画面には機動戦士ガンダムシリーズの多くのモビルスーツ達が表示され時代や作品はバラバラなそれらはプレイヤーの指示に従いマス目表示された地形を進み敵対的なモビルスーツや艦船等と戦闘を繰り広げていく。
中にはAEU軍のヘリオンをファンネルで攻撃するΞ《クスィー》ガンダムがいたり、通常であれば戦闘能力がMS以下と思われるマゼラ・アタックと言う戦車が00ガンダムと言うシリーズの中でもAEU軍のエースと言われる男の乗る機体を完封していたりと、ある種ゲームの中でしか見れない様な光景が画面上に映しだされている。
そして画面見つめながらそれを操作する一人の男が笑みを浮かべていた。
「ふぅ、A3道場そろそろ終わりでいいかな?これでマゼラをヒルドルブにして、Ξに乗せたリリーナがレベル10になったからエリートが手に入るな」
かれこれ1時間もの間彼は同じステージを繰り返し繰り返し続けてやっており、効率的にゲーム内の機体やキャラクターのレベル上げを行なっていた。
「それにしてももう2時か…、そろそろ眠くなってきたな、今日はこのへんにして続きは明日か」
そうひとりごちるのは男の癖だろうか、今年大学へと進学したため上京し一人親元を離れた彼は、良くあるサボりぐせのある大学生となり、講義をサボっては一人ゲームをしていた。
そして今日も学校をサボり、近所のゲームショップで中古のGジェネレーションシリーズと言われるゲームを購入し、一人深夜までゲームを続けていた。
そんな彼も疲労を感じたのかゲームを切り上げ自分のすぐ後ろにあるベッドへとそのまま移動し布団に入る。
「あーGジェネってかガンダムの夢でも見れないかな、俺がシャアとかアムロになって俺ツエーする夢でも…」
そう呟いた直後には彼は既に夢の世界へと落ちていた。
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半ばボヤケる思考、それに倦怠感を覚え目を覚ます、その直後に激痛が体全体に走り思わず彼は叫んだ。
イッてぇえええ!「オギャー!オギャー!」
口にしようとする言葉と口から出る言葉が違う違和感、そして強烈な痛み、視界は眩しい光で覆われており、上手く目を開けることすら叶わない、と言うよりも目を上手く開けられ無いばかりか、体すべてにうまく力が入らないと言う状況に彼は驚愕した。
何だ?何が起こってる?誰か!誰か助けてくれ!
どんなに叫ぼうとも口から出るのは赤子の産声の様な声、そう彼が叫べば叫ぶほど赤子の声もそれに呼応するかの様に我が身の存在を主張する。
どれほど経っただろう、段々と痛みが薄れ、周りの音がどうにか聞こえて来たことで自分が赤子になったと気づくのに。
そしてその後ぼんやりとして薄らぐ視界の中でどうにか自分を自らの脇へと置き仕切りに話しかけてくる女性が母親なのだと理解した。
それから彼は来る日も来る日も深く思考したが考えた先から思考が粒となり消えていく、深く考えれば考えるほど自らの思考が覚束なくなり、しまいには意識を手放し寝息を立ててしまう。
彼が考えていたことは、どうして自分が行き成り赤子となったのか?そして此処は何処なのか?分からない事が多く、彼がどうにか赤子の頭で理解できた事はこの世界は自分が居た世界とは少し違うと言う事、それと両親や周りの人間が喋る言語が英語に限り無く近いと言うことだった。
大学では英文科に所属していた、彼は自分の知識を土台として周りの言葉を子供特有のその頭の柔らかさを生かし急速に言語を習得していた。
『訛りはあるけどこれはほぼ英語だな…、俺の知らない単語もかなりあるが、会話自体は理
解できるようになった、だけど何時喋り出したら良い物か…アーだとかダーだとか言ってるのもそろそろ限界だぞ?』
生後数ヶ月の子供が行き成り流暢に喋り始めたら、空恐ろしい物があるだろう、彼もソレを理解し、極力赤子として過ごすようにしていた。
病弱だった彼は生後暫く保育器に入れられ、その後は自宅と思われる場所の一室で育った。
母親は毎日会いに来てくれるが、その他はベビーシッターと思われるお手伝いさんが毎日彼の世話をしていた、その事から彼は自分がある程度は裕福な家に生まれたと言う事を理解し。赤子ながらに打算的な事を考え始めるようになるのは彼が前世は資本主義的な国家に生まれた故だろうか?
そして母親に連れられ、初めて自宅の外に出た時彼は自分がどんな世界に産み落とされたのか理解することができた。
街角や自宅の玄関前に掲揚された国旗を見て彼は驚愕し、思わず目を見開き硬直してしまったのも無理は無いだろう、そんな彼を見て母親は。
「お外に出るのは初めてだもんねジュンは」
と彼の頬を突きながら朗らかに笑っていたが、彼ことジュン・アーレンベルグは外に出ただけではここまで驚愕しなかっただろう。
前世とはかけ離れた文化、生活様式は覚悟していた、周りに見える前世よりも進んだ技術レベル、そして時折耳に入る宇宙やコロニーと言った単語から宇宙へ進出した時代に生まれ変わったとばかり思っていたジュンは、その考えを一気に覆される。
ジュンの目に入ってきた国旗は赤、白、黒を基調とした自分のよく知る国家の国旗だった。
ジオン…公国
ジュンは思考の中で一気に考えを纏めようとするが上手く纏まらない、今は生まれ落ちた時よりも格段に思考力が向上し、考えも以前よりは纏めれられるになっていたが、余りの事態に思考が追いつかないのだ。
目に入る国旗はどう見てもジオン国旗、もしソレが自宅にだけあるのならば、家内の誰かがジオニスト何だろうなぁ~程度にしか考えなかっただろうが、今は自宅の玄関の軒先に大きな国旗が、そして自宅の門にもその国旗が翻っているのだ、もしオタクが家内に居たとしてもやり過ぎである、と言う事はこれはこの世界では普通?本当にここはジオン公国でガンダムの世界なのか?と思案する。
息子がそんな考えを巡らせているとも知らず、母親は
「今日はお父様の仕事場に一度寄りますよ、その後に会食ですからジュンちゃんはいい子にしてるんですよ?ジュンちゃんと同い年のお友達も居るから楽しみね?」
と語りかけてくるが最早そんな言葉は耳に入っていない。ジュンが考えて居たのは、此処がガンダムの世界だとして一体宇宙暦何年なんだ!?と言う事のみだった。
――――――――――
どれ位の間考えていただろうか?国の事、今の年号の事、そしてもし自分が考えている世界であれば今後起きるであろう戦争の事…。
それらを考えているといつの間にか車に乗せられ見たことのない建物の前にたどり着いた、どうやら此処が父親の職場であるらしい、どうも父親は軍人でそれなりの階級にと言う事以外は分からなかったが、それから考えるに此処はジオン軍の施設なのだろう。
そしてジュンを乗せた車はそのまま施設内に入り、入り口に横付けするように車を止めた。
そしてその時入口に書いてあった文字で現状の一端を理解することが来た。
【ジオン公国軍 首都防衛大隊】
と書かれていたのだ、基地名等は不明だったが、所属部隊が分かった、確か首都防衛大隊と言うと1年戦争末期に色々と事件を起こした部隊だ。
『確か当時の大隊長は…、確かアンリ・シュレッサー准将だったか?だとしたら父親の階級は?』
そんな事を考えていると少佐の階級章を付けた男性、ジュンの父が車に乗り込んでくる、その時ジュンはふと疑問に思った、なぜ自分は父の襟に付く襟章を見てすぐに少佐だと思ったのだろうと、勘違いか?と、その時はそれ以上深く考えず車が進むに連れ見えてくる町並みに再度驚き今回は驚愕では無く、まるで心までも子供になったかのように目を輝かせ町並みを食い入るように見つめ、先程の疑問は胸の中で霧散していった。
彼が車内から見た光景はジオン公国、首都ズムシティでも一際独創的な建物、公王庁の一種異様とも言える姿を景色の奥に捉えた彼は今から向かう場所や先程の疑問も忘れ、一人その景色を見つめ続けていた。
文字数少ないですかね?1話の文字数はどの程度が良いのでしょうか?2話目以降は5000文字以上を目安に書いて行こうと思います。