艦隊これくしょん~天使と竜と艦娘と~   作:sinku0004

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12/30 諜報部隊に伊8を追加。 士官用デバイスの名称を追加


01

____アルゼナル 影浦雄二私室____  現在時刻、2245

 

「そうか・・・・では皇帝と皇妃、あと可能であればモモカとかいうメイドの保護を。丁重にな。皇女さんには一度こちらに来てもらう。ノーマと呼ばれる人達がどんな扱いを受けているか、一度知ってもらったほうがいいだろう」

 

『了解よ。じゃあ、明日の洗礼の義の時に拉致るわ』

 

「拉致じゃない。保護だ」

 

『どちらでも同じじゃない』

 

「そうかもしれないが・・・まぁいい。非常事態を想定して、救出部隊を編成し待機させておく。何かあればすぐに本部に連絡してくれ。無事保護できたら、いつも通り水上で護送部隊に引渡しくれ」

 

『了解。それじゃあ、任務に戻るわ』

 

そう言って彼は通信を切った。通信と言っても、無線や電話そういった機器を使っているわけではない。ここ、アルゼナルにはそういったものは持ち込めない。

 

通信は彼の体内にあるデバイスを通して行われたのだ。司令官補助デバイス。このデバイスは艦娘を指揮する士官が任意で使用している。詳細は不明だが、簡単な手術により体内にAIを搭載した機械を体に埋め込んで使用する。効果は先程の通信と指揮のサポート。艦娘が具現化した艦艇に乗艦することにより真価を発揮する。

 

通信相手は、彼の部隊の諜報部隊長である潜水艦娘「伊168(イムヤ)」である。部隊と言っても構成員は5名しかいない。隊長である伊168、副隊長の伊58(ゴーヤ)、伊19(イク)、伊8(ハチ)の4人の伊号潜水艦娘。そして潜水母艦である大鯨だ。

 

先程の伊168からの通信内容は以下の通りだ。 

 

明日1000より、ミスルギ皇国第一皇女、アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギの洗礼の儀が執り行われる。彼女はノーマであり、皇帝と皇妃は今までそれを隠し彼女を育ててきた。彼女自身はノーマだということを知らない。今まで周りの世話は全てメイドであるモモカがやっていた。

 

しかしミスルギ皇国の皇太子でありアンジュリーゼの兄であるジュリオ・飛鳥・ミスルギが、アンジュリーゼがノーマだという事実をつかみ、洗礼の儀の際に全国民に対してそれを暴露しようと考えているとのことだった。

 

現在の彼女らの主な任務は情報収集。そしてノーマとその家族の保護だ。通常ならば、保護活動は事後報告のみで事前に報告・相談などしない。しかし、今回は人物が人物だ。簡単に保護しても良いのかと思い、伊168は司令官である雄二に連絡した。

 

「国のトップがノーマ。しかも皇帝がそれを隠していた、か・・・・どう思う クロノス?」

 

《はい。皇帝も親だったということでしょう。ノーマであれ自分の娘にはかわりない。ただ生きていて欲しかった。そう思ったんだと思います》

 

「そうだな・・・・だがこの世界ではそれは認められない。本当、気持ち悪い世界だ。 さてクロノス、本部に通信を」

 

《了解》

 

デバイス(クロノス)からの音声は直接彼の頭に届けられているので、もし近くに他人がいたら彼が独り言を言っているように思えただろう。本当は彼も通信やクロノスとの意思疎通の際に声を出す必要はないのだが、彼は好んでこの方法を使用していた。

 

『は~い、こちら、本部鎮守府通信棟、当直の青葉です。司令官ですね? どうかされましたか?』

 

「青葉か。お疲れ様。今、赤城と榛名、それから五月雨はどうしている? もう寝てしまったか?」

 

『お疲れ様です。五月雨ちゃんは恐らくそろそろ寝る頃かと。榛名は日向と一緒にボーキ倉庫の警備です。赤城さんは・・・・・』

 

「あ~ もしかして、またやっているのか?」

 

『まぁ・・・・はい。そろそろ始まる頃かと』

 

 

 

 

____本部鎮守府 ボーキサイト倉庫前____

 

「・・・・どうしても退いてくれないのですか?」

 

「それはこちらのセリフです。いくら空母を運用する任務が少ないと言っても、これ以上貴女に荒らされては鎮守府の運営に関わります。それに昼に300個も食べたではないですか」

 

「あれは、おやつです! 今は夜食の時間です!」

 

「夜食に500個なんて認められません!せめて100個にしてください! というかボーキサイトは資源であって食料ではないのです!」

 

「いや、榛名、100個でも十分に多いと思うぞ。まぁ赤城相手で100個ですめば最小限の被害と言えるが」

 

「・・・仕方ありませんね。では、実力で押し通らせて頂きます! 第一次攻撃隊、発艦してください!」

 

「勝手は榛名が許しません!」

 

「まぁそうなるな。瑞雲隊全機発艦! 赤城の艦載機を抑えろ!」

 

ブーン、ババッ、ドンドン、ドーン、

 

 

 

 

 

『始まったみたいですね・・・・』

 

「赤城の練度は高いからな・・・止めるのも大変だろう」

 

『はい。任務や仕事がないときは毎日金剛型の皆さんと航空戦艦の扶桑姉妹、伊勢姉妹とが交代で警備にあたっています』

 

「何度も注意しているんだが・・・・赤城の対策は追々考えよう。赤城、榛名、五月雨に通信を繋げるか?」

 

『ちょっと待ってください・・・・・はい。大丈夫です」

 

「繋いでくれ」

 

『了解です。・・・・・繋がりました』

 

「全艦傾注! 赤城と榛名は直ちに戦闘を中止せよ!」

 

 

 

 

「「!!」」

 

雄二の通信が届いた瞬間、2人は同時に動きを止め、榛名は構えていた主砲を、赤城は弓を降ろした。

 

日向は、二人の行動に最初は疑問を持ったが、榛名の様子を見て通信が入ったのだと理解する。

 

雄二は10秒たっぷりと間をとり、話しだした。

 

『まずは、夜分遅くに、しかも消灯時間直前の通信すまない。五月雨は寝る直前だったろう?』

 

『いえ! 大丈夫です!』

 

「提督? どうかしたのですか? 私は今忙しいのですが」

 

『赤城・・・・忙しいって・・・・まぁいい。現在この通信を繋いでいるのは榛名と赤城と五月雨、そして通信棟にいる青葉のみだ。早速本題に入る。先程、諜報活動中の伊168より報告が入った』

 

雄二は伊168から報告された内容を4人に伝える。

 

『報告内容は以上だ。明日の洗礼の義で伊168達諜報部隊が皇帝、皇妃、メイドのモモカ。計3名を救出、保護する。非常事態に備え、榛名を旗艦に五月雨、赤城の3名で救出部隊を編成。洗礼の義が始まる前にミスルギ皇国近海に展開。要請があり次第、救出に向かえ。なお、武器は攻撃された場合のみ使用を許可する。ただし、実弾に限る。ミサイルの使用は禁止する。極力殺傷は控えてくれ。青葉には護衛隊の旗艦を命じる。僚艦の選定は青葉に一任。ただし駆逐艦、軽巡洋艦に限定する。質問あるか?』

 

「榛名です。僚艦の増員は行ってもよろしいでしょうか?」

 

『旗艦の判断に任せるが高速艦のみに限定する』

 

「了解です」 

 

『他に何かあるか?』

 

「青葉です。皇女のアンジュリーゼさんは救出しないのですか?」

 

『いい質問だ。皇女さんには一度こちらに来てもらう。彼女もこの世界特有のノーマは人間じゃないという洗脳にかかっているからな。まずはそれを解かないといけない』

 

「なるほど。そいうことですか。了解です」

 

『他に何かあるか?』

 

 

 

「赤城です。お昼ご飯を食べる時間はありますか?」

 

『・・・・・』

 

「「「・・・・・・」」」

 

「なんですか! その沈黙は! 重要なことでしょう!?」

 

『あのなぁ・・・・今回は日帰りの任務だぞ?ご飯の心配はいいだろう?』

 

「提督はご飯を馬鹿にするつもりですか!?」

 

『そんなつもりはない。今回の任務は待機時間が多くなる。もしかしたら待機のまま任務が終了するかもしれない。というかそれが一番ベストだ。軽食程度なら待機時間を利用して食べても構わないが、要請があった時はすぐに動けるように。いいか? 【軽食】だぞ?』

 

「わかりました。軽食ですね?」

 

『(非常に心配だ) 他には?』

 

「「「「・・・・・」」」」

 

『よし。各員、しっかりと休息をとり明日に備えてくれ。以上! 通信終わり』

 

そうして通信は終了した。

 

「はぁ・・・・仕方ありませんね。では榛名、ボーキを200だけください」

 

「・・・・100にしてくださいと言いましたよね?」

 

「明日の分もです」

 

「ダメです。絶対に全部食べてしまうでしょう? 明日の分は明日取りに来てください」

 

「むぅ・・・・わかりました。では100でいいです」

 

「了解です。でも、ほどほどにしてくださいね」

 

榛名は日向に事情を説明し、倉庫から100個のボーキサイトを2人で運び赤城に手渡した。赤城を倉庫に入れなかったのは暴走する危険性があったからだ。赤城が暴走すれば2日でボーキがなくなる。それは避けなければならなかった。

 

赤城は2人からボーキをもらうと、寮の方へと歩いて行った。榛名がそれを慌てて止め、明日、朝食の時にブリーフィングを行うことを伝え、自身も日向と共に寮の方へと帰っていった。

 

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