんて数えるぐらいしかなかったわ」

 

国際IS委員会 国家のIS保有数またはその監視をアラスカ条約に基づいて行っており、IS関連企業などもその対象であり、IS学園の運営なども手掛けている。

 

「ここ最近、ISについて勉強をしている際に気になったのですが委員会のメンバーのほとんどが日本人なのは何故なんでしょうか?やはり開発者、開発国が日本だからなのですか?」

 

「その件に関してだけど、あまり知られていないというかみんなこの辺りはそのまま素通りしちゃってるからかしらね~~~」

 

楯無は苦虫を潰したような表情でセシリアに答えた。彼女としてはあまり思い出したくない内容のようである。

 

「篠ノ之博士を援助というか協力していた企業の幹部がIS委員会のメンバーとして出向しているのよ。博士と一緒にISを生み出した”組織”といっても良いわ」

 

「その企業はどうして今はIS業界では名前を聞かないのですか?博士と協力していたのならば……」

 

「IS関連から完全に撤退しちゃってるのよ。理由は研究は博士の成果であるため、自分たちはその権利を博士に譲渡するってIS委員会、アラスカ条約が締結してすぐに宣言しちゃったのよね」

 

楯無自身もこの企業に何か秘密があるのではと考えて潜入したことがあったのだが……

 

(あの頃の私は、今以上に子供で調子に乗ってっていい様にからかわれたのよね)

 

自身がおちょくられることに関しては戸惑いと苦手意識のある楯無にとってはあの企業には何が何でもリベンジをしなくては気が済まなかった。

 

「博士と関連のある企業……その企業名は?」

 

「セシリアちゃんも聞いたことがある会社よ……この机だってそこの製品だから……」

 

「このデスクは……帝洋グループの…っ!?!あの帝洋グループがISを開発していたんですかっ!?!」

 

帝洋グループ アジア、欧州、中東、アフリカ 北米 南米に跨る世界的な大企業であり、この国ではその名を知らない者はほぼ存在せず、世界もまたその存在に一目置いている。

事業は細かい家庭用品からさらには造船、鉄鋼、運輸、報道、情報技術等の多岐に渡る分野で活躍する巨大な多国籍企業である。その設立は太平洋戦争終戦後からでありその起業者は女性であったとされており、女性中心の経営ではあるがここ最近の女尊男卑については厳しい姿勢をとり、その影響で職を失った男性などの雇用を積極的に行っていることで話題に上がっている。

 

思いがけない企業の名にセシリアは驚くがIS委員会が日本人のメンバーでほとんど構成されていることに他国が抗議しないのはある意味納得である。あの帝洋グループならば国家を相手取っても渡り合えるだろう……

 

「その辺りは今は置いておきましょう。セシリアちゃん、そろそろ時間だけど大丈夫?結構長話になっっちゃったけど?」

 

「失礼いたしました。それでは続きは明日行いますので、後のことはよろしくお願いしますわ」

 

気が付けば約束の時間が近づいていたのでセシリアは手早く書類を片付けて生徒会を後にするのだった。

 

楯無は自分以外に誰もいなくなった生徒会室で少し考えに耽るように窓の外を見た。

 

「黒兎ちゃんの件もそうだけど私としては、簪ちゃんには勝ってほしいしね…でも……私からいうのもね……」

 

ラウラとの試合に関しては、姉としては手を貸してあげたいが彼女のことを考えると歩みが止まってしまう。

 

「一夏くんと織斑先生も色々あるけど、こっちもこっちで色々あるから難しいのよね~~」

 

妹は現在篠ノ之箒とペアを組んで特訓をしていることは既に把握しているが、相手を傷つけることを厭わない人物との対戦に姉としては不安が募る。だが、自分の妹である更識簪がラウラ・ボーデヴィッヒに負けるとは思えなかった。

 

「確かに黒兎ちゃんは織斑先生の教えを直に受けているから強いかもしれないけど、だからといって織斑先生そのものになれるわけじゃないのよ」

 

織斑千冬ならば相手が多人数であっても独力で切り抜けられるかもしれないが、ラウラ・ボーデヴィッヒはどうだろうか?協調すべきところで強調せずに一人先走った結果は言うまでもないだろう……

 

 

 

 

セシリアは、アリーナで約束の人物に会っていた。

 

「箒さん。少し遅れてしまいまして申し訳ありません。楯無会長と少し話が長くなってしまいまして…」

 

「いや構わない。私は願いしている身だ。セリアには飛び方を教えてもらいたくてな」

 

約束の人物とは篠ノ之 束の妹である 篠ノ之箒であった。

 

 

 

 

 

次回予告

 

はぁ~い♪IS学園生徒会長こと更識楯無よ♪

 

普段は一夏くんの相棒が予告をやってるんだけど、今回は私が行うわね♪

 

次回 IS×GARO 幕間「姉妹」

 

次は簪ちゃんが主役よ!!主役!!!ちゃんと博士の妹の箒ちゃんも出るわ!!!

 

ていうか、次回私が出ないんだけど……セシリアちゃんは出てるのに……

 

 

 

 

 

 

 

 




久方ぶりの投稿です。前回が2016年でしたのでかなり遅くなってしまったんだなと思いました。

個人的な意見ではありますが時間はかかっても一区切りつけることを目標に執筆をしていきたいと思います。タッグトーナメントは可能ならば今年中には決着をつけたいと思います。

ISの最新刊をチェックをしていますが、その設定をこちらに反映すべきか悩んでいます。

活動報告でその辺りの報告を行いたいと思います。


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